まずは馬場状態ですが土曜日は良馬場でした、7R古馬1勝クラスのマイル戦で1:33.1。10Rの下鴨Sが3勝クラスの2000mで2:00.0、勝ち馬の上り3Fが33.2なので、高速馬場に入っていますね。外からの差しも決まっていますから、内外で大きな差はないと思います。明日は雨マークが出ていますが夕方からの予報なので、土曜日と変わらず高速馬場と見ています。
◎フィエールマン
○シルヴァンシャー
▲スティッフェリオ
△ミッキースワロー
★モズベッロ
☆ユーキャンスマイル
Xトーセンカンビーナ
xキセキ
xダンビュライト
馬連 ⑭=①④⑤⑥⑦⑧⑫ 7点
三連単 ⑭ー⑫ー①③⑤⑥⑦ 5点
逃げるのはダンビュライト、スティッフェリオが2番手、中段の前からモズベッロ、ミッキースワローの外にミライヘノツバサ。中段やや前からエタリオウ、フィエールマン、中段からメロディーレーン、シルヴァンシャー、中段の後ろからユーキャンスマイル、ハッピーグリン。後方からキセキ、メイショウテンゲン、トーセンカンビーナという並びを想定。
図は1周目のスタンド前です、キセキが出遅れる可能性が非常に高いと考えています、割合で言うと9対1ぐらいでキセキは出遅れるのではないかと思います。お父さんルーラーシップも出遅れ癖が治りませんでしたし、短期間でゲートが改善するとは思えません。前走程酷くはないと思いますが、前走掛かって凡走しているので、豊騎手も出遅れてしまった場合無理にリカバリーせず、後方で脚を溜めるのではないでしょうか。
キセキが逃げなかった場合は押し出されるようにダンビュライトが逃げる可能性が高いと思います、同じ音無厩舎のスティッフェリオを引っ張るような形になりそう。モズベッロもスタートは不安定ですが、周りの馬もそれほどスタートが速くないので、すんなりと3番手あたりは取れると思います。 内枠を活かすミッキースワローが中段あたり、その後ろにエタリオーが無理にポジションを取らずに自然な流れで中段を確保しそう、 外からフィエールマンが内へ切り込み前に一頭馬を置いて中段から、フィエールマンをマークする形になりそうなのがシルヴァンシャーのミルコ。
ユーキャンスマイルやメイショウテンゲン、トーセンカンビーナは後方からになると思います。 トーセンカンビーナはスタートが非常に悪く左右に寄れることもあるので、内のエタリオウと外のダンビュライトに影響が出るかもしれません。 ダンビュライトが煽りを食うと逃げるのはスティッフェリオになる可能性もあります。
一周目の向こう正面です、ダンビュライトがペースを落とすようであれば、シルヴァンシャーが早目に捲ってしまい先頭に立つのではないかと思っています。当然シルヴァンシャーの捲りに乗って行くのはフィエールマンで、ミライヘノツバサやハッピーグリーンは付いて行けないと思います。向う正面の直線部分で松若騎手がペースを落とせば、ミルコはそれを見逃さないでしょう。2018年の大阪杯をスワーヴリチャードで勝った時のような、早目に捲り切ってしまい4コーナーは最内を回すレースが理想だと思います。この捲りが成功するかどうかは、まず松若騎手が向う正面の直線部分でペースを落とすかどうか、そしてもう一つのポイントはダンビュライトの体調です。ダンビュライトは今回去勢手術明けです、体調が万全でないのならば向う正面辺りでスピードが鈍り、シルヴァンシャーの捲りに対応できずにズルズル後退してしまう可能性があります。この二つが同時に起こりなおかつミルコが仕掛けることができれば、シルヴァンシャーの捲りは決まるのではないでしょうか。
シルヴァンシャーが早目に動けば当然ここからペースは上がるはずですが、捲り切ってしまえばミルコもペースを落とし後続を引き付ける形になると思います。シルヴァンシャーの捲りにミライヘノツバサやハッピーグリーンが追走できなければ、その後ろにいるメイショウテンゲンやユーキャンスマイル、キセキ、トーセンカンビーナもやや待たされる可能性があります。下がってくるダンビュライトをスティッフェリオが交わして、シルヴァンシャーを追走することができれば、フィエールマンはやや外目を回されることになります。スティッフェリオを追走するのはモズベッロとミッキースワローでしょう。
京都外回りの4コーナーから直線入り口にかけてはかなりコーナーがきつくなっています、外から勢いをつけてくる馬はどうしても遠心力で大きく外に振られ、かなりの距離をロスすることになります。これを嫌って減速しながら直線入り口に差し掛かると瞬発力のない馬は届かなくなります。スピードを落とさずに器用にコーナーを回ってスムースに加速すること、これが京都外回りに求められる能力の一つです。先頭にいると想定しているシルヴァンシャーやスティッフェリオ、内から2,3頭目を回せそうなフィエールマンは、勢いをつけたまま直線入り口に入り外に膨れながら加速していきます。内から2,3頭目ならば、遠心力でやや外に膨らんだとしても大きな距離ロスにはなりません。
外からトーセンカンビーナ、メイショウテンゲンがスムースに追い込み体制に入り、キセキ、ユーキャンスマイルあたりは内を狙ってくると考えています。馬群の中ではミライヘノツバサやメロディーレーンあたりの加速が鈍いと思うので、これを上手く捌けるかどうかがポイントです。
直線L1標識付近です、L2最速戦になればここでフィエールマンが抜け出し、シルヴァンシャーとスティッフェリオがどこまで粘れるか、ミッキースワローとモズベッロが内目からコースが空くかどうか。外からの追い込み勢はトーセンカンビーナとメイショウテンゲンですが、メイショウテンゲンはトップスピードの質が低いので、パンパンの良馬場になってしまうと下がってきた馬を交わして着を拾うのが精一杯、トーセンカンビーナは外からスムースならば3着ぐらいに届く可能性はあると考えています。
馬群の中を狙うキセキというキャンスマイルはコースが空くかどうかが課題です、 3200mの長距離戦なので最後の直線では、特にL1ではバテて下がってしまう馬も多く居るはずです。ですのでスペースは空くと思いますがL1では時すでに遅く、前に届かない可能性高いと思います。
では1頭ずつ見ていきます。
◎フィエールマン ・心肺機能は高く、パワーはまぁまぁ、瞬発力は高い。・トップスピードの質は高く、持続力はまぁまぁ。・休み明けでも走る、疲労はディープ産駒通りと予想。好材料:レース適性。 悪材料:特になし。美浦w37.4-12.1、やや強め併入、バランス良い。昨年<美浦w12.8、持ったまま併入、バランス良い。>
昨年の勝ち馬で調教も昨年と比べてラスト1Fのタイムは良いくらいでした、有馬記念以来のレースになりますが休み明けを苦にするタイプではないので、全く問題はないと思います。昨年もAJCC以来の休み明けで3カ月の間隔が空いていましたが、 しっかりと勝ち切っているように、ノーザンファーム生産馬らしく休み明けを苦にするどころか、むしろ休み明けでフレッシュな方がパフォーマンスを高めてくる感じです。休み明けだった札幌記念がピリッとしない内容でしたが、この時はかなり重い馬場で終始12.0くらいのラップを踏んでいたので、 昨年や菊花賞の内容からも高速馬場の方が相性が良いのだと思います。
昨年のこのレースを振り返ると向こう正面で3頭分くらいポジションを上げて、3コーナーでは前を射程圏に入れていました。ルメール騎手らしい素晴らしい騎乗で、今年もルメール騎手が乗ってくれることは大きなプラス材料です。大外枠に入ってしまいましたが、昨年も馬群の外を追走していましたし、長距離戦なので馬群が凝縮して内から4頭も5頭も外を回されることはないと思います。昨年も馬群の外でしたが内から2,3頭のところだったので、今年も同じような展開になると思います。
○シルヴァンシャー ・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険、初距離。栗東坂路37.7-12.3、強め2馬身遅れ、バランスは良い。京都大賞典時は<栗東w37.7-11.9、やや強め半馬身先着、バランス良い。>
7ヶ月ぶりのレースになりますが前走の京都大賞典も6ヶ月ぶりのレースで3着に好走しています、 この時は標準的な良馬場で12秒台の前半を淡々と刻みながら、L4から11秒台に入る4F戦を、4コーナー外を回して3着まで迫りました、L1が12.1なので自身のL1は11秒台に入っているはず、馬場を考えると11秒台を4連発してきた持続力の高さは京都外回りでこそ生きる気がします。調教ではパートナーに見劣りましたが、タイムを見ると京都大賞典の時と大差ないので、調教パートナーが動き過ぎただけでこの馬が見劣る、もしくは仕上がっていないと不安に思う必要はないと思います。後は向こう正面で展開がはまるかどうか、ここはミルコの運と度胸次第でしょう。
▲スティッフェリオ ・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。・トップスピードの質は低く、持続力はまぁまぁ。好材料:・・・。 悪材料:距離不安、クラス負けの危険。栗東坂路38.7-13.1、やや強め半馬身遅れ、バランス良い。AJCC時<栗東坂路38.3-12.9、強め併入、バランスは良い。>日経賞時<栗東坂路38.6-12.5、強め2馬身遅れ、やや右傾。>
AJCCを凡走したので日経賞に出走しましたが、正直言って日経賞への出走は余計だったと考えています。この馬は社台ファームの生産馬ですが休み明けの方が調子が良く、オールカマーを逃げ切った時も休み明けでした。道悪適性の高いステイゴールド産駒のイメージがありますが、この馬は高速馬場で淡々と速いラップを刻み続けることに長けた馬です、もちろん全盛期のキセキには及びませんが、長距離戦になって覚醒する可能性が高いと考えています。
大きな不安材料は日経賞を使ってしまったことで、間隔が中1か月と詰まってしまい疲労が抜けているかどうか。 過去にも大阪杯が中1か月、 AJCCも中1か月で凡走しています。 調教のタイムもあまり良くなかったので、1つ評価を下げました。
△ミッキースワロー ・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はあまり高くない。・トップスピードの質は高く、持続力も高い。好材料:距離適性。 悪材料:久々の輸送。美浦w39.1-12.9、単走持ったまま、いつも通り首が高い。AJCC時<美浦w39.6-12.5、単走持ったまま、首が高くバランス良くない。>日経賞時<美浦w38.3-12.3、単走持ったまま、首が高い。>
調教で首が高いのはいつものこと、タイムも日経賞の時とあまり変わらないので引き続き好調をキープしていると思います。2年ぶりの輸送が不安材料ですが菊花賞で5着に入っているので、大きく割り引く必要はないと思いますが、ここを目標にするならば早目に輸送をクリアしておくなどの準備があっても良いはず、 年明け中山で2走するよりも、1回は関西圏でレースをしておいた方が不安は少なかったはずです。この辺りに厩舎の能力不足、行き当たりばったりの準備不足を感じてしまいます。4枠を引けたので横山典騎手もレースがしやすくなったはずで、長距離は騎手で買えの格言通り4番手の評価にしました。
★モズベッロ ・心肺機能はやや低く、パワーは有る、瞬発力はやや低い。・トップスピードの質はやや低く、持続力はまぁまぁ。好材料:コース適性。 悪材料:初距離。栗東坂路39.0-13.0、強め1馬身先着、バランス悪い。日経賞時<栗東坂路38.8-12.5、強め併入、バランスやや悪い。>
1枠を引けたのは大きなプラス材料で、日経新春杯を勝っているコース適性も相まってかなり期待が高まりました。相変わらず調教ではまっすぐ走れないので、内ラチを頼れるポジションを取れそうですし、 京都外回りは内回りとの合流点にスペースができるので詰まる不安もありません。あとは距離とクラス負けしないかどうかだけでしょう。
☆ユーキャンスマイル ・心肺機能特化型でパワーはやや少ない、瞬発力は低い。・トップスピードの質はまぁまぁ。・休み明けでも走る。・左手前では直線外に向いてしまう。好材料:コース適性、休み明け2走目。 悪材料:特になし。栗東坂路40.3-13.0、持ったまま併入、バランスまぁまぁ。阪神大賞典時<栗東w37.8-11.6、やや強め併入、左傾が目立つ。>
岩田騎手負傷により急遽浜中騎手に乗り替わりことになりました、右回りではかなり癖が強い馬なので、調教で乗っているとはいえかなり不安な部分です。当然後方からのレースになると思うので、届くかどうかの不安はつきまといます。阪神ではL1が急な上り坂ですが京都は3コーナーから下りに入り、直線は平坦で前がなかなか止まらないコースです、あまり相性が良いとは言えず菊花賞で3着がありますが、昨年のこのレースでは大きく離された5着でした。今年も届かない可能性が十分に考えられます。
Xトーセンカンビーナ ・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。好材料:距離適性、コース適性。 悪材料:出遅れ癖、使い詰め。栗東坂路39.9-12.3、持ったまま3馬身先着。阪神大賞典時<栗東w38.7-11.6、やや強め1馬身先着、バランス良い。>
前走の阪神大賞典で初の重賞挑戦ながら2着に好走したことで長距離適性を見せました、キセキが出遅れから超ロンスパ戦に持ち込んだことで、 同じく出遅れてこちらは後方で脚を溜める形になったことが功を奏しました。つまり展開がどハマりしたと言って良いと思うので、今回もハマるかどうかは大きな不安材料です。
xキセキ ・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は化け物レベル。・休み明けはやや良くなく、使い減りしない。好材料:距離適性。 悪材料:スタート悪化、蓄積疲労の不安。栗東w38.3-12.1、単走持ったまま、バランスは良い。有馬記念時<栗東w38.0-11.9、単走強め、バランスは良い。>阪神大賞典時<栗東w38.4-11.8、単走持ったまま、バランス良い。>
前走だけでなく昨年の有馬記念、宝塚記念でもスタートはよくありませんでした、宝塚記念、有馬記念、前走と徐々にスタートが悪くなっていき、前走は最悪のスタートになってしまいました。逆に言えばあれ以上は悪くならないので、前走のように馬の行く気に任せて無理にリカバリーするよりも、馬群の後ろで脚を溜める形になった時に、展開がハマれば菊花賞の再現があるかもしれません。ただしこの馬はルーラーシップ産駒でキンカメ系です、キングカメハメハ産駒が5歳以降蓄積疲労により途端に走らなくなるというのはよく見られます、昨年はレイデオロがこの時期から走らなくなりました。今年も先週のマイラーズカップでレッドヴェイロンが凡走しています。6歳になりそろそろこの馬にも蓄積疲労の不安が出てきました。
xダンビュライト ・休み明けは良くないが使い減りしない。・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。・トップスピードの質は高くなく、持続力は高い。好材料:コース適性。 悪材料:去勢後初戦で体調不安。栗東坂路37.7-12.8、持ったまま1馬身先着、バランス良い。京都大賞典時<栗東坂路37.0-12.4、やや強め2馬身遅れ、右傾でバランス良くないし、見劣り。>
2年前の天皇賞(秋)で大暴れした挙句に戸崎騎手を振り落とし、レース除外になったことでどうも東京競馬場に対し苦手意識と言うか、忌避する感情が出てしまった感じです。昨年のジャパンカップでも同じように馬場入場後に言うことを聞かなくなり、レースには出走しましたが14着と大敗しました。この結果を受けて去勢することを決めたようで、今回は去勢手術明け最初のレースになります。当然ホルモンバランスが大きく変わっているはずで、体調面の不安は否めません。調教ではよく動いていましたがレースに入って走れるかどうかはやってみなければ分かりませんね。この馬もキセキ同様ルーラーシップ産駒でキンカメ系です、同じ6歳なので蓄積疲労の不安はあります。