みやや競馬

2020年クイーンS 予想。戦法の幅が広がるかどうか。


馬場状態ですが土曜日は良馬場で行われました、11RのSTV賞が1800mで差・追込の決着でした。前半800mは48.3で後半が47.4とスローバランスの割に前が消耗しましたね、これは逃げたクラヴィスオレアの柴山騎手がペースをガタガタにしたからでしょう、これでは200m毎のインターバルトレーニングのようなもので、前の組は心肺機能が一杯になったはずです。7Rでは普通のスローバランスで前が優位な結果でしたから、4コーナーで中段より前に居ないと勝負にならないと思います。走破時計は1:47.6なので、標準的な良馬場を想定しています。

◎コントラチェック

○タガノアスワド

▲カリビアンゴールド

△ビーチサンバ

★スカーレットカラー                

☆リープフラウミルヒ                

*フェアリーポルカ

xシャドウディーヴァ                     

馬連 ⑦=②④⑥➇⑨⑩⑭ 7点                  

3連単 ⑦-②④⑥➇⑨⑩-②④⑥➇⑨⑩ 30点

逃げるのはナルハヤとモルフェオルフェ、離れた追走集団の前からタガノアスワド、コントラチェック、内からからアロハリリー、カビリアンゴールド、オールフォーラブが中段の前、中段からレッドアネモス、リープフラウミルヒ、中段のやや後ろからフェアリーポルカ、ビーチサンバ。中段の後ろからシャドウディーヴァ、サムシングジャスト。後方からになりそうなのがスカーレットカラーという並びを想定。

ナルハヤとモルフェオルフェは徹底先行タイプで互いに譲らない可能性があり、後続はこれに付き合わない可能性が高いと思います。この2頭の逃げ争いに付き合ってしまえば自滅する可能性が高くなるので、タガノアスワドとコントラチェックは間隔を空けて、追走集団の先頭で集団をコントロールすると思います。逃げなかった時に結果が出ていないコントラチェックですが、秋に向けて逃げなくても勝負できるコントロール性を確認する意味でも、ここは無理に逃げないと思います。タガノアスワドについては逃げる可能性も十分にありますが、さすがに逃げ争いを演じて自滅してしまっては元も子もないので、今回は控えるのではないかと考えています。

追走集団の中段前からアロハリリー、カビリアンゴールド、オールフォーラブが続き、フェアリーポルカは中段のやや後ろあたり、うまく内へ潜り込んで最内を進めそうです。近走スタートは良くないビーチサンバが中段の後ろからになりそうで、出来れば先行したいタイプなのでこの位置取りはよくありません。シャドウディーヴァも近走スタートが良くなく中段の後ろからになりそう。

サムシングジャストとスカーレットカラーは同じヴィクトワールピサの産駒、溜めて溜めて爆発させた方が良い結果が出るタイプなので、後方で脚を溜めるのではないかと思います。 ただしサムシングジャストについては陣営がコメントで、「松山騎手が前で競馬をすることを覚えさせたことで良い結果が出ている」という趣旨の発言がありました、この発言から豊騎手へ前で競馬をしてもらう指示が出るかもしれないので、その場合はこの馬の良さが消えてしまう可能性もあります。

4コーナーから直線入り口です、この時点ですでにL2部分なので距離に不安のあるモルフェオルフェがナルハヤについていけなくなり、コントラチェックが早目にモルフェオルフェを交わしてナルハヤに並びかけると考えています。 タガノアスワドがコントラチェックについて行き、その外にカリビアンゴールド、オールフォーラブが4コーナーを外から追走していきます。下がってくるモルフェオルフェを上手く交わせないと、アロハリリーやレッドアネモスはこの辺りで待たされる可能性が出てきます。フェアリーポルカはアロハリリーの後ろからになりそうで、この地点ではコースがかなり狭くなるのではないでしょうか。同じように最内を回しそうなスカーレットカラーも、この地点では待たされる可能性が高く、外を回すビーチサンバやシャドウディーヴァの方がスムーズな加速ができそうです。サムシングジャストは大外をぶん回すような乱暴な騎乗はしないと思うので、馬群の中でコースを探すようなコース取りでしょう。

直線L1標識付近です、L2で出し抜くのが得意なコントラチェックが、ナルハヤを交わしてリードを広げて粘り込みを図ります。トップスピードの質ではコントラチェックには劣るタガノアスワドやカビリアンゴールドは、ここでややコントラチェックから離されると思いますが、ここからは持続力を生かして粘り込めるのではないでしょうか。外からビーチサンバとシャドウディーヴァがスムーズに伸びてどこまで届くか、内から伸びそうなのがスカーレットカラーですが、直線入り口ではモルフェオルフェが壁になるはずですし、直線でもナルハヤやレッドアネモスが居るために、スムースなコース取りができない可能性があります。

では一頭づつ見ていきます。 

◎コントラチェック ・心肺機能は高く、パワーはある、瞬発力はまぁまぁ。・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力もまぁまぁ。好材料:コース適性。 悪材料:近走の不振。札幌芝37.6-12.3、持ったまま半馬身先着、バランス良い。

ヴィクトリアMで14着、中山牝馬Sで16着と大敗していますが、ヴィクトリアMはパンパンの良馬場でスピード負けした感じ、中山牝馬Sは大雪の不良馬場で視界不良だったため度外視して良いと思います。この馬は母系にフェアリーキングが入っているので、パワーと持続力に長けたタイプです。フェアリーキングはサドラーズウェルズの全弟なので、母系に入っても主張する血統だと思います。お父さんはディープインパクトですが、フェアリーキングの主張でトップスピードの質や瞬発力を消されてしまっているのがこの馬の特徴だと思います。この特徴から洋芝の1800mは速い上がりを要求されないことで、こなせる可能性が高いと思います。2年前のこのレースではサドラーズウェルズ系のソウルスターリングと、母系にサドラーズウェルズが入ったフロンティアクイーンが2,3着でしたから、血統的にも好相性だと思います。

○タガノアスワド ・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。・トップスピードの質は低く、持続力はまぁまぁ。好材料:コース適性、距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。札幌芝36.3-11.7、単走持ったまま、バランス良い。

前走のマレーシアCでは重馬場をハイペースバランスで逃げて押し切っています、ただしL1では12.1迄落としているので、馬場状態に関係なくハイペースバランスになってしまうと、心肺機能では勝負しにくいタイプだと思います。よかったのが小倉の西部スポニチ賞で、スローバランスで進めてL5で11秒台に入れ、L4から11秒台の前半を連発しながら逃げ切りました、L1は12.1まで落としていますが、後続に足を使わせたことで余裕の逃げ切りでした。高速馬場だったとはいえL5から11秒台に入れて逃げ切る持続力はなかなかのものですし、11秒台前半を連発するだけのトップスピードの質を見せています。 この時は55㎏で1:47.5だだったので、斤量負けする可能性は低いはずで、無理に逃げ争いに行かなければ十分にチャンスがあると思います。

▲カリビアンゴールド ・心肺機能はやや低く、パワーは有る、瞬発力は低い。・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力はやや高い。・休み明けは良くない。好材料:コース適性。 悪材料:使い詰め。札幌芝37.7-11.7、単走持ったまま、バランス良い。

昨年の3着馬なのでコース適性は非常に高いですし、札幌コースでは展開的にスローからの4F戦になりやすいので、この馬の得意パターンに当てはまります。昨年は休み明け4走目のレースでしたが、今回は昨年の11月から使い詰めの印象があり、 前走一か月半の間隔で3着に好走していることも、疲労の不安が増すところです。洋芝適性は非常に高いので、うまく流れに乗ることができれば、昨年のように流れ込んで好走できると考えています。

△ビーチサンバ ・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。・トップスピードの質は高く持続力も高い。好材料:距離適性。 悪材料:スタート不安。札幌芝36.7-11.8、やや強めレッドアネモスと併入、バランスはまぁまぁ。

今年になって顕著にスタートが悪くなってしまい後方から届かずのレースが続いています、元々トップスピードの質で勝負するタイプではないので後方になってしまうと苦しくなります。クロフネ産駒なのでアエロリットがこのレースを制しているように適性は高いはずなので、スタートだけがポイントになるのではないでしょうか。

★スカーレットカラー ・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。・トップスピードの質はまあまあ、持続力はある。好材料:コース適性。 悪材料:仕上げ不安、後方から届くかどうか。札幌芝36.3-12.6、持ったまま併入、バランス良いがやや首が高い。         

昨年2着なので当然コース適性は高いです、ただし脚質が後方からの追い込み一本なので、届くかどうかのリスクが非常に大きな馬です。もう一点気になるのが馬体重増減で、この厩舎は平気で二桁の増減をやってきます、それでも好走する時は馬体重に関係なく走って来るので、あまり深く考えない方が良いと思いますが、仕上げが雑な厩舎というのは印象が良くありません。 

      

☆リープフラウミルヒ ・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。・トップスピードの質は低く、持続力は高い。好材料:コース適性、距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。札幌芝38.1-12.8、単走持ったまま、バランス良いがやや首が高い。           

福島牝馬Sでフェアリーポルカと0.1差の接戦を演じています、この時は同じ斤量でしたが今回は1㎏貰えるので、逆転も十分に考えられます。勝ち切るとまでは言えませんが前半のポジションさえ後ろ過ぎなければ、流れ込んで2着や3着という可能性は十分にあると思います。この馬は丹内騎手との相性が良く、3-1-1-3と好成績をあげていることも好材料だと思います。 

     

*フェアリーポルカ ・心肺機能まぁまぁ、パワーは高い、瞬発力はやや低い。・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。好材料:距離適性。 悪材料:休み明け。札幌芝36.7-11.7、持ったまま半馬身先着、バランス良い。

重賞2連勝中で1800mの距離も得意としている印象があり、ここでも人気になると思いますが、中山牝馬Sは大雪で不良馬場、視界不良とかなり特殊な条件でしたし、福島牝馬Sでは対戦相手が小粒だった感が否めません。もちろん勢いに乗って一気に3連勝ということも十分にあり得ますが、一流ジョッキーではありませんし、先行するタイプでもないので直線詰まる可能性も十分に考えられ、あまり人気するようならば思い切って評価を下げたいと思いました。ノーザンファーム生産馬ですがルーラーシップの産駒なので休み明けはピリッとしないタイプです、愛知杯でも4着、紫苑ステークスでもパッシングスルー相手に2着と勝ちきれていません。

xシャドウディーヴァ ・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力もまぁまぁ。・トップスピードの質はまぁまぁで持続力は高い。・前向き過ぎるところがあって、馬群の外だと掛かる。好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険、右回り。札幌ダート38.9-12.1、持ったまま半馬身先着、口向きが左。

ビーチサンバと同じように今年に入ってスタートが悪くなってしまい後方から届かない競馬が続いています、東京新聞杯こそ2着に突っ込んできましたが、メンバーが小粒だったこともあり2着を評価するのは危険ではないかと思います。加えて今回は苦手な右回りで、コーナー区間が長いのでうまく走れるかどうか不安です。輸送が良くないことははっきりしていますが、今回は牧場から直接入厩しているので問題はないはずです。一つ気になったのは最終追い切りがダートだったことです、芝のレースですからあえてダートで追い切る必要はないと思いますが、この辺りの陣営の意図がよくわかりません。