みやや競馬

2019年セントウルS 回顧。和田騎手の好判断が光ったレース。


走破時計 1:06.7(レコード)  前半3F 33.0  上り3F 33.7

馬場状態は超高速馬場でしたね、9Rの瀬戸内海特別2勝クラス1400mでコースレコードの1:19.3が出た時点で、あ~やっぱりな~という感じでした。このタイムは1400mの日本レコードに0.3差なので、阪神コースは超高速馬場です。ついでに中山コースでもスーパーレコードが出ましたね、京王杯AHで1:30.3が出ています。これは今年のヴィクトリアMでノームコアが出したレコードタイムを0.2更新するもの、東京よりも速いんですから異常ですね。

来週以降を考えても紫苑Sが1:58.3で種牡馬はルーラー、ルーラー、ディープ、ディープ、ハービンジャーなのでスピードを持っている産駒で上位独占でした。重馬場にでもならない限り、来週いきなり馬場が変わるとは考えられないので、スピードの無い馬は買いにくいですね。阪神もセントウルSがRaven’s Pass、ロードカナロア、ロードカナロア、ハーツクライ、オレハマッテルゼとスピードタイプがずらり。人気のミスターメロディーはScat Daddyでどちらかといえばパワータイプですね。こちらもスピードタイプの種牡馬をマークした方が良さそう。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。

マテラスカイとラブカンプーが競り合う形で前半3F33.0とややハイペースバランスで進めました、馬場を考えるとこれでも速過ぎるということはないと思います、タワーオブロンドンの前後半で見れば33.5-33.2なのでほぼ平均の範囲ですからね。今回は馬場が特殊過ぎて比較対象になるレースが無かったです。L1はほぼタワーオブロンドンのラップです、余裕十分で駆け抜けたので、本気で追ったらどうなっていたことか。目視ですがL3が10.8、L2も10.8くらいは出ているはず、L2で勝負を決めてしまいました、この馬はエンジンが掛かってしまえばトップスピードの質と持続力は京王杯SCで見せつけているので、改めて1200でも、そしてコーナーでも速いラップを踏める適性を見せましたね。

逃げたのはマテラスカイでしたが、ラブカンプーが並走する形でした、ラブカンプーも何が何でもハナを切るような動きではなく、並走したままでした。スタートが良かったファンタジストが引いて3番手、その内にイベリス、最内からペイシャフェリシタ。ミスターメロディーが外から中段の前まで上がり、ダイメイプリンセスがその内、直後にタワーオブロンドンが居てその内にキングハート。中段の後ろからカイザーメランジェ、アンヴァル、タマモブリリアン、最後方からモーニンという並び。

ファンタジストは和田騎手へ乗り替わって先行させてきましたね、ファンタジスト好走の要因はスタートを決めたこと、そしてラブカンプーに対して1頭分外に位置した事でしょう。タワーオブロンドンはスタートイマイチでしたが、リカバリーしてダイメイプリンセスの直後で流れに乗れましたね。アンヴァルは疲労の影響もあったのか、後方からになるだけでなくレースを投げ出すように凡走してしまいました。

4コーナーから直線入り口です、マテラスカイがまだまだ頑張っています、ここで注目はペイシャフェリシタとイベリスの位置取り、ペイシャフェリシタはラブカンプーに阻まれてコースを確保できず、イベリスはミスターメロディーに寄られてしまいましたね。これを見越したようにルメール騎手はタワーオブロンドンをスムースに外に出せる位置を確保。

ファンタジストはここでもラブカンプーの外から並びかけて、スムースに直線に入れましたね。すんなりラブカンプーを交わしたことで、マテラスカイのすぐ横に並びます。これでペイシャフェリシタのコースを塞ぐとになり、2着確保が楽になりました。

直線L1標識付近です、ペイシャフェリシタはマテラスカイとファンタジストに塞がれてしまいコースがありません、完全に脚を余した負け方で騎手の責任は重大ですね。もう1頭イベリスもミスターメロディーに2度3度当てられていました、ミスターメロディーは右回りで刺さる癖があるので、阪急杯でも内に寄れていたので、これを見越した騎乗が求められますが、浜中騎手は先に動きませんでしたからね。ファンタジストと同じタイミングで上がって行けば、直線入り口ではミスターメロディーを外に張れたので、進路は確保できたはず。

ダイメイプリンセスはタワーオブロンドンのすぐ後ろで直線に入りましたが、坂での反応で明確に見劣りましたね。予想の段階で坂が苦手な可能性を書きましたが、これではっきりしたと思います。坂を上り切ってから前と差を詰めているので、平坦での持続力は評価すべ気だと思います。

タワーオブロンドンはL2ぐ~んっと加速しているように見えますが、実際は目視ですがL3から10.8-10.8-11.6というラップで、坂で落としていないんですよね。決して瞬発力が高い訳ではないので、勘違いしない方が良いですね。L4から10秒台のラップだったので、追走する形で自然とスピードに乗せられましたし、阪神内回りはL4から下り坂なのもスピードに乗せやすかった要因でしょう。

では1頭ずつ見て行きます。

1着はタワーオブロンドン、スタートはイマイチでヒヤッとしましたが、そこはルメール騎手、すかさずリカバリーして中段を確保しました。ダイメイプリンセスの内へ行ったことで、コースロスも最小限でしたね。トップスピードの質と持続力を発揮して完璧な勝利だったと思います。函館SSで取りこぼしたように、高速馬場の方がトップスピードの質を生かしやすいんでしょうね、坂で全く落とさなかったパワーも見事でした。スプリンターズSは出走してきますかね~・・・。

2着はファンタジスト、スタート決めて先行したのが全てですね、和田騎手へ乗り替わってこれしかないという乗り方をしてきました。3,4コーナーで早目にラブカンプーの外に合わせたことも好走要因だと思います、今日は和田騎手の好判断が光りました。右回りに不安があったのですがラチが近かったことや、マテラスカイがすぐ内に居たこともあってまっすぐ走れていましたね。右回りで外枠に入った時にちゃんと走れるかは未知数ですね。

3着はイベリス、直線入り口までは良かったのですが、ミスターメロディーに寄られてしまい抜け出すタイミングが遅れましたね。(そのまま沈んでくれてよかったのに…)斤量も52㎏でしたが、ミスターメロディーに寄られても怯まなかったし、古馬重賞でも十分勝負になると思います。スプリンターズSだと53㎏のはずなので、内枠引けばまたチャンスはあるかもしれませんね。

4着はペイシャフェリシタ、まぁコース取が全てですね。前半は良かったんですが直線入り口でコースを確保できない辺りがね~。

5着はキングハート、近走の成績からこの5着は驚きでした、最内を回ってコースロスが無かったことと、高松宮記念勝ち馬オレハマッテルゼの血が高速馬場で生きたのかな~。これが復活の兆しなのかどうか、もう1戦見てからでしょうね。

6着がダイメイプリンセス、坂でタワーオブロンドンに明確に見劣りましたね、昨年のスプリンターズSで4着に入っていますが、稍重でトップスピードの質が問われなかったことで、最内を上手く通してバテ差しの展開になったことが大きかったんでしょう。良馬場で坂があるコースは要注意ですね。

馬券の方は3連複が的中でした、秋競馬で気分一新連続的中と行きたいところです。