走破時計2:25.6 前半1000m60.4 上り3F35.0 60.7-60.0ややスロー
稍重馬場 含水率 ゴール前 12.5% 4コーナー 12.9%
クッション値 9.4 標準
まずは馬場状態ですが稍重で行われました、想定よりも重かった印象で、8R2勝クラスマイル戦が1:35.0、上り3F最速が2着チュウワノキセキで34.6。昨夜の想定よりも乾くのが遅かった感じですが、クッション値は9.4に上がっているんですよね。この辺りまだサンプルが少ないのでよく分からない部分ですが、標準まで上がっているのであまり軟らかくしていない感じも受けます。
馬場の内と外でははっきりと外の方が伸びていて、これは直線だけでなく上位入着の馬は道中も馬群の外目を追走していました。府中と違って京都は外の方が乾きやすいのか、それとも渋った時に内が傷みやすいのかもしれませんね。
2020年稍 走破時計2:25.6(+2.1) 前半1000m60.4(+0.7) 上り3F35.0(-0.2)
60.7-60.0ややスロー ()内は2020年と2019年比較です。
2019年良 走破時計2:23.5 前半1000m59.7 上り3F35.2
59.7‐59.3平均
今年は稍重表記で結構時計が掛かっていましたが、1000m通過は昨年比で0.7遅いだけでした、さすがにこのペースで行ってしまうと前が苦しくなりますね。前に居ての最先着はステイフーリッシュで、この馬は心肺機能と持続力で勝負する馬、それでも5着がやっとなのでかなり苦しいレース展開でした。グラフを見れば笑っちゃうくらい昨年と同じで、さすがに今年はペースを緩めていますが、前半が速過ぎましたね。この辺りは馬場読みとペース認識の悪い松若騎手の能力がモロに出てしまった感じです、先週もあの馬場で逃げ争いになり凡走ですから、2週続けて同じことしてしまいましたね。強かったのは勝ったグローリーヴェイズで、58㎏を背負って中段やや前に居ました、これで押し切るのですから香港ヴァ―ズを勝つだけのことはありますね。
キングオブコージの上りタイムに注目です、今回は34.4で前走の目黒記念は34.9ですから、稍重の今回の方が速い上がりを使っています。もちろん平坦京都なのでそこは考慮しなくてはいけませんが、馬場の外の方は特に4コーナーから直線区間は、良馬場に入るくらいの状態だった可能性があります。グラフと展開を見ると今回のレースは消耗戦になっているんですよね、特に道中内目を回した組は完全に消耗戦になっていて、外目を回した中段以降の組は、良馬場とまでは言いませんがそれに近い馬場でのスローバランス、通たコースでかなり違ったレースをしているなという感じでした。
逃げたのはダンビュライト、2番手にカセドラルベル、やや離れてバイオスパーク、ステイフーリッシュが中段の前から。中段のやや前にノーブルマーズとグローリーヴェイズ、中段にシルヴァンシャー。中段やや後ろからタイセイトレイル、モンドインテロ、パフォーマプロミス、キングオブコージで、中段の後ろからリッジマンとアイスバブル。後方からアルバート、ミスマンマミーア、ドゥオーモが居て、キセキが最後方という並びでした。
まず逃げたのはダンビュライト、外からカセドラルベルが来たことで、2F目のラップが10.9と昨年よりも0.1速かった、この辺りが松若騎手の思慮の浅さを感じる部分で、何のために去勢したんでしょうね。行かせて2番手でも折り合うために去勢したのでは?この馬場状態の中で前半の内に10.9なんてラップを踏んでしまっては、ここでレースが終わってしまったと言っても過言ではないと思います。逃げ・先行に関してはいいものを持っている松山君らしくない前半の入りで、カセドラルベルも前半が速過ぎました。恐らくステイフーリッシュの位置で前から0.5秒くらい間隔を空けたはずなので、ステイフーリッシュの前半1000mは61.2くらい、これでも後半苦しくなっているのでダンビュライトが潰れるのも無理はないですね。
勝ったグローリーヴェイズはステイフーリッシュから0.2秒程後ろ、これでも中段のやや前です。パフォーマプロミスが中段やや後ろで、ペースを考えると福永騎手は良い判断をしていますね。キングオブコージがその後ろで、臨機応変に動ける位置取りでした。この辺はさすが横山典騎手という位置取りでしたね。2着のキセキは最後方で、スタートも意図的に出して行かなかった感じだったので、変にスタートが良過ぎて暴走して逃げることを恐れたんでしょうね。
4コーナーです、ダンビュライトが先頭ですが、中緩みとキセキの押上で馬群が凝縮しています。カセドラルベルとステイフーリッシュが前をコントロールしたので、中段がタイトになりましたね。シルヴァンシャーなんかが少し狭くなりました。グローリーヴェイズはステイフーリッシュを風除けに、その外にパフォーマプロミスで、さらに外に回ったのがキセキでした。本来なら大きなコースロスですが、外の方が馬場が良かったので結果的には良いコース取りでしたね。
直線L2標識付近です、ダンビュライト、バイオスパーク、カセドラルベルが粘っていて、ステイフーリッシュが交わしに行きますがなかなか伸びない。外からグローリーヴェイズ、パフォーマプロミス、キセキ、キングオブコージがスムース。シルヴァンシャーは外目に進路を取ってきました。4コーナーから直線入り口ではシルヴァンシャーのコース取りが一番ロスが無かったはずですが、すぐ前に居たグローリヴェイズにL1で見劣りました。
キングオブコージが3着まで来ているように、ややスローバランスですが展開的にはバテ差し、外の方が馬場は良いが渋っていて速い上がりは出ないというレースでしたね。それでもグローリーヴェイズは瞬発力とトップスピードの質も持っているので、L2ですぐ後ろに居たパフォーマプロミスを一気に引き離しました。
では1頭ずつ見て行きます。
1着はグローリーヴェイズ、中段やや前から消耗戦を差し切る強い内容で、斤量58㎏を考えると役者が違った感じ。L3でジワっと加速しつつL2でしっかりと瞬発力を発揮、L1も持続力で落とさないというのは天皇賞(春)2着の時と一緒、それをこのタフな馬場でやってきたのは高評価ですね、もちろん高速馬場で同じことが出来るかは未知数ですがジャパンCが楽しみになる1頭です。馬場の良いところを川田君が見極めていましたし、キセキとの着差を考えると立ち回りの上手さを求められると思います。力でねじ伏せるという感じではなく、器用なイメージですね。新馬戦でL2の瞬発力で出し抜き坂もパワーで登り切って圧勝しているので、中山コースで内枠先行というシチュエーションを見てみたいですね。
2着はキセキ、スタートですよね。はっきりと出して行かないという意思を感じられました。結果的にこれで良かったのですが、前半からスローに落とされてしまうとこの展開では大敗もあったはず。ただここでも化け物じみた持続力を見せていて、自身の後半1000mは58秒台で走っているはず。この馬場で後方からの捲り追い込みにもかかわらず、恐らく自身L4から11秒台でL1も11秒台、負けて強しの内容でした。天皇賞(秋)ではスピード負けの危険もあると思いますが、ジャパンCで中段やや前からのロンスパを仕掛けたりすると怖いですね。クッション値を発表し始めて、明らかにタイムの出ない馬場になっていますから、こういう馬場を府中のGⅠでも作ってくるようなら、チャンスありますね。
3着がキングオブコージ、横山典騎手らしい位置取りから、バテ差しで3着と展開にも恵まれましたね。サドラーズウェルズ持ちでトップスピードの質は期待できない馬ですから、持続力勝負を作ってくれたことが3着好走の要因ですね。それでも前走から一気に3㎏増の斤量も克服したし、高速馬場にさえならなければ安定した成績が期待できそうです。
4着がシルヴァンシャー、道中の位置取り、4コーナーから直線のコース取りなど完璧に乗っての4着、L1で失速してキングオブコージに差されているので、2400mは1F長いかもしれませんね。この馬は境港特別2200mで2:11.9という好タイムでメールドグラースに圧勝していますから、距離適性は2200がベストかもしれませんね。府中の2000mだとスピード負けの可能性があるので、AJCCや宝塚記念で見てみたいですね、来年だけど。
5着はステイフーリッシュ、中段の前から進めて直線馬場の悪い内からでしたので、5着はよく粘った方だと思います。今回は展開と馬場が合わなかっただけで、悲観することはないですよね。シルヴァンシャーとキングオブコージとは0.1差なので、道中の位置取りと直線のコース取りを考えれば、同格かやや上という評価で良いと思います。この2頭とは展開次第で勝ったり負けたりでしょう。
6着がパフォーマプロミス、今までの戦績からも道悪はあまり良くないようですね、展開や直線のコース取りは良かったので、乾ききらなかった馬場の影響だと思います。ステイゴールドの産駒なので道悪適性を期待しがちですが、中には道悪苦手という産駒もチラホラ。この馬や引退したスティッフェリオなんかがそうですね。馬場状態が向かなかっただけで大敗したわけではないので、今後も期待して良いと思います。
ミスマンマミーアの一撃があるかと思いましたが、この負け方を見ると力不足ですね。
馬券の方はハズレ、軸が飛んでしまいました。ダンビュライトを軸に入れたのは良くなかったですね、騎手を考えれば川田騎手を入れるべきと猛省しています。