走破時計3:14.7 59.8-61.5-73.4(61.3)
上り3F37.4
上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2021年松籟Sのグラフです、クリックで大きくなります。
天皇賞(春) 59.8-61.5-73.4 3:14.7
松籟S 59.4-63.7-71.8 3:14.9
グラフと上記の1000m-1000-1200で区切ったラップで見ても、前半がやや速い感じですね。走破時計は0.2秒しか速くないので、ディアマティスが6着で自身の走破時計3:15.6は、レースレベルに対応できなかったというよりは、展開が合わなかったと思いますが、前走の疲労が抜けきらなかった可能性もあると思います。直前に乗り替わりジャコマルに絡まれるという不運があったので、これは仕方ないでしょうね。
赤のグラフを見れば分かる通り松籟Sは中緩みが大きい、スタートして2F目から4F目までは減速していきますが、正面スタンド前ではジワっと加速するんですね、下り坂区間なので自然とペースが上がったのかも。上り坂区間で再度減速が始まり最も遅いラップは1,2コーナーの中間あたりでしょう、向正面へ向けて再度加速していきます。こういう凸凹ラップは心肺機能にモロに来るんですよね、これでも前に居たカレンブーケドールとディープボンドが2,3着なので、ディアマティスはクラス負けと考えた方が良いかも。
ワールドプレミアは中段のやや前でした、1周目の直線入り口からペースが上がったところでジワっと下げています、無理をしていないんですよね。そして1,2コーナーでペースが緩むとジワっと前との差を詰めています、見事な騎乗というか、ワールドプレミアは恐らくペースを変えていない感じですね。常に一定ペースで走っていて、前が加速したり減速したりして、アリストテレストとの差が広がったり縮まったりした感じ。前がインターバルのようなレースだったのに対して、ワールドプレミアは心肺機能を一定に保つようなレースだたっと思います。
逃げたのはディアマティス、ジャコマルが2番手で内からカレンブーケドール、間にシロニイ、外にディープボンドまでが先行勢。中段の前からアリストテレス、中段のやや前からワールドプレミア、中段からゴースト、メイショウテンゲン、中段やや後ろからウインマリリン、マカヒキ、中段の後ろからオーソリティ、メロディーレーン。後方からナムラドノヴァン、ユーキャンスマイル、ディバインフォース、後方ポツンだったのがオセアグレイトという並びでした。
スタート良く逃げたのがディアマティス、ジャコマルはスタートがやや悪かったのですが、押して押して逃げ争いに行きました。何が何でも逃げたかったようですが、結局2F目に入って諦めて2番手で折り合いました。その後も半馬身程後ろでディアマティスにプレッシャーを掛けていました。これでディアマティスはペースを緩めることができませんでしたね。ジャコマルが競ってきた時点で、行かせてしまって番手からでも良かったと思いますが、直前に乗り替わったのが坂井騎手なので仕方ないですね。
1着のワールドプレミアは中段のやや前、折り合いも良くストレスフリーな位置取りで、前のペースに合わせずマイペースで進めました。アリストテレスは先行勢の直後でしたね、ペースは先行勢に併せていた感じ。カレンブーケドールとディープボンドは先行していたので、心肺機能の高さを見せましたね。大外枠から中段の後ろを選択したのがオーソリティ、折り合いに不安があったためでしょう、出して行かずに折り合いに専念するため前に馬を置きましたね。オセアグレイトはスタートやや遅れましたが、リカバリーする素振りも見せずに後方ポツンでした。
最終向正面です、先行勢は大きな変化なし、中段の後ろでウインマリリンとオーソリティがポジションを上げて行きました、勝ったワールドプレミアに近い位置に居たので、オーソリティは力負けですね。ここでもワールドプレミアは無駄な動きがありませんでした。
最終4コーナーです、シロニイとジャコマルはここで一杯、ディアマティスにカレンブーケドールが並びかけます。その外にディープボンド-アリストテレス、ワールドプレミアはここでアリストテレスの外にスムースに出してきました。ウインマリリンはその外に、オーソリティはここで追走できなくなりました。
直線L1標識付近です、ディアマティスがここで一杯になりカレンブーケドールが抜け出したところ、外からワールドプレミアが差し切り、一緒にディープボンド上がって2着。粘るカレンブーケドールにアリストテレスが迫りますが交わせず4着でした。ウインマリリンが5着に粘ったのは頑張りましたね。
では1頭ずつ見ていきます。
1着はワールドプレミア、休み明け2走目で上積みもありましたが、それ以上に福永騎手が落ち着いて乗っていました。道中は全く無駄な動きをせずに力を温存、向正面で外へのスペースを確保して、ウインマリリンが上がってきた時に合わせるようにスパート開始、内枠でスムースなレースが出来て快勝でした。折り合いもばっちりでしたし、前のペースに惑わされることなくマイペースを貫いた辺りはステイヤーとして最大の長所ですね。
2着はディープボンド、終始内から3頭目を先行していますから、心肺機能の高さを見せましたね。凸凹ラップを先行して2着は高評価で良いと思います。前走の疲労も感じられませんでしたし、古馬になって成長したことを証明しました。心肺機能とパワー、持続力を見せたので、あとはトップスピードの質が問われるときに対応できるかどうかですね。
3着はカレンブーケドール、4コーナーで早目にディアマティスを捕まえに行ったのは戸崎騎手の好判断、持続力を生かして3着に粘り切れました。先行していたので心肺機能は見せたし、坂上ゴールのコースでL1でも粘れたのでパワーも見せています。距離も克服しているので今後も楽しみになりましたが、ディアマティスの交わし方に持病の”先頭に立ちたくない病”が見られました。外からワールドプレミアが来るまでは、ディアマティスを交わしていないので、この点は今後も不安ですね。
4着はアリストテレス、先行勢を見ながら中段の前でしたね、休み明け3走目でここまでの2走の内容からも疲労はあったはず、それでこの内容ならまだまだ期待できそうです。
5着はウインマリリン、3コーナー入り口ではワールドプレミアのすぐ後ろだったので、完全に力負けですね。距離は克服できているので、長距離戦を嫌う必要はないと思いますが、このクラスでは厳しいかもしれません。今回は中段辺りからでしたが、先行した場合は心肺機能が問われたはずで、好走できたかどうかは分かりません。この馬の場合はトップスピードの質が問われない時の好走は期待できますね。
オーソリティは10着でした、3コーナー入り口ではワールドプレミアから2馬身後ろ、不利もなくスムースでしたが4コーナーで追走一杯になっていますから、力負けだと思います。
馬券の方はハズレでした、直前に乗り替りになってしまったので、これは大きな誤算でしたが、北村友騎手が乗っていても好走は出来なかったと思います。オーソリティについては2番手評価の軸馬にしたことを反省しています、外枠で先行出来ない可能性をもっと考えるべきでしたし、ダイヤモンドS2着とはいえGⅠでは結果を出していないので、軸にしてはいけませんでした。
来週はNHKマイルC、本命軸馬はピクシーナイトの予定です。