みやや競馬

2021年宝塚記念 回顧。力の違いを見せた。

走破時計2:10.9    前半1000m60.0     上り3F34.7  

まずは馬場状態ですが良馬場でした、含水率はさらに下がり8.2%と7.7%でした、土曜日に散水しなかったことでパンパンの良馬場でしたね。走破時計の2:10.9は2年前のリスグラシューの時2:10.8とほぼ一緒で、前半1000mも60.0で全く一緒でした。9Rの舞子特別が2勝クラスの1400mで1:20.3、逃げ切りだったので前優位の馬場でした。今年は変則開催で2週目なんですよね、馬場が悪化していなかったことと、雨の影響がなかったために軽いやや高速馬場で前優位でした。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は今年の鳴尾記念、緑は今年の大阪杯のグラフです。

まずレイパパレですが、川田騎手が大事に行き過ぎた感じはありましたね。スタートが不安でしたが上手く決めて逃げてもいい感じでしたが控えました、掛かっていたという程ではありませんが、手綱を抑えていたのでレイパパレのリズムではなかった感じでした。もう少し強気に行って、クロノジェネシスに対してリードを広げておいた方が良かったですね。大阪杯との比較では前半が遅かったことが顕著ですね、このグラフからも溜めて良さが出るタイプではなく、心肺機能と持続力で、周りを苦しくすることがこの馬の良さを引き出す乗り方だと思います。

最後にユニコーンライオンに差し返されたのは距離適性だと思います、大阪杯のL1が13.1まで落していますから、2000mでも道悪になるとギリギリなんでしょうね。今回は良馬場でしたが2200mだと1Fではなく、100m長いんでしょうね。

ユニコーンライオンは赤のグラフを見れば分かるように、鳴尾記念と同じレースをしてきましたね。スローからの4F戦で自身のL1は12.1なので、この馬も2200mでギリギリでしょうね。結局ユニコーンライオンが2着に好走した理由は、川田騎手が大事に行き過ぎてしまったからでしょうね。

逃げたのはユニコーンライオン、レイパパレが控えて2番手、中段の前からワイプティアーズ、キセキ。中段やや前からクロノジェネシス、中段からシロニイ、アリストテレス、カレンブーケドール、中段やや後ろからモズベッロ、中段の後ろからメロディーレーン、アドマイヤアルバ。後方からミスマンマミーア、ポツンとカデナという並びでした。

ユニコーンライオンが主張したのでレイパパレが控えました、これでユニコーンライオンは自分のペースに持ち込んでしまいましたね。レイパパレはスタート決めていつもの川田ポジション、ただスローに落としたユニコーンライオンのペースを容認してしまいました。その後ろからワイプティアーズと、外からキセキがスタート決めて中段の前でした。中段やや前からクロノジェネシスがレイパパレをマークする感じ、この時点でクロノジェネシスの勝ちを確信しました。

カレンブーケドールとアリストテレスが中段を確保、カレンブーケドールはペースを考えても、もう少し前に行っても良かったかもしれませんね。モズベッロが中段のやや後ろでした、いつもよりも前のポジションで、これは池添騎手が馬場を考慮してのことですかね~。急遽乗り替りになったカデナは、スタート五分でしたが出して行かずにポツンでした、流石当日の乗り替りですから浜中騎手を責めるわけにはいきませんね。

4コーナーです、L4から先頭のユニコーンライオンが11.5にペースアップ、このL2標識付近ではユニコーンライオンの手応えが怪しくなりましたが、単にズブイだけだったようです。レイパパレが手応え良く追走して、クロノジェネシスがレイパパレをベタマーク、あとは抜くだけというポジションを取っていましたね。カレンブーケドールはキセキの外を回していたので、ちょっと距離ロスがあったと思います。アリストテレスがクロノジェネシスのコースを追走してスムース、その後ろから差を詰めてきたカデナ。ワイプティアーズはこの辺で苦しくなりました。

直線L1標識付近です、ユニコーンライオンにレイパパレが並びかけ、一旦前に出ましたが引き離せませんでした。ここから残り100mの地点でレイパパレの減速率が大きくなり、ユニコーンライオンに差し返されました。クロノジェネシスはL1標識過ぎで2頭を交わしています、上がり最速で力の違いを見せたと思います。ピリッとしなかったのはカレンブーケドールです、3,4コーナーで外目を回していたこともありますが、休み明け3走目で疲労の影響もあったのではないでしょうか。

先行して直線入り口では中段の前だったキセキは、L1標識手前でクロノジェネシスにあっさり交わされてしまいました、この馬場ではスピード負けしてしまった感じですね。これはモズベッロも一緒で、この2頭はバテていませんから、天候に泣かされてしまいました。カデナも伸びてはいるのですが、如何せん前半の位置取りが後ろ過ぎて届かず。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はクロノジェネシス、力の違いを見せましたね。ドバイ帰り、コース適性の良くないルメール騎手と不安材料もありましたが、ここ一発スタートを決めてレイパパレをマークした時点で確勝でした。良馬場では昨年の天皇賞(秋)で凄い末脚を見せていますから、さすがの末脚でした。危なげなく、勝つべくして勝ったなというレースでした。

2着はユニコーンライオン、4コーナーでは手応えが怪しく直線では失速するかと思いましたが、粘って粘ってレイパパレを差し返しました。自分で展開を作れるので、突かれなければスローからの4F戦に持ち込めるのは大きな強みですね。グラフでも示した通り鳴尾記念と同じ展開に持ち込めましたし、良馬場で前優位な馬場状態も味方しました。

3着はレイパパレ、川田騎手がちょっと大事に行き過ぎましたかね~、前半1000m60.0というのは一見平均ペースに見えますが、実は後半の1000mが58.5ですから、スローバランスで前半が遅いんですよね。これで前半はレイパパレのリズムが若干乱れた感じがしました、L4からもユニコーンライオンを引き離さなかったので、トップスピードの質では勝負できないことを見せましたね。さらにL1の残り100m付近での失速を見ると、距離適性は2000mまでと考えた方が良いと思います。

4着はカレンブーケドール、中段からのレースでしたが終始外を回されたことも良くなかったと思います、それ以上に休み明け3走目で疲労が影響したのではないでしょうか。昨年の有馬記念が休み明け3走目で5着なので、疲労が抜けにくいのかもしれませんね。

5着はキセキ、スタート決めて中段の前を取れましたが、スローからの4F戦でスピード負けした感じ。ここ迄スタートが良かったのなら逃げてしまっても良かったかも、まぁ福永騎手がそれをやるわけはないですが。このスタートが出来れば、馬場状態次第ではまだまだやれそうですね。今回は天候に泣かされました。

6,7着のミスマンマミーアとカデナは、この馬場状態では後方からでは届きませんね、8着のモズベッロもこの馬場ではスピード負けした感じでした。

馬券の方は的中、馬場状態と展開予想からユニコーンライオンを買えたのが良かったです。次回は8月1日クイーンSの予定です。その前に上半期の決算発表を上げたいと思います。