みやや競馬

2021年セントウルS 回顧。勝ちはしたが不安が残ったレシステンシア。

走破時計1:07.2    前半600m32.9     上り3F34.3 

まずは馬場状態ですが良馬場でした、土曜の測定後に3.5㎜程の降雨があり、その影響で含水率、クッション値ともに悪化していますが、走破時計が示すようにやや高速馬場と考えて良いでしょう。シャンデリアムーンが逃げてL4まで10秒台ですから、かなり軽い馬場だったはずです。推測ですがレシステンシアのL2も11.0か、10.9は出ていたはずで前優位でした。内外はフラット、芝を張り替えたことで外も伸びていましたね、パトロールビデオで見ると張り替えた部分がはっきり映っていて、コーナー部分ではだいたい内から5~6m位、直線部分では7~8m位までが張り替えた部分でしたね。ジャンダルムはこのギリギリの部分を伸びてきました。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2021年阪急杯のグラフです。

まずはレシステンシアです、危なかったですね~。L1は12.3でこれは自身のラップです、つまりかなり落としているんですね。阪急杯ではⅬ1まで11.8で踏ん張っていますから、1200mの消耗戦を先行するのは、この馬にとってベストではないのでしょう。強かった阪神JFでは中緩みからⅬ3で一足使って勝負を決めているので、ハイペースバランスで中緩みを作ることがこの馬の能力を引き出すパターンですね。この感じだとスプリンターズSで消耗戦になると、L1の坂もあるので減速が大きくなるかもしれませんね。

僅差の2着だったピクシーナイト、この馬は持続力を発揮してきましたね。L1標識までは差を詰めていなかったのですが、Ⅼ1だけで差を詰めての2着だったので、L1の自身のラップは11.5くらいでしょう。前半は33.9で1F目と2F目で無理をしなかったことで、後半トップスピードの質と持続力を発揮できたのでしょう。

逃げたのはシャンデリアムーン、2番手がレシステンシアとジャスティンでここまでが先行勢。カレンモエが中段の前に上がり、中段のやや前からクリノガウディ―、ピクシーナイト、ラウダシオン。中段からメイショウチタン、シャインガーネット、中段のやや後ろからシゲルピンクルビー、ベストアクター、中段の後ろにレッドアンシェル、ボンボヤージ、ラヴィングアンサー。後方からタイセイビジョン、ナランフレグ、ジャンダルムという並びでした。

先ずシャンデリアムーンが出ムチを入れてハナを主張、ルメール騎手が控えてくれたことで逃げ体勢を築いて、控えたレシステンシアが2番手でした。ジャスティンがレシステンシアに並んで、その後ろにカレンモエが上がってきました。クリノガウディ―は抜群のスタートから、内の各馬の動きを見ていましたね。スタートが良いと相手の出方を見る余裕が出来て、カレンモエを行かせた後にシャインガーネットとラウダシオンが下げたスペースにスッと入りました。岩田騎手のファインプレーですね。

レッドアンシェルはスタートで後ろ脚が流れるような感じになり、二の足もつかず中段の後ろになってしまいました。スタートが良かったラウダシオンも二の足が遅く、前に行きませんでした。この辺りは休み明けの影響かもしれませんね。もう1頭スタートが良かったのがシャインガーネット、こちらは最高のスタートを切ったにもかかわらず、鮫島騎手が全く出して行かずに中段辺りに下げてしまいましたね。スタートで遅れたのがジャンダルム、スタートで立ち上がり気味になりバランスを崩していました。タイセイビジョンは前に動いてしまい、戻った時にゲートが開いてしまいタイミングが合わず。

4コーナーです、シャンデリアムーンがハイペースで飛ばしたので、縦長の展開になりました。レシステンシアは2番手ですが2馬身程間隔を空けていました。隊列を見ると2列縦隊にになっていて、懸念した外を回す不利は全馬にありませんでした。ピクシーナイトはラウダシオンの外、内目をスムースに回していました。

直線L2標識付近です、シャンデリアムーンが頑張っていて、レシステンシアが差を詰めて2番手、その外にジャスティンが頑張っていました。クリノガウディ―とカレンモエが中目に出して、その後ろからピクシーナイトがスムースに外に出す準備中。この地点ではジャンダルムは直線入り口あたりに居ました。タイセイビジョンが狭くなりましたが、大きな不利はなかったはずです。全馬不利もなくスムースな競馬が出来ていました。

直線L1標識付近です、L2区間でレシステンシアが抜け出したというよりも、ラップタイムからもシャンデリアムーンとジャスティンが下がっていきましたね。クリノガウディ―とカレンモエが2馬身程の差で追走、ピクシーナイトがカレンモエに並びかけようかというのがこの地点でした。ピクシーナイトはここからトップスピードの質を持続してレシステンシアに迫ります。ジャンダルムが伸びてきますがわずかに届かず4着でした。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はレシステンシア、シャンデリアムーンがハイペースで行ってくれましたから、2番手ですんなり折り合いましたね。終始スムースなレースをしていて、54㎏の斤量も味方に押し切りました。ただL1で12.3迄落としたことが不安ですね、この点は上のラップ分析を見てください。

2着はピクシーナイト、外枠を心配しましたがハイペースになり縦長、これで内目を回して距離ロスなし。前半無理をしなかったことで、後半のトップスピードの質と持続力を引き出してきましたね。この感じからも福永騎手は完全に手の内に入れている感じなので、次走も継続騎乗なら大崩れすることはなさそう。

3着はクリノガウディ―、休み明けは良くないのですが、東京新聞杯と同じようなレースにして粘り切りましたね。このことから休み明けではトップスピードの質が落ちるが、心肺機能と持続力は落ちないということなのでしょう。この傾向を生かすためにも休み明けは先行が必須ですね。今回の好走要因は初手の動き、抜群のスタートで各馬の動きを見る余裕があったこと、内のスペースが空くやすかさず切り込んだことですね。この辺は岩田騎手らしい好騎乗だったと思います、加えて直線で内に寄れる癖を防ぐために、終始左鞭でまっすぐ走らせていたことも、今後に向けて好材料ですね。

4着はジャンダルム、スタートが悪かったですね。春雷Sでは先行しましたが、ゲートの中でも煩い仕草を見せていて、スタート自体もギリギリ五分くらいでした。阪急杯でもゲートの中でやや煩かったので、出る出ないかは運次第になってしまいましたね。大外枠にでも入れば良いのですが、それこそ運次第ですからね。今回は末脚で4着まで持ってきました、1200mで運動時間が短いことがこの馬の良さを引き出していると思います。今回は縦長で届かなかったのですが、前掛になった消耗戦ならば、纏めて差し切るだけの必殺の末脚を有していることが分かりました。スタートと展開次第では重賞でも勝負になりますね。

5着はカレンモエ、外目の枠でしたが縦長で内目に入れたことで距離ロスなし、プラス8㎏でメイチの仕上げではなかったし、元々休み明けはピリッとしないので、こんなものでしょうね。休み明け2走目になる次走で上積みに期待したいですね。

6着はシャインガーネット、スタートが良かっただけに下げたのは痛恨、この馬のトップスピードの質では勝負になりませんでしたね。7着はタイセイビジョン、スタートのタイミングが合わなかったので今回は運がなかった、上がり32.7は2番手のタイムなので、中段が取れていればと思うと悔やまれますね。心配なのはラウダシオン、L1での減速がかなり大きく休み明けとは言え負け過ぎ、まぁ京王杯SCで二桁着順から勝ち切ったように、前走の凡走を引き摺らないのでケロっと好走しそうですが。

馬券の方は馬連だけでトリガミ、本命のタイセイビジョンが出遅れた時点で諦めましたし、無印のクリノガウディ―に好走されてしまったので、噛み合いませんでしたね。次回はオールカマーの予定です。