みやや競馬

2021年スプリンターズS 回顧。内優位の馬場でコース取りも完璧。

走破時計1:07.1    前半600m33.3     上り3F33.8

まずは馬場状態ですが良馬場でした、昨夜のにわか雨で稍重スタート、9Rのサフラン賞から良馬場に回復しましたが、1600mの2歳1勝クラス牝馬限定戦で1:35.8、10Rの茨城新聞杯が2勝クラスの1800mで1:47.0と時計が掛かっていました。ところがスプリンターズSの走破タイムは1:07.1とかなり速いタイムでした。この馬場に騙されたのが松若騎手ですね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2020年スプリンターズS、緑は2019年スプリンターズSのグラフです。

馬場状態のところで書いた通りモズスーパーフレアが前半抑えたのは、馬場に騙されたからでしょうね。ビアンフェがゲート前で入れ込んだことで、藤岡佑騎手が怯んで逃げ争いに行かなかったことも、ペースが遅くなった要因でしょう。もちろんこのペースでは上がり勝負になり、レースの上り3F33.8ですからモズスーパーフレアとビアンフェは対応できませんね。

展開図を見ても分かる通り、上位は中段よりも前に居て、内目を回した馬で独占。ペースだけでなく馬場も内優位で、外から上がってきたメイケイエールの4着、驚異的な能力を発揮してきたと言って良いと思います。

逃げたのはモズスーパーフレア、2番手にビアンフェ、その内にピクシーナイト。中段の前からレシステンシア、中段のやや前からシヴァージ、ダノンスマッシュ。中段からミッキーブリランテ、ファストフォース、クリノガウディー。中段やや後ろからラヴィングアンサー、ジャンダルム、ロードアクア、中段の後ろからアウィルアウェイ、エイティーンガール、後方からタイセイビジョン。メイケイエールは出遅れて無理やり外に出して上がって行きました。

まずモズスーパーフレアがハイペースで飛ばさなかったのですが、ビアンフェとピクシーナイトは若干前との間隔を空けていました。これはハイペースを予想していた騎手が多かったからでしょうね。想定外にペースが上がらないので馬群は縦長までは伸びませんでした。クリノガウディ―は控えたためにかなり掛かっている感じで、岩田騎手は手綱を引いていました。

スタートが良かったのはモズスーパーフレアでいつも通りハナへ、レシステンシアもスタートが良かったのですが、ここでビアンフェを行かせて中段の前でしたね、ルメール騎手は前走でL1の減速が大きかったことを考えたんでしょうね。ピクシーナイトは前走よりも前、レシステンシアを差し損ねたことを考えての位置取りだと思います。シヴァージはスタート五分でしたが、吉田隼騎手の好判断、出して行ってピクシーナイトの後ろでした。ミッキーアイルはスタートが遅く、リカバリーしたのでシヴァージの後ろでしたが、ここでリカバリーすると後半苦しくなるのは前走分かっていたはずですが・・・。

メイケイエールはいつも通りやや出遅れ、ここから切れ目が出来るまで待たずに、タイセイビジョンを吹き飛ばして外へ出し上がって行きました。外に出してからも掛かっていて、池添騎手は手綱を引きながらでした。

4コーナーです、隊列に変化はなく前は”しめしめ”という流れ、中段から後ろの馬は外を回すわけにもいかず、動くに動けない感じでしたね。ダノンスマッシュはもどかしかったでしょうね。メイケイエールはここでも外を回していて、相当ロスの大きい競馬でした。ここから直線入り口に掛けて、ピクシーナイトがビアンフェを外に張りながら進路を確保しました。この辺にも福永騎手の進境を感じますね。

直線L1標識付近です、モズスーパーフレアが粘りますが、ここからピクシーナイトがあっさり交わします。ビアンフェもトップスピードの質で見劣り、レシステンシアが抜け出したところ、内からシヴァージが伸びてきて接戦でしたが、アタマ差でレシステンシアが2着でした。メイケイエールが外から伸びて4着は高評価。ダノンスマッシュは伸びませんでした。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はピクシーナイト、福永騎手が自信を持って乗っていましたね。中段よりも前に居ればハイペースでも対応できると思っていたはず、だからこそ迷わず前に行けたのだと思います。特に4コーナーから直線入り口のコース確保は素晴らしいの一言、今日の馬場ならペースに関係なくこの馬が勝っていたでしょうね。平均バランスでも前から速い上がりで押し切れるし、ハイペースバランスでも中段やや前からバテ差しで伸びるなど、適性の幅が広いので1200mでは大敗するイメージがないですね。

2着はレシステンシア、先行しなかったのは前走のL1で減速が大きかったからでしょうね、今回は平均バランスでL3で11.0迄落ちましたから、結果的にこれが中緩みになったはず。本来ならばL2で抜け出したいところですが、内のピクシーナイトの方が馬場が良かったので、L2で勝負を決められませんでしたね。今回はペースが味方した感じなので、生粋のスプリンターという感じではないです。

3着がシヴァージ、吉田隼騎手の好判断で中段やや前からでした、安土城SとシルクロードSが中段からで2,1着、ポジションを取れたことで届く位置でしたし、内の馬場の良い部分を通したことが好走要因だと思います。今までは後方から届かない競馬が続いていましたが、この競馬が出来ればまだまだやれそうですね。

4着がメイケイエール、スタートはいつも通りやや遅れ、押さえが効かなくなって外へ出しました、その際タイセイビジョンを吹き飛ばしてしまったので、内目の枠にこの馬が入るレースは何かが起こりますね。外から上がって3,4コーナーも外を回した割に4着、ロスの大きい競馬をしていますから能力は高い。問題はスタートと枠順ですね。

5着がモズスーパーフレア、このペースで逃げてしまうと終いのスピードで差されてしまいますね。それでも5着に粘れたのは内を通したことによる馬場の恩恵でしょう。

6着がダノンスマッシュ、スタート前から汗が目立っていたので本調子ではなかったですね。ペースもこの馬にとっては遅過ぎて、基本は消耗戦でこその馬なので、今回は何もかも裏目に出てしまいました。

クリノガウディ―は8着、スタート五分でしたが出して行く素振りもなかったので、岩田騎手はハイペースに決め打ちしていたのでしょう、その読みが外れて自滅した格好。ジャンダルムはスタート良かったのですが、外を回していたのでロスが大きく、馬場も悪かったですね。タイセイビジョンはスタートの改善が見られませんでした。

馬券の方は大外れ、最近のリズムの悪さは目を覆うばかりで、改善の兆しが見えず困り果てています。来週は京都大賞典と毎日王冠の予定です。コース替りでこちらも気分一新と行きたいです。