走破時計3:04.6 前1000m60.0 中1000m65.4 後1000m59.2
上がり3F 35.1
まずは馬場状態ですが良馬場でした、土曜日よりもさらに乾いき、クッション値も上がり標準的な高速馬場と見て良いと思います。10Rの元町Sが3勝クラスのマイル戦で1:33.4、1着のエアファンディタが上がり最速で32.8、L2のレースラップは10.7なので、かなり軽い馬場でした。
上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は1989年菊花賞のグラフです。
タイトルにも書いた通り、武騎手の後ろにお父さん横山典弘騎手の影がはきっきり見えます。それがこのグラフです。1989年の菊花賞はセイウンスカイでお父さん横山典騎手が逃げ切り勝ちをしたレースです。よく似たラップで、前半で多少無理しても、大きな中緩みを作って息を整え、後半の1000mでジワっと引き上げるレースメイクでした。近年の菊花賞はスローで進めての3F戦や、L2最速戦になっていたので、今回のペースはステイヤーらしいラップ推移になったと思います。
逃げたのはタイトルホルダー、離れた2番手にモンテディオ、更に離れて3番手グループにエアサージュ、グラティアス、ワールドリバイバル、ディヴァインフォース。メイン集団の前からディープモンスター、アリーヴォ、ヴィクティファルス、メイン集団からヴェローチェオロ、ロードトゥフェイム、オーソクレース。中段の後ろからノースザワールド、ステラヴェローチェ、ヴァイスメテオール。後方からアサマノイタズラ、レッドジェネシス、セファーラジエルが後方から上がる、という並びでした。
1周目のスタンド前です。タイトルホルダーが出して行って逃げ、ワールドリバイバルも主張しましたが、横山武騎手の気迫に怯んだような感じで下げて行きました。前半はかなりバラけていて、モンテディオまでで5馬身位、更に3馬身位離れてエアサージュとグラティアスでした。メイン集団のやや前に居たのがディヴァインフォースでした、この位置取りが3着の要因ですね。
メイン集団の中段に居たのがオーソクレース、外目を回していましたが内から3頭目で、大きな距離ロスはなかったと思います。ステラヴェローチェは終始馬群の中で自分のタイミングで動けない位置でした。オーソクレースは、と言うかルメール騎手はステラヴェローチェだけを見ていましたね、ステラヴェローチェに好きなレースをさせなければ勝てると考えていた感じ。レッドジェネシスはセファーラジエルにスタートでぶつけられたこともあり後方からでした、元々スタートが良い方ではないので内目の枠でリカバリーもしにくかったし、横山武騎手があそこまで出して行くと、前に行くのはためらいますよね。
2周目の向正面です、1000m通過後に更にペースを落としたことで、メイン集団が追い付き3コーナーの入り口では1団になっていました。タイトルホルダーはここで息を入れられたことで、後半のスパートを決められました。この1000mから2000mの間に捲り上がる馬が居なかったことが、タイトルホルダーの逃げ切りに繋がりましたね。
4コーナーです、タイトルホルダーが先頭でペースを引き上げて4F戦に持ち込みました。このL3地点のラップは11.5なので、外を回したステラヴェローチェは苦しくなりましたね。しかも前に居たオーソクレースは、ステラヴェローチェが来るのを待ってから、併せるように出てステラヴェローチェを外へ追いやりましたね。ステラヴェローチェもこれ以上待つわけにはいかないので、この判断を非難することはできないです。むしろルメール騎手の勝利への執念、嫌らしさを感じました。
直線L1標識付近です、タイトルホルダーはL2で11.4を踏んで後続を出し抜き、ここで勝負を決めてしまいました。ディヴァインラブが抜け出したところを、外からオーソクレースとステラヴェローチェが追い詰めますが、この3頭が並んでゴールしました。4コーナーのコース取りの分だけオーソクレースが2着、ステラヴェローチェがハナ差4着でした。L1で伸びてきたのはディープモンスターとステラヴェローチェ、この2頭はL2までの11秒台で追走一杯でした、高速馬場になったことが良くなかったですね。
では1頭ずつ見ていきます。
1着はタイトルホルダー、中1000mで息を入れての4F戦で、持続力の高さで押し切りましたね。横山武騎手の手綱を横山典弘騎手が握っているようなレースでした。ダービーでは進路変更してからの再加速に手間取っていたので、瞬発力では勝負しない方が良いですね。ステイヤーらしい勝ち方だったので、今後も長距離で大活躍しそうです。
2着はオーソクレース、ルメール騎手の執念を見せつけられましたね。昨年のアリストテレスもそうですが、やっぱりルメール騎手は勝ちにこだわりますね。誤算だったのは1頭前に居たこと、近年の菊花賞がスローからの3F戦やL2最速戦で、長距離戦らしいレースになっていなかったことも、ルメール騎手に誤算を生じさせた原因かもしれませんね。4F戦を外目から捲り追い込みで2着なので、持続力の高さを見せました。
3着はディヴァインラブ、坂で失速するのではないかと思いましたが、全く問題にせず3着に粘りました。初手の位置取りが良かったですね、オーソクレースやステラヴェローチェよりもだいぶ前に居ましたから、このリードが最後に生きた感じです。L2でタイトルホルダーに付いて行けなかったので、トップスピードの質では勝負できないですね。
4着がステラヴェローチェ、3着を外した要因はスタートが良くないことで、初手の位置取りが後ろになってしまったこと、加えてルメール騎手にイジメられたので、4コーナーでの距離ロスも痛かったですね。オーソクレースと位置が逆なら着順も変わっていたでしょうね。今後もスタートが改善しないと、届かないレースが続くかもしれません。
ディープモンスターとヴェローチェオロが5,6着、L2では11.4に対応できていなかったので、スピード負けした感じですが、L1でジワジワ伸びてきてのバテ差しなので、パワーと持続力を見せましたね。高速馬場でなければもう少しやれたかも。レッドジェネシスは13着、最終的に1番人気になりましたがパドックからやや煩かったですね。ゲート裏では発汗が目立っていて、本調子ではなかったはず。スタートの悪さを改善できないと、トップスピードの質が高くないので届かないレースが続くと思います。この馬は道悪待ちでしょうね。
馬券の方は馬連だけ、ステラヴェローチェが3着に来てくれればね~・・・。本命をしっかり評価できたし、噛み合ってきたと信じて来週頑張ります。次回はスワンSと天皇賞(秋)です。