みやや競馬

2021年マイルCS 回顧。女王のまま有終の美。

走破時計1:32.6    前半800m47.6   上がり3F 33.3

まずは馬場状態ですが良馬場でした、土曜日に散水していないこともありクッション値は10.2まで硬化しまし、含水率も下がりました。4Rの新馬戦がマイルでL2が10.9でした、直前の10R武田尾特別では1:45.3、上がり3F最速は1着のプログノーシスで32.8でした。L2のラップは逃げた馬のものなので11.4ですが、プログノーシスのL2ラップは10秒台に入っていたはずで、外回りはかなり速い馬場になっていましたね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2020年マイルCS、緑は2020年朝日FSのグラフです。
まず今年と昨年のグラフはほぼ重なっています、なので昨年の好走馬がそのまま上位に来ました、1着グランアレグリア、4着のインディチャンプ、6着のサリオスも昨年0.4差で今年は0.5差なので、同じようなレース展開でした。これに昨年出走していなかった3歳勢が入ってきたという形でしたね。
まずグランアレグリアですが、昨年は内から進路変更して差し切っていますが、L2が10秒台で流れていたので瞬発力を問われていませんでした、これはインディチャンプも一緒ですね。なので特にこの2頭は同じようなラップ推移でだったはずです。サリオスは昨年大外枠で今年は内枠、今年は先行してL1と言うか残り100mで失速したので、距離適性が短くなっているのかもしれませんね。
グレナディアガーズを見てみましょう、今回は13着と凡走でした。理由はグラフを見れば一目瞭然で、ペースが遅過ぎてトップスピードの質で見劣った。加えて遅いペースに掛かってしまい、直線に入ってL2の10秒台にスピード負けしていました。この辺りはテン乗りが理由ではなく、池添騎手自身が普段からレースの流れに乗る騎乗をしているためでしょうね。なのでこのペースを容認してしまうと、グレナディアガーズは苦しいですね、

逃げたのはホウオウアマゾン、2番手にクリノガウディ―、中段の前からサリオス、中段のやや前からサウンドキアラ、インディチャンプ、グレナディアガーズ。中段からシュネルマイスター、ロータスランド、中段やや後ろからダノンザキッド、ダーリントンホール、ケイデンスコール。中段の後ろからリプレーザ、グランアレグリア、後方からカテドラル、レインボーフラッグ、サウンドカナロアという並びでした。
逃げたホウオウアマゾンは前半47.6というスローバランにしました、2番手のクリノガウディーはこれを容認、サリオスも掛かり気味でしたが控えてしまいましたね。外からグレナディアガーズも掛かり気味でしたが、抑えて差しに回ってしまいました。松山騎手なんかはペース認識が良いので行かせてしまっても良いと思いますが、厩舎側から指示が出ていたのかもしれませんね。

ペースが上がらなかったので縦長にならず馬群は一団でしたが、横にはバラけていました。3コーナーまでは内が荒れていたので、各馬はスタートから内へ絞るよりも、まっすぐ走っていましたね。なのでスタートからの位置取り争いは激しくなく、不利を受ける馬も居ませんでした。カテドラルが1頭だけ後れて、近走前目を走っていたレインボーフラッグは出して行く素振りも見せませんでした。

グランアレグリアは中段の後ろからで、ダノンザキッドをマークしていました。マークしていたのか、偶々前に居たのがダノンザキッドだったのか、恐らく後者でしょうね。それぐらいルメール騎手は自信満々に乗っていました。ダノンザキッドはここから3コーナーに向けて内へ絞って行きました、結果的にこの動きが直線入り口で一瞬狭くなった要因ですね。外にロータスランドが居たので難しい位置取りでしたね。シュネルマイスターは中段からで、前がインディチャンプだったので安心して追走できたでしょうね。

4コーナーです、この辺りから一気にペースが上がります、なのでここまでは馬群が凝縮していますが、ブレーキする馬もなく直線へ入っていきます。グランアレグリアはこの時点でリプレーザを外に張って進路確保、逆に狭くなっているのがダノンザキッドですね。ロータスランドが外に居たことで早目の進路確保が出来ませんでした。シュネルマイスターは内でスムースでしたね。

直線L2標識付近です、ここは内回りとの合流点でかなり荒れていました。なので内を回した馬も3頭分くらいは外へ進路を取っていましたね。グランアレグリアは外からスムースでした。シュネルマイスターは詰っているように見えますが、実はここは流れているので詰まってはいないんですよね。これは昨年のグランアレグリアと一緒です、前に居たのがインディチャンプというのまで一緒でした。ここからダーリントンホールを外へ張りながら、インディチャンプの後ろを回して外に出します。ダノンザキッドはサウンドキアラとグレナディアガーズの間、一瞬川田騎手が躊躇するような感じの動きがありました。

直線L1標識付近です、ホウオウアマゾンとサリオスが頑張っていました、L2のレースラップ10.7に対応できたのは下り坂だったことも大きかったのでしょう。ただホウオウアマゾンはここで速いラップを踏んだことで、L1で減速率が大きくなった感じ。サリオスはこのラップを踏んでも一杯になるタイプではないので、距離適性が短くなってきたのかもしれません。グランアレグリアがここから纏めて交わして先頭へ、先に抜け出したインディチャンプをシュネルマイスターが交わして、最後にダノンザキッドがインディチャンプを交わして3着でした。

ダーリントンホールは良い位置で直線に入ってきましたが、Ⅼ2の10秒台に対応できなかった感じでした。カテドラルとケイデンスコールは、キレッキレのトップスピードの質を持っているわけではないので、中段の後ろから直線に入ってしまうと今日のラップでは勝負にならなかったですね。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はグランアレグリア、まずは有終の美を飾り無事に引退できて本当に良かったです。その上でスローからの3F戦でキレッキレのトップスピードの質と持続力の高さを見せました。外目の枠を引いた時点で大丈夫だと思いましたが、最後まで強い競馬でした。

2着はシュネルマイスター、この馬に関しては認識を改めた方が良いと思い知らされました。Galileo系ですからトップスピードの質はキレッキレの物はないと思いましたが、さすがはノーザンFですね。もちろん下り坂だったので10秒台に対応したのでしょうが、並の馬なら10秒台に入って一杯になりますからね。L1で1馬身前に居たインディチャンプを交わして、0.1秒差を付けていますから、トップスピードの持続力でも上回っています。初輸送もあっさり克服したし、道悪も苦にしそうもないので、今後はマイルから2000mで中心になりそうですね。

3着はダノンザキッド、直線の入り口で若干狭くなりましたが、そこからグイグイ伸びてゴールでハナ差先着しました。若干反応が良くなかった感じがあったので、100%の仕上げではなかったのでしょう。この辺りはパドックから汗びっしょりだったので、もう一絞りして欲しかったですね。ただやり過ぎると気性が悪くなる可能性もあったので、その辺の折り合いが難しいんでしょうね。東スポ杯2歳Sでトップスピードの質と持続力の高さを見せていましたから、今日の動きを見ると骨折の影響は全くないですね。この馬もマイルから2000mまでで、シュネルマイスターと一緒に引っ張っていく存在になりそう。

4着はインディチャンプ、3着のダノンザキッドとはハナ差なので、内外のコース取りの差と見てもいいのですが・・・。ダノンザキッドが若干狭くなっているのに対して、こちらは至極スムースだったので力負けだと思います。調教の動きも良くなかったので、100%の状態ではないと思いますが、6歳で衰えを感じますね。特にシュネルマイスターがあの動きで0.1差先着ですからね。

5着はホウオウアマゾン、実はこの馬デイリー杯2歳SでⅬ2の10秒台に対応して僅差2着があるんですね、なのでスローからの3F戦は得意パターンでした。ただデイリー杯のL1は12.0なので、今回はL1が11.5なのでここに対応できなかったですね。馬柱を見ると〇✕の成績で今回は✖の番、前走休み明けで3着に好走したので反動もあったのかもしれません。

馬券の方は的中でした、馬連はトリガミでしたが3連単は何とか利益が出ました。次回はジャパンCの予定です。