みやや競馬

2022年京都記念 回顧。馬場を味方に逃げ切り。

走破時計2:11.9    前半1000m61.7   上がり3F 34.5

まずは馬場状態ですが稍重でした、まず朝の段階では良馬場で、含水率は土曜に比べてさらに下がり、クッション値も若干上がりました。なので雨が降るまでは高速馬場で良かったはずです。お昼前から雨が降り始めましたが、結局本降りにはならずレース時間の馬場状態は稍重でした。ただ稍重表記でしたが走破時計が示すように、馬場は標準的な良馬場のタイムが出ています。L2は11.0でこれはアフリカンゴールドのラップであることを考えると、標準からやや高速の馬場と見て良いと思います。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2021年中日新聞杯、緑は2022年中山金杯、黒は2021年カシオペアSのグラフです。

まず逃げ切ったアフリカンゴールドから見ていきましょう、青と赤のグラフを見てください。どちらも中緩みからの5F戦になっています、これは馬場状態も味方していますが、アフリカンゴールドの得意パターンですね。中京ではL3区間の後半は直線に入っています、対して阪神内回りではL3区間は全てコーナーなので、ここで速いラップを踏んでいませんね。L2最速に持ち込めたことと、この区間が下りだったこと、これがアフリカンゴールドにぴったり合いました。もちろん後続が稍重馬場に躊躇したのか、前半積極的に前に来なかったのでマイペースで運べたことも大きいですね。

6着だったレッドガランについても見ていきます。青と緑、黒のグラフを比べると伸びあぐねてしまった理由が見つけにくいですね。まず今回はスローからの5F戦、中山金杯(1着)緑でもスローからの5F戦でしたが、L5で一気にペースが上がりL3から減速していく消耗戦でした。これでL1他馬に比べて減速率が低く差し切りました。逆にカシオペアS(4着)黒ではスローからの4F戦で、L2最速10.7という今回に似たラップ、4着でも1着が1㎏軽いファルコニアと0.1差なので好走と言って良いと思います。なので今回の0.4差6着は恐らく距離でしょうね、血統的に距離延長はプラスだと思いましたが、期待し過ぎでした。この3レースからも距離さえ適正で、スローバランスならば展開の幅が広い馬ですね。

もう一点気になったのはレッドジェネシス藤岡康騎手の仕掛け、前半スローだったので捲りも悪い手ではないのですが、如何せんペース認識が悪過ぎですね。レッドジェネシスが動き始めたのは1000m辺りで、ここでは800m~1200mで12.9‐12.8‐12.7の区間なのでタイミングは悪くはないと思います。ただここからペースが上がりました、つまり自分でスイッチを入れに行って、その速いペースをコーナーで外々を回すロスの大きい騎乗でした。2015年の宝塚記念でサトノクラウンが捲りに行って、全体にスイッチを入れてペースが上がったと見るや、その速いペースに付き合わず下げて行きましたから、今回のレッドジェネシスもペースが上がった時点で一旦下げれば、直線差し込む足が残ったかもしれませんね。

逃げたのはアフリカンゴールド、中段の前からマリアエレーナ、中段のやや前からタガノディアマンテ、ユーバーレーベン。中段からレッドガラン、ラーゴム、ディアマンミノル、中段のやや後ろからサンレイポケット、ダノンマジェスティ、エヒト。中段の後ろからジェラルディーナ、マカヒキ、後方からレッドジェネシスという並びでした。

逃げたのはアフリカンゴールドで、マリアエレーナが行く気を見せなかったのでスンナリ隊列が決まりました。最初の1Fが12.7なのでここで脚を使わなかったことが、前に行った組には優位に働きましたね。タガノディアマンテはスタート五分でしたが、促して前に行きましたからこれが好判断。前日に逃げ切った幸騎手なので、イメージは出来ていたのでしょうね。意外なスタートだったのがユーバーレーベン、五分に出てミルコが押していました。外から速い馬が少なかったので中段のやや前を取れましたね。

レッドガランは出たなりで中段から、ラーゴムもスタート五分で中段になりました。マカヒキはスタート五分でしたが、出して行く素振りもなかったので後ろからの作戦だったんでしょうね。スタートが良くなかったのが奇数馬番だったダノンマジェスティ、リカバリーして中段のやや後ろから、レッドジェネシスもスタートが悪く行き脚が付きませんでした。ディアマンミノルもスタートが良くなく後ろからでしたが、押して押して中段に上がりました。横山典騎手なのでこの展開を読んでいたのでしょう、中途半端な位置取りに見えますが後方からでは勝負にならなかったでしょう。

4コーナーです、L5からジワジワとペースが上がったので、隊列には大きな変化はなかったですね。レッドジェネシスが向正面で捲りを打ちましたが、併されて外々を回されてしまい、ここで一杯になりました。サンレイポケットがコーナー区間でモタモタしていました、この区間はL3の11.4なので、右回りのコーナー区間では、これ以上速いラップを踏めないのでしょう。

直線L1標識付近です、アフリカンゴールドが2馬身程の出し抜き、マリアエレーナが苦しくなった感じのところで、タガノディアマンテが内から並びかけて2番手。アフリカンゴールドとタガノディアマンテを見ると、予想通り内の方が良かったですね。ユーバーレーベンもこの辺りで苦しくなりスピードが鈍り、外に出したレッドガランもここから伸びませんでした。ラーゴムもここで一杯になり、その外からジェラルディーナがジリジリ上がってきます。中目から上がってきたのがサンレイポケットで、上り坂区間でジェラルディーナを捉えて3着でした。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はアフリカンゴールド、稍重表記ですが標準的な稍高速馬場という感じ、加えて開幕週で前・内優位でした。これを逃げてスローからの5F戦に持ち込み押し切り、コーナーで速いラップを踏まなかったことと、直線入り口で自分のタイミングで出し抜けたことが勝因ですね。もちろん稍重表記で競ってくる馬が居なかったので、マイペースの楽な展開に助けられましたね。フロックではないと思います

2着はタガノディアマンテ、スタートが良い馬ではありませんが、1番枠と前日に逃げ切りを決めた幸騎手の好判断で中段のやや前、これが好判断でしたね。内・前優位の馬場でスローからの5F戦、直線が短いコースでコーナーで速いラップを求められす、坂上ゴールでパワーが生きました。初手のポジションが好走要因ですね。

3着はサンレイポケット、プラス12㎏で調教も重苦しかったので、この3着は好走と言って良いと思います。元々休み明けは良くないので、自力の高さで3着を確保した感じですね。気になったのは3,4コーナーでモタモタしたこと、元々右回りはあまり良くないのですが、L3からの11.4に追走一杯でしたね、なので右回りは良くないかも。

4着はジェラルディーナ、サンレイポケットよりも外を回して上り33.6の一番時計、前半ゆったり入れば距離は持ちそうですね。ただ今日の馬場状態で後ろからだと届かないのは仕方ないですね。

5着はユーバーレーベン、意外にも中段のやや前から、スタートは速くはないのですが他に行く馬が居なかったのでこの位置が取れましたね。展開的にはここまで負けると思えないので、やはり休み明けの影響でしょうね。

マリアエレーナはL2の後半で一杯になった感じなので、距離適性は2000mまでと考えた方が良いと思います。クロフネ産駒ですからね。レッドジェネシスはスタートは諦めた方が良いですね、なので展開待ちだと思います。道悪の宝塚記念なんかは激走するかも。

馬券の方はハズレ、縦目でした。アフリカンゴールドを◎にはできなかったです。レッドジェネシスも安心して軸に出来るほどではなかったので、1頭軸に拘り過ぎました。昨年の2頭軸の買い方なら当たっていただけに、レースによって臨機応変に買い方を変えることが課題ですね。この辺を反省に来週は京都牝馬S、頑張ります。