走破時計3:05.0 前半1000m63.1 上がり3F 35.5
まずは馬場状態ですが良馬場でした、午前中は稍重で9Rから良馬場に回復しました。この9RではⅬ2で11.1が出ているので、馬場は時間とともにどんどん乾いて行きましたね。阪神大賞典の上り3Fが35.5、L4から11.6-11.6-11.5と11秒台半ばを連発していますから、馬場は標準的な良馬場まで回復していたはずです。
上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2021年阪神大賞典、緑は2020年阪神大賞典、黒は2021年有馬記念のグラフです。
まず期待したユーキャンスマイルですが5着でした、自身よりも前に居たアイアンバローズが上がり3F35.2、シルヴァーソニックは35.4ですから、現状のこの馬のトップスピードの質では届きませんね。好走した過去2年では重馬場の2021年は全て12秒台のラップ、2020年でも11秒台の後半を連発して、速いラップを求められませんでした。持続力とパワーは見せているので、天皇賞(春)が道悪になるようであればチャンスはあるでしょうね。
ディープボンドは0.1差で辛勝した感じでしたが、この展開はディープボンドにとっては良くない展開ですね。下り坂で誤魔化せましたが、トップスピードの質が低いことを改めて見せました。昨年のこのレースはL1が12.9、2021年有馬記念でも後半11秒台に入らずⅬ1が12.5もかかる消耗戦でした。今回はⅬ1の上り坂でなんとか退けましたが、実は条件が揃わないと危うさを孕んでいる馬ですね。
逃げたのはキングオブドラゴン、2番手にゴースト、3番手にダンビュライト。中段の前からアイアンバローズ、中段のやや前からシルバーソニック。中段からディープボンド、シロニイ、中段のやや後ろからトーセンカンビ―ナ、ユーキャンスマイル、マンオブスピリット、アドマイヤアルバ。中段の後ろからマカオンドール、後方からサンアップルトンという並びでした。
スタートが速かったのはキングオブドラゴンとアイアンバローズで、キングオブドラゴンがそのまま逃げ体勢、アイアンバローズは出たなりで中段の前でした。ディープボンド、ユーキャンスマイル、シルヴァーソニックがスタート五分でした。逆にやや遅れたのがトーセンカンビ―ナ、マカオンドール、サンアップルトンでした。
ペースが非常に遅く最初の1000mは63.1、これにイラついていたのがアイアンバローズとマンオブスピリットですね。この2頭は1コーナーへのアプローチでゴーストに並びかけるほどでした。この辺りではディープボンドは折り合いが付いていたので、長距離戦では掛からないことが大きな武器になりますね。
4コーナーです、向正面でダンビュライトが一杯になったことで、3コーナーの入り口までペースが上がりませんでした。L5から11.9に入りましたが下り坂なので、速くはないんですよね。L4から11.6‐11.6で、ここでゴーストとマンオブスピリットが苦しくなりました。加速できないマンオブスピリットを、外から交わしに行ったのがディープボンド、かなり距離ロスがありましたし、押して押して促していましたが、手応えが良くなかったですね。これは完全にスピード不足で、苦しくなったわけではなくスピードの限界だったんでしょうね。
アイアンバローズは中目を回してスムースにゴーストを交わしました。シルヴァーソニックは最内でスムースでした。ユーキャンスマイルが3コーナーで最内に入れスムース、マカオンドールはそのすぐ外に居ました。シロニイ、トーセンカンビ―ナ、アドマイヤアルバ、サンアップルトンの4頭は、この辺りではやや置かれてしまいました。この4頭は3コーナーの入り口ではマカオンドールと同じ位置でしたから、コーナー区間で遅れてしまいました。
直線L1標識付近です、アイアンバローズが先頭に立って、内にキングオブドラゴンが粘っていますがここまで。外からディープボンドがアイアンバローズに追いつき、シルヴァーソニックはアイアンバローズの後ろで追走一杯。外からユーキャンスマイルとマカオンドールがジリジリまで。
L1に入ってディープボンドがパワーと持続力でアイアンバローズをねじ伏せます、アイアンアバローズも粘って2着は立派でした。シルヴァーソニックは力負けですね、アイアンバローズには2回やって2回とも先着されていますから、今回最高に上手く乗ってもこの着差は、今後縮まることはなさそう。
では1頭ずつ見ていきます。
1着はディープボンド、着差は半馬身でしたが今回は展開が合わない中で良く勝ち切りましたね。初手の段階で中段を取れたので、展開を考えるとこれが良かった。中段の後ろからだったら届かなかったでしょうね。馬の能力は問題ないのですが、この展開で早目に自分から動く意識が見られなかったのは、騎手不安が残りました。
2着はアイアンバローズ、前半が遅くやや行きたがる面も見せましたね。行ってしまっても良かったと思いますが、キングオブドラゴンに合わされてしまう危険もありますから、まぁ騎乗は及第点ですね。持続力で若干見劣りましたが、よく粘ったと思います。
3着はシルヴァーソニック、川田騎手が最高の騎乗をしましたね。ロスなく乗ってこの着差なので、GⅡ以上ではちょっと分が悪いですね。GⅢ以下で川田騎手が乗れば今後もチャンスはありそう。
4着はマカオンドール、3,4コーナーは内目を回して距離ロスはなし、これで同じ位置に居たユーキャンスマイルと0.2差、しかも1㎏貰っていたのでちょっと印象悪いですね。まだ4歳なので今後の成長に期待したいところ。
5着はユーキャンスマイル、キングカメハメハ産駒で7歳ですから、トップスピードの質が問われると苦しくなりますね。L4から11.6‐11.6‐11.5でⅬ1も12.4では見劣りしました。今回は展開が合いませんでしたが、パワーと持続力は健在なので、本番で道悪になればチャンスはありそう。
馬券の方は馬連だけ、シルヴァーソニックは馬にやられたというよりも、川田騎手にやられましたね。次回は日経賞と高松宮記念の予定です。