走破時計1:58.4 前半1000m58.8 上がり3F 35.8
上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2022年金鯱賞、緑は2022年白富士S、黒は2021年皐月賞のグラフです。
まずはジャックドール、青、赤、緑のグラフを見てください。大きく違うのは2F目ですね、今回は10.3,金鯱賞では11.0で白富士Sでは11.3ですから、ジャックドールはこの2F目で脚を使ってしまった感じですね。このレースは前後半58.8-59.6のややハイペースバランス、前後半の差は0.8秒だけなので、これでL1失速したのは、心肺機能が高くないことを見せてしまいましたね。もちろん単純な心肺機能というよりは、今回は2F目が10.3というアホみたいなスピードですから、心肺機能だけでなく2F目のラップで筋疲労を起こしてしまい、それが回復しないまま直線に入ってきたのかも。いずれにしろ厳しいラップになって、ボロを出したなという感じ。
1番人気のエフフォーリアは9着、L3区間ですぐ前に居たヒシイグアスに引き離され、内からステラリアに交わされています。初手は中段なので心肺機能は問われていないし、問題の2F目も下げて行くので10.3には付き合っていない、なので前半は全く無理をしていませんでした。黒が皐月賞のグラフですが、平均バランスでL4から減速に入る厳しいレースを圧勝しているので、今日の展開は勝ってもおかしくない展開なんですよね。実際初手ではエフフォーリアのすぐ後ろに居たアリーヴォが、僅差の3着ですからね。なので今日の結果は力負けというよりも、力を出せなかったことが敗因だと思います。ズバリ初輸送ですね、これで輸送が苦手になるのか、1度輸送を経験して克服できるかどうかが今後の課題ですね。
逃げたのはジャックドール、2番手にアフリカンゴールド、3番手にウインマリリンとレイパパレ。中段の前からポタジェ、ショウナンバルディ、中段からヒシイグアス、ヒュミドール、エフフォーリア、アリーヴォ、ステラリア。中段の後ろからマカヒキ、後方からスカーフェイス、アカイイト、キングオブコージ、レッドジェネシスという並びでした。
逃げたのはジャックドールでした、スタート良く出て逃げ態勢を築くところ、外からウインマリリンが前に来ました。これを押さえて先頭でしたが、レイパパレが持ったまま上がってきて、その外からアフリカンゴールドが押して押して上がってきました。このアフリカンゴールドの動きが2F目の10.3に繋がりましたね、押して押して勢いを付けたことで、勢いが付き過ぎて2F目が異様に速くなってしまいましたね。二の足があまり速くないアフリカンゴールドが、何が何でも逃げる作戦に出たので、ジャックドールにとってはいい迷惑でしたね。
ここで抜群のペース認識を見せたのが川田騎手です、最初の1Fで馬なりで先頭に並んでいたので、2F目の速いラップでは手綱を引いて減速していました。なので10.3に付き合っていないんですね。仮定の話ですがアフリカンゴールドが行かずに、ペースが遅くなりそうなら自分で先頭に行ったのではないでしょうか。
ウインマリリンが出して行って3番手でした。その後ろからポタジェはスタート五分、今回はやや促してポジションを取りに来ました。結果的にこのポジションを取ったことが大きかったですね。吉田隼騎手は3コーナーでもファインプレーがありました。ショウナンバルディは前までは行きませんでしたね。
ヒシイグアスの前が2,3馬身空き中段勢の前、ヒュミドールを内に置いてエフフォーリアがこの一段で、折り合いも付いていました。その後ろにアリーヴォとステラリアまでが中段。向正面に入ったところで豊騎手の1つ目のファインプレーがありました、ヒュミドールの真後ろではなく、1頭分外に位置しました。外からステラリアが内にプレッシャーを掛けてきましたが、ここは頑として譲りませんでした。これで3コーナーでヒュミドールの外からスムースに上がって行けました。
4コーナーです、ジャックドールが先頭でアフリカンゴールドが2番手、その外にレイパパレでした。レイパパレのこの1頭分は運がなかったですね、アフリカンゴールドが意外にも粘ってしまったので、ここで1頭分外を回した分がゴールの首差になった感じ。その後ろのポタジェはレイパパレに対して1頭分内ですからね。吉田隼騎手は4コーナーの入り口でウインマリリンの手応えが悪いと見るや、ショウナンバルディが苦しくなって下がったスペースを上手く使いました。これが吉田隼騎手2つ目のファインプレーですね。
この区間では豊騎手の2つ目のファインプレーがありました、3コーナーでヒュミドールを交わした後、今度はショウナンバルディが下がって来ましたが、これを内から交わして距離ロスをゼロにしました。ここで外に居たヒシイグアスが1馬身差の4着ですから、このコース取りの影響は大きかったですね。
直線L1標識付近です、ジャックドールが苦しくなって、レイパパレが先頭に立ちます。その後ろにポタジェが1頭分外、その後ろからアリーヴォがヒシイグアスを外に張りながら1頭分外でスムース。4コーナーから直線入り口へかけて、ショウナンバルディの外を回したのがステラリア、ここでアリーヴォと差が付きました。
L1標識からレイパパレが抜け出し、ポタジェとアリーヴォがジワジワ差を詰めて、クビ差でポタジェが1着、レイパパレが2着でハナ差の3着がアリーヴォでした。内からジワジワ伸びたのがスカーフェイスで6着、下がってきたアフリカンゴールドを挟んで、ステラリアが8着でした。スカーフェイスとステラリアの差を考えても、4コーナーから直線では内目の方が良かったですね。
では1頭ずつ見ていきます。
1着はポタジェ、前走の金鯱賞ではスタート五分でしたが出して行かずに届かず、さすがに今回はポジションを取ってくると思いましたが、予想よりも前で中段の前でした。この位置取りが大きかった、恐らく自身は平均バランスくらいなので、心肺機能は問われず持続力勝負になりましたね。4F戦になってキレッキレのトップスピードが問われず、お姉ちゃんルージュバック譲りの持続力が活きた感じ。毎日王冠でGⅠ馬2頭相手に0.2差3着がありましたから、展開が嵌れば当然の結果ですよね。吉田隼騎手の2つのファインプレーも大きかった。
2着はレイパパレ、4コーナーでアフリカンゴールドを外から交わしに行った分ですね、あれがなければ勝っていたと思います。馬の力は十分に見せたし、外枠からよく頑張りましたね。川田騎手のペース認識の良さが存分に発揮されて、前半無理をしなかったこと、得意の4F戦になったことでの2着だと思います。今後も2000mならチャンスはあるでしょうね。
3着はアリーヴォ、前走の小倉大賞典では54㎏、2着のランブリングアレーには実質3.5㎏貰っていたので、0.3差を付けましたが好評価はできませんでした。小倉大賞典、その前の壇ノ浦Sでも5F戦になっていて、中段から押し切ったので持続力は持っている。今回も自身はスローからの5F戦みたいな形で、コース取りがドンピシャに決まりましたね。後半速いラップを求められなかったというのも大きかったはずで、自分の形に持ち込めましたね。もちろん豊騎手の2つのファインプレーは大きい、特に4コーナーのコース取りは、ステラリアと比べると影響が大きかった感じですね。
4着がヒシイグアス、調教が良く見えなかったので無印にしましたが、しっかり走ってきましたね。この馬も4コーナーで外を回した分が、直線で伸びなかった原因でしょうね。この馬の場合中段勢の前に居ましたら、コース取りの自由度はあったはずで、外へ行ってしまったのは騎手のミスでしょうね。ポタジェを追走する形なら、勝っていた可能性も。
5着がジャックドール、この馬は最初の2F目ですね。厳しいラップになると苦しくなるので、逃げ1頭が予想されるようなメンバー構成で狙えばいいでしょうね。
馬券の方はハズレ、馬連1点で行ったが良くなかったですね。トリガミを嫌うか、的中率重視で行くかのせめぎ合いですね~。
来週は阪神牝馬Sと桜花賞の予定です。