走破時計1:33.3 前半800m46.1 上がり3F 35.8
上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2022年春興S、緑は2021年阪神Cのグラフです。
今回はベステンダンクが4馬身程離して逃げました、ペースは46.1-47.2でハイペースバランス、良馬場ならばL2で10秒台に入るコースなので、稍重とハイペースバランスで速いラップを問われませんでした。このラップはソウルラッシュと、ホウオウアマゾンにドンピシャ、ファルコニアには対応できるが好相性という展開ではなかったですね。赤のグラフは今年の春興Sでソウルラッシュが勝った時のもの、重馬場でハイペースバランス、L1が12秒台に入る消耗戦と、今回とよく似た展開で持続力の高さを見せていました。
この馬はキレッキレのトップスピードの質は、今のところ見せていないので今回は展開が合致しました。ルーラーシップ産駒だからなのか、道悪も対応可能と言うか、むしろ道悪の方がパフォーマンスを上げてきますね。クリスマスCでも稍重で平均バランスを勝っているので、トップスピードの質が問われない時の方が良さそう。これでトップスピードの質まで持っていたら、手が付けられないほどの強さですが。
気になるのはホウオウアマゾンですね、この展開はぴったりのはずですが、勝ち切れませんでした。昨年の阪神Cでもややハイペースバランスの消耗戦で2着、L1が12秒台に入る展開でこその馬ですから、ここで勝ち切れなかったのは今後に向けてかなり不安が残りました。これが稍重馬場の影響か、それとも距離適性が短くなっているのか、今の段階では断定できませんね。
逃げたのはベステンダンク、やや離れてホウオウアマゾン、ヴィクティファルスが中段の前、中段のやや前からレインボーフラッグ、ファルコニア、ダイワキャグニー。中段からレッドベルオーブ、サトノアーサー、カラテ、ケイデンスコール、中段のやや後ろからエアロロノア、シュリ。中段の後ろからソウルラッシュ、後方からエアファンディタ、ロードマックスという並びでした。
スタートは全馬五分に出ていますが、カラテが左に寄れたことで、レッドベルオーブが遅れています。これでレッドベルオーブは促してリカバリーしたのですが、これがいけなかったのか掛かってしまいました。二の足が遅かったのがエアファンディタとロードマックスで後方から。シュリはスタート出て促していますが、外からダイワキャグニーとケイデンスコールが切り込んで来たことで、あっさり引いてしまい中段のやや後ろでした。
ベステンダンクがスタート決めて逃げ体勢、2F目で10.7を出して4馬身程離して逃げました。やや離れたメイン集団の前はヴィクティファルスとホウオウアマゾン、この位置でもややハイペースバランスだったはず。中段のやや前にファルコニア、1頭分外でいつもの川田ポジションでしたね。エアロロノアは中段のやや後ろで、内から2頭目をスムース。その後ろにソウルラッシュでした。
4コーナーです、ベステンダンクが先頭で3,4馬身離れてホウオウアマゾン。その後ろからファルコニアがスムースでした。この2頭は内から2頭目でした。内から3頭目を回したのがダイワキャグニー、カラテ、エアロロノア、エアファンディタ。内から4頭目はケイデンスコールで4コーナーで一杯、ケイデンスコールが下がったスペースを使ったのが、内から2頭目だったソウルラッシュで、4コーナーの出口からスムースに外に出して行きました。
直線L2標識付近です、ベステンダンクが2,3馬身離して先頭、ホウオウアマゾンとファルコニアは直線中目に出してスムース。ケイデンスコールはこの時点で一杯になり下がり、ヴィクティファルスもこの辺りで苦しくなります。ソウルラッシュはスムースに外に出しました。
直線L1標識付近です、ベステンダンクが苦しくなって、ホウオウアマゾンとファルコニアが並びかけます。この地点でもソウルラッシュはファルコニアから3,4馬身後ろ、ジリジリ差を詰めるくらいでした。L1標識付近から苦しくなったのはレインボーフラッグ、ダイワキャグニー、ロードマックス、この辺は距離適性でしょうね。ダイワキャグニーは前走ダートだったので、スピードに戸惑ったのかも。
ソウルラッシュは外から伸びて差し切り、レースのL1が12.5で、ソウルラッシュのⅬ1は11.7くらいですね。キレッキレのトップスピードの質を見せているわけではなく、パワーと持続力でねじ伏せるような勝ち方でした。ホウオウアマゾンが粘りに粘って2着、ファルコニアは差し切れずに3着でした。
では1頭ずつ見ていきます。
1着はソウルラッシュ、稍重馬場でハイペースバランスの消耗戦、この馬にドンピシャの展開になりました。パワーと持続力でねじ伏せるような勝ち方で、今後も好走するには展開がカギになりそうですね。次走安田記念で道悪なら期待できますが、パンパンの良馬場だと不安が出てきますね。
2着はホウオウアマゾン、2着は立派ですがこの展開で勝ち切れないのは印象が悪いですね。トップスピードの質では勝負にならないのですが、消耗戦になれば期待できる、特にL1で12秒台に入る時ですね。今回はベステンダンクがペースを作ってくれましたが、坂井騎手が自身で展開を作れるかどうかが今後のカギですね。
3着はファルコニア、前走の六甲Sで稍重で平均バランスを2着、今回はこの馬もややハイペースバランスに入っていた可能性があり、心肺機能はやや高いものを見せました。なのでこの馬は適性の幅が広い馬ですね。対応はしましたがこの展開がベストではなく、ややスローやスローから速い上がりを使った方が良さそうですね。
4着はベステンダンク、10歳ですからよく頑張りましたね。まずスタートが決まったこと、出して行って単騎の逃げに持ち込めたこと、稍重馬場で直線も時計が掛かっていたことなど、全てが上手く嵌りました。特にハイペースバランスで前半にリードを作り、中緩みを作らなかったことでリードを保ったまま直線に入りました。後半時計が掛かる展開なら、逃げが条件になりますが激走の期待が出来ます。
5着はエアロロノア、中段のやや後ろからスムースでしたが、3,4コーナーで内から3頭目を回したからか、直線いつもの伸びがありませんでしたね。これはキングカメハメハ産駒の5歳で、蓄積疲労からトップスピードの質が下がった可能性もあり、今後も差し届かずのレースが増えそう。
6着がレッドベルオーブで、スタートでカラテにぶつけられたのが痛かったですね、これで若干遅れて促してリカバリーしたら、掛かって折り合いが付きませんでした。ぶつけられてカーッとなったのか、促して行ったことで掛かったのか、どちらにしても今後も折り合いが付かないと勝負になりませんね。7着のカラテはいつも通りのレースでしたが、3,4コーナーで内から3頭目を回したことが原因なのか、それとも転厩初戦の影響なのか分かりませんが、伸びませんでしたね。落鉄もしていたようで、元々爪に不安があるので、厩舎側もまだこの馬を完全に理解していないのかも。エアファンディタは11着でした、同じ後方からのロードマックスと比べて、3,4コーナーで1頭分外を回していたので、この分が効いたのかも。
馬券の方は3連複だけ、馬連も当たって欲しかったです。3連単が当たらない病だったので、3連複にしておいて良かったです。次回は天皇賞(春)の予定です。