走破時計2:21.9レコード 前半1000m58.9 上がり3F 35.2
上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。
逃げたのはデシエルトでやや離して逃げましたが、大逃げという程ではありませんでした。4馬身程離れてアスクビクターモアで1000m59.5くらいでしょう。このレースは前後半58.9-59.0で平均バランス、アスクビクターモアの位置でもギリギリ平均くらいには入っていたはず。中緩みが小さい展開で、アスクビクターモア以下のメイン集団も、向正面からは同じラップを踏んでいるので、アスクビクターモアは持続力の高さだけでなく、心肺機能も見せましたね。
勝ったドウデュースは中段の後ろから、前半は折り合い重視で脚を溜め、L3に入ってから一気に加速、上がり3F33.7で差し切りました。この馬の良さはハーツクライ産駒らしくやや高いトップスピードの質と高い持続力ですね、とにかくスムースに加速すれば、どこまでも伸びていくタイプ。弥生賞のようにL3過ぎにブレーキすると、加速に手間取り取りこぼすんですよね。この馬に関しては外目の枠が好材料でした。
イクイノックスはL4から加速していました、4コーナーで最内を回して距離ロスをなくして、直線入り口では馬群に取り付きました。L4から全開で前を追いかけた感じで、さすがにL1で伸びが鈍った感じでした。本来ならもう少し前で構えて、L2で勝負を決めてしまいたいタイプですが、大外枠で前半の距離ロスを嫌って後ろからでした。直線入り口からL2標識まで前に馬が居ましたが、ジリジリ外へ出して行ったので、ブレーキはしていません。L4から11秒台の前半に入っていたはずなので、持続力は見せましたがさすがにL1で苦しくなった感じ。
デシエルトが掛かり気味に逃げ、後続を4馬身程離していました。メイン集団の前はアスクビクターモアで、その後ろからビーアストニッシドと掛かり気味のピースオブエイトで、この3頭は平均バランス位で走っていますね。中段のやや後ろになったダノンベルーガ、ジオグリフ、その後ろに居たドウデュースの3頭はスローバランスだったと思います。中段以降の馬は前半無理をしませんでしたが、向正面からは中緩みがなかったので、心肺機能もある程度問われていますね。
勝ったドウデュースはスタートで内へ切り込み、1,2コーナーは内から2.5頭目くらいをスムース。前のダノンベルーガよりも弱冠内を回していました。ジオグリフは内から4頭目で距離ロスがありました。イクイノックスは後方で、スタート五分に出ていますが、ポジションを取りに行かなかったので、ルメール騎手も前半無理をしない作戦だったんでしょうね。ジオグリフが7着だったことを考えると、これは好判断だったと思います。
4コーナーです、デシエルトが先頭ですが、L4区間でアスクビクターモアが差を詰めているので、アスクビクターモアは持続力の高さを見せましたね。ピースオブエイトはこの辺りで手応えが悪くなり、直線入り口で一杯になりました。ジオグリフが外目から手応えが悪く、促しながらジワっと上昇。その後ろからドウデュースが手応え抜群、持ったままジオグリフに続いて行きました。
ダノンベルーガもこの辺りから促しながら、直線入り口では前が壁になり外へ出すため進路変更、これはスムースな加速をしたいハーツクライ産駒には致命的でしたね。イクイノックスは4コーナー最内を回して近道、直線入り口ではメイン集団に取り付きダノンベルーガのすぐ後ろでした。ここからスムースに外へ出して行きます、ダノンベルーガと違って急激な進路変更ではなく、前との差を詰めつつスムースに外へ出して行きました。
直線L2標識付近です、アスクビクターモアが先頭に立ちます。この地点ではドウデュースは7,8馬身差がありましたが、この区間で一気に差を詰めます。ジオグリフとダノンベルーガが一緒に伸びてきますが、ドウデュースには見劣りましたね。イクイノックスは外から、このL2区間では最も速いラップを踏んでいるはずなので、トップスピードの質はかなり高いものを見せています。
直線L1標識付近です、アスクビクターモアにドウデュースが追い付き、並ぶ間もなく交わします。イクイノックスが続いてL2区間ではドウデュース以上でしたが、L1はさすがに伸びが鈍りました。アスクビクターモアは粘りに粘って3着、ジオグリフが苦しくなりここまで。ダノンベルーガは残り100mからアスクビクターモアと脚色が一緒になり4着でした。5着以下は3馬身離されているので距離だったり、クラス負けのだったりで苦しくなりましたね。
では1頭ずつ見ていきます。
1着はドウデュース、1コーナーへの入りが非常に良かったですね、スタートやや遅れましたが、大きくは遅れず内のジャスティンロックとマテンロウオリオンが後ろからだったので、内が空いていました。これを見逃す豊騎手ではなくすかさず内へ入りました。1,2コーナーは内から2.5頭目くらいで、ダノンベルーガよりも若干内、ジオグリフに対してはハッキリ内を回せました。4コーナー出口からスムースに加速して持続力を発揮、Ⅼ1標識で先頭に立ってフワッとしたようですが、そこは名手の手綱さばきで押し切りました。完璧な騎乗でした。
2着はイクイノックス、皐月賞に続いて大外枠で今回も2着。まずスタートで出して行かなかったので、1,2コーナーで外を回しロスを嫌ったのでしょう。Cコース替りで内が優位ということを意識したはずで、ジオグリフの7着を考えれば好判断だたっと思います。L4から全開になっていたので、さすがにⅬ1では伸びが鈍りましたが、Ⅼ2ではこの馬のトップスピードの質が光りました。真ん中辺の枠に入れれば勝っていたのではないかと。
3着はアスクビクターモア、メイン集団の前からで自身も平均バランスだったはずなので、心肺機能は高いものを見せましたね。L4でデシエルトとの差を詰めているので、この馬もイクイノックスと一緒でL4から全開、L1はさすがに苦しくなりましたが、ダノンベルーガを抑え切ったので持続力の高さを見せました。11秒台の半ばくらいを連発することが得意なようで、気が早い話ですが菊花賞はこの馬かも…。
4着はダノンベルーガ、前走の皐月賞では中段のやや前から差し損ね、内が荒れていた馬場という言い訳もあったと思いますが、今回は中段のやや後ろからでした。3コーナーでオニャンコポンが内へ入ったので、3,4コーナーは内から2頭目でこれが悪かった。直線入り口で前が壁になり進路変更、スムースに加速したいハーツクライ産駒には致命的でした。この直線入り口からL2標識までの間に、ドウデュースに並ばれ、イクイノックスにも捕まってしまいました。L2では悪くない伸びでしたが、L1で苦しくなり4着まで。
気になったのはゲート裏の輪乗りの段階、今回は馬体重マイナス10kgでしたが、ゼッケンの下にかなり汗をかいていました。絞れたはずなのに汗が目立っていたことで、調整失敗もあったかも。2週前に凄いタイムを出して仕上げ過ぎてしまったことで、その後の状態維持が難しくなったのかもしれませんね。
5着はプラダリア、ダノンベルーガから3馬身離されているので、距離適性を生かしての流れ込みと見て良いと思います。曾祖母のリトルオードリーがオークス3着なので、長いところで良さを見せそうですね。
馬券の方は馬連だけでトリガミでした、期待したピースオブエイトはやや掛かっていたので、初輸送の影響もあった感じですね。来週は鳴尾記念と安田記念の予定です。