走破時計1:32.3 前半800m46.7 上がり3F 33.6
上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。1枚目の青は今回、赤は2022年ヴィクトリアM、緑は2021年安田記念、黒は2021年NHKマイルCのグラフです。
一言で言えば「遅い」、今年のヴィクトリアMも遅かったと思いますが、それに輪をかけて遅い前半でした。当然馬群は凝縮していて、中緩みも大きくスローからの3F戦、トップスピードの質がモロに問われたレースでした。もちろん後ろからでは届かない展開でした。この展開にしてしまったのは坂井騎手ですね、ホウオウアマゾンは決してトップスピードの質で勝負するタイプではありません、昨年のマイルCSでも同じようにスローにして5着でしたから、同じミスを繰り返したことになります。
驚いたのはソングラインで、前走も良く伸びていましたが、それにしてトップスピードの質がここまで高いとは思いませんでした。目視推定ですがⅬ3から11.0-10.8-11.1位のラップですね。前半が遅過ぎたのでこれだけのトップスピードの質は見せたのだと思いますが、流れてしまえば持続力は持っていますから、適性の幅が広い馬ですね。今まで何で負けていたんでしょうね、不思議でなりません。これはシュネルマイスターにも言えますね、昨年のNHkマイルCと安田記念では厳しいラップで好走していますから、この2頭は適性の幅が高いレベルで広い馬ですね。
ではいつも通りペース認識の悪い騎手を挙げていきましょう、まずは逃げた坂井騎手、スタート抜群だったにも拘らず手綱を引いて抑え込んだ横山武騎手、スタートでやや遅れたがリカバリーしなかった藤岡佑騎手ですね。逆に良かったのは川田騎手、スタート五分から遅いと見るや前に行きました、さすがのペース認識でしたね。岩田康騎手はさすがに逃げるわけにいかず控えましたね、レース後に結果的には逃げた方が良かったというコメントがあったので、やはり遅いと思っていたのでしょう。逆に坂井騎手のコメントは「やりたいレースは出来た」とのことで、ホウオウアマゾンの適性を理解していないことも露呈してしまいましたね。
逃げたのはホウオウアマゾン、2番手にダノンザキッド、その外にダイアトニック。中段の前からカフェファラオ、レシステンシア、中段のやや前からファインルージュ、ヴァンドギャルド、サリオス。中段からロータスランド、ソングライン、中段のやや後ろからシュネルマイスター、ソウルラッシュ、カラテ。中段の後ろからナランフレグ、後方からカテドラル、イル―シヴパンサー、エアロロノアという並びでした。
スタートが良かったのはレシステンシア、その内からダイアトニックも速く、五分に出たホウオウアマゾンは押して押してハナへ行きました。坂井騎手のアクションが大きかったので、横山武騎手はこれに騙されたのかも。これはヴィクトリアMのローザノワール田中勝騎手のアクションに騙されたのと一緒ですね。ソングラインはスタートが良くすんなり中段、その外からサリオスもスタートやや早く中段のやや前を取れました。ダノンザキッドはスタート五分くらいですが、前に行って先行しました。カフェファラオも同じような感じで中段の前から。
やや遅れてしまったのがセリフォスで、リカバリーせず中段のやや後ろからでした。シュネルマイスターも若干遅れて馬群の中で中段やや後ろでした。ロータスランドはミルコに乗り替わった影響でしょうか、やや遅れてしまいリカバリーして中段からでした。
4コーナーです、ホウオウアマゾンがL5-L4で12.0迄中緩みを作り馬群が凝縮、サリオスがジワっと外から上がり、それにソングラインが続きました。セリフォスがここで動きませんでしたね、この差がゴール前の差になったように感じます。この地点でソウルラッシュとナランフレグ、セリフォス、カテドラル、イル―シヴパンサー、エアロロノアは勝負権がなかったですね。
直線L2標識付近です、ホウオウアマゾンが先頭で内外で離れていましたが、ダノンザキッドと1馬身程の差でした。ファインルージュは前が空かず、外にも行けず閉じ込められていましたね。外からスムースだったのがサリオス、ソングラインで、シュネルマイスターはレシステンシアに詰まる格好でしたね。大きなロスはなかったはずですが、スムースだったサリオスとソングラインにはここで差が付きました。
直線L1標識付近です、この地点でホウオウアマゾンが捕まります、サリオスとソングラインもスムースに差を詰めて、そのままの勢いでL1へ入っていきます。シュネルマイスターはサリオスがレシステンシアの前に出てからでしたね、セリフォスに並ばれていました。カフェファラオが下がってファインルージュのコースが空きましたが、もう少し外へ出したかったようですね。
ダノンザキッドがL1区間で苦しくなりました、レース前から汗びっしょりだったので、体調は100%ではなかったはず。外からサリオスとソングラインがスムースに伸びて、レースのL1ラップが11.4ですから、トップスピードの質と持続力を見せましたね。シュネルマイスターはL2区間でスムースさを欠いていましたが、L1では前の2頭を上回る末脚でしたから、瞬間的に加速しているのでしょう。これはマイルCSでも見せていましたね。セリフォスもトップスピードの質と持続力は見せましたが、初手のポジションと4コーナーでやや遅れたことで届きませんでした。
では1頭ずつ見ていきます。
1着はソングライン、ここまで高いトップスピードの質を持っているとは思いませんでした。元々持続力の高さはNHKマイルCで見せていましたから、好走するならある程度流れた中で先行した時だと考えていましたが、これでは考えを改めないといけませんね。NHKマイルCで心肺機能と持続力を、今回の安田記念でトップスピードの質を見せているので、今まで何で負けていたのでしょうか。ここまでバランスの良い能力があれば、マイルでは余程のことがなければ負けないでしょうね。
2着はシュネルマイスター、この馬は元々適性の幅が広いことを見せていましたね。ただ今回は海外で凡走してきたので、体調面に不安がありました。しかしノーザンFで仕上げたので心配なかったですね。L2で一瞬前に詰まりましたから、2着まで伸びたのはさすがの末脚でした。血統からはこういう足を使えることが意外ですが、この辺りはノーザンF天栄で工夫しているのでしょう。この馬もマイルでは余程のことがなければ凡走するイメージが湧きませんね。
3着はサリオス、これは馬体重だけでしょう。ダービー2着時の528㎏まで絞ってきたので、この体重なら1200mでも好走しそうな気がしますね。馬体重だけ見ていれば良さそうな気がします。
4着はセリフォス、スタートがちょっと遅れましたね。前走のNHKマイルCではスタートやや遅れましたが、福永騎手がリカバリーして前に行きました。この時に掛かっていたので、今回リカバリーしなかったのは、前走掛かったことを恐れたためでしょうか。この馬もトップスピードの質を見せたし、L1でもしっかり伸びているので持続力も見せましたね。初手の段階でもう少し前に居れば。
5着はファインルージュ、馬群の中からでスムースに外に出せませんでした。空いてから伸びましたが5着まで、内が荒れていたので内へ行かなかったのは豊騎手の好判断ですが、内枠が悪い方に出てしまいましたね。
6着のダノンザキッドはⅬ1で減速率が大きくなりました、マイルCSではⅬ1で伸びてきたので輸送の影響もあったはず。レース前から汗びっしょりでしたから、この馬は地元でこその馬ですね。イル―シヴパンサーは8着でした、結局この馬が1番人気でしたが、さすがに後方からでは上がり最速でも届かない展開でした。ただGⅠでは流れても中段辺りの馬も速い上がりを使うので、余程のハイペースバランスで消耗戦にならないと苦しいと思います。
カフェファラオは17着でこの展開ではスピード負け、上り34.4は前走のフェブラリーSの34.3とほぼ一緒、今回はL1では諦めていましたから、それでこのタイムなら芝でも展開次第で通用すると思います。ダイアトニックは前半掛かってしまい凡走、スタートが良過ぎましたね。岩田騎手も逃げた方が良かったと言っていたので、今回は噛み合いませんでした。
馬券の方はハズレ、展開を決めつけ過ぎてしまい、このスローの展開は予想できませんでした。幅の広い展開に対応できる馬券の組み立てが必要ですね。次回はエプソムCの予定です。