みやや競馬

2023年AJCC 回顧。内枠の岩田騎手は黙って買い。

走破時計2:13.5    前半1000m61.3   上がり3F 35.2

まずは馬場状態ですが良馬場でした、クッション値が下がりましたが、ゴール前の含水率は下がり良馬場に回復しました。このレースの上り3Fが35.2でL1で12.0まで減速しているので、良馬場でも重めの馬場だったと思います。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2022年オールカマー、緑が2020年セントライト記念、黒が2022年のセントライト記念のグラフです。

まず今回の黒のグラフで顕著なのが、L5とL4で大きな中緩みが出来ていること。この中緩みでトップスピードの質が問われる展開になりました。L2標識ではノースブリッジとバビットの差は2馬身程、これをⅬ1標識では逆転して2馬身差ですから、ノースブリッジのL2ラップは11.0か10秒台に入っていた可能性もあります。瞬発力は低いと思いましたが、一旦溜めるとスッと加速できる、出し抜けるだけの瞬発力を持っていました。

ユーバーレーベンについては中緩みで押し上げが決まりました、L5の手前から捲り上がっているので、前のペースが落ちたところをすかさず動いた、ミルコのペース認識が活きました。エヒトは動き出しのタイミングが遅かったのですが、L3区間でユーバーレーベンと2,3馬身の差、L2でユーバーレーベンに追い付いているので、L2で11.0くらいは出しています。中緩みで馬群が凝縮したことでエヒトも届いた感じでした。

赤と緑がバビットが好走したレースで、共に今回と同じコース。セントライト記念ではスローからの5F戦、オールカマーもスローからの4F戦で、どちらも11秒台前半のラップは踏んでいません。これが今回との大きな違いで、この馬はトップスピードの質が低いので、11秒台前半を踏んで苦しくなりました。これはガイアフォースも一緒で、黒のグラフ2022年セントライト記念でも、11秒台前半のラップがない。この2頭が凡走した理由は、自分の展開にならなかったことが大きいですね。特にバビットは横山典騎手でペース認識は良いはずですが、動き出しが遅かったのは意外でした。大事に乗り過ぎた感じですかね~。

逃げたのはシャムロックヒル、2番手にバビット。向正面でラーゴムが3番手に上がりここまでが先行勢。中段の前からエピファニ―、中段のやや前からノースブリッジ、オウケンムーン、ガイアフォース。中段からブラックマジック、スタッドリー、中段のやや後ろからエヒト、中段の後ろからアリストテレス、ユーバーレーベン。後方からレインカルナティオ、ポツンとレッドガランという並びでした。

シャムロックヒル、バビットはいつも通りのスタートで、バビットが控えて隊列が決まりました。オウケンムーンとラーゴムがスタート五分から、オウケンムーンは出して行き前に、ラーゴムは出たなりでしたが2コーナーを過ぎてから前に行きました。ガイアフォースはスタートで寄れましたが五分に出て中段のやや前。ガイアフォースにスタートでぶつけられたエピファニ―は中段の前、ぶつけられた影響もあったのかいつも通り掛かり気味。

ブラックマジックはスタート良かったのですが、控えてしまい中段から。ここぞという時の三浦騎手の弱気が出ましたね。ノースブリッジはスタート五分くらい、行く気に任せて前に行きバビットの後ろに入れました。エヒトはスタート五分から中段のやや後ろからで、単騎でストレスフリーでした。ユーバーレーベンもスタート五分でしたが、前半は無理をしないで中段の後ろからでした。

4コーナーです、L2標識までのL3区間は11.9でペースが上がっていません、なので馬群が凝縮していて、ユーバーレーベンはこの地点で前から2列目。ノースブリッジはその最内に居ます。エヒトはこの地点ではまだ後ろでしたが、外から押し上げているので、加速体勢でL2へ入っていきます。

バビットはここでシャムロックヒルを交わしに行きます、横山典騎手は大事に行き過ぎましたね。ここからエピファニ―が苦しくなり下がり、空いたスペースを使ってノースブリッジがバビットの後ろに付け、直線入り口ではバビットに並んでしまいます。

直線L1標識付近です、ノースブリッジが抜け出しバビットが苦しくなります。外からユーバーレーベンとエヒトがスムースに伸びてきて、エヒトが差して2着。ユーバーレーベンも粘って3着。前で粘ったのはラーゴムで、L2の11.3でノースブリッジに見劣り、ここで離されました。ガイアフォースとスタッドリーは流れ込むだけ、L2で速いラップを踏まされてしまい、L1で伸びがイマイチになっていました。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はノースブリッジ、展開も向きましたが初手の位置取りも良かったですね。改めて内枠の岩田騎手は怖いと思いました。2200mはやや長いかと思いましたが、全く問題なくこなしていますし、なによりL2で見せた瞬発力は今後武器になりそう。今回はちょっと展開が向き過ぎた感じもあるので、あまり過大評価はしたくないですね。

2着はエヒト、L2の11.3には同じかやや速い位のラップだったはずで、まぁまぁのトップスピードの質を見せましたね。L1でユーバーレーベンを差しているので、トップスピードの持続力で上回りました。この馬も展開が向いていて、上がり33秒台が求められる馬場では、まだまだ不安がありますね。

3着はユーバーレーベン、この3着は展開が嵌りましたね。この馬はいつも後ろからになるので、どうしても展開待ちになります、今回は中緩みで前を射程圏に入れられる位置に押し上げたこと、これに尽きますね。ミルコのペース認識の良さが生かせたレースで、L1が12.0まで落ちたことで粘り切った感じ。今後も高速馬場では苦しくなると思うし、中緩みの小さい展開では届かないレースになると思います。

4着はラーゴム、2走前までダートを走っていましたが、芝に戻して2走目で好走してきました。調教師の指示なのか騎手判断なのか不明ですが、前に行ったことが良かったですね。Ⅼ2でスピード負けした感じなので、この感じだと馬場を選びそうですね。

5着はガイアフォース、今回は展開合わず。セントライト記念では強い内容でしたが、スローからの3F戦で11秒台前半を求められると苦しいですね。今回休み明けだったことも影響したかもしれません。

エピファニ―は11着、スタートでガイアフォースにぶつけられましたが、それ以上に前半掛かっていましたね。一気に2Fの距離延長でスローの展開ですから、折り合いが付かなかった感じ。距離短縮で見直したいですね。

馬券の方はハズレ、展開が予想と全く違ってしまい完敗でした。次回は東京新聞杯の予定です。