みやや競馬

2023年京都記念 回顧。格が違った。

走破時計2:10.9    前半1000m59.5   上がり3F 34.5

まずは馬場状態ですが良馬場、走破時計2:10.9は速いという程ではないのですが、レースの上がり3Fが34.5なのでかなり速いですね。土曜日の但馬Sでも上がり3F最速33.0が出ているので、内回りもやや高速馬場で良いと思います。プラダリアのコース取りを見ると、1,2コーナーは内外フラット、3,4コーナーが内の方が良さそうですね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2021年宝塚記念のグラフです。

青の今回のグラフですが、前後半は59.5-59.0の平均バランスで、中緩みからの3F戦になっています。これで逃げたユニコーンライオンはL1標識付近で一杯になったので、やはり距離適性が短くなって2000mまでになりましたね。赤のグラフの2021年宝塚記念に比べて、今回は楽な展開になっているので、トップスピードの質で見劣ることはあっても、持続力で苦しくなったのは距離適性が短くなったからだと思います。

勝ったドウデュースは4コーナーで既に前から4馬身程の位置、L4でペースが上がらないと見るや、すかさず前を射程圏に入れた豊騎手の好判断ですね。結局L4までペースが上がらなかったことで、トップスピードの質を持っていない馬は苦しくなりました。それがマイネルファンロンで、4コーナーではドウデュースのすぐ内に居ましたが、直線入り口でドウデュースに付いて行けずに凡走しました。ウインマイティも同じような感じで凡走、初手で前に行かなかったことで出番なしでした。

逃げたのはユニコーンライオン、2番手にエフフォーリア、中段の前からキングオブドラゴン、中段のやや前からキラーアビリティ、プラダリア。中段からマテンロウレオ、ウインマイティ、中段のやや後ろからマイネルファンロン、ラストドラフト、アフリカンゴールド。中段の後ろからドウデュース、後方からスカーフェイス、インプレスという並びでした。

逃げたいはずのアフリカンゴールドはスタート五分でしたが、二の足が遅くキングオブドラゴンに外から蓋をされてリカバリーできませんでした。ユニコーンライオンが単騎逃げ体勢、ところが1コーナーの入り口でエフフォーリアが2番手に上がりました。最初の直線部分でエフフォーリアは馬群の切れ目に入れられず、外に浮かされていました。馬場状態を考えて横山武騎手は前に行ったんでしょうね。

好位置を確保したのはキングオブドラゴンとキラーアビリティ、マテンロウレオも良い位置取りでしたね。プラダリアは1,2コーナーで内から3頭目で、内に入れられませんでした。ドウデュースは中段の後ろからで内から4頭目、豊騎手はストレスを掛けずにスムースなレースを考えていたようですね。

4コーナーです、3コーナー入り口まで内から3頭目だったプラダリア、L3でエフフォーリアが下がってしまったことで、その前に入って内から2頭目でした。ドウデュースは内から4頭目、先頭から4馬身程で前を射程圏に入れています。マテンロウレオは最内、エフフォーリアが下がってきたことでやや待たされました。

直線L1標識付近です、直線入り口からスピードの違いを見せて、ドウデュースが先頭に立ち2馬身程の差。ここまではユニコーンライオンも踏ん張っていましたが、ここから苦しくなりました。プラダリアがユニコーンライオンに並びかけ、キングオブドラゴンがモタモタしている間に、後ろからマテンロウレオが抜け出してきました。

ここからドウデュースは差を広げて完勝、ただ豊騎手が再三右ムチを入れているにもかかわらず、徐々に内へ寄れて行ったので、まだ本調子ではなかった感じですね。プラダリアが粘ることろを、マテンロウレオが差して2着。この辺りはトップスピードの質の差が出ましたね。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はドウデュース、格が違いましたね。中緩みからの3F戦になったことで、この馬のトップスピードの質と持続力が活きる展開だったし、L4で前を射程圏に入れた豊騎手の好判断など、完璧なレースでした。初手から後ろで馬群の外を走らせていたので、豊騎手も相当気を使って乗っている感じがしました。なので内枠を引いて揉まれる展開になった時には不安もありますね。

2着はマテンロウレオ、休み明け4走目で疲労を不安視しましたが、大きなお世話でした。前走はスタートで出遅れたので、精神的な疲労だったなら地元に戻って回復したんでしょうね。この馬は関東圏では好走しないので、もしかしたら輸送の可能性もあります。なんにせよトップスピードの質が生きたし、3,4コーナーで最内を回せたことも大きかったですね。

3着はプラダリア、青葉賞が中緩みからの3F戦で中段よりも前から押し切りました、今回も同じような展開で3着に好走しているので、この辺りがこの馬の適性なんでしょうね。初手でやや距離ロスがあったので、その分は差し引いてあげないといけませんが、ドウデュースには並ぶ間もなく交わされているので、この世代のトップクラスではないですね。

4着がキングオブドラゴン、中緩みからの3F戦ではトップスピードの質で見劣りますね。ユニコーンライオンの後ろに居たし、自分から動くスペースもなかったので仕方ない展開でした。

5着はキラーアビリティ、中日新聞杯で2着に下したマテンロウレオが2着なので、物足りない結果でした。気になったのはパドックで舌を出していたこと、集中を欠いていた可能性があり、いつ走るか難しい馬になりそう。

馬券の方はハズレ、ハイリスクハイリターン狙いだったので仕方ないのですが、3F戦になるとは予想できませんでした。次回は京都牝馬Sの予定です。