走破時計1:47.1 前半1000m48.2 上がり3F 35.4
まずは馬場状態ですが良馬場、前半がスローの割に上がりが掛かっていますね、意外でした。開幕週ですがエアレーションの影響なのか、L1が12.4まで落ちていますから、高速馬場とは言えず、標準的な良馬場ですね。
上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2023年中山金杯、緑は2022年皐月賞のグラフです。
ラーグルフが人気薄ながら2着に好走しました、前走の中山金杯で差し切っているのでコース適性は良いのですが、皐月賞では全く勝負になりませんでした。グラフを見れば一目瞭然で、L1のラップタイムが遅ければ差しが届く、速ければ届かないということですね。このⅬ1が12秒台と言うのはホープフルS3着、甲斐路S1着の時も同じ。弥生賞は休み明けでマイナス10㎏、セントライト記念は1F長かった感じですね。
ドーブネが3着粘りました、スローバランスですが、L6から11秒台後半を淡々と刻み、息の入らないラップにして粘っているので、心肺機能と持続力は見せていますね。ただ2,3走前の阪神1800mでは下り坂で10秒台を踏んでいるので、トップスピードの質が誤魔化せる阪神や京都の方が合いそうですね。ヒシイグアスはパワーと持続力型ですね、天皇賞(秋)と比較するとトップスピードの質で差がありますから、府中よりも阪神内回りや中山向きですね。
逃げたのはドーブネ、2番手にショウナンマグマ、中段の前からダノンザキッド、スタニングローズ。中段のやや前からソーヴァリアント、イル―シヴパンサー、中段からシュネルマイスター、リューベック。中段のやや後ろからヒシイグアス、トーラスジェミニ、中段の後ろからラーグルフ。後方からソロフレーズ、ナイママ、モズベッロという並びでした。
スタート五分からドーブネが逃げ体勢、ショウナンマグマが押して押して2番手に上がり、内からダノンザキッド、外目からスタニングローズが前に行きました。特に速くなることもなく隊列が決まると、中緩みを作らず淡々とした流れを作りましたね。イル―シヴパンサーがスタート五分に出て中段のやや前、ミルコの割にスタートが良かったので驚きました。
シュネルマイスターは内から中段、スタート五分に出ているので体調は良かったんでしょうね。その外にヒシイグアスで、スタート五分から前半は無理をしませんでした。リューベックが馬群の外になってしまい、1,2コーナーからかなり距離ロスしていました。ラーグルフはスタート五分から中段の後ろでした。
4コーナーです、豊騎手が前半の3Fまでペースを上げずに馬群は団子状態、そのまま11秒台の後半を淡々と刻みましたが、馬群は凝縮したままでした。スタニングローズやソーヴァリアントは、この息の入らない展開が苦しかったのかも。この辺りでダノンザキッドが苦しくなり、イル―シヴパンサーは上手く交わしましたが、シュネルマイスターはやや待たされています。
直線L1標識付近です、ドーブネが先頭でショウナンマグマが追いすがります。ヒシイグアスがスタニングローズの外に出してスムース、ラーグルフも外からスムースでした。ここからドーブネが粘りますが、フラフラしていたので苦しかったはずです。このふらつきで後ろから最内を狙った2頭が影響を受けました。シュネルマイスターが最内、そこにイル―シヴパンサーが入ろうとして狭くなりましたね。ドーブネが鞭に反応して左右に動いていたので、この2頭は運がなかったですね。特にイル―シヴパンサーはショウナンマグマが居なければ突き抜けていた感じだったので、勿体ないことをしました。
ヒシイグアスはパワーでグイグイ上がってきて差し切り、外からラーグルフもスムースに伸びて2着確保。この2頭の差はL2区間のトップスピードの質の差でしょうね。ラーグルフが外を回した分もありますが、ヒシイグアスがスムースならL2で勝負を決めてしまったはずで、進路変更しながらしっかり勝ち切る格の違いを見せました。
では1頭ずつ見ていきます。
1着はヒシイグアス、息の入らない展開でしっかり勝ち切るあたり、総合力の高さを見せましたね。宝塚記念2着は伊達ではなく、8カ月振りも全く問題にしませんでした。馬体重がプラス14㎏と心配しましたが、素人目には太目感もなく許容範囲なんでしょうね。昨年の大阪杯では馬場の悪い内から3頭目を回していたので、それで5着は高評価で良いんでしょうね。府中以外で買いたい馬ですね。
2着はラーグルフ、前半足を溜めて持続力を発揮する形がベストですね。この馬はトップスピードの質は高くないので、府中や阪神外回りでは注文が付くと思います。もう1段のレベルアップがあれば、大阪杯や宝塚記念で面白い存在になりそう。
3着はドーブネ、豊騎手のペース認識の高さを改めて見せつけられましたね。この馬の良さを引き出す最高の騎乗だったと思います、それで3着、しかもシュネルマイスターとイル―シヴパンサーがスムースなら差されていたでしょうから、このクラスではやや苦しいかもしれませんね。もしくは1F短縮してマイルなら粘れたかもしれませんが、マイルだと基本的なスピードが違いますから、そこに対応できるかどうか未知数ですね。
4着はシュネルマイスター、内枠を引いたのでこれがあるかもと思いましたが、案の定でした。ただスタートも悪くはなかったし、内から怯まず走れたことは収穫で、今後は内でも大きな不安はないかも。勿論ベストは外からスムースなレースをすることなので、次がどこか分かりませんが、外目の枠を引いて欲しいですね。
5着はスタニングローズ、3番人気で5着と物足りない結果でした。コース適性は良い割に直線伸びなかったことを見ると、持続力で見劣ったかなという感じ。下のグラフを見てください、凡走したエリザベス女王杯は他のグラフと似ているように見えますが、重馬場なのでこのラップはかなり速いんですよね、これを中段のやや前辺りに居ましたから、息が入らない流れで苦しくなった感じ。今回のグラフを見ても息の入るところがないので、5F以上のロンスパになると苦しくなるのかもしれません。こういうラップ推移になりやすいのが宝塚記念なので、出て来るようだと注意が必要ですね。
ソーヴァリアントは9着、ショウナンマグマやリューベックにも後れを取っているので、単純な力負けという感じではないですね。オールカマーで心房細動を発症した苦い記憶がトラウマになっているのかも。同じく凡走したダノンザキッドも、昨年川田騎手が言うように嫌な思い出が忘れられないのか輸送なのか、僕は輸送だと思うので地元で見直したいですね。
馬券の方は複勝だけ、それでも複勝290円だからね!
もう少し馬場が速くなると思ったんですが、思いのほか力の要る馬場状態でラーグルフに印が回りませんでした。次回はオーシャンSの予定です。