走破時計1:57.4 前半1000m 58.9 上がり3F 35.3
まずは馬場状態ですが良馬場でした、レコードタイムで決着していますから、高速馬場になっていますね。土曜日は散水していないので、含水率がさらに下がり、クッション値も9.8と若干硬い方向にシフトしました。マテンロウレオの4着を見れば、内優位は明らかでしたね。
上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2022年金鯱賞、緑は2022年大阪杯のグラフです。
今回のグラフ青と2022年金鯱賞の赤を比べて見てください、計ったように一致していますね。これが豊騎手の凄さで、まさに精密時計を頭の中に持っていますね。しかもそれを生かすために、ジャックドールが好走した金鯱賞のラップをしっかり頭に入れている。これを見せられて他の騎手はどう思うのでしょうね。
昨年のラップと比べると前半で無理をしなかったことが、最後まで粘り切れた要因でしょう。このラップ推移がこの馬の好走条件で、この形になれば余程のことがなければ好走すると思います。パンサラッサみたいな馬が居ると、どうしても前半無理をさせられる可能性が高くなりますが、2番手でも競馬が出来るのは札幌記念で見せていますから、豊騎手の継続騎乗なら不安はないでしょうね。
スターズオンアースはハナ差まで追い込んできました、L1の手前まではジャックドールとの差はそれ程詰まっていないので、L1でのバテ差しで2着に持ってきた。向正面で隊列が決まってからは、前と同じペースで走っているはずなので、とんでもない持続力を見せたことになります。これで自身のL1を11秒台で纏めてきたので、初手のポジションが取れれば楽に勝っていたでしょうね。
逃げたのはジャックドール、スタートでポット出たし、内のマリアエレーナはなぜか引いたし、ポタジェも逃げる気がなく引いたので楽に逃げ体勢を築けましたね。2番手にスタート五分だったノースザワールド、出して行って2番手は予定通りだったと思いますが、掛かっていたので自滅してしまいました。マテンロウレオが内から3番手で、横山典騎手は狙ってきましたね。
ダノンザキッドがスタートやや早く中段の前、ポタジェが引いてくれたので内から2頭目に入れられました。中段のやや前の内からノースブリッジ、中にポタジェ、外にヒシイグアスでこのポジションはロスが大きかったですね。中段の内からなぜか引いてしまったマリアエレーナ、ヴェルトライゼンデは外目、その外にヒンドゥタイムズ。
中段のやや後ろからになったのがキラーアビリティで外から、内にジェラルディーナ、内から3頭目にスタートで寄れたスターズオンアース。モズベッロとラーグルフがやや間隔を空けて中段の後ろ。後方からワンダフルタウンという並びでした。ワンダフルタウンはスタートでノースブリッジに寄られてしまい、バランスを崩していました。
前半3Fは35.5でした、昨年よりも0.9秒も遅いので初手では無理をしていませんね。5F目からペースを引き上げてロンスパに持ち込んでいます。これだと後続は動けなくなりますね、なので捲りに行く馬は居ませんでした。
4コーナーです、ここで動きがあったのはダノンザキッド、ノースザワールドが前半から掛かっていたこともあり、3コーナー過ぎには苦しくなりました。これでダノンザキッドは内から3頭目を回してしまいました。もちろんノースザワールドに付き合って下がってしまえば、凡走していたはずですから、横山和騎手の好判断ですが運がなかったですね。
ヴェルトライゼンデが内から4頭目を回しています、予想の段階で危惧した動きでした。この地点ではスターズオンアースは内から2頭目でステイ、流れていたのでスムースに直線に入りました。ポタジェはノースザワールドが下がってきた影響を受けていますね、瞬発力の高い馬ではないのでこの影響は大きかったと思います。
直線L1標識付近です、スターズオンアースは直線入り口からヒシイグアスとヴェルトライゼンデの間をスムース、川田騎手が右ムチだったので、この2頭の間が空きましたね。ジャックドールが先頭で、ダノンザキッドがマテンロウレオの前に出ます。
ここからジャックドールが粘って押し切り、ダノンザキッドが追いすがっているところで、外からスターズオンアースが差し込んで2着でした。マリアエレーナがジリジリ伸びて5着、初手の位置取りが悔やまれる結果でした。
では1頭ずつ見ていきます。
1着はジャックドール、完璧なラップで走らせてあげれば結果は出るんですよね。改めてパワーと持続力の高さを見せたレースでした。
2着はスターズオンアース、スタートが悔やまれますね。他馬の影響はほとんどなく、自身で左に寄れているので言い訳出来ません。それでもラップ推移からは化け物じみた持続力を見せているし、L2ではヴェルトライゼンデを並ぶ間もなく交わしているので、スピードも十分に見せました。返す返すもスタートですね。
3着は”我らがダノンザキッド”です、普通に走ればこのくらいはやれて当然。4コーナーでノースブリッジが早目に苦しくなったのが誤算で、ここで内から2頭目を回せれば勝っていたのでは・・・。
4着はマテンロウレオ、初手の位置取りで内。前を取った時点で好走するだろうと思いました。これは馬場を読み切った横山典騎手の好判断で、騎乗としては最高だと思います。この馬も輸送がない方が良さそうですね。
5着はマリアエレーナ、スタート出たんですがね~。なぜか中段まで引いてしまい届かず。前走の反省が生かせませんでしたね。
ジェラルディーナは6着、後ろからでは届きにくい展開だし、詰まっているわけではありませんが、速い上がりに対応できませんでした。ヴェルトライゼンデは4コーナーで内から4頭目を回した影響だと思います。ノースブリッジとヒシイグアスは輸送の影響でしょう。
馬券の方は的中、”我らがダノンザキッド”に感謝ですね。次回は阪神牝馬Sと桜花賞の予定です。