走破時計1:32.1 前半800m 45.9 上がり3F 34.5
まずは馬場状態ですが良馬場でした、朝の段階では稍重でしたが、含水率はかなり下がり馬場は回復していました。7Rから良馬場に回復しているので、レース時間にはかなり速い馬場になっていました。走破時計1:32.1は特段早くはありませんが、リバティアイランドの上り3Fは32.9なので、馬場はやや高速馬場と見て良いと思います。
上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。
1着リバティアイランドの上がり3Fは32.9です、L3標識では後方から3番手、先頭からだとおよそ12馬身程離れていました。ここから4コーナーで外を回して、L2標識では前から9馬身位。レースのL3ラップは11.4なので自身は11.0くらいでしょうね。ここからL2でジワジワ加速して10秒台、L1も11秒台の前半で纏めているはずで、トップスピードの質と持続力の高さを見せましたね。
阪神JFではトップスピードの質ではなく、パワーと持続力、それに心肺機能が問われていましたが、今回は単純にスピードで圧倒してきました。川田騎手も自信満々で乗っていたので、着差以上に強かったですね。
ハーパーはルメール騎手のペース認識の良さが仇になりましたね。2F目の10.4で引いてしまったので、ペリファーニアにスペースをあげることになりました。これはルメール騎手を責められないですね、ここで引かなければ今のルメール騎手の地位はなかったはずで、ペース認識が良過ぎるための不運でした。
逃げたのはモズメイメイでした、コナコーストが来たので2F目で10.4を踏んでしまい、前後半のラップ差で見ると0.2秒差の平均バランス。チューリップ賞で豊騎手が刻んだラップとは大きく違いましたね。スタート五分だったコナコーストがやや促して2番手に上がりました。スタート早かったブトンドール、ライトクオンタム、ハーパー、ドゥアイズの4頭は中段のやや前から中段の内目。ライトクオンタムは掛かっていました。
シングザットソングはスタート五分で前に行き、内が空いたので最内に入れました。外からトーセンローリエがスタート五分くらいから中段の前に上がり、スタート五分のペリファーニアが上がってきて、ハーパーが下がったスペースに入りました。これは横山武騎手の好プレイで、前に行く気がなければハーパーが下がってもこのスペースに入れませんから、外目の枠から前に行った勇気が好結果を生みましたね。
リバティアイランドはスタートイマイチ、徐々に下げて行って中段の後ろから。切れ目を探すような騎乗でしたね。キタウイングはスタートやや遅いかなというくらいでしたが、ポジションを取りに行く素振りも見せずに後方、この騎乗は頂けないですね。ラヴェルもスタート遅く中段の後ろからが精一杯でした。
4コーナーです、平均バランスで中緩みが小さいために縦長のままですね。こうなると本来後ろの馬は届かないはずなんですが、1頭だけ化物が居ましたね。リバティアイランドはこの地点で後ろから3頭目、ここから外に出して馬場の悪い外目を捲り上がっていきます。横の比較で同じ位置に居たラヴェルが、直線の最後で狭くなりましたが上がり3F33.9で全く届きませんでしたから、如何にリバティアイランドの力が抜けているか分かりますね。
コナコーストは最内、その外にトーセンローリエが居てその後ろがペリファーニアでした。ハーパーはペリファーニアの後ろ、この位置関係で差せないわけですからトップスピードの質で見劣りましたね。シングザットソングはスムースで最高の位置取りでしたが・・・。
直線L2標識付近です、モズメイメイが先頭でコナコーストが並びかけます。シングザットソングがコナコーストに付いて行く感じで、トーセンローリエがトップスピードの質で対応できずに下がり、外からペリファーニアはスムース。リバティアイランドはこの地点で前から9馬身位の位置でした。
直線L1標識付近です、コナコーストが抜け出し先頭、ペリファーニアが1馬身程の差で続き、シングザットソングがL2区間で遅れました。ハーパーはジリジリまででトップスピードの質で見劣り。外からリバティアイランドが差を詰めてきますが、この地点でもまだ5馬身位はあったはずです。
ここからリバティアイランドが止まらず、下り坂で貰ったスピードをそのまま維持して坂を駆け上がった感じですね。コナコーストとペリファーニアは互角の末脚で粘り込み、ハーパーがL1標識過ぎからは差を広げられることなく追走して4着でした。
では1頭ずつ見ていきます。
1着はリバティアイランド、モノが違いましたね。この世代の牝馬だけでなく牡馬含めて最強だと思います。このコースでこのレース振りなので、府中ならもっと楽に勝ってしまうと思います。瞬間的なトップスピードの質だけでなく、それを持続する能力の高さは化け物レベル。ただL3区間での加速はやや物足りませんでした、これはアルテミスSで詰まってからの再加速に手間取ったことからも、瞬発力は高くないんでしょうね。そういう意味では内枠を引いて、川田騎手が引きながら切れ目を探したのは良かったですね。
2着はコナコースト、この馬も持続力に関してはかなり高いものを見せていて、このレースをして差し切られたら、生まれた年が悪かったとしか言いようがないですね。2番手で先行してL4が11.7ですから、理想的な展開でした。スタート五分から怖がらずに出して行った鮫島騎手の好騎乗だったと思います。
3着はペリファーニア、初手の位置取りですね。スタート五分から怖がらずに出して行ったことで、好位置が取れたことが大きかった。横山武騎手も最高の騎乗をしたと思います。
4着はハーパー、ペリファーニアとは逆に初手の位置取りで運がなかったのがこの馬でした。ルメール騎手のペース認識が良過ぎることが悪い方に出てしまいましたね。これでこの馬の適性がはっきりしましたネ、トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高いものを持っています。
5着はドゥアイズ、この馬もこの展開では苦しいですね。阪神JFではハイペースバランスでバテ差しが効きましたが、今回はL2でトップスピードの質が問われているので、この馬では対応しきれませんでした。今後は馬場が渋った時に期待したいですね。
シングザットソングは7着、道中のポジションは理想的な位置取りでしたが、L2でスピード負けした感じでした。今までのレース振りからもう少しやれても良いと思いますが、フィリーズレビューから中3週というのが堪えたのかもしれませんね。
オークスへ向けて注目しているのはラヴェルとシンリョクカです。
馬券の方は馬単だけ、絞って点数を少なくしたので何とかプラスでした。次回は皐月賞の予定です。