みやや競馬

2023年京王杯SC 回顧。

走破時計1:20.3    前半600m 34.9  上がり3F 33.7

まずは馬場状態ですが良馬場でした、走破時計は1分20秒台と平凡ですが、勝ったレッドモンレーヴの上り3Fが32.6、上がり最速は4着アヴェラーレの32.5なので、高速馬場になっていますね。雨が降っていましたが、今の府中ではちょっとやそっとの雨では影響がないようです。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。

ご覧の通りのスローバランスで、中緩みで11.7を踏んでからの3F戦ですね。中緩み自体は大きく落ち込んでいないので、瞬発力は問われていませんが、馬場が速く前半スローということで、究極の上がり勝負になりましたね。特に中段よりも後ろに居た馬はキレッキレのトップスピードの質がないと届きませんでした。

その中で中段のやや後ろからキレッキレのトップスピードの質を見せたのがレッドモンレーヴ、前走のダービー卿CTでは中山で上がり33.0の足を使っていますから、トップスピードの質は高いですね。アヴェラーレも上がり3F32.5とキレッキレのトップスピードの質を見せましたが4着、4コーナーの出口から直線入り口で中目に入ったことと、加速に手間取ったんですよね。L2区間で前が壁になり外へ大きく進路変更したので、このロスが大きかったと思います。もちろんこの区間は11.0で加速ラップですから、詰まっているわけではなく流れた中での進路変更なので、加速にもたつく特性があるんでしょうね。

ラウダシオンはL2まで踏んばりましたが、ここで11.0を踏んで苦しくなりましたね。スローバランスは苦手なのですが、厩舎側がこの馬の特徴を掴んでいないのでは?ウインマーベルは橘Sで先行して上り33.9を出していたし、シルクロードSは7着でしたが、59㎏背負って33.8なのである程度のトップスピードの質は持っていますね。

逃げたのはベレヌス、スタートも良く他に競り掛けてくる馬も居なかったので、すんなり逃げてスローに落としました。先行勢が内からヴィクティファルス、ラウダシオン、ダディーズビビッド。この後ろにピクシーナイト、中段のやや前からウインマーベル、ゾンニッヒ。中段からダノンスコーピオン、トゥラヴェスーラ、レイモンドバローズ。ここまでの馬達はスタートも五分に出ていました。

スタート五分に出たが二の足がつかなかったのか中段のやや後ろになったのがホープフルサイン、ミッキーブリランテ。スタートがあまり良くなかったレッドモンレーヴもジリジリとリカバリーして中段のやや後ろからでした。中段の後ろからロードマックス、アヴェラーレ、後方からグラスミヤラビ、タイムトゥヘヴン、カルリーノという並びでした。

4コーナーです、ベレヌスが先頭でスローのまま、その割に馬群が凝縮しなかったのは雨が降っていた影響でしょうか。ここで注目はダノンスコーピオンの位置取りですね、3コーナーの入り口から前に居たピクシーナイトがフラフラしていて、ピクシーナイトの内へ差し込むか、外に出してしまうか迷ったんじゃないですかね~。結局は最内でゾンニッヒの内側、前はピクシーナイトが居るので窮屈なポジションでした。直線で前が壁になってしまった原因がここにありましたね。

直線L2標識付近です、L3区間が11.3のラップなので前も踏ん張っています。なので前が空かずにダノンスコーピオンのコースがありません。ダディーズビビッドが2列目、3列目にウインマーベルでその後ろからゾンニッヒが並びかけます。ゾンニッヒはここからL2区間でウインマーベルの前に出ているので、瞬間的なトップスピードの質では上回っていますね。レッドモンレーヴはこの地点では中段辺り、アヴェラーレは中段のやや後ろで馬群の中、ここから外へ進路変更していきます。

直線L1標識付近です、ゾンニッヒが先頭に立ちますが、ここから垂れてしまいます。使える足が短いようでL1で減速率が大きくなってしまいました。レッドモンレーヴはL2区間11.0で差を詰めてきたので、自身のL2区間タイムは10秒台に入っていたはず、キレッキレのトップスピードの質を見せました。アヴェラーレはL2区間で進路変更したこともあり、レッドモンレーヴに引き離されてしまいました。

ここからゾンニッヒが垂れて、ダディーズビビッドが差し返し、間からウインマーベルも2着に突っ込んできます。外からレッドモンレーヴがトップスピードの質を維持して差し切り1着。アヴェラーレもスムースに伸びましたが4着まで、この馬もトップスピードに乗ってしまえば、それを維持する持続力を持っていますね。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はレッドモンレーヴ、12番枠でゲート入りは遅かったのですが、それでもゲート内でソワソワしていましたね。この影響でスタートはやや遅く、中段のやや後ろからになりました。ペースが遅かったこともありリカバリーできたので、今後ハイペースになるとリカバリーできず、後ろから届かない可能性も出てきます。トップスピードの質と持続力の高さを見せたので、スタートがポイントになりそうですね。

2着はウインマーベル、雨量が少なく高速馬場だったことで、前走の高松宮記念のようなことにはなりませんでしたね。この馬は橘Sでややハイペースバランスで上り33.9を叩き出しているし、シルクロードSでも平均バランスを上り33.8なので、トップスピードの質もある程度のものは持っていますね。L1でゾンニッヒを差し返しているので、持続力も高いものを見せました。

3着はダディーズビビッド、この馬は1400mmだと別馬のように走りますね、これで府中の1400mも克服したし、1400mでは余程のことがない限り崩れそうにない。1400mとしてはイレギュラーなスローバランスでしたが、上がり3F33.5を出しているので、この距離なら適性の幅が広いことを見せました。1400mのGⅠがない事が残念ですね。2代目ダイアトニックを名乗っても良いのかも。

4着はアヴェラーレ、スタート自体は五分くらいでしたが、二の足が遅い感じで中段の後ろからになりました。普通の1400mなら平均バランスやハイペースバランスになりやすいので、前半無理をせずのバテ差しにはちょうどいいポジションですね。ただ今回はスローで、直線入り口で前が壁になったこともあり届かず。それでも上がり最速32.5なので、キレッキレのトップスピードの質と持続力は見せましたが、瞬発力で見劣った感じですね。

5着はレイモンドバローズ、府中の1400mは白秋Sで勝ち切っていて、その時が平均バランスから上り33.1でした。今回の上り3Fが33.0なので、この辺りが限界ですね。あとは展開待ちになりそうです。

ダノンスコーピオンは11着、内枠で包まれたことでスムースな加速が出来ませんでしたね。それ以上に休み明けの影響もあったはずで、一叩きされての次走に期待です。

馬券の方はワイドだけでした、高松宮記念で本命にしたウインマーベルを無印にして、ぎゃふんと言わされてしまい悔しい~~~。