走破時計2:25.2 前半1000m 60.4 上がり3F 35.3
まずは馬場状態ですが良馬場でした、走破時計2:25.2は遅いですね。中緩みが大きかったので、全体時計は掛かりました。10Rのむらさき賞が3勝クラスの1800mで1:45.1、上がり最速は32.8が出ているので、決して馬場が重かったわけではない。馬場自体はやや高速馬場と見ていいのではないでしょうか。
上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2023年オークスのグラフです。
今回は時計が遅い、しかも上がり3Fもべラジオオペラが最速で33.0でした。オークスと比べると、厳しいレースだったのは明らかにオークスで、この世代は距離に関係なく牝馬の方が優勢ですね。昨日モズメイメイが1200mで快勝したので、今年の牡馬は、これから受難になりそうですね。
青が今回のグラフで、L2まではパクスオトマニカのもの、L1だけがタスティエーラのものです。タスティエーラの上り3Fは33.5、Ⅼ1は11.8ですから、L3からは11.7-11.0-11.8位でした。ここで注目はL2区間、ソールオリエンスが外へ進路変更したこともありますが、タスティエーラにやや離されたように見えました。カメラの位置でそのように見えただけかもしれませんが、少なくとも差は詰っていないので、ソールオリエンスは自慢の瞬発力を見せられませんでした。
ここから推測できるのはソールオリエンスは持続力は持っているが、3F以上の持続力を求められると、トップスピードの質と瞬発力がやや下がると言ことでしょうね。もちろんこれは距離適性に問題がなければという条件付きですが、L1では差を詰めているので、距離は問題なかったと考えています。なのでこの馬はサートゥルナーリアによく似た特性だと思います。
ハーツコンチェルトが3着に頑張りました、初手では中段の後ろでしたが、メイン集団のペースが下がった6F目から7F目で上がって行き、3コーナーの入り口ではタスティエーラのすぐ後ろでした。中緩みで12秒台の後半で無理なく押し上げたので、足を残したまま直線に入っていけました。これは松山騎手のペース認識の良さだと思います。
スタートでドゥラエレーデが落馬、スタートが早かったのは内からべラジオオペラ、ホウオウビスケッツ、シーズンリッチ。やや早かったのがソールオリエンス、グリューネグリーン、シャザーン、タスティエーラ、ノッキングポイント、サトノグランツ。五分くらいに出たのがスキルヴィング、トップナイフ、ショウナンバシット、フリームファクシ、メタルスピード、パクスオトマニカ。遅かったのがハーツコンチェルトでした。
逃げたのはパクスオトマニカ、向正面に入って2番手のホウオウビスケッツが首を上げてしまい減速、これでメイン集団のペースが落ちて、3コーナー入り口では7馬身程の差になっていました。メイン集団の中段のやや前からシーズンリッチ、メタルスピード、タスティエーラ、中段からソールオリエンス、ノッキングポイント、べラジオオペラ、グリューネグリーン。中段のやや後ろからファントムシーフ、フリームファクシ、シャザーン、スキルヴィング。中段の後ろからサトノクラウン、ハーツコンチェルトがここから前に上がります。後方からトップナイフとショウナンバシットでした。
2F目が10.7ですから速いのですが、タスティエーラはこの2F目でポジションを下げていますから、自身のラップは11.0くらいでしょうか。この辺りのメリハリはレーン騎手の上手さですね。シーズンリッチは外から前に行ってますから、ここで足を使ったんでしょうね。ファントムシーフはスタートも良くなかったし、外から無理を出来ずに中段のやや後ろ。
スキルヴィングはスタートでホウオウビスケッツに寄られましたね、ホウオウビスケッツは普段右に寄れていましたが、今回は左に寄れました。で、このホウオウビスケッツのスタートアタックを警戒したのが、トップナイフの横山典騎手ですね。スタート明らかに出して行きませんでした、これはホウオウビスケッツにぶつけられ、更に右に居るソールオリエンスに当たることを恐れたんでしょうね。これでトップナイフは後方からでした。
4コーナーです、向正面でハーツコンチェルトが押し上げて、スキルヴィングが続いて上がって来ました。タスティエーラもジワっとポジションを上げて、この3頭は中段のやや前。ソールオリエンスがその後ろで中段でスムースでした。べラジオオペラはソールオリエンスの後ろで、最内で距離ロスなくスムースでした。
直線L2標識付近です、この地点ではまだパクスオトマニカが4,5馬身程のリード、ホウオウビズケッツが2列目、その後ろからシーズンリッチとタスティエーラ、メタルスピードはこの辺りで付いて行けなくなりましたね。このタスティエーラの後ろに居たのがソールオリエンスで、その外にハーツコンチェルトがスムースでした。
直線Ⅼ1標識付近です、パクスオトマニカが苦しくなりホウオウビズケッツをタスティエーラが交わします。タスティエーラの後ろからソールオリエンスが、やや外に進路を変えて追走しますが、Ⅼ2区間でタスティエーラに若干離されましたね。これはハーツコンチェルトも同じような感じでした。L2区間で内からべラジオオペラがすっと伸びて、ソールオリエンスを交わしました。
ここからタスティエーラがしっかり持続力を発揮して押し切り、べラジオオペラが内からジリジリ伸びて4着、タスティエーラの外からソールオリエンスとハーツコンチェルトが一緒に伸びて2,3着でした。中段よりも前に居たタスティエーラ、ソールオリエンス、ハーツコンチェルトが上がり3F33.3~33.5なので、中段よりも後ろに居て4コーナー外を回した馬は勝負になりませんでしたね。
では1頭ずつ見ていきます。
1着はタスティエーラ、べラジオオペラが上がり3F33.0を出しているので、決して馬場が重かったわけではないし、展開的にも消耗戦ではありませんね。これでL2が目視手動計測ですが11.0なので、トップスピードの質はやや高い位、持続力で押し切りましたね。この要因はレーン騎手の初手の位置取り、無理せず中段のやや前を取ったし、4コーナーでソールオリエンスよりも前に居たことで押し切れましたね。L3からレーン騎手の手が動いていたので、早目に追い出すことは意識していた感じ。これは堀厩舎側からレーン騎手へ伝達していたんでしょうね。
2着はソールオリエンス、スタート五分に出て中段からでしたね、中緩みが出来ていますが、その割にキレッキレのトップスピードの質と、瞬発力を見せられませんでした。L1まで差を詰めているので距離ではなく、持続力を問われる展開ではキレッキレのトップスピードの質が出せなくなる感じですね。それでも2着に来ていますから並の馬ではないし、この世代のトップクラスに居ることは間違いなし、ただし牡馬ならば、ですが。
3着はハーツコンチェルト、スタートはいつも遅いので初手は中段の後ろから。ここから松山君のペース認識の良さが生きましたね。向正面で緩んだところで上がって行き、4コーナーでは中段のやや前という絶好のポジションでした。しかも馬群の外で直線もスムースだったことで3着を確保、トップスピードの質はやや高く持続力は高いものを見せましたし、向正面で押し上げる操縦性の良さも見せました。
4着はべラジオオペラ、ここまで高いトップスピードの質を持っているとは驚きました。L2区間ではソールオリエンスとハーツコンチェルトよりも速かった、3,4コーナーで最内を回したことで、距離ロスがなく足が溜まりましたが、それにしても直線の脚は良かったですね。ゴール前で差されたのは距離ですかね~。
5着はノッキングポイント、道中はタスティエーラのすぐ後ろでスムースでしたが、L4過ぎにペースが上がった時に離されてしまいました。この反応の悪さがこの馬の特徴のようですね、毎日杯でも同じような感じで脚を余していたので、継続騎乗で特徴を掴まないと同じように凡走しそう。
馬券の方は的中、ワイドと3連複が当てられました。べラジオオペラは無印だったので、ハズレたと思いましたが、何とかハーツコンチェルトが差してくれて助かりました。最後になりますが、スキルヴィングは可哀想なことをしました、ご冥福を祈ります。次回は鳴尾記念と安田記念の予定です。