みやや競馬

2023年札幌記念 回顧。ルメール騎手を切るのは愚策。

走破時計2:01.5    前半1000m 60.4  上がり3F 36.4

まずは馬場状態ですが稍重でした、走破時計2:01.5は昨年良馬場で行われた時と0.3秒差、後半の3Fや1000mは今回の方が速いので、雨の影響は大きくなかったと思います。多くの馬が内を空けて走っていましたが、2着のトップナイフは終始最内を走っていたので、内と外も大きな差はなかったと思います。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は昨年の札幌記念、緑は今年の大阪杯のグラフです。

グラフの3レースの2F目は全て10.9でした、今回は稍重、昨年のこのレースと大阪杯は良馬場ですから、今回の10.9はさすがに速かったですね。ジャックドールはスタートが早く前に行きましたが、内からウインマリリンが主張したことで、この10.9に付き合わざるおえなくなった。昨年の大阪杯で凡走した時と一緒で、2F目で速過ぎるラップを踏むと苦しくなる。これがジャックドールの弱点ですね。

3F目以降にジャックドールが前3頭と差を広げていきましたが、これは豊騎手が馬に息を入れさせるためでしょう。ここでペースが落ちたことで、初手では後方2番手だったプログノーシスが、1000m通過地点では中段に上がっていました。同じように緩んだところで上がって行ったのがダノンベルーガ、モレイラ騎手はさすがの判断でしたが、馬の行きっぷりはイマイチで、かなり手を動かして促していました。

レースラップとしては中緩みからの3F戦ですが、これは前のユニコーンライオンとアフリカンゴールドの物。ジャックドール以下はL5標識過ぎから前との差を詰めているので、中緩みからの5F戦だったはず。これで2着に粘ったトップナイフは持続力を見せましたね。

逃げたのはユニコーンライオンで、スタートはやや早かったですね。2番手先行のアフリカンゴールドはスタート五分で、この2頭は押して押して前に行ったことで、2F目が速くなりました。これに対してウインマリリンはスタート五分から単独3番手、持ったまま前に行けたので二の足は速かったと思います。スタート抜群だったのはジャックドールで、二の足も良く持ったまま先行から、3F目以降で息を入れるように下げて行きました。これで逃げ態勢の前2頭と、単独3番手のウインマリリン、メイン集団をコントロールしたジャックドールという隊列になりました。

プログノーシスはスタート五分から初手は後方2番手、中緩みで中段に上がりました。そのまま中段の前まで上がって行きます。ダノンベルーガはスタート五分に出ましたが、1F目辺りでシャフリヤールとヤマニンサルバムに挟まれ狭くなりました。これでポジションを下げることになり、初手は中段の後ろから中緩みで中段に上がりました。ソーヴァリアントはスタート五分から、中段のやや後ろで中緩みかでジワっと上がりましたね。

トップナイフはスタートが遅く内に切り込みました、特にリカバリーするようなペースではありませんでしたが、他馬が内を大きく開けていたことで、最内で距離ロスなく1コーナーを回した結果、2コーナーではジャックドールのすぐ内に上がっていました。ヒシイグアスとイズジョーノキセキは後方から動かずでした。

4コーナーです、ユニコーンライオンとアフリカンゴールドがL3標識で苦しくなり後退、内からトップナイフが先頭に立ちました。ウインマリリンの外からジャックドールが上がりますが、ジリジリまで。中目からプログノーシスが勢いよく上がって来ます。これをソーヴァリアントが追走、ダノンベルーガが内から上がって来ます。

ヒシイグアスとイズジョーノキセキが外から捲り追い込みの格好。ラーグルフは内へ行ってダノンベルーガを追走する格好でした。シャフリヤールはL4からメイン集団のペースアップに付いて行けず、L3ではジリジリ下がってしまいました。

直線L1標識付近です、トップナイフが先頭で直線に入りましたが、プログノーシスがトップスピードの質を生かして先頭に立ちます。これにソーヴァリアントが喰らい付き、内からダノンベルーガ、外に居たジャックドールはここから減速率が大きくなりました。

ここからプログノーシスが突き抜け圧勝、トップナイフが粘って2着を確保しました。この2頭はトップスピードの質でプログノーシス、持続力は互角の評価。ソーヴァリアントが粘って3着を確保して、ダノンベルーガはソーヴァリアントとの差を詰められず4着でした。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はプログノーシス、スタート五分に出ていますが二の足に関しては早くなく、初手では後方2番手でした。中緩みがあったことと馬群がバラけていたことで、ポジションを上げるスペースが出来たので、3コーナーの入り口では中段の前まで上がっていました。なのでこの馬自身は6F戦くらいのレースをしていて、改めて持続力の高さを見せましたね。トップスピードの質も高いものを持っていますが、むしろ長くいい脚を使うタイプで、トップスピード特化型ではなく、パワーをスピードに変えて持続する感じの馬ですね。ディープ産駒というよりも、キンカメ産駒によく見られるタイプで珍しい馬ですね。

2着はトップナイフ、前に行ければこういう結果は有りですよね。ホープフルSで逃げて同タイム2着、弥生賞では先行して2着なので、前に行った方が良い馬ですね。今回スタートが良くなかったので、今後はスタート不安を抱えそう。

3着はソーヴァリアント、気まぐれな馬ですね~。気分屋と言うかムラ馬というか、扱いが難しい馬です。チャレンジCで2年連続1着を見ても、調子が良ければこれくらいは走る。ただトップナイフから0.5秒、プログノーシスからは1.2秒も離されているので、中距離組のトップクラスという評価はできないと思います。

4着はダノンベルーガ、スタート後に狭くなた影響もそれなりにあったと思いますが、それ以上に完調には程遠い状態だったように見えました。中緩みで押し上げていく時も行きっぷりが悪く、モレイラ騎手は押して促していました。完調であれば持ったまま上がって行ったはずで、この辺りは仕上げの不安が出た感じ。右回りの影響もあったと思いますが、それ以上に体調面が影響したように感じました。

5着はヒシイグアス、後ろからジリジリ伸びては来ましたが届かず。非根幹距離の方が良さそうですね。

シャフリヤールが11着でした、馬場の影響があったようですが、今回は過去最高馬体重の460㎏、100%に仕上げて来なかったことが敗因ですかね~、天皇賞(秋)でも前年ジャパンCから海外を挟んで10㎏増で5着なので、仕上げて来なかったということだと思います。

馬券の方はハズレ、ルメール騎手に喧嘩を売って返り討ちに遭いました。次回はキーンランドCの予定です。