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2024年高松宮記念 回顧。次につながるか?


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走破時計1:08.9    前半600m 34.9  上がり3F 34.0

まずは馬場状態ですが重馬場でした、朝の時点で重馬場だったので乾かなかったし、11時頃から小雨が降り続き、レース時間でも雨はやみませんでした。重馬場なので走破時計は遅いのですが、上がり3Fはナムラクレアが33.2と、重馬場にしては速い上がりが記録されています。中京も馬場の割に速い上がりが出ることがあり、2020年は重馬場でグランアレグリアとシヴァージが33.1を出しています。重馬場というよりは稍重位と考えた方が良さそうですね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2023年高松宮記念、緑は2021年高松宮記念のグラフです。

グラフを見れば分かるように前半が遅いです、前後半で見ると34.9-34.0とややスローバランスでした。この要因は重馬場表記だったことで、騎手が馬場を意識し過ぎたことでしょうね。実際は上がり3Fで33秒台が出るような馬場なので、馬場表記に騙されましたね。

もう一点の要因はテイエムスパーダとウインカーネリアン。まずテイエムスパーダはスタートで躓いてしまい、前をウインカーネリアンとママコチャにカットされ、前に行けずに逃げ争いに行けませんでした。ウインカーネリアンはスタート決めて前に行きましたが、ビクターザウィナーを逃がして、スローペースを容認してしまった。三浦騎手らしい騎乗でしたね。

結局このペースになると前残りで、バテ差し狙いだった馬は出番なし。それがソーダズリングですね。豊騎手は前が速くなると考えたんでしょうね、中目の枠で動けなかったので成すすべ無しでした。

2023年は不良馬場で平均バランス、2021年は重馬場でハイペースバランスなので、消耗戦でハイレベルなスプリント戦でした。今回はここまで前半が緩くなると、スプリンターの適性よりも、速い上がりを使えるかどうかが問われる展開になってしまいました。なのでGⅠにしては低レベルと言って良いと思うし、今回好走した馬は今後の活躍に疑問符が付きますね。

逃げたのはビクターザウィナー、内からマッドクール、外からウインカーネリアンが先行。中段の前からルガル、ビッグシーザー、ママコチャ。中段のやや前からトウシンマカオ、テイエムスパーダ。中段からナムラクレア、ソーダズリング、メイケイエール。中段のやや後ろからロータスランド、ウインマーベル、シュバルツカイザー。中段のやや後ろからディヴィ―ナ、シャンパンカラー、後方からマテンロウオリオン、モズメイメイという並びでした。

スタート早かったのはビクターザウィナー、マッドクール。トウシンマカオ、ナムラクレア、ビッグシーザー、ルガル、ママコチャ、ウインカーネリアンもスタートやや早かったですね。スタート遅かったのはモズメイメイ、ウインマーベル、ディヴィ―ナ、マテンロウオリオン、シュバルツカイザーでした。他は五分に出ました。

テイエムスパーダは五分に出たんですが躓くアクシデント、これで前に行けなくなり中段のやや前でした。逃げ争いが無くなったことでペースが落ちてややスロバランス。ウインカーネリアンもなぜかこのペースを容認してしまいました。

4コーナーです、ここが重要ですよね。マッドクール、ナムラクレア、ビクターザウィナーは最内を回しています。4着のウインカーネリアンも内から2頭目だし、ロータスランドも最内です。逆に直線で伸びを欠いたママコチャ、メイケイエール、シュバルツカイザーは内から3頭目よりも外でした。

直線L1標識付近です、マッドクールが内から先頭に並び、中目に進路を取ったビクターザウィナーが粘っています。最内からナムラクレアが伸びてきます。ビッグシーザー、トウシンマカオ、ルガルは手応えが悪く伸びません。外もママコチャが苦しくなり伸びませんでした。

ここからマッドクールが抜け出し1着、内からナムラクレアがアタマ差まで詰め寄り2着、ビクターザウィナーが粘って3着でした。ウインカーネリアンはトップスピードの質で見劣り、ロータスランドは伸びてきましたが、初手の位置取りが後ろ過ぎて届きませんでした。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はマッドクール、前に行って上がり3F33.7ですから、本来なら後ろは出番なしですが、ナムラクレアにアタマ差まで迫られたのは印象悪いですね。それだけナムラクレアが強いと言えますが、これでスプリント王者というには違和感があります。かなり特殊なレースになっているので、ハイレベルなスプリント戦になると不安が出ると思います。

2着はナムラクレア、スタートはやや早かったのですが、中段になってしまいました。一応促してはいましたが、もう少し押してポジションを取っていれば差し切れたはず。ペースが遅かっただけに、初手の位置取りが響きましたね。一番強いレースをしていますが、本当に運がないと思います。

3着はビクターザウィナー、自分のペースに落とし込んでよく粘ったと思います。直線はトップスピードの質でやられてしまったので、もっと馬場が重くなれば勝てる感じはしましたね。

4着はウインカーネリアン、何でスローペースを容認してしまうんでしょうね。この馬はトップスピードの質が問われると対応できない、主戦騎手の三浦騎手が分かっていないのでしょうか?

5着はロータスランド、展開待ちの馬なのでどうしても届かないんですよね。無事に引退できて良かったです。

トウシンマカオは6着、初手の位置取りは完璧でしたが、直線伸びなかったのは馬場に対応できなかったからでしょうね。この馬も運がなかった1頭でした。

馬家の方はハズレ、縦目でした。次回は大阪杯の予定です。