走破時計2:25.5 前半1000m 62.2 上がり3F 33.4
まずは馬場状態ですが良馬場でした、土曜日に散水したことで含水率が若干上がりましたが、馬場状態自体はやや高速馬場ですね。このレースは前半どころか、超スローからの3F戦なので、走破時計が遅い。しかしレースの上り3Fが33.4だし、上がり3F最速のドウデュースは32.7を叩き出しているので、散水の影響はなかったですね。
上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2024年の天皇賞(秋)、緑はは2023年のジャパンC、黒は2023年有馬記念のグラフです。
まずは勝ったドウデュースですが、運がいい。一言で言うとこれに尽きます。もちろんすさまじい末脚を見せつけていますから、能力に疑いはありません。しかし天皇賞(秋)といい今回のジャパンCと言い、スローからの3F戦で、直線入り口では前を射程圏に入れていました。
本来これでも届かないんですが、天皇賞(秋)では10秒台3連発、今回はL3で11.0位、L2は10.7位ですね。この10秒台を2F以上続けてしまう、これが覚醒したハーツクライ産駒の爆発力ですね。豊騎手の仕掛けもドンピシャのタイミングで、着差を考えればわずかに遅れていたら届かなかった可能性があります。人馬共に今がピークですね。
期待したスターズオンアースは7着でした、スローからの3F戦ではこの馬の良さが出ませんね。緑が昨年のジャパンC、黒が昨年の有馬記念です。昨年のジャパンCのグラフはパンサラッサが逃げたもの、ですがこの馬自身は4F戦くらいにはなっていて、上がり3F34.0でした。今回は上がり3F33.8なので完全に切れ負けですね。
川田騎手は名実ともに日本人騎手ではナンバーワン、これは間違いないと思います。ただこの馬に乗るのは久々で、桜花賞以来2度目。継続騎乗がいかに大切かを見せつけられたレースでした。
逃げたのはドゥレッツァ、スターズオンアース、シンエンペラー、ソールオリエンスまでが先行勢。中段の前からゴリアット、中段のやや前からチェルビニア、中段からジャスティンパレス、ダノンベルーガ、オーギュストロダン。中段のやや後ろからブローザホーン、カラテ、中段の後ろからシュトルーヴェ、、後方からファンタスティックムーン、ドウデュースという並びでした。
スタートで遅れたのはシュトルーヴェ、ドウデュースはスタート五分でしたが、豊騎手が出して行かずに下げて行きました。ファンタスティックムーンがやや遅い位で、他は五分に出ています。2コーナーまではシンエンペラーが先頭で、2番手にソールオリエンスでした。超スローになったことで、向正面でドゥレッツァのビュイック騎手が上がって先頭に。これにスターズオンアースの川田騎手が続きました。
リカバリーしたシュトルーヴェが中段の後ろ、下げたドウデュースは最後方で、馬群の外へ出しました。豊騎手は4コーナーで動ける位置をこの時点で確保しましたね。
4コーナーです、L3標識手前で豊騎手が動きました。抜群のペース認識ですね。この地点で凝縮した馬群の中段ですから、これで勝負ありました。2着2頭は最内でロスなく運んでいるので、外を回したドウデュースは格が違いますね。
直線L2標識付近です、この地点でドウデュースは3番手に上がりました。L3区間は10秒台に入ったはずで、コーナーリング中もすごいスピードを出していますね。ドゥレッツァが先頭でスターズオンアースも踏ん張っています。内からシンエンペラーがドゥレッツァを追走。チェルビニアもスムースでしたが、ドウデュースに並ぶ間もなく交わされています。
直線Ⅼ1標識付近です、ここでドウデュースが先頭に出ますが、ドゥレッツァが追いすがり、内からシンエンペラーがスムースに伸びてきます。スターズオンアースが苦しくなり減速、チェルビニアとゴリアットがジワジワ伸びるところ、ジャスティンパレスが差を詰めてきます。
ここから前3頭が並ぶようにゴールまで叩き合い、ドウデュースが抜け出し1着。ドゥレッツァとシンエンペラーが同着の2着でした。4着以下はちょっと離されましたね、10秒台を2連発されると対応できる馬は限られますね。
では1頭ずつ見ていきます。
1着はドウデュース、良馬場でスローからの3F戦だけでなく、昨年の有馬記念のように、ロンスパの消耗戦になってもねじ伏せるので、覚醒期に入っていると展開不問。これはリスグラシューも同じでしたね。次の有馬記念が良馬場だと、手が付けられないでしょうね。
2着同着の1頭目はシンエンペラー、スローからの3F戦で前に居て足を溜められたことで、L1差し込んできました。この馬は一見持続力型に見えて、実は前半ゆったり入って、3F戦や4F戦で好走しますね。ホープフルSや弥生賞がスローからの3F戦で、ダービーは実質4F戦でした。血統的にはパワーと持続力に特化した感じですが、意外にも溜めた時のトップスピードの質を発揮できるタイプでした。
もう1頭の2着馬がドゥレッツァ、キレッキレのトップスピードの質はないので、ドウデュースにやられたのは仕方ない、ただシンエンペラーに並ばれたのは驚きでした。向正面で先頭に立った騎手の判断は良かったと思いますが、仕掛けを遅くしてしまったことで、ドウデュースの餌食になりましたね。それでもクビ差の2着なので、力は示しましたね。
4着はチェルビニア、L3区間でハッキリとドウデュースに見劣りましたね、L4からL3でレースラップで1秒、ドウデュースベースでは1.5秒位の急加速をしていますから、さすがにこれには対応できませんでしたね。ハービンジャー産駒らしく、ジワジワ加速して長くいい脚を使うと本領を発揮できる感じ。
5着はジャスティンパレス、この馬は瞬発力勝負は対応できるはずですが、L3区間で急加速に対応できず。ずっと右を向いて走っていたので、バランスが悪かったですね。L1で差を詰めてきたので、展開的にスローからの3F戦は合わなかったかもしれません。
馬券の方はハズレ、シンエンペラーは無印でした。シンエンペラーは消耗戦になれば買おうと思いましたが、この展開で来るのですから自分の見る目のなさを反省します。次回はチャレンジCの予定です、本命予定は”我らがボッケリーニ”です。