みやや競馬

<種牡馬研究>ステイゴールド その1

国内G1は勝てませんでしたが香港ヴァ―ズでG1勝ち、種牡馬としても3冠馬オルフェーブルを出すなど大活躍。

ステイゴールドの現役時代

7歳の最終戦で香港ヴァ―ズを勝っているように息の長い活躍をしました。国内G1では2着が4回、3着が2回とあと一歩届きませんでしたが頑張っていましたね~。距離も2000mの天皇賞秋から3200mの天皇賞春まで好走、馬場も良馬場でも重馬場でも好走して条件問わず。その反面気性が荒く、右回りのレースで左に逸走する、レース中に他馬に噛み付きに行くなど当初は手に負えないほどのやんちゃぶり、この辺りは産駒にも引き継がれていますね~。
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種牡馬としての特徴

距離は中長距離で最も活躍馬が出ています。牝馬よりも牡馬の活躍が多い。心肺機能とパワーの両立型が多く、瞬発力は少ないです。気性の荒さが良い方に出るのが苦しくなっての我慢強さと、格上げ戦で気後れしない負けん気の強さ。重馬場を苦にしない馬が多く不良馬場では更に期待値が上がる。気性の荒さが遺伝したようで、気難しい産駒が多い。ストレスに弱く格下げ戦であっさり負けたりと精神的に脆い面も。

心肺機能

長距離戦で活躍している馬が多いように心肺機能は抜群です。特に消耗戦になるような長距離戦で周りが苦しくなると好走しますね。これは気性的な我慢強さだけでなく、有酸素運動と無酸素運動の境界が高いということ。フェノーメノの2回の天皇賞春を見てみましょう。この2レースは道中のペースが違っているように見えて実は内容は似ています。2013年はサトノシュレンが単騎で逃げてメイン集団に居たフェノーメノの位置で2000m通過が2:02程、2014年は馬群がそれ程ばらけずフェノーメノの位置で2000m通過が大体2:04秒くらいです。両レースともそこからメイン集団のペースが上がりハイペースを刻み続ける消耗戦に突入したレースでした。ここで心肺機能の高さと消耗戦での我慢強さを見せたのがフェノーメノでした。

では同じステゴ産駒で1番人気と2番人気だったゴールドシップはどうなのか、両レースとも出遅れてしまいました。序盤は後方待機でしたが動き出すタイミングが悪過ぎましたね、3,4コーナーでペースが上がっている中、外々を周って押し上げた時点でさすがに余力はなくなります。ゴールドシップが勝った2015年は同じく出遅れ後方からになりましたが、1800m~2200m付近の緩いペースで押し上げていったので、コーナーでのロスもなく消耗戦に参加できたと言う訳です。

この2頭に限らずステゴ産駒は高い心肺機能と我慢強さを生かして消耗戦で活躍する馬が多く居ます。長距離戦だけでなく重・不良馬場で成績が良くなるのは、得意距離よりも負担がかかる馬場になり酸欠になってしまう他馬を尻目に、我慢強く走れるからなんですね~。

パワー

ここでもゴールドシップを見てください、力の要るコースの代表である有馬記念と宝塚記念で1着3回、2着0回、3着2回、着外2回です。他にも阪神大賞典で3連勝ですからパワーが有り余っていましたね~。宝塚記念では過去10年で5頭のステゴ産駒が優勝しています。有馬記念でも過去10年で優勝が4頭、3着以内に7頭とパワー系コースとの相性抜群です。実はゴールドシップは天皇賞春とはコース適正が合わないんですよね~、それでも勝ってしまうのは上記した心肺機能と我慢強さが嵌ったから。本来は力の要る中山や阪神内回りでゴール直前の坂でみんなが苦しくなる展開こそ、この馬向きだったのです。

2018年現在の現役馬ではウィンブライトを見てみましょう。力の要る中山競馬場で抜群の成績ですよね、同じパワー系コースの大阪杯での凡走ははっきりとした理由があります、それが疲労です(詳しくは後述)、これは同じパワー系コースで凡走している皐月賞も一緒です。さらにパワーが生きるのが重馬場です、レインボーラインを見てください。2017年秋の天皇賞は不良馬場でした、ここで13番人気ながら3着に好走しました。先着した2頭はキタサンブラックと重馬場大好きサトノクラウンですから、いかに力の要るコースを得意としていたか分かります。そしてパワー系コースに加えて消耗戦になりやすい阪神大賞典と天皇賞春を勝つわけです。

ステゴ産駒はパワーをそのまま馬場に伝えて走る印象で、パワーをスピードや瞬発力に変えるキンカメ産駒とは傾向が違います。ステゴ産駒は高速上がりが使えない馬が多い反面、有り余るパワーでねじ伏せるような展開で力を発揮します。

今回はここまで、次回は気性面と疲労についてまとめます。

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