過去5年複数回3着以内に来ている種牡馬はディープインパクト6回(5頭)、キングカメハメハ3回(2頭)です。開幕週の高速馬場で行われるので、トップスピードの質を問われることが多いためにお馴染みの種牡馬が好成績ですね。リピーターはエアスピネルとフィエロですが、更に遡るとダノンシャークが2012,2016年、シルポートが2011、2012年、カンパニーが2008、2009年、ローエングリンが2003、04、05年と3年連続で連対しています。
展開はスローバランスが3回、平均バランスが2回ですが、開幕週の高速馬場ということもあり良馬場だと1分32秒台前半、31秒台に入ることもザラにあります。スローバランスと言っても後半の4Fを44秒台後半で纏める能力がないと勝負になりません、高いトップスピードと持続力を求められますね。平均バランスの場合は45秒台後半で持続力勝負になりますが、このコースはトップスピードと持続力を持った馬が、先行勢を纏めて面倒見るコースでもあります。
昨年はサングレーザーがL2で強烈な瞬発力を見せて差し切り、自身のL2は目視10.8くらいでL3も落とさずに突き抜けました。4コーナーのコース取りが非常に良く嵌った感もありますが、トップスピードの質の高さと持続力があればこそですね。京都外回りは4コーナーで外を回し過ぎずに直線スムースに外に出すことで、トップスピードの質と持続力を持った馬が突き抜けるコース、トーセンラーが得意にしていましたよね。
通常は後方からの追い込みは効きにくく中段からの差しが圧倒的に優位、クルーガーが後方から1着に来ていますが、この時は最内を突いてのものですし、2015年3着のフィエロは強烈なトップスピードと持続力を持っていた馬でしたね。今年のメンバーでリピーターの資格があるのはモズアスコット、グァンチャーレは昨年6着なのでやや割引、高いトップスピードと持続力で注目なのはスト―ミーシーとケイアイノーテックでしょうか。
では1頭ずつ見ていきます。
<インディチャンプ>・ステゴ産駒で掛かりやす。
・休み明けでも走る。
・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は少ない、下り坂で加速できれば瞬発力は補えるが、L3が平坦だと加速に手間取る。
有松特別では内枠から掛かり気味に中段まで下げ直線はスムースに外に、坂で一気に前を捉えて1着。元町Sでも内枠からドスローで掛かりながら中段の後ろに、直線はスムースに外に出し坂で周りが苦しくなったところを纏めて面倒見た。目視でL3から11.0,11.0,11.2位で長くいい脚を使ってきた。東京新聞杯では実質ややスローバランスを出遅れたが中段にリカバリー、直線はバテ差しの形で1着。
<グァンチャーレ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低目。
・トップスピードの質は低く持続力は高い。スクリーンヒーロ産駒でギヤチェンジは苦手、一本調子に3F戦以上に持ち込むか、前半からハイペースの消耗戦で台頭する。トップクラスの心肺機能は持ち合わせていないため、相手次第だがGⅡ以上では苦戦傾向。
2019年洛陽Sではスローバランスを中段の前から、L2最速戦に反応して1着。2018年キャピタルSではスローバランスを中段から、L3最速10秒台に入る流れを押し切り、この時に2着がタワーオブロンドン。
<ケイアイノーテック>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。
・トップスピードの質は高く、持続力も高い。
NHKマイルCでは平均バランスを後方から、直線スムースに運んで1着。2018年毎日王冠ではスローバランスを中段から、直線はジリジリで0.4差5着まで、前半足を溜められなかった。2018年マイルCSではスローバランスを先行、外を回ったこともあり凡走。
<コウエイタケル>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はない。
・トップスピードの質が低くバテ差しタイプ。
2018年スワンSではややハイペースバランスを中段から、直線はジリジリ。2018年セントウルSでは重馬場でハイペースバランスを中段やや前から、ジリジリとバテ差し。2018年CBC賞ではハイペースバランスを後方で足を溜めて、直線は上り33.1の3位だが10着。
<スト―ミーシー>・休み明け良くない。・アドマイヤムーン産駒で重馬場は得意。
・パワー型でハイペースをバテ差すのが得意。
2018年ダービー卿CTではL2で緩み馬群が凝縮したところを外から取り付きながら減速せずに直線へ、パワーを生かして坂でしぶとく伸びて3着。2019年東京新聞杯では実質スローバランスを後方から、直線は最内を突くもややコースがなくなり6着まで、伸びはまぁまぁ。2019年六甲Sではスローバランスを後方から、直線は前が壁になりL1だけで0.5差6着まで、ひどい騎乗。
<ダノンプレミアム>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力も高い。
・トップスピードの質もまぁまぁで、持続力は高い。・休み明けでも走る。
・前半が速くなると後半がやや苦しくなる。
2017年サウジアラビアRCではハイペースバランスを先行して3Fに持ち込み圧勝したが、ステルヴィオに迫られている。2017年朝日杯FSではスローバランスを先行して3F戦に持ち込み圧勝。2018年弥生賞ではスローバランスを先行して3F戦に持ち込み圧勝、この特休み明け。2019年金鯱賞ではスローバランスを中段の前目から、L2の加速で後続を置き去りにして圧勝、稍重でも反応が良かった。
<トーアライジン>無理(〃’∇’〃)
<パクスアメリカーナ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。
・トップスピードの質は低く持続力は高い。
アーリントンCではややハイペースバランスを中段から、直線はバテ差しで2着、この時の1,3,4着がタワーオブロンドン、レッドヴェイロン、インディチャンプ。NHKマイルCでは平均バランスを中段から、直線一瞬狭くなったがトップスピードの質で見劣とり6着。2018年リゲルSではスローバランスを中段から、L3最速10秒台に入る3F戦を前が壁になりながら坂で抜け出し1着。2019年金杯では平均バランスを中段から、2F戦をバテ差し1着。
<メイショウオワラ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。
・トップスピードの質は低く持続力はある。
・重馬場は得意だがマイルだと長い。
うずしおSでは平均バランスを中段から、L1バテ差しで1着、馬場が重く上がりが掛かった。2019年阪神牝馬Sではスローバランスを中段の後ろから、直線前が壁になり伸びず。
<モズアスコット>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は高くない。
・トップスピードの質は高く、持続力も高い。
2018年阪急杯ではほぼ平均バランスを中段の後ろから、直線は外から追い込んで2着まで。2018年マイラーズCでは平均バランスを先行、粘ったところを差され2着、この時の1着がサングレーザー。2018年安田記念ではほぼ平均バランスを中段やや後ろから、直線はスワ―ヴリチャードの後ろから伸びてバテ差し1着。