みやや競馬

2019年宝塚記念 全頭評価 その3。海外帰りは苦にならない。

海外帰りの馬について、まずリスグラシューについてですが、昨年香港に行って3カ月の間隔を空けて金鯱賞を2着しています、今回は同じ香港ですが間隔が2カ月弱になるので、丸々1か月分調整期間が減ったことになります。同じハーツクライ産駒ではジャスタウェイが、ドバイデューティフリーから2か月の間隔開けで安田記念1着、凱旋門賞から2カ月弱の間隔開けでジャパンC2着なので、血統的には海外帰りを苦にしないと思います。ノーザンFの馬なので外厩でしっかり調整しているはずで、昨年の香港遠征の経験もあるので不安はないと思います。

レイデオロについては昨年もドバイシーマCへ行って、6カ月弱の間隔開けでオールカマー1着でした。今回は同じドバイシーマCから3カ月弱の間隔空け、こちらも調整期間は減っていますね。キングカメハメハ産駒ではロードカナロアが、香港スプリントから3カ月弱で阪急杯1着。ルーラーシップがドバイシーマCから2か月で金鯱賞1着、香港のクィーンエリザベスCから2カ月弱で宝塚記念2着。そしてドゥラメンテがドバイシーマCから3カ月弱で宝塚記念2着、この時はレース中にアクシデントがあっての2着ですから体調は万全だったはず。ドゥラメンテのローテーはレイデオロと同じですし、調整もノーザンFなので心配は少ないと思います。

<タツゴウゲキ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーはやや少ない、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力は高い。

”2017年小倉記念”ではハイペースバランスを3番手の最内から、直線も最内から差し切って1着、心肺機能と持続力を見せたがこの時は52㎏。”2019年新潟記念”では平均バランスを2番手先行、L3から先頭に立ち押し切り、心肺機能と持続力を見せたがこの時も55㎏。”2018年鳴尾記念”ではハイペースバランスを中段の最内から、直線スムースだが伸びずに凡走、この時は9カ月ぶり。”2018年宝塚記念”ではややハイペースバランスを2番手先行、L3で馬群に飲まれて凡走、58㎏の影響と体調も整っていなかったのかも。

「宝塚記念へ向けて」丸1年の休養明けにも拘わらず、ぶっつけでGⅠ宝塚記念に出走してきた。果たして走れる状態なのかどうか、最大のポイントはここかな~、でもこればかりは走ってみないと分からない。昨年も9カ月ぶりの鳴尾記念で大敗しているし、ここでレースに影響を与えるようなことはないと思う。

では体調万全ならどうか、2017年に小倉記念、新潟記念を連勝しているが52㎏、55㎏で斤量面でかなり恵まれていたし、相手もサンマルティンとアストラエンブレムで高評価は出来ない。ローカルハンデ重賞以外に実績もないので、体調万全でもこのクラスでどうこうなることはないと思う。

<ノーブルマーズ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はない。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。・休み明けは良くない。

”2018年ジャパンC”では高速馬場をハイペースで先行して直線失速。”2018年アルゼンチン共和国杯”では休み明け、高速馬場でトップスピードの質で見劣り。”2018年目黒記念”では前半ややスローから4F戦になりトップスピードの質よりも心肺機能を問われて2着。”2018年宝塚記念”ではややハイペースバランスを中段の最内から、L2最速戦を4コーナーで前のミッキーロケットの後ろからスムースに抜け出し3着、稍重のハイペースバランスでトップスピードの質が問われなかったし、持続力は高い物を見せた。”2019年日経新春杯”ではハイペースバランスを中段やや後ろから、4コーナースムースに回してバテ差したが4着まで、後ろからルックトゥワイスに差されたのは印象悪い。”2019年京都記念”ではスローバランスを中段のやや前から、直線やや前が壁になるシーンがあったが、その影響はほとんどなく凡走してしまった、脚を余して負けたのではなく苦しくなって投げ出した感じなので、昨秋以降4戦目で疲労の影響かも。”2019年鳴尾記念”ではスローバランスを中段から、直線はジリジリで伸びず、休み明けの影響かも。

「宝塚記念へ向けて」まず日経新春杯の4着から振り返ると、この時はハイペースバランスを中段の後ろから、4コーナースムースに外を回してバテ差すところを、後ろからルックトゥワイスに差されている。持続力は見せたがルックトゥワイスに差されているのはいただけない。その前になると昨年の宝塚記念3着、稍重でハイペースバランスを中段の最内から、4コーナーですぐ前のミッキーロケットが道を作ってくれたので、最短コースでスムースだった。バテ差しの持続力は十分あることは見せているが、トップスピードの質と瞬発力は低い、心肺機能が意外と高いので流れた方が良いタイプですね。今回は同じ阪神内回りで、これは三田特別でも57.5㎏で圧勝している得意コース、再三書いているL3,L2の下り坂で誤魔化しが効くのが良いんでしょうね。

もう一つこれは前走も書いたオカルトデータ、この馬は5、6月の成績が異様に良いんだよね~、5、6月(4/30の青葉賞と4/29の烏丸Sを含む←この辺りが怪しさ満点)の成績が”1-4-4-2”、それ以外が”4-2-4-13”という内容、複勝率で言うと81.8%対43.5%で圧倒的に前者。休み明けを除外した5,6月以外の成績は”4-2-3-7”で複勝率56.3%なので、これでも5,6月優位「信じるか信じないかは、あなた次第です!」。

前走の鳴尾記念は結局休み明けと同じような結果で5着、やはりレースを使えなかった影響は有ったのでしょう、ということで今回は正真正銘の休み明け2走目で6月のレース、昨年も3着とコース適正も高く、高速馬場になっても目黒記念2着があるので、上がり勝負にならなければ対応可能。ドスローからのトップスピード戦では苦しむと思うが、キセキのペースであればそのような展開にはならないはずで、昨年のように内枠を引いた時は無視できない存在になりそうです。

<マカヒキ>・心肺機能特化型で瞬発力は年齢とともに落ちてきた。走りに無駄が無く長距離向き。

・パワーが足りないので坂上ゴールは良くない。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2017年天皇賞秋”は不良馬場で持続力を問われる展開になり、高い心肺機能で5着に好走。”2017年ジャパンC”では距離が伸びて4着に好走。 ”2018年札幌記念”では稍重馬場で前半からハイペースになり、消耗戦の持続力勝負を外からねじ伏せて2着。”2017年大阪杯、2018年有馬記念”では坂上ゴールで失速。”2019年京都記念”ではスローバランスを中段の後ろから、直線は外からジリジリ伸びて3着まで、L1でバテ差して来たので持続力は見せた。”2019年大阪杯”ではスローバランスを後方の最内から、直線中目に出してⅬ1でバテ差し4着まで、前日の雨で良馬場だが時計が掛かっていたのでトップスピードの質を問われなかった。

「宝塚記念へ向けて」3年前にダービーを勝ってから3年、GⅠでは掲示板はあるが馬券には絡まないレースが続いている。同じディープ産駒で1歳下のアルアインが大阪杯を勝ち2つ目のGⅠタイトル獲得、ディープ産駒牡馬は2つ目のGⅠ獲得に苦労しているが、アルアインがそれを破ったので、これに続きたいところ。

今年になって3着、4着と調子を上げているように見えるが、京都記念は相手が弱いし、大阪杯では後方から別のレースをしてのもので好評価をしていいのかどうか・・・。まず京都記念ではスローバランスからL2最速戦、馬場も重くトップスピードのを問われなかった、相手もダンビュライトとステイフーリッシュに負けてしまっていて高評価は出来ない。大阪杯も終始最内の後方からロスなく進めた割には4着までで、4コーナーで外から勝負に行ったブラストワンピースに比べて相当楽をしている。

心肺機能と持続力は元々高いがトップスピードの質は程々、瞬発力は年齢とともに下がってきた感じ。逃げたり先行できればいいのだが、スタートも良くなく中段より後ろからになり届かないというのが現状の評価。道悪で周りが苦しくなった時に台頭したのが、2017年天皇賞(秋)と2018年札幌記念で、心肺機能と持続力が問われるようならここでも好走する可能性はある。

<リスグラシュー >・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高く持続力も高い。

・休み明けでも走るが疲れやすく休み明け3走目は良くない。

”2018年エリ女”ではスローバランスを中段やや後ろから、L3から追い出して直線スムースに加速して1着。”2018年安田記念”では平均バランスを中段の後ろから、直線伸びず、この時が休み明け3走目。”2018年ヴィクトリアM”ではスローバランスを後方から、3F戦を大外スムースに伸びたがハナ差2着、この時が休み明け2走目。”2019年金鯱賞”ではスローバランスを中段やや後ろから、直線スムースに加速して2着、この時の1着がダノンプレミアムで瞬発力では見劣ったが持続力で上回り1.1/4差まで追い詰めた。

「宝塚記念へ向けて」まず昨年のエリザベス女王杯を見ても分かるように、トップスピードの質、持続力は非常に高い、反面2017年のエリザベス女王杯で見せたように内枠から瞬発力を問われてしまうと苦しくなる。ハーツクライ産駒なので直線での進路変更は苦手、休み明けでも走るが使い詰めは良くないなど、結構はっきりした傾向を示す馬。

金鯱賞でも稍重馬場の中で直線外からスムースに加速して、ダノンプレミアムに迫った。この時は結構いいメンバーが揃っていて、大阪杯5着のエアウィンザーが3着、休み明けのペルシアンナイトやアルアインは問題にしなかったし、タフな馬場でもやれることを証明した。今回は香港からの帰国初戦だが、香港ヴァ―ズ後に金鯱賞を2着しているので不安はないと思うが、今回は間隔が2カ月弱と短いので体調が整ったかどうかがポイントになる。もう一つ重要なのが再三書いた枠順で、内枠では割引。

<レイデオロ>心肺機能はまぁまぁ、パワーは高い、瞬発力は高い。

トップスピードの質は高い、持続力はまぁまぁ。

”2018年京都記念”ではスローバランスを中段から、かなり掛かっていてコントロールが効かずに3,4コーナーで2,3番手まで上がってしまい、直線力尽きたように垂れて3着、この時はバルジュー騎手で休み明け、重馬場と条件が悪かった。”2018年オールカマー”ではスローバランスを中段から、4コーナーでやや待たされたが直線内を突いて1着、パワー、瞬発力、トップスピードの質を見せつけた。”2018年天皇賞(秋)ではスローバランスを中段から、直線はL2で前を捕まえて圧勝、L2の坂で強烈な瞬発力とトップスピードを見せた。”2018年有馬記念”では平均バランスを中段の外から、4コーナーでブラストワンピースの動き出しに一瞬遅れて、直線伸びたが2着まで、稍重馬場で動き出しが遅れた感じ。

「宝塚記念へ向けて」驚いたのが2018年の天皇賞(秋)でL2のラップはキセキが刻んだ11.6、これを4馬身程後ろからL2だけで並んできたので、11.0もしくは10秒台に入っている可能性はある。この地点は上り坂なのでこの加速は驚異的、瞬発力とパワーは非常に高いと思う。有馬記念では2着に負けてしまったが、稍重馬場で動き出しが一瞬遅かった感じ、緩い馬場よりもパンパンの良馬場の方が瞬発力を生かせるんだと思う。それでも2着に来ているし、1着のブラストワンピースは55㎏だったことを考えれば、コース適正も含めて高評価。

今回は3カ月弱の休み明けで海外帰り、昨年もドバイシーマCに参戦したが、宝塚記念はパスして秋に備えた。この経験があるからこそ今年は出走することになったはずで、不安要素にはならないと思う。鞍上はルメール騎手でこの頭数なら内枠でも問題ないはず、現状では1番不安が少ないと思います。