<スティッフェリオ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。
・トップスピードの質は低く、持続力はまぁまぁ。
”2018年札幌記念”ではハイペースバランスを中段やや前からトップスピードの質で見劣り5着、休み明け4走目の疲労。”2018年オクトーバーS”ではスローバランスを中段から、トップスピードの質で見劣り4着。”2018年福島記念”ではハイペースバランスを先行してバテ差し1着。”2019年小倉大賞典”では平均バランスを中段やや前からバテ差し1着。”2019年大阪杯”ではスローバランスを3番手先行、4コーナーで外目を回らされて直線も伸びない外目からになり7着まで、外枠で内のポジションを取れなかったのはハンデになった。”2019年宝塚記念”ではスローバランスを中段やや前から、直線は伸びずに7着、スタートで出遅れたキセキを待ってしまい、トップスピードの質で明確に見劣った。
「オールカマーへ向けて」好材料:コース適正、休み明け。悪材料:高速馬場への対応。
福島記念、小倉記念とGⅢを連勝した時は、ハイペースバランスと平均バランスで心肺機能と持続力が生きたレースだった。オクトーバーSでトップスピードの質が低いのははっきりしているので、中段より後ろ、スローバランスでは苦しくなると思う。
GⅢを連勝と言っても福島記念の2着がマイスタイル、3着が57㎏のエアアンセム相手にこちらは55㎏だったし、小倉大賞典でも2着はタニノフランケルで、タニノフランケルが鳴尾記念でボロ負けしている、3着はサイモンラムセスだったからレースレベルは低い。正直言うと大阪杯の7着はかなり驚いた、内外で1頭分の違いはあるけどキセキに0.5秒離されたのは事実だし、GⅠレベルになると持続力もまぁまぁのレベルで武器にはならなかった。社台Fの生産馬の割に休み明けでも走るのは意外な点で、小倉大賞典が3カ月強の休み明けで勝ち切っている。ステイゴールド産駒らしく疲労には弱く、休み明け4走目になった札幌記念では5着に負けている。セントライト記念や菊花賞の凡走も使い詰めの疲労だと思う。
好材料はコース適正で大阪杯で0.5差は十分評価できる、千里山特別を勝ち切っているように中山もこなせるはず。休み明けも小倉大賞典を勝っているので問題ないはずで、使い詰めよりもよほど期待できる。悪材料は高速馬場への対応でトップスピードの質は低いので、スローバランスになってしまうと見劣る可能性がある。
<ミッキースワロー>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はあまり高くない。
・トップスピードの質は高く、持続力も高い。
”2017年セントライト記念”ではスローバランスを中段から、直線は外からスムースに加速して、L1最速の11.0で差し切り、この時の2着がアルアインでトップスピードの高さを見せた。”2018年AJCC”ではスローバランスを離れた追走集団の中段から、L4から前を追いかけたがL1で甘くなって2着、この時の3着が逃げたマイネルミラノで半馬身差なので、持続力はやや低い感じ。”2018年大阪杯”ではスローバランスで後半ロンスパを後方から、4コーナー外から押し上げて行ったがL1で甘くなり5着。”2018年札幌記念”ではハイペースバランスを中段やや後ろから、直線は全く伸びず、心肺機能の低さを見せた。”2018年ジャパンC”ではスローバランスで後半ロンスパを後方から、直線外からスムースで上がり3F33.9は最速だが、勝負にはなっていない。”2019年新潟大賞典”ではスローバランスを中段の後ろから、直線やや狭くなったが馬群を割って伸びて2着、この時は57.5㎏を背負わされていたし、3F戦でしっかり伸びた。”2019年エプソムC”ではスローバランスを後方から、直線スムースだったが伸びず、トップスピードの質で見劣り凡走。”2019年七夕賞”ではハイペースバランスを離れた追走集団の中段やや後ろから、自身平均バランスくらいからL4手前で上がって行って、外から捲って押し切り。
「オールカマーへ向けて」好材料:コース適正。悪材料:騎手。
正直ってよく分からない馬で、七夕賞では稍重で自身平均バランスからロンスパの捲りで勝ち切ったし、エプソムCでは同じ稍重でスローバランスから、直線全く伸びずに凡走している。2年前になるがセントライト記念が強い勝ち方で、L1最速11.0という珍しい展開を中段から差し切ったのは驚いた、2Fくらいを11秒を連発するような脚質なのかな~と。それはロンスパになったAJCCや大阪杯で甘くなっているので間違いではないと思うし、札幌記念でハイペースバランスを全く良いところなく凡走しているので、心肺機能は高くはないはず。ジャパンCでは後半のロンスパで5着にはなっているが、全く勝負にならない位置に居たし、超高速馬場だったことも心肺機能に余裕があった理由ではないかと。
問題は勝ってしまった七夕賞で、もちろんローカルGⅢで相手は弱かった、2番人気が初重賞のクレッシェンドラブだからね。それと稍重で離れた追走集団の中段の後ろからと、自身の1000m通過は目視60.0くらいで平均バランスだった。福島競馬場は全面にエクイターフが採用されていて、その上から洋芝がオーバーシードされている、雨には割と強い馬場のはずなので、恐らくこれらの点からも心肺機能には余裕があったと思う。その上でL4から11.8-11.8-12.1-12.1とあまり落としていないことからも余裕のある勝ち方だったのではないでしょうか。
ジャパンCで5着があるので左回りが苦手ということはないが、ジャパンCの時も直線入り口で外に顔を向けて大外まで出していた、これはエプソムCでも同じようだったし、2着に好走した新潟大賞典でも直線入り口では外へ流れていた。なので左回りはやや割り引いた方が良いと思う。
札幌記念の凡走は勝負所の直線入り口で、前をモズカッチャンにカットされている。もちろんその前に進路を確保したかったが、動き出しが遅かったので瞬発力がやや低いのかもしれない。道悪に関してはトニービンの血がある馬は、重馬場でも問題なく走る馬が多いので不安材料にはならないと思う。
好材料はコース適正で今回と同じ2200mのアメリカJCC2着を含めて2-1-0-2と、着外の2回は新馬戦と有馬記念なので好相性。2か月半の間隔空けもノーザンF生産馬で問題はないはず。悪材料はどうしても騎手にいってしまう、七夕賞を勝たっとはいえ相手は弱かったし、馬の力だけで買った印象がぬぐえない。何にしろ人気馬に乗っていた騎手が1線級ではない騎手ばかりのレースだったからね~。GⅡで馬も騎手も揃った中でどこまでやれるか、正直不安の方が大きい。
<レイデオロ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは高い、瞬発力は高い。
・トップスピードの質は高い、持続力はまぁまぁ。
”2018年京都記念”ではスローバランスを中段から、かなり掛かっていてコントロールが効かずに3,4コーナーで2,3番手まで上がってしまい、直線力尽きたように垂れて3着、この時はバルジュー騎手で休み明け、重馬場と条件が悪かった。”2018年オールカマー”ではスローバランスを中段から、4コーナーでやや待たされたが直線内を突いて1着、パワー、瞬発力、トップスピードの質を見せつけた。”2018年天皇賞(秋)ではスローバランスを中段から、直線はL2で前を捕まえて圧勝、L2の坂で強烈な瞬発力とトップスピードを見せた。”2018年有馬記念”では平均バランスを中段の外から、4コーナーでブラストワンピースの動き出しに一瞬遅れて、直線伸びたが2着まで、稍重馬場で動き出しが遅れた感じ。”2019年宝塚記念”ではスローバランスを中段の最内から、直線はジリジリで5着まで、キンカメ産駒の蓄積疲労が出てきた可能性がある。
「オールカマーへ向けて」好材料:コース適正、休み明け。悪材料:蓄積疲労による能力低下の可能性、騎手弱化。
驚いたのが2018年の天皇賞(秋)でL2のラップはキセキが刻んだ11.6、これを4馬身程後ろからL2だけで並んできたので、11.0もしくは10秒台に入っている可能性はある。この地点は上り坂なのでこの加速は驚異的、トップスピードの質、瞬発力、パワーは非常に高いと思う。有馬記念では2着に負けてしまったが、稍重馬場で動き出しが一瞬遅かった感じ、緩い馬場よりもパンパンの良馬場の方が瞬発力を生かせるんだと思う。それでも2着に来ているし、1着のブラストワンピースは55㎏だったことを考えれば高評価。
元々ダービーでスローからのロンスパに持ち込み勝ち切っているように、心肺機能もまぁまぁの物を見せているし、非常に高い能力をバランス良く持っているタイプ。やや気性が勝っている部分があり、これが出たのが京都記念、バルジュー騎手だったことからも抑えが効かずに3着になってしまったが、ルメール騎手とはこのようなことがないので不安要素ではない。2年連続してドバイに挑戦して凡走しているように、海外は水が合わないんだと思う。
2019年宝塚記念が5着と案外な結果だった、この時は海外帰りで3カ月弱の間隔だった、原因が体調ならば問題ないが。キンカメ産駒は使い減りする産駒が多く、高齢になると急激に能力が落ちる馬が居る、ラブリーデイなんかがこれに当たるので、レイデオロも同じように蓄積疲労が顕在化した可能性はあると思う。
好材料はコース適正で昨年のこのレースを勝っている、中山競馬場は有馬記念2着を含めて好相性ですね。休み明けでも走るタイプで昨年のオールカマーは6カ月弱、神戸新聞杯も4カ月の間隔開けで勝っているので、フレッシュな方が走りやすいはず。悪材料は上記したキンカメ産駒の蓄積疲労による能力低下の可能性、あくまで可能性なのでこのレースは試金石ですね。もう一点気になるのは福永騎手への乗り替わり、ルメール騎手からなので騎手弱化と言わざるおえないかな~。ルメール騎手に合わせてローテーションを組んでいた感じだったので、ここで乗り替りは正直印象が悪い。