みやや競馬

2020年鳴尾記念 全頭評価。その5。

赤いアンダーラインは加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、赤いアンダーラインの部分だけお読みください。

<ラブズオンリーユー>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁで持続力は高い。

・スタートが悪く、掛かることがある。

”白菊賞”では平均バランスを中段の後ろから、4コーナー出口で外に出して直線はバテ差し、コーナーで加速しながらスムースに外に出せる操縦性の高さ、コーナーで11秒前半の脚を使える器用さ、L1も11.7で纏める持続力を見せた。”忘れな草賞”ではスローバランスを掛かりながら中段の後ろから、向正面で緩んだところを中段の前まで上がって、4コーナーから流れる展開を外からじわっと進出してL2で前を捉えて押し切り、L3から目視で11.4-11.2-12.0とここでも持続力を発揮、瞬発力についてはL3、L2が下りの為評価できず。”オークス”では平均バランスを中段から、4F戦になりバテ差し1着、心肺機能と持続力を見せた。”2019年エリザベス女王杯”ではスローバランスを2番手先行から、3,4コーナーで先頭にクロコスミアを楽に逃がし過ぎて3着まで、この時が休み明けで中間に骨折も。”2020年ヴィクトリアMではややスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「鳴尾記念へ向けて」好材料:コース適性、斤量減。 悪材料:特になし。

ハッキリしているのは持続力が高いこと、トップスピードの質はまぁまぁ、コーナーでも加速できる器用さです。白菊賞が結構いい内容で平均バランスから上り33.9とまぁまぁのトップスピードを見せている、前日の12Rが古馬1000万条件で1:33.5の時計で、この時の1着がエントシャイデンなので時計は評価していいと思う、もちろん最内をロスなく回って4コーナー出口でスムースに直線に入れた点は恵まれている、平均バランスで流れたため掛かることもなかったなど全てが上手く運んだ感じだった。忘れな草賞が勝ったとはいえやや物足りない内容で、桜花賞当日の馬場はかなり軽かったにもかかわらず、スローバランスで2:00.6と平凡だった、後半1000mも59.6、上がり3Fも34.6も掛かっていてやや遅い印象。休み明けだったこともあるが前半のスローペースでかなり掛かっていたことは確かで、それを差し引いても後半のタイムは物足りない。

オークスは平均バランスを中段からしっかり伸びて勝ち切った、勝負根性はかなり物を見せたし持続力の高さはかなり高い。このレースはL3最速のバテ差しのレースになっていて、前はかなり苦しいレースになっているので中段で足を溜められたのは大きい。そういう意味では前で粘ったカレンブーケドールはかなり強いと思う。この馬はL3からゴーサインを出している割に加速は鈍かったので、瞬発力は低いと思うのでコースや展開には注文が付くかもしれない。2019年エリザベス女王杯は意表を突く2番手先行だったが、3,4コーナーで先頭のクロコスミアを楽に行かせすぎて届かず3着と、ミルコのリズムの悪さを見せた感じだった。前半1000m62.8では前が止まらない、元々トップスピードの質に関してはまぁまぁなので後ろからも差されてしまった。2020年ヴィクトリアMでは中段の後ろから、直線伸びなかったのでマイルは合っていない、血統的にもお兄ちゃんがリアルスティールとプロディガルサンがマイルで良くなかった。

好材料はコース適性で忘れな草賞でこのコースを圧勝している、コーナーでも11.5を踏める器用さもあるし、持続力の高さはオークス、エリザベス女王杯で見せている。引き続きミルコが継続騎乗なのも、変な騎手に乗り替わるよりも好材料。しかも今回は斤量54㎏なのでかなり恵まれた、さらに休み明け2走目なので上積みも期待できる。悪材料は特になく、古馬混合重賞が初めてなことくらい。

<レッドガラン>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは高い、瞬発力は不明。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2019年蓬莱峡特別”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線外からスムースに差し切り。”2019年ムーンライトハンデ”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2019年逆瀬川S”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。”2020年白富士S”では平均バランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが3着まで。”2020年大阪城S”では稍重で平均バランスを2,3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに差し切り。”2020年新潟大賞典”ではややスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが6着まで。

「鳴尾記念へ向けて」好材料:騎手強化。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>2020年大阪城Sで平均バランスを先行して押し切り、後半5F戦を圧勝しているので心肺機能はまぁまぁ。

<パワーについて>阪神での好走歴が多く、L1の坂でも失速していないのでパワーは高い。

<瞬発力について>現状では不明。

<トップスピードの質について>2019年逆瀬川SでL3が11.0を踏んでいる、ただしこの地点は下り坂だし当日は超高速馬場なので額面通りに受け取らない方が良いと思う。2020年白富士Sで後方からになり届かなかった、この時は前走の反動が出た可能性もあるが、届かなかったのは事実なので高くは評価できない。

<持続力について>これは武器になる程の高さを持っている、まず2019年蓬莱峡特別が後半5Fのロンスパ戦、これでL1まで11秒台で押し切った。2019年逆瀬川Sでもスタート後の1F目以外は全て11秒台のラップで差し切りと、驚異的な持続力を見せた。

<その他について>この馬は社台F生産馬で休み明けは不安定、ムーンライトハンデが7着に凡走したが、3カ月の間隔空けだった逆瀬川Sは勝ち切っている。更にロードカナロア産駒なので反動が出る、2020年白富士Sでは出遅れ届かず、2020年新潟大賞典でもスタートイマイチで中段の後ろからになり届かなかった。

好材料は騎手強化で、北村友騎手とは手が合うようで2戦2勝、前走は反動が出た感じで中段の後ろからになったが、北村友騎手の場合はしっかりとポジションを取ってくるので、トップスピードの質も問われないコースもあって好材料が多い。悪材料はクラス負けの危険で前走は反動の影響でスタートイマイチだったので評価が難しいが、初重賞で6着だったのは事実。それでもリステッドの大阪城Sを圧勝しているし、この時の3着が重賞でも好走歴が多いサトノアーサーなので、大きな不安材料ではない。

<レッドジェニアル>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは少ないかも。瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く、持続力はまぁまぁ。

”未勝利戦”ではハイペースバランスを中段から、L2,L1が最速で11.9なのでハイペースバランスだがこの馬には楽なペースだった、これを外から差し切って1着、心肺機能は高そう。”アザレア賞”ではややスローバランスを中段から、L3最速戦を外目を回して直線は4着まで、坂で失速した感じはある、勝ったヒーリングマインドは内を通したがトップスピードの質で見劣った。”京都新聞杯”ではややスローバランスを中段から、4F戦をL1バテ差しで1着、L2で11.5に対応してきたが瞬発力は低い。”ダービー”では離れた追走集団の勇断の後ろから実質スローバランス、直線では同じ位置に居たニシノデイジーに瞬発力で引き離された上にトップスピードでも見劣って8着、L1では差を詰めているので持続力は高い。”神戸新聞杯”ではスローバランスを中段から、トップスピードの質で見劣り4着。”2020年菊花賞”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線狭くなったがジリジリまで。”2020年日経新春杯”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線馬群を縫って伸びたが届かず凡走。”2020年大阪杯”ではスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線伸びずに凡走。

「鳴尾記念へ向けて」好材料:・・・。 悪材料:クラス負けの危険、スタート不安。

武器は心肺機能と持続力だと思う、トップスピードの質は今のところ見せていないし、瞬発力も見せていないので、低いと言い切れないけど恐らくは低いのだろう。お父さんキンカメよりもお母さんの影響を強く受けている印象で、レッドアゲートもフローラSを勝っているんだよね~、ただ 本番ではイマイチだったけど、この馬もトライアルホースになるのかもしれない。。ダービーでは使い詰めの疲労もあったと思うし、初輸送でもあったが走り自体は悪くなかった。未勝利戦1着がまぁまぁの内容で平均バランスで完勝している、タイムも遅いけど一応心肺機能は見せている。京都新聞杯でも長くいい脚を使ってきたし、持続力は高いものを見せている。

菊花賞では中段から進め3,4コーナー中目を回し、直線やや狭くなったがジリジリ伸びて6着まで、距離でバテている感じはなかったので、単純にトップスピードの質が足りなかった感じ。この馬は非ノーザンF生産で社台F生産馬、休み明けは良くなく神戸新聞杯、2020年日経新春杯でも良くなかった。2020年大阪杯ではゲートの中で大暴れ、スタート自体は悪くなく中段に付けられたがタイミングが良かっただけで、今後には大きな不安が残った。中目を回した割に直線も伸びなかったので、このクラスでは厳しいかもしれない。

好材料はなし、悪材料はクラス負けの危険で古馬重賞では日経新春杯7着、大阪杯8着と結果が出ていない。前走はゲート内で大暴れしたがタイミングが良かったのでスタートは出た、日経新春杯でもゲート内で暴れて出遅れているので、スタート不安は解消できていない。