みやや競馬

2020年京都大賞典 全頭評価。その1。

赤いアンダーラインは加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、赤いアンダーラインの部分だけお読みください。

<アイスバブル>・心肺機能は高くパワーはやや少ないかも、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

・休み明けでも走る。

”小倉500万条件”では平均バランスを中段から、緩まない消耗戦をL1で5馬身差を捉えて圧勝、心肺機能の高さを見せた。”京都1000万条件”ではスローバランスを中段から、直線L2で出し抜いてL1粘って1着、スローバランスで脚が溜まったためかL2で11.3くらいを使っている。“早春S”ではスローバランスを先行、持続力を発揮して粘り込み、トップスピードの質が低く、ヘリファルテに詰め寄られる。”2019年目黒記念”でハイペースバランスを中段の後方から、直線は外からスムースだったが、勝ったルックトゥワイスにトップスピードの質で見劣った。”2019年小倉記念”ではスローバランスを中段やや前から、4コーナーで外から捲りに行くも瞬発力で見劣り外から被せられて怯み後退、バテ差しで挽回するも7着まで。”2019年アルゼンチン共和国杯”ではスローバランスをスタートで立ち上がってしまい後方から、直線内を突いたが前が止まらない流れで伸びきれなかった。”2019年中日新聞杯”ではスローバランスを中段やや前から、内目からロスなく乗って直線も上手く捌いたがトップスピードの質で見劣り凡走。”2020年万葉S”ではスローバランスを3,4番手先行、終始最内を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年日経賞”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースにバテ差し5着。”2020年メトロポリタンS”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年目黒記念”ではややスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線狭くなってから追い出して2着。”2020年新潟記念”ではスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線外に出せずに凡走。

「京都大賞典へ向けて」好材料:距離適性、コース適性。 悪材料:高速馬場への対応、体調。

小倉の500万条件を平均バランスで全く緩まない流れを中段から、直線はもちろんバテ差しになっているが圧勝している。所謂AT値が高いタイプでレースレベルが上がれば上がる程、結果も良くなりそう。心肺機能の高さは目黒記念でも見せていて、この時は格上げ初古馬重賞だったが、前半1000mが大体58秒くらいとハイペースバランス、これを中段の後ろからで直線は外からスムースだった、後ろからルックトゥワイス差されたのはトップスピードの質の差になる、ただ心肺機能を生かして殆ど緩まない流れを、後半持続力を生かして2着まで持て来たのは高評価。早春Sでトップスピードの質が低いことははっきりしたので、ロンスパに持ち込みたいタイプ。瞬発力も高くないので、溜め差しだとトップスピードに乗り切れずに、足を余してしまう可能性はある。

2019年小倉記念が中段のやや前からで、4コーナーで捲りに行くも瞬発力不足で捲れず、ここで外からアイスストームに来られて怯んでしまい後退、直線に入り挽回したがジリジリまで。目黒記念では外からスムースで伸びているので、揉まれ弱いんだと思う。好走したレースはほとんど外国人騎手の手によるもので、相当なズブさが垣間見える。腕っぷしで押して押して加速させないとダメなタイプだと思う。2019年中日新聞杯ではスミヨン騎手騎乗で中段やや前からスローバランスを容認、直線では上手く捌いたがトップスピードの質で見劣り凡走、かなり押していたがトップスピードに乗るのも遅かった。

2020年万葉Sでは長距離戦でスローバランス、3コーナーから下り坂でペースが上がったが、直線はトップスピードの質で見劣り凡走した。先着した5頭は軽ハンデだったので悪くはないが、中盤まで歩いているようなペースで心肺機能は問われていない。同じ長距離戦では2020年のダイヤモンドSに出ていれば、面白かった感じもある。2020年日経賞ではガタガタの消耗ラップを後方で溜めてバテ差し5着、サンアップルトンに末脚で見劣ったのは印象悪い。

この馬はノーザンF生産馬で休み明けを苦にしない、2019年目黒記念で2着に好走している。ミスパスカリの孫でこの系統はトップスピードの質が低い、直子のポポカテペトルやマウントロブソンもトップスピードの質が低く、パワーと持続力で勝負するタイプ。いわゆる切れないディープインパクト産駒なんだけど、ディープ産駒ということでどうしても末脚勝負をしたがってしまう、自身でレースを作るタイプではないので、どうしても展開待ちになってしまう。

2020年メトロポリタンSでは中段の後ろから、スローバランスになりトップスピードの質で見劣り伸びなかった。改めてトップスピードの質が低い事を見せた。2020年目黒記念が惜しいレースで、この日はダービーデイで良馬場だがかなり重い馬場、ダービーでコントレイルが上がり34.0なのでかなり時計が掛かっていた。これで中段やや後ろから直線入り口まではレーン騎手のさすがのコース取りだったが、L2の手前で前が狭くなってしまい追い出せない、この間に1着キングオブコージに並ばれてしまい、ジリジリ伸びたが2着まで。持続力とパワーの高さは見せたが、瞬発力の低さを見せてしまった。2020年新潟記念ではいつも通り中段やや後ろから、直線は外に出せずに上りも速く対応できなかった。

ちょっとオカルトっぽいデータだが、馬体重が変わらずカラプラスの時は3-3-1-4、マイナスの時は1-1-0-5とかなりの開きがある。調教をやり過ぎてしまったり、使い詰めになると体調が悪化する可能性がある。

好材料は距離適性で2500mの目黒記念で惜しい2着、スムースなら勝っていた可能性すらあったし、キングオブコージが1㎏軽かったこともこの馬の評価を上げる要素。コース適性も条件戦で内回りだったが1,2着なので問題ないはず。悪材料は高速馬場への対応で速い上がりを使える馬ではい、当日の馬場状態次第ですね。あとは体調面でプラス体重で出てきてくれれば好材料になりますね。

<アルバート>・心肺機能は高く、パワーもある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

・外人騎手と好相性。

”2015年ステイヤーズS”では中段の後ろから、L4から11秒台に入る流れを中目を回して直線馬群を割って圧勝、馬群に怯まない闘志と、底なしのスタミナを見せた。”2015年有馬記念”では後方から、3,4コーナー外を回して直線伸びずに凡走、内、前の決着で出番なし。”2016年天皇賞(春)”では中段の後ろから、終始最内を回して直線馬群をぬってジリジリ伸びたが6着まで、後ろからは差されていない。”2019年アルゼンチン共和国杯”では中段やや後ろから、4コーナー中目を回してシュヴァルグランのすぐ後ろから、トップスピードの質では見劣ったが持続力を生かして2着まで。”2016年ステイヤーズS”ではやや離れた追走集団の中段から、3,4コーナー中目を回して直線バテ差しの形で辛勝。”2017年ダイヤモンドS”では中段の後方から、4コーナー外を回して直線大外から追い込んで1着、高速馬場とは言え上がり3F33.4は立派。”2017年アルゼンチン共和国杯”では中段から、4コーナー外を回して4着まで、1着スワ―ヴリチャードには離されたが、2,3着には僅差だった。”2017年ステイヤーズS”では中段から、3,4コーナー外から進出して直線しっかり伸びて圧勝。”2017年京都大賞典”では追走集団の中段後ろから、4コーナー外を回して3着まで、1着サトノダイヤモンドのすぐ後ろだったがL2の11.2のラップには対応できなかった。”2019年京都大賞典”では平均バランスを最後方から、3コーナー手前で中段まで上がり3,4コーナー大外を回して大きく距離ロス、直線は全く追わずに凡走。”2019年ステイヤーズS”ではスローバランスを離れた追走集団の中段やや後ろから、直線バテ差しで2着まで。

「京都大賞典へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:休み明け、騎手不安。

ステイヤーズS3連覇だけでなく2017年にはダイヤモンドSも圧勝している最強ステイヤー、中距離でも心肺機能と持続力が問われる展開ならば十分勝負になる。まずステイヤーズS3レースだが、ここでは底なしのスタミナを見せた。高い心肺機能と持続力で全く他馬を寄せ付けなかった、もちろんこれはステイヤーとしての心肺機能と持続力で、中距離戦ではスピードが足りない。

しかし2016年、2017年のアルゼンチン共和国杯や2017年の京都大賞典で好走しているように、まぁまぁのトップスピードを持っているので、完全なトップスピード戦にならなければ中距離戦でも十分勝負になる。2017年の京都大賞典では3,4コーナーで1着のサトノダイヤモンドのすぐ後ろに居たが、4コーナーから直線入り口にかけてのL2で11.2のラップに反応できずに、サトノダイヤモンドに一気に引き離されてしまった、瞬発力の低さを見せたが、その後は持続力を生かしてシュヴァルグランを差して3着を確保したのは高評価。

2019年京都大賞典は約1年ぶりのレースで転厩もあった、日本人騎手と言うだけでなく酷い騎乗で、なぜかわざわざ距離ロスを自分から取りに行く謎騎乗だったし、4コーナーからは諦めたのか追いもしなかった。叩き台と言うか超休明けだったのでレースで走れるのかどうかを確かめたようなレースだったので、この凡走は度外視していいと思う。2019年ステイヤーズSでは離れた追走集団の中段やや後ろから、中盤から流れて2000mのレースになり直線バテ差して2着、L4,L3の11秒台にはやや遅れたが持続力は見せた。

騎手には注意が必要で、外国人騎手が乗った場合は7-2-2-7、日本人騎手の場合は2-2-1-12と大きな違いがある。この馬は非常にズブイ印象で外国人騎手がパワーに物を言わせて、全身を使った激しいアクションで追うことで、馬が反応している感じ。非力な日本人騎手との差が出ているんだと思う。

好材料はコース適性で、2年前になるがこのレースで3着、2015年まで遡るが比叡Sを勝っているので、コース適性は良いはず。悪材料は休み明けで、2018年京都大賞典3着時は3カ月半の間隔だったし、10カ月振りというのは昨年と一緒、その昨年が16着なので大きな悪材料だと思う。この馬は外国人騎手との相性が良く、というかもう外人騎手でないと走らないと思う、とにかくズブイので日本人騎手で手が合いそうなのは内田騎手くらいかな~。

<カセドラルベル>・心肺機能はやや高い、パワーは有る、瞬発力は不明。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2019年八丈島特別”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに3着。”2019年茶臼山高原特別”では稍重でスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し差し切り。”2020年四国新聞杯”では稍重でスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに4着。”2020年京橋特別”ではハイペースバランスをやや離れた追走集団の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し圧勝。”2020年博多S”ではハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し押し切り。

「京都大賞典へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>京橋特別がハイペースバランス、やや離れた追走集団の前からで自身もハイペースバランスに入っていたはずで、これを押し切ったので心肺機能は高いものを見せた。博多Sでもハイペースバランスを中段の前で、自身ややハイペースバランスだったはず、これで押し切っているので心肺機能は武器になる。

<パワーについて>京橋特別でL1の坂をものともしないで圧勝、この時は自身もハイペースバランスだったはずで、これで坂をグイグイ上がってきたのは高評価。

<瞬発力について>現状では不明。

<トップスピードの質について>八丈島特別で中段後ろからスムースだったが伸びなかった、スローバランスだったし1R前の1勝クラスで上がり33.3が出ている馬場を考えると、自身上り3F33.5は褒められたものではない。

<持続力について>八丈島特別、茶臼山高原特別では3F戦で持続力は見せている、トップスピードの質は高くないが長くいい脚を使うところは見せた。

<その他について>四国新聞杯では伸びずに4着、この時は休み明けでプラス22㎏だったので度外視して良いと思う。この馬はノーザンF生産馬で休み明けでも走る、京橋特別が3カ月の間隔空けで圧勝している。とにかくズブイ馬でゴールまでしっかり追わないと全く進んでいかない、テン乗りではこの傾向を把握していないと危険。

好材料はコース適性で、京都は初めてだが前走は平坦小倉で勝ち切っているし、左回りになるが向正面から下り坂で勢いを付けやすい中京でも勝っているので、京都は合うと思う。距離は初めての2400mだが、中距離で良さが出そうな血統だし、2200の稍重で勝っているので大きな不安はないかな。悪材料はクラス負けの危険で、前走ローカル3勝クラスで首差の同タイム、2着に下したマルシェロレーヌが次走で勝ち上がったが、それがダートと言うのもなんとも微妙。いきなりのGⅡで通用するかどうか。騎手は松山君と手が合っている感じで2連勝中、先行してズブイことを見越したようにしっかりと追っているので、継続騎乗なら安心ですね。