みやや競馬

2020年阪神JF 全頭評価。その4。

<アオイゴールド>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは高い、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”新馬戦”ではスローバランスを稍重で中段から、3コーナー手前で中段の前まだ上がり3,4コーナー中目を回して直線スムースに差し切り。”札幌2歳S”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが4着まで。”紫菊賞”では重馬場でスローバランスを逃げて凡走。”赤松賞”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが3着まで。

「阪神JFへ向けて」好材料:なし。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>札幌2歳Sではハイペースバランスを中段から、すぐ前に居たソダシに4コーナーで明確に見劣ったので、心肺機能は高くはない。

<パワーについて>新馬戦のレースラップがL2から12.1-12.1だったが、これをL1で3馬身程を差し切っている。L1は上り坂なのでパワーは十分にある。

<瞬発力について>紫菊賞が重馬場だったがスローバランスを逃げて凡走、この時はL2で11.3のラップに対応できていないので、瞬発力は低い。

<トップスピードの質について>紫菊賞が重馬場だったがスローバランスを逃げて凡走、この時はL2で11.3のラップだったがここで大きく遅れている、瞬発力も低いがトップスピードの質でも見劣ったと考えて良いと思う。赤松賞でもスローバランスから3F戦で切れ負け、高速馬場でL2の11.3の部分で見劣ってしまった。

<持続力について>この馬最大の武器が持続力だと思う、まず新馬戦でL1標識では3馬身程あった差を差し切っている、このレースはL2から12.1-12.1のラップだったが、自身は11秒台を連発したことになる。もちろんスローバランスだったのでレースレベルは高いとは言えないが、ゴールドシップ産駒らしいバテない所を見せた。札幌2歳Sでは心肺機能で見劣ってしまった感じで、スローからの持続力勝負が良さそう。

<その他について>

好材料はなし、悪材料はクラス負けの危険で、札幌2歳Sでハイペースバランスをソダシにボロ負けしたし、赤松賞でもスローバランスで3着と切れ負け。適性の幅が狭いので、道悪にならないと苦しいはず。

<シゲルピンクルビー>・心肺機能は不明、パワーは有る、瞬発力は不明。

・トップスピードの質は不明、持続力はまぁまぁ。

”新馬戦”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに差し切り。

「阪神JFへ向けて」好材料:・・・。 悪材料:・・・。

<心肺機能について>現状では不明。

<パワーについて>新馬戦でL1の坂でバテ差しているので、パワーは十分にあるはず。

<瞬発力について>現状では不明。

<トップスピードの質について>現状では不明。

<持続力について>新馬戦が平均バランスで中段のやや前から、これをバテ差しているので、自身のL1は11秒台だったはずで、持続力はまぁまぁの評価。

<その他について>

好材料も悪材料も判断が付きにくく、新馬戦しか走っていないがこの日は結構馬場が速かった。2Rの2歳未勝利戦マイルで1:33.6が出ているので、1400mで1:22.3は褒められたものではない。平均バランスで上がりも34.5だし、クラスが上がって速い上がりに対応できるかは不安ですね。

<ジェラルディーナ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はやや低い。

・トップスピードの質は不明、持続力は高い。

”新馬戦”では稍重でスローバランスを中段の後ろから、向う正面で中段まで上がり3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが3着まで。”中京未勝利戦”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったがフラフラしてしまい2着まで。”阪神未勝利戦”ではハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線L2まで追い出しを待って差し切り、フラフラしている。

「阪神JFへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:気性難。

<心肺機能について>阪神未勝利戦でハイペースバランスを中段やや後ろからで、掛かりながらジリっと上がっている、これでL1で差し切っているので心肺機能はまぁまぁの物を見せた。

<パワーについて>阪神未勝利戦でL1バテ差し、坂でのバテ差しなのでパワーは十分にある。

<瞬発力について>阪神未勝利戦ではL2標識まで追い出しを待っていた、このレースのL2は11.4でこれはトウシンモンブランのタイム、この地点で2馬身位離されてしまったので、流れた中での瞬発力を発揮するのは苦手かもしれない。

<トップスピードの質について>新馬戦でも未勝利戦2戦でも掛かっていて、現状では不明。

<持続力について>未勝利戦の2戦ともスタートで遅れてから、中段まで上がって好走しているので、この馬自身は11秒台を何度も使っていることになる、特に中京の未勝利戦では緩んでいないので、持続力は相当高いはず。

<その他について>まずスタートが良くない、これは新馬戦から3戦全て遅れていて、大きく出遅れているわけではないが、中段の後ろからになってしまった。もう一点は気性で、これも3戦とも掛かっているので折り合いをつけるためには、重馬場や内枠が必要になると思う。さらに言うと直線でまっすぐ走れていない、特に中京未勝利戦ではかなりフラフラしていて、最後は騎手が危険を感じたようで諦めている。阪神未勝利戦でも同じようにフラフラしていて、中京は左回りだったが今度は右回り、コースに関係なく内へ切り込んでしまう癖が改善されていない。これはまだ腰回りがしっかりしていないとか、そういう影響だと思う。現状ではお母さんのジェンティルドンナの悪い部分が目立っているが、溜めればトップスピードの質と持続力、瞬発力も見せられそうな感じはする。

好材料はコース適性で、前走は1800mだったが阪神外回りで勝ち切っている。このレースは走破時計が1:46.7とかなり速い時計が出ていて、この日は高速馬場ではあったが10R猪名川特別が2勝クラス2000mで2:01.1、2歳未勝利戦であることを考えると好評価で良いと思うし、スタートで遅れて掛かっている上に直線でもまっすぐ走れていないなど、これで叩き出したタイムを考えると上積みはありそう。悪材料は気性難で、とにかくスタートは良くないし直線もまっすぐ走れない、これを克服できれば期待は持てるが・・・。新馬戦、未勝利戦と騎乗した岩田康騎手なので、この馬の危なさは分かっていると思う、この乗り替りはマイナスではないはず。内枠に入ってリカバリーできない状態で、後方で溜めて一発狙いなら面白そう。

<ナムラメーテル>・心肺機能はやや高い、パワーは有る、瞬発力はやや高い。

・トップスピードの質は不明、持続力は不明。

”新馬戦”ではややハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し圧勝。”白菊賞”ではスローバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「阪神JFへ向けて」好材料:なし。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>新馬戦ではややハイペースバランスを2番手先行、中緩みはあったが3馬身差圧勝なので、心肺機能は十分に持っている。

<パワーについて>新馬戦で中緩みから中京の坂区間で加速しているので、パワーは十分にある。

<瞬発力について>新馬戦がややハイペースバランスから、中緩みでL2最速戦だった、このL2区間は上り坂で0.8の加速をしているので、瞬発力は高いものを見せている。中緩みにも付き合っているので、ギアの上げ下げに対応してきたということ。

<トップスピードの質について>白菊賞ではスローバランスを2番手先行、L3で一気にペースアップして1.1の加速、この区間は下り坂でもあるので対応はしている、ただ続くL2の10.9には対応できずに一杯になってしまった。この1戦だけを見て判断するのは難しいが、現状ではトップスピードの質が高いとは言えない。

<持続力について>現状では不明。白菊賞でL2標識付近で一杯になっている、新馬戦では中緩みからのL2最速戦でL1まで11秒台を維持しているので、少なくとも2Fは11秒台を維持する能力はあるはず。にもかかわらず白菊賞でL2付近で一杯になっているということは、持続力ではなく他に要因があると思うので、現状では判断できない。

<その他について>白菊賞が不可解な負け方で、スローバランスを2番手先行してスムースだった、まずスローバランスなので心肺機能は問われていないし、L3で1.1の加速をしているが下り坂区間でもあり瞬発力も問われていない。そもそも心肺機能と瞬発力は新馬戦で見せているので、凡走の原因はこの2つではないはず。ではトップスピードの質はどうか、これはL3で11.1まで上がっているので、ここで一杯になってしまった可能性はある。下り坂区間だが限界スピードを超えてしまって、筋肉へのダメージが一気に来てしまったということ。もちろん2戦しか走っていないしので推測の域は出ない、他にも右回りが良くなかった可能性もあるし、非ノーザンF生産馬で2カ月強の間隔、1流厩舎とは言えない鈴木孝厩舎でプラス8㎏と体調面の可能性も考えられる。

好材料はなし、ただし白菊賞は不可解な負けで変に過小評価するのは危険だと思う。新馬戦の内容は悪くなかったし、中緩みからの瞬発力も見せているので、白菊賞を度外視すれば期待は持てるんだよね。悪材料は白菊賞で殿負けしているのでクラス負けの危険、敗因がよく分からないので決定的な悪材料とは言えないかな~。繰り返しになるが白菊賞の敗因が体調面なら巻き返しは可能、トップスピードの質で限界だったならば凡走の可能性が高いと思う。