みやや競馬

2021年阪神大賞典 全頭評価。その3。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<シロニイ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。 

・トップスピードの質はやや低く、持続力は高い。

レース名 着順 内容
2020年六社S 2着 稍重でハイペースバランスを離れた追走集団の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが2着まで。自身スローバランスだったはずで、L4から11秒台に入った感じなので持続力は見せた。
2020年西宮S 9着 スローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。3,4コーナーでも押して押してズブさを見せたし、L2の11.0には追走一杯でトップスピードの質が低いことを見せた。
2020年グレイトフルS 4着 スローバランスをやや離れた2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに4着。3コーナー入り口では前に追いついていて、L2最速戦で0.7の加速に反応できずに出し抜かれているので、瞬発力の低さを見せた。
2021年迎春S 11着 スローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。スタートで寄られて後方になったし、前半13秒台の時に動かなかったので、トップスピードの質で見劣った。
2021年松籟S 4着 平均バランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに4着。中盤で大きく緩んでロンスパになったが、L2の0.5の加速に対応できず、坂上で後ろから差されてしまった。
総評
2020年六社Sでは稍重でトップスピードの質を問われず、先行出来たことで持続力が活きた。2020年西宮Sと2021年迎春Sではトップスピードの質で見劣り、中段から差しに回ってしまうと勝負にならないことを見せた。瞬発力の低さを見せたのが2020年グレイトフルSと2021年松籟SでL2で加速を強いられると対応できない。

「阪神大賞典へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。

好材料は距離適性で、前走松籟Sが3200mで4着、中盤大きく緩んでからのロンスパだったが、L2の加速に対応できなかったのは印象が悪い。消耗戦になった方が良いと思うので、レースレベルが上がって厳しい展開になればチャンスはあると思う。悪材料はクラス負けの危険で、重賞は初挑戦だし3勝クラスをクリアしていないので、不安は大きい。スタートが良い方ではないので、スタート直後に包まれてしまうと、そこでレース終了になる可能性もある。前走みたいに最内だったり、六社Sのように外枠なら心配ない。

適性:竹

<ナムラドノヴァン>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは低い、瞬発力はやや低い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力は高い。

レース名 着順 内容
六社S 15着 稍重でハイペースバランスを離れた追走集団の中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。L2の11.8ですぐ前に居たサトノラディウスに引き離されたので、坂での加速が苦手かもしれない。
岸和田S 6着 平均バランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線伸びずに凡走。中緩みの無い展開で11秒半ばを連発されてバテ差せなかった。
グレイトフルS 6着 スローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。3コーナーから押し上げたが、L2の11.4で差を詰められずに届かなかったので、トップスピードの質が低いことを見せた。
2021年万葉S 1着 ややスローバランスを中段の後ろから、向正面で中段に上がり3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。L2の坂手前で前段に取り付いたが、坂では加速できていない。坂上で突き放しているがこの時は51㎏の軽ハンデだったので、額面通りには受け取れない。
2021年ダイヤモンドS 4着 スローバランスを中段やや後ろから、中段の後ろまで下げて3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが4着まで。坂で伸びが鈍っている。
総評
トップスピードの質が低いバテ差しタイプで、スタートが遅いために前に行けない。新潟の未勝利戦で平均バランスを先行して3着しているので、心肺機能はまぁまぁの物を持っているが、スタートを諦めた感じのレースが続いているので、今更前に行く期待は持てない。パワーが足りない感じで坂では前の馬を抜けていない、持続力は持っているので坂上でのバテ差しが持ち味になる。

「阪神大賞典へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:コース適性、クラス負けの危険。

好材料は距離適性で万葉Sを勝ち切っているし、ダイヤモンドSも4着と長距離で良さを見せた。悪材料はコース適性で阪神は坂上ゴールなので、パワーが足りない可能性がある。ここで前に行く脚質転換は期待できないので、坂までに勝負を決めるとは思えない。クラス負けの危険も大いにあって、万葉Sを勝っているがこの時は51㎏の軽ハンデ、ダイヤモンドSでも上位5頭の中では最軽量で53㎏だけでなく、このレースでは最軽量タイの斤量で4着だったし、上位2頭には1.0秒離されたしクビ差のヒュミドールは2㎏重かった。今回は別定56㎏のはずで、斤量の恩恵はないので大きな不安材料。

適性:梅

<メイショウテンゲン>・心肺機能はやや低い、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く持続力は高い。・ディープ産駒らしくなくバテ差し型。

・阪神など下り坂を利用できれば。

”未勝利戦”ではハイペースバランスを中段の後ろから、長くいい脚を使ってバテ差し、トップスピードの質は低いが下り坂を利用できたことで伸びた。”きさらぎ賞”ではスローバランスを中段から、L2最速戦で凡走、瞬発力とトップスピードの質で見劣り。”弥生賞”では平均バランスを中段の後ろから、重馬場で消耗戦になり長くいい脚を使ってバテ差し1着。”ダービー”では離れた追走集団の後方から実質スローバランス、直線は伸びず。”セントライト記念”では重馬場で平均バランスを後方から、3,4コーナー外を回して直線スムースだったが、ジリジリで11着まで。”2019年菊花賞”ではスローバランスを中段の前から、2周目の3コーナーで力尽き凡走。”2019年ステイヤーズS”ではスローバランスを離れた追走集団の中段のやや後ろから、直線バテ差しで4着。”2020年ダイヤモンドS”では平均バランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線外からスムースだったがハナ差2着。”2020年阪神大賞典”では超々ロンスパ戦を後方から、バテ差しで3着に好走。”2020年天皇賞(春)”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年宝塚記念”では稍重でハイペースバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線ジリジリ伸びて5着。”アルゼンチン共和国杯”ではややハイペースバランスをやや離れた中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年ステイヤーズS”では稍重でスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年ダイヤモンドS”ではスローバランスをスタート遅れたが1週目のスタンド前で上がり中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「阪神大賞典へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:展開待ち。

皐月賞では後方からまったく良いところがなった、実は皐月賞は平均バランスだがL1で最速タイムが出ているように、上位の馬にはペースが緩かった可能性があり、中段より前の馬が止まらないレースだった。これを後方からL3で置かれてしまっている、ペースが上がった地点で置かれているので、トップスピードの質と瞬発力は低いと言わざるおえない。

未勝利戦では阪神の下り坂を利用して、L3の11.5を克服しているように瞬発力も低い。弥生賞では重馬場の消耗戦になりトップスピードの質を問われなかったので、バテ差しで差し切ってしまった。重馬場の中山コースで消耗戦をバテ差しているので、パワーも十分にある。セントライト記念で重馬場を凡走している、この時は休み明けだったし、重馬場表記だが走破時計は良馬場だった前年よりも良いタイムで、スピードの無いこの馬には出番がなかった。改めて11秒台のラップを要求されないことがこの馬が好走する条件なんだと思う、結局これが母系に入っているサドラーズウェルズの血なんだと思う、キレッキレのトップスピードの質はないが、持続力が異様に高く時計が掛かれば追い込みが決まるんだよね。加えてフレンチデピュティまで持っているから持続力の固まりみたいな馬になってしまって、ディープインパクトのスピードが発揮できていないんだと思う。2019年ステイヤーズSでは離れた追走集団の前から、中盤から流れて2000mのレースになり直線バテ4差して、L4,L3の11秒台には対応できずに届かなかった。

この11秒台のラップを踏めないという特性を見せてしまったのが菊花賞で、中段やや前からのレースをしたのは良かったが、勝負どころのL4から12.0のラップを踏まれてズルズル後退してしまった。2020年ダイヤモンドSでは前半から平均で流れて、後半11秒台のラップが無く持続力を生かしてバテ差し2着に好走、L1が13.0も掛かっているので重馬場並みのラップになっている。2020年阪神大賞典では超々ロンスパ戦を中段の後ろから、自身も後半11秒台後半を踏んでいるがこの時は高速馬場だったので対応できた感じ。これでバテ差しになり展開が向いた。2020年天皇賞(春)では後方から、3コーナー手前でミッキースワローの押し上げに釣られて中段やや後ろまで上がり、3,4コーナーではフィエールマンの外を回される羽目に。L4から11秒台を連発するラップには対応できずに凡走した。2020年宝塚記念ではいつも通り後方から、稍重表記だが重馬場並みの重さとハイペースバランスの消耗戦になり、バテ差して5着まで。後方からでは届かない位置だったし、距離も短かったので適性的には合わなかった。

2020年アルゼンチン共和国杯では中段からスムースだったが、直線入り口で一杯になり凡走。休み明けでマイナス12㎏の影響だと思う。2020年ステイヤーズSでは中段の後ろから、L4の12.0で一杯になってしまい凡走、稍重でL4が12.0だったので、この馬のスピードでは対応できなかった。2021年ダイヤモンドSではスタートで遅れて後方から、1周目のスタンド前で中段まで上がりスムースだったが、L5から11秒台に入ってしまい直線入り口で一杯になった。

好材料はコース適性で昨年のこのレースで3着、この馬は11秒台のラップを踏むと一杯になってしまうが、阪神の場合は下り坂なので対応できる。昨年のレースは向正面で11秒台を踏んだのは前の3頭だけで、メイン集団は11秒台に入っていない可能性が高い。この辺りは松山君のペース認識の良さが出た感じですね。悪材料は展開待ちになってしまう部分で、昨年同様の馬場状態なら高速馬場で、11秒台にもギリギリ対応できそう。道悪になってくれれば一気に台頭しそう。

適性:竹