みやや競馬

2022年天皇賞(春) 全頭評価。その3。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<ディープボンド>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は不明。

・トップスピードの質は低く、持続力はまぁまぁ。

”新馬戦”ではややスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが3着まで。”未勝利戦”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに抜け出し押し切り。”福寿草特別”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線伸びずに凡走。”アザレア賞”ではスローバランスを2,3番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが差されて2着。”皐月賞”ではハイペースバランスをやや離れた追走集団の前から、3,4コーナー内目を回して直線伸びずに凡走。”京都新聞杯”ではハイペースバランスを離れた追走集団のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースにバテ差し。”ダービー”ではスローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに粘って5着。”2020年神戸新聞杯(中京)”では平均バランスを2,3番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出したが4着まで。”菊花賞”ではスローバランスをやや離れたメイン集団の先頭から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが4着まで。”2021年中山金杯”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線狭くなり凡走。”2021年阪神大賞典”では重馬場でややスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて圧勝。”2021年天皇賞(春)”ではハイペースバランスを3,4番手先行から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。”2021年有馬記念”ではハイペースバランスを中段のやや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し2着。”2022年阪神大賞典”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに伸びて差し切り。

「天皇賞(春)へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:騎手不安。

<心肺機能について>京都新聞杯でハイペースバランスを中段からで、自身は平均くらい。これをバテ差す形で差し切ったので、心肺機能はまぁまぁの評価でいいと思う。2020年神戸新聞杯(中京)では平均バランスを先行して4着、逃げ・先行勢では唯一の好走なので、心肺機能は見せてきた。2021年天皇賞(春)では3,4番手先行で2着、ハイペースバランスだったので心肺機能の高さを見せた。

<パワーについて>アザレア賞で2着しているので一定の評価はしている、ただし阪神の場合L2まで下り坂なので、勢いは利用できることは考慮した方が良い。

<瞬発力について>現状では不明。

<トップスピードの質について>アザレア賞でも後ろから差されているし、未勝利戦では3馬身チギッタが、この日は距離は違えどドナウデルタが33.4を叩き出しているので、トップスピードの質は評価できない。2022年阪神大賞典ではL4からの11秒台半ばに追走一杯で、トップスピードの質では勝負にならないことを見せた。

<持続力について>未勝利戦やアザレア賞で4F戦を好走しているので、評価できるだけのものを持っている、両レースともにL1でも顕著には落していないので、まぁまぁの評価でいいはず。ダービーでも中段の前から進めて、トップスピードの質では見劣ったが5着に粘っている。菊花賞では実質先行して4着に粘った、距離適性と持続力の高さを見せた。2021年阪神大賞典では超ロンスパを中段やや前から圧勝した、重馬場でパワーと持続力の高さを見せた。2021年有馬記念では直線向かい風になり、トップスピードの質が問われずに持続力が活きた。2022年阪神大賞典ではスローからの5F戦で、3,4コーナー外目を回るロスがあった、これでL1やっとこさ差しているので持続力で勝ち切った感じ。

<その他について>この馬はノースヒルズの外厩を使うはず、ノーザンFには見劣るので休み明けは不安だが、アザレア賞で2着があるので仕上がりは速いのかもしれない。皐月賞では内目を回したことで馬場も悪かったが、後ろからコルテジアにも差されているのでクラス負けもあったはず。京都新聞杯を勝ち切っているがハイペースバランスを離れた追走集団のやや前からで、自身は平均くらいのはず。これで持続力を生かして差し切ったので、持続力は見せたがトップスピードの質は見せていない。トップスピードの質が低い事は陣営も認識しているようで、スタートが良いこともあって先行策を徹底している。

2021年中山金杯ではスタート五分に出たがなぜか出して行かずに中段から、3コーナーで手応えが悪くなったし、直線でも狭くなって凡走した。この時は有馬記念で一旦仕上げた後でプラス8㎏、この辺りが3,4コーナーでの手応えの悪さに繋がった感じ。ただしスタート五分に出ながら出して行かなかったことは、試した可能性があり今後も不安を残す。

好材料はコース適性で、昨年のこのレース0.1差2着、同じ3,4コーナー内周りを使う阪神大賞典で2年連続1着なので、このコースと距離は好相性。悪材料は特に無いのだが、前走の阪神大賞典を見ると和田騎手のペース認識が不安になる。この馬は後半時計が掛かれば掛かる程持続力を発揮してくるので、前走のレースの上り3F35.5は速過ぎる。これでも勝っているのが辛勝だったので、同じように速い上がりを求められると取りこぼしの可能性がある。

適性:松

ディバインフォース ・心肺機能は不明、パワーは有る、瞬発力は低い。 

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

レース名 着順 内容
菊花賞 4着 スローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが4着まで。
中山2勝クラス 2着 スローバランスをやや離れた追走集団の中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが2着まで。
グッドラックH 6着 スローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが6着まで。
阪神2勝クラス 2着 スローバランスを少頭数でバラケタ後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが2着まで。
淡路特別 1着 ハイペースバランスを離れた追走集団の後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。
サンシャインS 3着 稍重でハイペースバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが3着まで。
2021年天皇賞(春) 15着 ハイペースバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。
2021年関ヶ原S 12着 スローバランスを後方ポツンから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。休み明けでプラス14㎏。
2021年古都S 4着 スローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが届かず4着まで。トップスピードの質で見劣り。
2021年ステイヤーズS 1着 スローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。持続力とパワーを見せた。
2022年日経賞 11着 稍重でスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。この時休み明け。
菊花賞では後方から、4コーナーから直線入り口でかなり外を回してしまい大きく距離ロス、これでヴェロックスと0.1差の4着なので距離ロスがなければ3着はあったはず、長距離適性を見せた。中山2勝クラスでは後方から直線追い込んだが2着、キレッキレのトップスピードの質がない事を見せた。グッドラックHではポツンから捲り追い込みに行ったが6着まで、L4で11.7が出ているので捲りは苦しかったはず。阪神2勝クラスでは4コーナーですぐ前に居たアドマイヤポラリスに大きく見劣り、L2で一気に引き離されたので瞬発力の低さ、トップスピードの質で見劣り。

淡路特別ではハイペースバランスを大きく離れた後方から、バテ差しが決まり1着だったので持続力は見せた。サンシャインSでは道中すぐ前に居たアドマイヤポラリスに1馬身半差の3着、4コーナーで大外を回されて距離ロスをし多分が大きかったが、L1までしっかりだったのでパワーと持続力は見せた。2021年天皇賞(春)では後方から全く伸びず、クラス負けの危険が顕在化した感じ。2021年関ヶ原Sではスタートで遅れて後方ポツンから、全くレースにならずに凡走した。この時は休み明けでプラス14㎏だった。

2021年古都Sではスタート出遅れて後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったがトップスピードの質が足りずに届かず。スタートの遅さが治らないし、消耗戦にならないと苦しい。2021年ステイヤーズSではスタートやや遅れたぐらいで、道中は中段のやや後ろを取れた。これでスローからの5F戦を外から差し切ったので、持続力とパワーを見せた。2022年日経賞ではスローからの3F戦を中段の後ろから、全く伸びずに凡走したのは休み明けの影響もあったはず。

この馬は追分F生産で休み明けは良くない。

「天皇賞(春)へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。

好材料は距離適性で、ステイヤーズSを勝っているので好材料。前走の日経賞では休み明けだったので度外視。この馬もディープボンドのように消耗戦を得意にしていて、レースの上り3Fが掛かれば掛かる程期待が持てる。悪材料はクラス負けの危険で、ステイヤーズSを勝った時の2着がアイアンバローズで0.1差、アイアンバローズを物差しにすれば、ディープボンドに先着する可能性は低いと思う。

適性:竹++

<トーセンガンビーナ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”セントポーリア賞”ではスローバランスをやや出遅れ後方から、3,4コーナー中目を回して直線中目から伸びたが3着まで。”アルメリア賞”ではスローバランスを大きく出遅れ後方から、3,4コーナー内目を回して直線内からスムースだったが届かず2着まで。”青葉賞”では稍重でハイペースバランスをスタートで立ち上がり最後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びなかった。”2019年富良野特別”ではハイペースバランスをスタートで大きく寄れて離れた追走集団の後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが届かず2着。”2019年阪神1勝クラス”ではスローバランスをスタートで遅れて後方から、3,4コーナー中目を回して直線外からスムースに伸びて1着。”2019年京都2勝クラス”ではハイペースバランスをやや出遅れ後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて1着。”2019年オリオンS”ではスローバランスをスタートで立ち上がり大きく出遅れ後方から、3,4コーナー外目を回り直線外からスムースだったが5着まで。”2020年松籟S”では稍重でスローバランスをスタート遅れたが中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線バテ差しで1着。”2020年阪神大賞典”では超々ロンスパ戦を後方から、3,4コーナー中目を回してバテ差し2着。”2020年天皇賞(春)”ではスローバランスを後方から、4コーナー外目を回して直線スムースだったが5着まで。”2020年宝塚記念”では稍重でハイペースバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線伸びずに凡走。”2021年アルゼンチン共和国杯”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年ステイヤーズS”ではスローバランスを後方から、2周目のホームストレッチで中段のやや前に上がり、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが4着まで。”2022年ダイヤモンドS”ではスローバランスを離れた追走集団の後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて3着まで。”2022年阪神大賞典”ではスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「天皇賞(春)へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険。

スタートが悪くセントポーリア賞、アルメリア賞、青葉賞でも大きく出遅れ後方からのレースになり届かなかった。青葉賞では使い詰めによる凡走だと思う。富良野特別でも出遅れ後方から届かなかった。1勝クラスを勝ち切った時はスローバランスをいつものようにスタートで遅れて後方から、この時は少頭数だったので先頭からさほど離されなかった、これで直線トップスピードの質を見せつけて差し切り。同じようなレースになったのが2勝クラスのレースで、相変わらずスタートが悪かったが大きくは出遅れずに馬群のすぐ後ろから、直線スムースに差し切って1着だった。2019年オリオンS”ではまたしてもスタートで大きく出遅れてしまい、リカバリに―足を使った格好。これでも直線は良く伸びたが、他馬も伸びているので届かず5着までだった。

2020年松籟Sではスローバランスをいつも通りスタートで遅れたが、リカバリーして中段やや後ろからだった、L4から11秒台に入るロンスパになりL1は12.4まで落ちる中でバテ差し1着、持続力の高さを見せた。2020年阪神大賞典では超々ロンスパ戦を、後方でじっとしていたことでバテ差しが効いた、出遅れも良い方に転がったし展開には大いに恵まれた。2020年天皇賞(春)ではいつも通り出遅れ後方から、勝負権の無いレースで5着までが精一杯、スタートの悪さは改善の兆しがないので、バテ差しが効く展開でメイショウテンゲンと一緒に好走しそう。2020年宝塚記念ではいつも通り後方から、4コーナーではメイショウテンゲンのすぐ後ろに居たが、離されているので馬場適性が合わなかった可能性が高い。

2021年アルゼンチン共和国杯ではスタートイマイチで後方から、直線スムースだったがトップスピードの質で見劣り凡走。2021年ステイヤーズSではスタートで立ち上がり後方から、2周目のホームストレッチで中段のやや前に上がり、直線スムースだったがL2の11.3で遅れてしまい4着までだった。L1では差を詰めているので、持続力は見せたがトップスピードの質と瞬発力で見劣った。2022年ダイヤモンドSでは後方から、直線伸びたが届かず3着まで、直線入り口ですぐ横に居たランフォザローゼスにL2で前に出られているので、トップスピードの質で見劣り。この時は舌を出していた。2022年阪神大賞典では中段のやや後ろから、L4からの11.6に対応できずに、3コーナーで置かれてしまい直線も伸びなかった。

好材料はコース適性で、2020年阪神大賞典を2着しているので、同じ3,4コーナー内周りを使うコースは好相性。距離ももちろん問題はない。悪材料はクラス負けの危険で、2020年の天皇賞(春)で0.7差5着、2020年宝塚記念8着とGⅠでは足りない印象。この馬も上がり3Fが掛かれば掛かる程良いタイプで、上がり3F36秒台に入ればチャンスはある。

適性:竹-

ハーツイストワール 特性 トップスピード持続型 ・心肺機能は不明、パワーは有る、瞬発力は不明。  

・トップスピードの質はやや高く、持続力は高い。  

・スタートで右に寄れることがある。

   レース名   (ペース) 着順(馬場状態) 内容
箱根特別(スローバランス)
1着(良)
スタート~道中
五分に出て中段から。
3,4コーナー
内目をスムース。
直線
スムースに抜け出し押し切り。
府中S(ややスローバランス) 2着(良) スタート~道中 寄れるよう出でてやや遅れ後方から。
3,4コーナー 中目をスムース。
直線 スムースだったが届かず2着まで。
阿武隈S(ハイペースバランス)
11着(稍)
スタート~道中
五分に出たが離れたメイン集団の後方から。
3,4コーナー
外目をスムース。
直線
スムースだったが伸びずに凡走。
ウェルカムS(スローバランス) 2着(良) スタート~道中 寄れたが五分に出て中段のやや前から。
3,4コーナー 中目を回してスムース。
直線 スムースだったが届かず2着。
早春S(スローバランス)
1着(良)
スタート~道中
五分に出て中段から。
3,4コーナー
内目を回してスムース。
直線
スムースに差し切り。
箱根特別ではスローからの4F戦を中段から、4コーナーで前から3列目に取り付き直線早々に抜け出し押し切った。持続力の高さを見せた。府中Sではスローからの3F戦、スタートでやや寄れてしまい後方から。前のペースに合わせてL3過ぎまで追い出しを待ってしまい、L2で1着ヤシャマルに並んだが差し切れずに2着。阿武隈Sではスタート五分に出たが離れたメイン集団の後方から、3,4コーナーで外から押し上げたが、馬場が悪かったようで外を回した馬は伸びていない。この時はプラス8㎏だったことも影響したかも。

ウェルカムSではスローバランスを中段のやや前、スタートで右に寄れているが五分には出ている。スローからの4F戦になり1着ジャックドールは2㎏軽かったので届かなかったが、持続力は見せた。早春Sではスタート五分に出て中段、3コーナーでペースが落ちて詰まる形で中段のやや後ろ、直線はスムースに抜け出したが、1頭になってフワッとする感じで気を抜いている。L3の11.1で差を詰めているので、自身は10秒台に入ったはずでやや高いトップスピードの質を見せた。

「天皇賞(春)へ向けて」好材料:ルメール騎手騎乗。 悪材料:クラス負けの危険、初距離、輸送。

好材料はルメール騎手が乗ることくらいだが、ルメール騎手はこのレース2-0-1-4で複勝率42.9%、この値は豊騎手と同じで高評価。ハーツクライ産駒はこのレース0-5-3-16で複勝率33.3%でディープインパクトと同率、1着が無いのが物足りないが。悪材料はクラス負けの危険で、この馬は3勝クラスをクリアしたばかりで、世代限定の重賞すら走っていない。いきなりGⅠは荷が重いかも。距離も2600mまでしか走っていないので、3200mに対応できるか未知数。輸送も中京までは来ているが、関西圏に輸送して能力を発揮できるかどうか。

適性:竹