みやや競馬

2022年札幌記念 全頭評価。その2。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<グローリーヴェイズ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。・休み明けでも走る。

”2018年佐渡特別”ではやや離れた中段で実質平均バランスを直線でバテ差し1着。”菊花賞”ではスローバランスを後方から、直線で仕掛けるも瞬発力で見劣り5着まで。”2019年日経新春杯”ではハイペースバランスを中段の最内からバテ差し1着。”2019年天皇賞(春)”ではスローからのL2 最速戦、フィエールマンの瞬発力に対応してクビ差2着。”2019年京都大賞典”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線コースが塞がれて凡走。”2020年宝塚記念”では稍重でハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線伸びずに凡走。”2020年京都大賞典”では稍重で平均バランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて1着。”2020年ジャパンC”ではハイペースバランスを離れた追走集団の中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが5着。”2021年金鯱賞”では重馬場でややスローバランスを中段のやや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが4着まで。”2021年オールカマー”ではスローバランスを後方から、3コーナー過ぎから捲りに行って4コーナーは外目、直線はスムースだったが3着まで。

「札幌記念へ向けて」好材料:洋芝適性。 悪材料:距離適性。

意外だったのが2019年天皇賞(春)で見せたフィエールマンの瞬発力に対応してきたこと、ただこの時はL4から11秒台に入っていて、どちらかというと持続力が問われている。逆に菊花賞ではL3まで12秒台で、そこから一気に10.7まで引き上げる完全な瞬発力勝負だった、これで見劣って5着だったので、瞬発力はまぁまぁといったレベルなんだと思う。天皇賞(春)を映像だけで見ると瞬発力が高く見えてしまうが、ラップを見比べると持続力勝負になっているし、京都は3コーナーから下りなので、フィエールマンに食い下がれた理由はこの下り坂にありそう。

持続力の高さは日経新春杯で見せていて、この時はかなりのハイペースバランスで心肺機能も見せた、かなり重い馬場だったしバテ差しになって圧勝したのは、持続力の高さそのもの。この辺りの持続力とパワーは、母系のメジロ血統を彷彿とさせる特性ですね。心肺機能は佐渡特別でも見せていて、この時はハイペースバランスを中段の前から進めて圧勝しているし、この時は当然超高速馬場なので、ディープ産駒らしいスピードも見せている。ただ強烈なトップスピードの質を持っているかというとそうではなく、天皇賞(春)でも瞬間的にはフィエールマンに見劣っているし、きさらぎ賞でもスローバランスで上り35.3までだった。

2019年京都大賞典では中段のやや前から、直線ですぐ前のノーブルマーズがフラフラしていて、コースが空かずに伸びなかった。この時気になったのが直線内に寄れていることで、手前を上手く替えていない感じだった。天皇賞(春)の時はまっすぐ走っていたので、内に馬が居たり香港ヴァ―ズの時みたいに内ラチに近ければ寄れないのかもしれない。2020年宝塚記念では稍重表記だが重馬場並の重さで全く伸びずに凡走、ドバイ帰りで7ヵ月振りもありプラス14㎏でスタート出遅れたし、4コーナーでは手応えが無くなっていた。5カ月以上間隔を空けてしまうとレース勘が悪くなる感じ。

勝った香港ヴァ―ズが平均バランス、2019年日経新春杯がハイペースバランスで自身平均くらいのはず、逆に取りこぼしたのが2019年京都大賞典でこの時も平均バランスだったが、上り3Fが全く違っていて日経新春杯の方が遅かった。この感じからもディープインパクト産駒だが、母系の影響が強く出ている感じで生粋のステイヤーという感じ。ディープインパクトを軸に考えると、トップスピードの質が下がった代わりに、心肺機能と持続力が強化された感じかな~。

2020年京都大賞典では稍重で平均バランスを中段のやや前から、心肺機能と持続力だけでなくトップスピードの質も見せたし、この時は58㎏だったので格の違いを見せた。2020年ジャパンCでは離れた追走集団の中段の前からで、メイン集団はスローバランス、3,4コーナーでも距離ロスは最小限でロンスパに対応したが、直線でトップスピードの持続力でやや見劣って5着だった。持続力自体は見せているが、府中で求められるトップスピードの質に若干対応できなかった感じ。

2021年金鯱賞では重馬場で4着凡走、道悪適性の無さを見せた。2021年オールカマーではミルコに乗り替わって出遅れ、ゲートの中でも煩かったので今後は出遅れ注意。3コーナーから捲って行って外を回していたので、馬場の良くない部分を通した。自分でスイッチを入れに行って11秒台後半を捲くっているので、自身は11秒台の半ばから前半を踏んでいるはずで、持続力は十分に見せた。内優位の馬場だったし休み明けでプラス12㎏の464㎏、若干重かったのでそれを考慮すれば高評価で良いと思う。

この馬はレイクヴィラファーム生産の馬で、ここは旧メジロ牧場。現在ではノーザンFと提携しているため外厩はノーザンF天栄を使える、ということで休み明けでも不安はない。2カ月以上間隔を空けると5-2-1-5で、この馬の勝ち鞍は6勝だが新馬戦を除きすべて2か月以上の間隔空け。

好材料は洋芝適性で、洋芝をオーバーシードしている香港で2勝2着1回、速い上がりを使うタイプではないので、力の要る洋芝は好相性。悪材料は距離適性で、2000mは佐渡Sを勝っているが、金鯱賞を取りこぼして4着。自身天皇賞(春)で2着しているし、母系はメジロ系なので距離は長い方が合いそう。

適性:竹+

<ケイデンスコール>・心肺機能はやや低い、パワーはある、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はやや高い、持続力もある。

・前半が速くなると後半苦しくなる。

“新潟2歳S”ではスローバランスを離れた追走集団の中段から、直線は大外をスムースに加速してトップスピードの質と持続力で差し切り。”朝日FS”ではスローバランスを後方から、追走一杯になってしまい凡走、休み明けの影響か。”毎日杯”ではスローバランスを中段やや後ろの最内から、直線は前が壁になるシーンもあったがジリジリ伸びて4着、800m48.7で最内を回せたことが大きかったか感じ、スムースに外を回したヴァンドギャルドに差されたのは進路取りの差。”NHKマイルC”ではハイペースバランスを中段の後ろから、直線はスムースに外に出して追い込むも2着まで、トップスピードの高さと持続力は見せた。”2019年関屋記念”ではややスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外を回して直線スムースだったが伸びず。”2019年キャピタルS”では不良馬場で平均バランスを中段の後から、直線スムースだったが全く伸びずに殿負け。”2020年東京新聞杯”では平均バランスを中段から、直線スムースに外目に出したが伸びずに凡走。”2020年金鯱賞”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー最内を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年新潟大賞典”ではややハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年ポートアイランドS”ではややハイペースバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線詰まって凡走。”2020年信越S”では平均バランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが届かず5着まで。”2020年オーロC”ではややスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに6着まで。”2021年京都金杯(中京)”ではややスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線1回進路変更したがスムースに伸びて1着。”2021年中山記念”では平均バランスを離れた追走集団の中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに伸びて2着。”2021年マイラーズC”ではハイペースバランスを離れた追走集団の中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースに伸びて差し切り。”2021年安田記念”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年毎日王冠”では平均バランスをバラケタ中段のやや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年マイルCS”ではスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが届かず凡走。”2021年阪神C”ではややハイペースバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2022年東京新聞杯”では平均バランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。“2022年マイラーズC”では稍重でハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して4コーナーで一杯になり凡走。

「札幌記念へ向けて」好材料:なし。 悪材料:距離適性、近走の不振。

トップスピードの質、持続力自体は高い物を見せていて、NHKマイルCではハイペースバランスを中段の後ろから、2着まで持ってきた。新潟2歳Sと毎日杯で見せたトップスピードの質と持続力も破壊力十分、これを生かすためにも前半いかに無理をしないかが重要、瞬発力はあまり高くないようなので内枠で、直線捌けないようだと苦戦しそう。外目の枠から直線スムースに加速できた方がいいと思う。

休み明けがどうもピリッとしない、ノーザンファーム生産馬だが3か月半の休み明けだった朝日FSが13着、3カ月強の休み明けだった毎日杯が4着と一叩きされた方がいい感じ。2019年関屋記念ではややスローバランスを中段の後ろからスムースに直線に入ったが、全く伸びずに凡走。同じ位置で直線に入った1着ミッキーグローリーにはっきりとトップスピードの質と持続力で見劣り、後ろからロードクエストにも差されている、この時が休み明け。2019年キャピタルSでは不良馬場が影響したのか、休み明けなのか分からないが殿負けだった。両方が影響した可能性が高いと思うが。

母系を見るともう少し長い距離の方が良いのかもしれない、叔父にフェイムゲームが居るくらいなので、もしかしたら中長距離の方が良いのかも。2020年東京新聞杯でも中段から進めて伸びなかった、トップスピードの質で見劣っただけでなく休み明けも良くなかったはず。2020年金鯱賞では中段から進めて凡走、休み明け2走目で距離延長と変わり身を見せられるかと思ったが、この条件で伸びなかったことを考えると成長力に疑問符が付く。

2020年ポートアイランドSではややハイペースバランスを後方から、直線詰まるまではいい脚を見せたので、バテ差しで台頭しそうな気配を見せた。2020年信越Sではややハイペースバランスを後方から、スムースだったが届かず5着だったので、トップスピードの質はまぁまぁまで。2020年オーロCではややスローバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線入り口では中段やや前まで上がったが、ここからの伸びがイマイチだった、すぐ隣に居たイベリスを交わせなかったので、ここでもトップスピードの質が高くないことを見せた。

2021年京都金杯(中京)では中段やや前から、岩田騎手は何度も乗ってトップスピードの質が高くないことが分かったんだと思う、これで3,4コーナー内を回して直線入り口では中段の前、直線で1回進路変更をしたが流れた中での進路変更で瞬発力が問われなかった。ペース的には前半ゆったりで中緩みがなかったことで、後方の馬が取り付けずに押し切れた感じ。2021年中山記念では離れた追走集団の中段からで自身はスローバランス、直線しっかり伸びたので1800mへの適性も見せたし、後半のロンスパにも対応した。

2021年マイラーズCでは直前に岩田騎手の不祥事で古川吉騎手ヘ乗り替わり、終始馬群の外に居てスムースなレースが出来て快勝。自身の位置ではスローバランスだったので、心肺機能は見せていない。2021年安田記念ではスローバランスになってしまい伸びなかった、道中すぐ内に居たグランアレグリアに大きく見劣ったので、展開には条件が付く可能性と、斤量58㎏でポートアイランドSを凡走しているので、斤量負けの可能性もある。

2021年毎日王冠では平均バランスをバラケタ中段のやや前から、中緩みが有っての3F戦でトップスピードの質で見劣り、特にL1が11秒台なので対応できなかった。2021年マイルCSではスローからの3F戦で届かず凡走、トップスピードの質が高くないことを見せた。2021年阪神Cでは後方からで届かず、トップスピードの質で見劣り。2022年東京新聞杯では平均ややスローを先行したが、L1標識付近で一杯になり凡走。59㎏はさすがに重過ぎた。

2022年マイラーズCでは4コーナーで一杯になり大差殿負け、返し馬も走らなかったようで体調面の問題かも。

好材料はなし、悪材料は距離適性で、2000mは金鯱賞0.9差7着、新潟大賞典1.3差12着と適性外。近走は2走続けて二桁着順で、前走は返し馬から走らないなど精神面が不安。ノーザンF生産馬だが休み明けの実績もないし、現状では期待できない。

適性:梅

ジャックドール ・心肺機能は不明、パワーは有る、瞬発力は不明。 

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力はやや高い。

レース名 着順 内容
プリンシパルS 5着 スローバランスを逃げて5着。トップスピ度の質で見劣り。
1勝クラス 1着 スローバランスを2番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し快勝。持続力を見せた
浜名湖特別 1着 スローバランスを逃げ切り。持続力を見せた。
ウェルカムS 1着 スローバランスを逃げ切り。持続力を見せた。
2022年白富士S 1着 スローバランスを逃げ切り。持続力を見せた。
2022年金鯱賞 1着 スローバランスを逃げ切り。スローからのロンスパで持続力を見せた。
2022年大阪杯 5着 ややハイペースバランスを逃げて5着。心肺機能が高くないことを見せた。
プリンシパルSでは逃げたがスローからの3F戦、トップスピ度の質で見劣り5着。1勝クラスではスローからの4F戦を2番手先行、持続力の高さを見せた。浜名湖特別ではスローからの4F戦を逃げ切り、L2で10.8を出しているが差を広げていないので、トップスピードの質はまぁまぁまで。ウェルカムSではスローからの4F戦を逃げ切り、このレースはL3で11.0が出ているがここでは差を広げていないので、トップスピードの質はまぁまぁ、L2からの減速区間で差を広げたので、パワーと持続力を見せた。

2022年白富士Sではスローバランス、開幕週で高速馬場だったので、中緩みで12秒台に入らなかった、実質4F戦でL1が12.4まで落ちたところで、アドマイヤハダルに0.2まで詰められたので、持続力はやや高い位。2022年金鯱賞では逃げ切り、ロンスパに持ち込みL3で最速11.0を出しているが、この区間は下り坂で瞬発力は見せていない。持続力はかなり高い。2022年大阪杯ではややハイペースバランス逃げて5着、2F目に10.3を出してしまい苦しくなったので、心肺機能は高くない可能性がある。落鉄の影響もあった。

「札幌記念へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:展開。

好材料は距離適性で、2000mは6勝2着2回と好相性。悪材料は展開で、大阪杯で心肺機能が低いことを見せてしまった。今回はパンサラッサが居るので、スローはないはず。ジャックドールの適正ペースで走らせることが重要だが、藤岡佑騎手にそれが出来るかと言われると、正直無理だと思う。勿論たまたま適正ペースになることもあるので、無印には出来ないが重い印は打てない。

適性:竹