みやや競馬

2022年天皇賞(秋) 回顧。横山典騎手のアシスト?

走破時計1:57.5    前半1000m57.4   上がり3F 36.7

まずは馬場状態ですが良馬場でした、土曜日に散水していますが含水率は下がって、クッション値もわずかにアップ、タイムからもやや高速馬場と見て良いと思います。イクイノックスの上がり3Fが32.7なので、かなり軽い馬場でパンサラッサがL1踏んばってしまった要因は馬場にありそうですね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。

今回はパンサラッサが1頭で大逃げだったので、グラフの比較は意味がないので省略。パンサラッサとメイン集団の差を見ていきます。L4区間でのパンサラッサとメイン集団の差は、目視手動計測で2.54秒で15馬身程でした。L4でもメイン集団のペースは上がりませんでした。これはイクイノックスとパンサラッサを比較するとよく分からいます。パンサラッサの上がり3Fは36.8、イクイノックスは32.7でその差は4.1秒です。L4区間ではイクイノックスはメイン集団の中段に居ましたから、メイン集団はスローからの3F戦になっていますね。

ここまで計測してみてアレっと思ったのが、メイン集団をコントロールしていたのがバビットの横山典騎手だったことです。横山典騎手はペース認識が非常に良い騎手ですから、L4標識でパンサラッサとの差は正確に分かっていたはず。そしてバビットはトップスピードの質で勝負するタイプではないことも分かっていたはずです。にも拘らずL4でペースを上げなかった理由が分かりませんでした。

ここからは完全に邪推になるのですが、横山典騎手はパンサラッサ吉田豊騎手をアシストしたのではないか。こう考えるとメイン集団をコントロールして、仕掛を遅らせた理由がしっくりくるのですが。勿論最初からパンサラッサを勝たせることは考えているわけはなく、パンサラッサが怖がらずにハイペースで逃げたことで、自身の好走を諦めたのではないかと。考えすぎですかね~。

まずスタート後すぐの2コーナーです、パンサラッサがスタート五分くらいで先頭、ジャックドールはスタート速く内から2頭目で前、ノースブリッジが外から上がってきて先頭に並ぶ感じ。バビットは内から4頭目でした。その後ろが重要で、マリアエレーナが最内、カラテが内から2頭目、ジオグリフが内から3頭目、イクイノックスが内から4頭目、そしてシャフリヤールは内から5頭目を回していました。ダノンベルーガ引いて内から2頭目でした。シャフリヤールは距離ロスが大きかったですね。

ここから向正面の直線に入る部分で、ノースブリッジが内に切れ込んだことで、マリアエレーナが内ラチにぶつかりそうになり大きくブレーキしていました。

逃げたのはパンサラッサ、メイン集団の前からバビット、中段の前からノースブリッジ、ジャックドール。中段のやや前からマリアエレーナ、シャフリヤール、中段からカラテ、ジオグリフ、アブレイズ。中段のやや後ろからイクイノックス、中段の後ろからダノンベルーガ、ポタジェ。後方からレッドガラン、ユーバーレーベン、カデナという並びでした。

ここは残り1200m付近で、パンサラッサとメイン集団の差は5馬身程、ここからパンサラッサがペースを落とさなかった一方で、メイン集団をコントロールしたバビットは、おそらく12.0位までペースを落としたはずです。これでパンサラッサはどんどん差を広げていきました。

ジャックドールがメイン集団の中段の前で折り合っていました。シャフリヤールはやや行きたがっていたようで、クリスチャン騎手が上体を上げて抑えていたので、やや掛かり気味だった感じですね。イクイノックスは中段のやや後ろで折り合っていました。その後ろにダノンベルーガも折り合いが付いていました。

4コーナーです、パンサラッサが15馬身程離して逃げます。注目すべきはメイン集団で、バビットがペースを引き上げないために馬群が凝縮しています。後方に居たユーバーレーベン、カデナ、レッドガランが馬群に取り付いていますから、L4のラップがどれ程遅かったか分かりますね。シャフリヤールのクリスチャン騎手がジャックドールに追い出しを掛けています。ジャックドールはこれでも動かないので、藤岡佑騎手のペース認識には疑問符が付きますね。

イクイノックスはアブレイズに隠れるように追走、空気抵抗を最小限に抑えるルメール騎手の思惑が見られます。ペースが上がらないので、距離ロスは大きな影響がなかったし、内から3頭目を回しても馬場はフラットで悪影響は有りませんでした。

直線L2標識付近です、この地点でもパンサラッサは後続に13馬身程の差がありました。バビットにノースブリッジが並びかけ、その外にジャックドールが伸びてきます。シャフリヤールはジャックドールの後ろからで反応がイマイチ。ダノンベルーガがジオグリフの内から伸びてきて、シャフリヤールよりも反応が良かったですね。イクイノックスはここまでアブレイズを使っていました。

直線L1標識付近です、ここでもパンサラッサと後続の差は8馬身程、2列目にジャックドールが上がり内からダノンベルーガがスムースでした。バビットが粘りましたがこの辺りまで、マリアエレーナもジリジリまででした。ノースブリッジがジワジワ外に流れてジャックドールに左斜め後ろ。ギリギリまでアブレイズを使ったイクイノックスがⅬ2区間で伸びてジャックドールに並びかけます。反応が悪かったシャフリヤールは、前をジャックドール、左右をノースブリッジとイクイノックスに塞がれてしまい動けず。

ここからパンサラッサが粘りましたが、イクイノックスが一気に伸びて差し切り。ダノンベルーガは中目に進路を取って伸び3着。ジャックドールはトップスピードの質で見劣り4着でした。シャフリヤールはノースブリッジが垂れてから中目に出して、ジリジリ伸びましたが5着まででした。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はイクイノックス、メイン集団の中段辺りからトップスピードの質と持続力で差し切りました。メイン集団がスローからの3F戦になったし、L2標識までアブレイズを風除けに使うなど、ルメール騎手の手腕で勝ち切ったと思います。この馬はキタサンブラックの産駒ですが、トップスピードの質は高いし、持続力も高いので府中が合っていますね。

2着はパンサラッサ、怖がらずにペースを引き上げての大逃げ、これが嵌りましたね。1800mまでと思いましたが、ギリギリ持ってしまった。L1が12.7ですから1800mベストと考えて良いと思いますが、軽い馬場なら2000mのGⅠでも対応できますね。

3着はダノンベルーガ、L2区間で中目から内目に進路変更しているので、その分の距離ロスが勿体なかったですね。初手の位置取りが中段の後ろだったので、もう少し前に居た方が良かったと思います。イクイノックスにはトップスピードの質で見劣っているので、もう少し前でレースを上手く走れるようにならないと、今後もイクイノックスには勝てないと思います。

4着はジャックドール、L4で自分から動く意識がなかったのか、スローペースを容認してしまいました。スロー自体は良いのですが、キレッキレのトップスピードの質を持っていないので、どうしてもこの展開では切れ負けしますね。自分からパンサラッサを捕まえに行って、目標にされたくなかったのでしょうが、その勇気がないと今後もGⅠでは苦しいと思います。

5着はシャフリヤール、パドックから若干煩いところを見せていたし、返し馬でも行きたがる素振りがありました。レースでもクリスチャン騎手が上体を上げて抑えていたので、掛かり気味だったことも直線でイマイチだった要因でしょうね。もちろん最初の2コーナーで外を回した分も不利になりました。

6着以下は見どころの無いレースで、このクラスになると現状ではちょっと足りな印象でした。

馬券の方はハズレ、3頭に絞りましたがシャフリヤールが万全でなかった感じですね。パンサラッサは買い難かったので完敗です。次回はエリザベス女王杯の予定です。