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<種牡馬研究>ダイワメジャー その2

前回に続いて今回は気性面と疲労について書いていきたいと思います。
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気性について

気性に難を抱えているというか、とにかく勝気な性格で前向きな産駒が多い。このことが格上げ戦でも怯まない気持ちの強さ、混戦でも馬群を割る勇気に繋がっています。反面外枠で前に壁が作れないと掛かってしまい凡走することもしばしば。しかし先頭に立ってしまうと意外と落ち着く産駒も居るので、いわゆるリーダー体質の産駒が多いということですね。

馬は群れで暮らす生き物です、当然群れの動きをコントロールするリーダーが居ます、ダイワメジャー産駒にはこのリーダー体質の馬が多い。馬群の外で掛かってしまい凡走するのに、逃げて先頭に立ってしまうとコントロールが効くのはリーダーだからです。カレンブラックヒルコパノリチャードメジャーエンブレムなど強い逃げ馬が多い理由もこれですね。1200~1400で好走する馬が多いのは、前へ前へ行きたがるリーダー気質と展開がマッチすることが多いためですね。短距離では前半がスローになったり中盤が緩むようなことがないため、前へ行きたがる気性のままゴールまで走れることが好結果を生みだすのでしょう。マイル以上では前半がスローになったり中盤で緩んだりして精神的なコントロールを要求されてしまうレースが多いため、先頭に立ちたい気性とは正反対の対応を求められて苦戦してしまう。

この気性をごまかせるのが重馬場です、馬場が悪くなると当然滑りやすくなり足元を気にして走ることになります。これで”前へ”の意識が足元へ向けられるのです。これで溜めが効き中段から差しに回っても好結果をもたらすんです。ビップライブリーを見てください、初の重賞挑戦となった2017年スワンSでは9番人気で4着、勝ったサングレーザーから0.3差と好走しています。その後は馬場に恵まれずに良くないのですが、過去の戦績からも重馬場巧者であることは明らかです。

では前に馬を置いて気性をコントロールした場合はどうでしょうか、この場合はレースの展開によって変わってきてしまいますよね。一本調子のペースで好走する、そしてギヤチェンジが苦手なダイワメジャー産駒ですから、先頭の馬にスローの瞬発力勝負に持ち込まれてしまうと凡走してしまいます。ミスパンテールがこの特性をよく表してくれています、2018年の阪神牝馬Sを見てください、掛かりやすいダイワメージャー産駒にもかかわらずマイルでドスローの流れ、当然掛かって凡走してもおかしくない展開ですが1着でした、理由は逃げ馬不在で楽に先頭に立てたことで、スローに落としてもコントロールが効いたからですね。同年のターコイズSも1着、こちらは中段からの差しに回っていますが、前半の800mが45.5と超ハイペースになりダイワメジャー産駒の得意パターンになったためですよね。逆に良くなかったのがヴィクトリアM、稍重表記でしたが超高速馬場でした。内枠で折り合いに専念しましたが前半がスローになってしまい、L3最速戦のギヤチェンジで見劣り5着でした。差しに回る馬は折り合いに専念しがちですが、その分展開に大きく左右されてしまうのもダイワメジャー産駒の特徴ですね。



疲労について

ここでもコパノリチャードを見てください、2013年の阪神Cで2番人気に支持されながら10着に凡走しています。16番枠と外枠に入ってしまったことは不運でしたが、レース自体は前半46.6でそこそこ流れていますし、後半は徐々に減速する消耗戦と得意な展開でした。ではなぜここまで大敗したのか、それが疲労です。この阪神Cは夏の休養を挟んで4走目、スワンS1着、マイルCS4着と好走して疲労はピークに達した状態だったんですね。更に2014年京王杯SCも1番人気で7着の凡走、この時も休み明け3走目でGⅢ1着、GⅠ1着の後と疲労はピークだったようです。注目すべきは2014年の阪神Cです、休み明け3走目にもかかわらず2着に好走しています。これをどう見るかですが、単純な疲労で考えるよりも肉体疲労と精神的疲労に分けて考える必要があります。まず休み明け初戦のスプリンターズSは初の新潟輸送に戸惑ったのか大きく出遅れてしまい、全くレースにならず肉体疲労が残らなかった可能性があります。次のJBCスプリント盛岡で初ダートに出走して16着と、こちらもレースにならず。休み明けの2走が全くレースにならなかったことで、肉体疲労が全くなかった、精神的疲労についても両レースが最後方から付いて行くだけのレースだった為、全くなかったと見れば阪神Cの好走も頷けます。

ダイワマッジョーレの2013年阪神Cも1番人気で7着と人気を裏切る凡走でした。3番枠と掛かりやすいダイワメジャー産駒としては嬉しい内枠、レース自体も前半46.6と流れて、後半は徐々に減速する消耗戦と得意パターンでした。しかし結果は7着、理由は休み明け3走目での疲労以外考えられませんね。休み明けのGⅡスワンSで2着、マイルCSでは内枠から2着と力を出し切るレースで好走してしまったことで、余力がなくなったのでしょう。特にマイルCSでは内枠で揉まれて精神的にも相当疲労したはずです。

2014年の阪神C見てください、休み明け4走目で3着に好走していますね、これは前3走が凡走していて全くレースにならなかったために、疲労が残らなかったからだと思われます。もちろん得意な展開だったことも大きな要因です、何しろコパノリチャードが2着ですからね。しかし得意パターンだけでGⅡ3着になるほど甘くありません、やはり凡走で疲労が無かったことも大きな要因だったはずです。

2018年にも疲労で人気を裏切ってしまったダイワメジャー産駒が居ました、スプリンターズSで2番人気に支持されながら7着に凡走したナックビーナスです。この時も休み明け3走目で前2走がGⅢで1着、3着と好走してしまっていることが疲労が溜まる原因でしょう。2018年の高松宮記念も見てください、ここでは一見使い詰めで3着に好走しているように見えますが、前走こそGⅢ2着だったもののその前はGⅢ5着、この5着で精神的にも肉体的にも一息ついた可能性がありますね。500㎏を超える大型馬ですが牝馬ですから斤量は54㎏で済んでいることも、疲労の蓄積が少なかった要因かもしれません。

疲労については徐々に体に蓄積する疲労も競争に影響しているようで、高齢になり極端に能力を落とす産駒も多く居ます。コパノリチャードは5歳になり急激に成績を落としています。同じような傾向はダイワマッジョーレ、カレンブラックヒル、ソルヴェイグにも見られます。もちろんOPレベルでなら好走することもありますが、重賞以上では連に絡めなくなってしまうようです。

まとめ

馬券的には若い程期待が出来る反面、高齢になると割引。騎手はペース判断が上手く逃げ・先行でビビらずにハイペースに出来る騎手。疲労には弱いので休み明け3走目以降には要注意。

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