2021年関屋記念 全頭評価。その2。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<カラテ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は不明。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力はやや高い。

”2020年八丈島特別”では不良馬場でハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。”2020年柏崎特別”では重馬場でハイペースバランスを離れた追走集団の中段やや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年神奈川新聞杯”では平均バランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年2勝クラス”では稍重でスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて差し切り。”2021年若潮S”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに伸びて1着。”2021年東京新聞杯”ではややスローバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線L1まで前が壁だったが、空いてから伸びて差し切り。”2021年安田記念”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線全く伸びずに凡走。

「関屋記念へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:2か月半の間隔。

<心肺機能について>2020年八丈島特別では不良馬場でハイペースバランス、自身は中段からだったがこれでもハイペースバランスに入っていて、上がり最速で差し切りは心肺機能が悪くないことを見せた。2021年東京新聞杯では中段の前から差し切り、このレースは中緩みの無い一本調子のペースで、L1まで前が壁だったが流れていたために差し切った。

<パワーについて>2020年中山2勝クラスではL1の坂で差し切り、トゥザグローリー産駒らしいパワーを見せた。

<瞬発力について>現状では不明。

<トップスピードの質について>2020年神奈川新聞杯では平均バランスを後方から、自身はスローバランスで心肺機能は問われていないが、直線全く伸びていないのはトップスピードの質が低いからだと思う。

<持続力について>2020年若潮Sでは中緩みの無い平均バランスを、中段やや前から押し切り圧勝している、ただL1は12.4まで落としているので持続力はやや高い。

<その他について>非ノーザンF生産馬で外厩は期待できない上に、1流厩舎ではないので休み明けは良くない。2020年柏崎特別では休み明けで凡走。トゥザグローリー産駒らしく中山適性が高い。2021年東京新聞杯では1400mのような中緩みの無いペースを差し切り、消耗戦になっていないので前に居た分だけ楽だったはずで、恵まれた感が強い。2021年安田記念では休み明けで凡走、中間アクシデントもあったようで力を出せず。

好材料は距離適性で、東京新聞杯を勝っているしマイルで4勝しているので好相性。東京新聞杯で骨っぽい相手に勝利しているので、クラス負けの危険はないと思う。悪材料は2か月半の間隔で、前走の安田記念は爪の問題で順調さを欠いたうえでの休み明け、元々休み明けは良くないので今回の2か月半はどうか。2019年1勝クラスが2か月半の間隔で凡走している、八丈島特別では2カ月の間隔で1着と、ここは微妙な間隔ですね。

適性:竹

<グランデマーレ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは高い、瞬発力は不明。  

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

レース名 着順
葉牡丹賞 1着 平均バランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し快勝。5F戦を推し切ったので高い持続力を見せた。骨折。
神戸新聞杯(中京2200m) 17着 平均バランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。この時骨折で10カ月ぶり。
鷹巣山特別 11着 稍重でハイペースバランスを離れた追走集団の中段から、3,4コーナー外目を回して直線伸びずに凡走。加速がつかない感じで伸びなかった。
天神橋特別 1着 スローバランスをやや離れた追走集団の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに抜け出し圧勝。Ⅼ1で引き離しているので、パワーと持続力を見せた。
ストークS 1着 稍重でスローバランスを中段の前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに抜け出し1着。持続力の高さを見せた。
総評
葉牡丹賞、天神橋特別、ストークSで見せたのがパワーと持続力の高さで、トップスピードの質はまぁまぁまでだと思う。阪神のマイル戦はL3から下りなので、瞬発力とトップスピードの質は高いと言えない。神戸新聞杯と鷹巣山特別を凡走、神戸新聞杯は骨折休養明けなので大目に見るにしても、鷹巣山特別は看過できない。どちらも左回りのレースで、3,4コーナーで逆手前だったように見える。この事から左回りは良くないかも。この馬は社台の白老F生産馬だが、外厩はノーザンFしがらきを使っている、だからなのか休み明けを苦にしないようで、5カ月強の間隔で天神橋特別を圧勝した。

「関屋記念へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:コース適性。

好材料は距離適性でマイルは2連勝中、前走のストークSでは3着に下したユニコーンライオンが鳴尾記念1着、宝塚記念2着と好走したので、クラス負けの危険はないどころか、遅れてきた大物感たっぷり。ノーザンFの外厩を使うので、休み明けの不安もない。悪材料はコース適性で、左回りは2戦して共に大敗、神戸新聞杯は骨折休養で10カ月ぶりだったので度外視して良いが、鷹巣山特別は言い訳出来ない。逆手前で走っているように見えたので、左回りは大きな不安材料だと思う。

適性:梅

<クリスティ>・心肺機能はやや低く、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は高くなく、持続力は高い。

”新馬戦”では重馬場で平均バランスを中段の前から、直線スムースだったがトップスピードの質で見劣り2着。”未勝利戦”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー外から捲り追い込みに行って圧勝。”アイビーS”ではスローバランスを中段から、直線はインコースを取ったが前が壁になり大きくロス、外に出してから2着を確保。”2019年阪神JF”ではハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナーやや外目を回してL1手前で苦しくなり凡走、心肺機能で見劣り。”2020年MブエナビスタC”ではややスローバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースに差し切り。”2020年トルマリンS”では稍重でスローバランスを逃げ切り。”2020年ターコイズS”ではハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったがL1で一杯になり凡走。”2021年六甲S”では稍重で平均バランスを逃げ切り。”2021年ヴィクトリアM”ではスローバランスを逃げて凡走。

「関屋記念へ向けて」好材料:距離適性。 悪材料:騎手不安、クラス負けの危険。

新馬戦、未勝利戦、アイビーSと共通しているのはスタート後に掛かっていること、豊かなスピードを持っていることの証で前半からスピードに乗せやすいタイプ。新馬戦は重馬場の平均バランスを2着と持続力を見せた、母父クロフネの影響を凄く感じる馬で、未勝利戦でも持続力の高さは見せたが決してトップスピードの質が高い馬ではない。アイビーSでも瞬発力の低さを見せたし、心肺機能の高い持続力特化型だと思うので前半から流れた方が良いはず。こういうタイプはレースレベルが上がった方が良さが出る。

新馬戦は探りながらなので仕方ないと思うが、未勝利戦、アイビーSと騎手の問題が出てしまった。未勝利戦では相手が弱く圧勝しているが、スタート後に掛かっているようにペースが明らかにこの馬と合っていない、逃げたくないんだと思うが馬の特性には合っていない。更に酷かったのがアイビーSでここでもスタート後に掛かっている、これを強引に抑え込んで中段から進め直線でドン詰まり、外に出したが加速が鈍く何とか2着を確保というお粗末な騎乗だった。瞬発力が低い事を露呈してくれたので、一つ特性が分かったけどね~。こういうタイプに福永騎手は合わないんだよね、こういう馬は横山典騎手や戸崎騎手にアエロリットのように乗ってもらえればいいんだけどね。2019年阪神JFではハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナーやや外を回して直線スムースだったがL1手前で苦しくなり凡走、マイルのスピードに対応できなかった感じ。

2020年MブエナビスタCでは中段からスムースに差し切り、このレースは中緩みのない展開で11秒台半ばを連発したので、持続力の高さは相当なものを見せた。2020年トルマリンSでは逃げ切り、スローバランスだが稍重でL4から11秒台を連発して持続力の高さを見せた。2020年ターコイズSではハイペースバランスを2番手先行、スタートがやや遅くリカバリーしながら逃げ争いに行ってしまい前半で消耗した感じ、L1での失速を見ると心肺機能の低さは見せてしまった。2021年六甲Sでは稍重で平均バランスを逃げ切り、前半ゆったり入ったので心肺機能は問われずパワーと持続力で押し切った。2021年ヴィクトリアMでは逃げたが、L2で自身11.5を出したが、ここで交わされているのでスピード負けした感じ。

前半ゆったり入った時の持続力は相当高いので、平均もしくはスローバランスからのロンスパが好走条件。道悪の方が可能性は上がると思う。

好材料は距離適性で、マイルは3-1-0-2と好相性。悪材料は騎手不安で、前走のヴィクトリアMが印象悪く、スローバランスにしたことよりもソロっと出して2F目で10.8を踏んでいる、スタート自体は悪くなかったので、先手を取ってペースを落とした方がこの馬には合うはず。真逆のペースだったので凡走も仕方ないと思うが、継続騎乗だと不安が残る。クラス負けの危険は前走のヴィクトリアM、3走前のターコイズSで凡走したことで、重賞では通用しない可能性を見せてしまった。特にスピード勝負になってしまうと苦しいようで、道悪になった時の激走には注意しておきたい。

適性:梅

<サトノアーサー>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2018年洛陽S”では稍重でハイペースバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線外からスムースにバテ差して1着。”2018年メイS”ではややハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外を回して直線スムースに差し込み3着。”2018年エプソムC”では重馬場で平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー外を回して直線外からスムースに伸びて1着。”2018年毎日王冠”ではスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー中目を回して直線はスムースだったがトップスピードの質で見劣り6着。”2019年ポートアイランドS”ではハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外を回して直線外からスムースだったが2着まで。”2019年キャピタルS”では不良馬場で平均バランスを中段やや後ろから、3,4コーナー最内を回して直線スムースだったが差せず差されて6着。”2020年東京新聞杯”では平均バランスをやや離れた追走集団の前から、終始中目を回して直線スムースだったが伸びずに4着まで。”2020年大阪城S”では稍重で平均バランスを中段やや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが3着まで。”2020年六甲S”では稍重で平均バランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが2着まで。”2020年都大路S”では重馬場で平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが届かず3着。”2020年エプソムCでは不良馬場でハイペースバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに6着まで。”2020年関屋記念では平均バランスを後方から、3,4コーナー最内を回して直線スムースに差し切り。”2020年富士S”ではハイペースバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年京都金杯(中京)”ではややスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが全く伸びずに凡走。”2021年東京新聞杯”ではややスローバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「関屋記念へ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:届くかどうか。

毎日杯ではスローバランスで高いトップスピードの質を見せて2着になっている、この時の1着がアルアインで3着がキセキなので、相手も強かった。ただ古馬になってからはトップスピードの質がやや下がった感じで、パワーと持続力、心肺機能の高さで好走するようになった。ディープインパクト産駒の割に瞬発力があまりないのも特徴で、スローバランスを中段よりも後ろから差す競馬では、取りこぼしも目立つ。

2018年の毎日王冠後に脚部不安で1年の休養、その復帰戦になったのが2019年ポートアイランドSでハイペースバランスを中段の後ろから、これをバテ差す形で2着までだった。この時の1着が54㎏のロードマイウェイだったので、ある程度の評価はすべきだと思うが、上がりが掛かる展開ではあったが3F34.4は馬場を考えるとやや不満。続くキャピタルSでは不良馬場で平均バランス、この時は中段のやや後ろから進めて、さすがルメール騎手という手綱さばきで4コーナー最内を回して直線入り口では先頭に並んでいたが、L1で一杯になって6着まで下がってしまったのは印象が良くない。道悪が原因でないことは2018年洛陽Sも稍重で勝ち切っているし、2018年エプソムCを重馬場で勝ち切っている。そのエプソムCでは中段やや前から進めて1着、この時は平均バランスだったので心肺機能の高さも見せた。

2020年東京新聞杯では平均バランスをやや離れた追走集団の前からだったが、内へ入れるタイミングを逸して終始中目を回されている、クリノガウディ―横山典騎手との差が出たレースで、中緩みでも動かなかったのでトップスピードの質で見劣った。2020年大阪城Sが稍重、中段やや後ろから進めて直線スムースだったが届かず、ディープ産駒ということでどうしてもトップスピードの質に頼りたいのか、「差しに行って届かず」のもどかしいレースが続く。2020年六甲Sでも稍重で中段から差しに行って2着、L2では1着ウーリリに並んでいるので持続力は見せたが、そこから差し切れない。2020年都大路Sでも稍重で中段から、またしても差し届かずで3着。2020年エプソムCは不良馬場でハイペースバランスと条件は悪くなかったが、予想通り中段のやや後ろからで切れ負けした。2020年関屋記念ではスタートで遅れて後方から、3,4コーナー最内を回して直線スムースに差し切った。前夜の雨でやや時計が掛かっていたため、トップスピードの質よりもパワーと持続力が活きた。

2020年富士Sではスタート出たが中段の後ろから、前走の勝ち方の影響が出てしまって届かない位置から、直線でも伸びない内へ行ってしまい戸崎騎手の不味い騎乗が目立った。2021年京都金杯(中京)では2カ月強の休み明けでプラス20㎏、馬体重は500㎏でこれは過去最高タイ、2020年大阪城Sが500㎏で3着、ただしこの時は1番人気だしプラス6㎏だったので、金杯では急激に増えてしまった体重を絞り切れなかったのだろう。これでは走れる状態ではなかったはずで、池江厩舎らしくなかった。これは明け7歳になって新陳代謝が落ちている可能性があり、今後も休み明けは気を付けた方が良いと思う。2021年東京新聞杯では後方から、前が止まらない流れで中緩みもなく届かず。

この馬はノーザンF生産馬で休み明けでも走る、長期休養明けだったポートアイランドSで2着だし、2018年洛陽Sは1着だったので、仕上げに不安はない。2,3歳時にはトップスピードの質が高かったが、古馬になってハッキリとパワーと持続力型にシフトしてきた、残念ながら陣営と騎手が差しに拘っているので、届かない結果が多い。

好材料はコース適性で、昨年のこのレースで差し切り1着、この時はトロワゼトワルがややハイペースで逃げて、自身は出遅れたことで脚が溜まりバテ差しが決まった。加えて良馬場だが超高速馬場ではなく、上り3Fもやや掛かっていたので、トップスピードの質ではなく、持続力の方が問われた。悪材料は届くかどうかで、出遅れなくても中段の後ろからになることが多く、トップスピードの質が下がってしまった現在では、届くかどうかが大きな不安材料。この点は展開次第になる。6カ月ぶりのレースになるが、ノーザンF生産馬で休み明けの不安はない。

適性:竹