2019年朝日杯FS 予想。豊騎手の初優勝に期待。


まずは馬場状態ですが土曜日は終日良馬場で11RタンザナイトSが1:08.6、7Rの1勝クラス1800mで1:47.1と標準的な馬場でした。含水率はゴール前10.4%、4コーナー11.8%でこの数値に近いのが9月29日で10.8%、11.8%でした。この日は11RのポートアイランドSで1:32.7が出ているのます、先週の阪神JFで1:32.7が出ているので引き続き高速馬場だと思います。今日のタンザナイトSが物足りないタイムですが小雨が降っていたためにペースが上がらなかった可能性があります。 明日は雨の予報がないので引き続き高速馬場を予想しています。

直線は内の方がやや優勢でした、タンザナイトSでは外からジョイフルが差し込んできましたが、逃げたナックビーナスが2着に粘り3着のメイソンジュニアも内を通していました。外が全く伸びないというわけではなく、内の方が優位で外は標準的な状態と考えています。

◎タイセイビジョン
○サリオス
▲ペールエール
△レッドベルジュール
★ビアンフェ
☆タガノビューティー
Xラウダシオン
3連複 ⑥⑧=②③⑥⑧⑫⑭⑯=②③⑥⑧⑫⑭⑯ 25点                  3連単 ⑥⑧ー③⑥⑧⑫ー②③⑥⑧⑫⑭⑯ 30点

逃げるのは内枠を引いたビアンフェ、2番手に内からジュンライトボルト、メイショウチタン、プリンスリターン。中段の前からペールエール、マイネルグリット、エグレム二。中段からサリオス、タイセイビジョン、レッドベルジュール。中段の後ろからトリプルエース、グランレイ、ラウダシオン。後方からウイングレイテスト、カリニート、最後方からタガノビューティーという並びを想定。

何が何でも逃げたいというタイプはビアンフェだけなので内枠を利用してすんなりと逃げ体制を築くと思います、これに内枠からジュンライトボルトが続き外からメイショウチタンとプリンスリターンが先行体制。 ビアンフェは1200mではハイペースバランスで逃げていましたが、前走京王杯2歳ステークスでは1400mへの延長にビビったのかややスローバランスでの逃げになりました、トップスピードの質が高いわけではないので当然このペースでは直線で見劣り2着に負けています。このレースでビアンフェを差し切ったのがタイセイビジョンでした。今回はさらに1F延長の1600mになるので藤岡佑騎手が果たしてハイペースで逃げられるのかどうかが前半の鍵になると思います。先週の阪神JFでハイペースバランスをレシステンシアが押し切っているので、ビビらずにハイペースバランスまで引き上げてしまえば心肺機能と持続力を生かして粘り切る可能性もあります。

サリオス、タイセイビジョン、レッドベルジュールの人気馬は揃って中段あたりからになりそう、特にサリオスはムーア騎手なので中段の最内をすんなりと取れれば、ここから動かずに直線勝負に持って行くと思います。この並びになれば当然豊騎手はサリオスにプレッシャーをかけるよう馬体を併せてくるはず、2歳のレースなのでプレッシャーをかけられ揉まれてしまうと投げ出してしまう可能性もあるでしょう。

4コーナーから直線入り口です、ビアンフェのペース次第ですが平均からハイペースバランスで進めればもう少し馬群がばらけている可能性があります、平均からややスローペースの場合にはこの辺りで馬群が凝縮して後方にいたウイングレイテストやタガノビューティーあたりも馬群に取り付いてくると思います。中段よりも前の組はさほど大きな動きがないまま直線に入ってくると思いますが、タイセイビジョンの豊騎手はぎりぎりまでサリオスにプレッシャーをかけてからスパートをかけると思います。

直線L2標識付近です、ビアンフェは下り坂を利用してじわっと後続を離すと思います、外からレッドベルジュールはスムースに加速できるはずなので、後ろのラウダシオンとともに外からどこまで伸びるかと言う展開。タイセイビジョンがこの辺りでスパートをかけてサリオスはこれに続くと思います、なのでタイセイビジョンよりもサリオスは後ろから直線に入ってくることになると予想しています 。ペールエールはマーフィー騎手なので内の空いたスペースかジュンライトボルトの外に行くかここは判断が難しいところです、ただメイショウチタンやマイネルグリットが下がるはずなのでここにはスペースができると思います。

直線L1標識付近です、前半のペース次第ですがビアンフェがどこまで粘れるかという部分ですね、ハイペースバランスまで引き上げて後続に脚を使わせているようであればビアンフェは持続力が高いのでL1でも踏ん張っていると思います。レッドベルジュールはスローバランスの経験しかなくハイペースバランスまで引き上げられた時に心肺機能が持つのかどうか、同じようにサリオスもスローバランスしか経験がないので直線での爆発的な末脚を発揮できるのかどうか未知数です。もちろんビアンフェが平均からスローバランスに落として進めているならばトップスピードの質で優るサリオス、レッドベルジュールには願ってもない展開になります。

タイセイビジョンは前走の京王杯2歳ステークスでもややかかっていたためハイペースバランスや平均バランスで流れた方が折り合いがつくと思います、なのでサリオスやレッドベルジュールとは相性があまり良くないかもしれません。このレースに向けて馬具を工夫して折り合いを付けられるようにするそうですが、実際にレースに行ってみないと効果があるのかどうかは分かりません。タイセイビジョンの場合はハイペースバランスの方が心肺機能と持続力を活かせると思うので、ビアンフェが引き上げてくれた方が展開的にはありがたいはずです。

ペールエールがジュンライトボルトと内ラチもしくは 外にスペースができると思うのでここを使ってどこまで伸びることができるか、今日の馬場状態では内の方が伸びているのでコースさえ開けば突っ込んでくる可能性があります。ラウダシオンはルメール騎手騎乗ですが良馬場で走ったのは新馬戦だけで、後の2走は道悪でした。高速馬場でどこまでやれるかは未知数なのでレッドベルジュールにどこまで食らいついていけるかですね。タガノビューティーはダートしか経験がありませんが前走の末脚が非常に良かったので、ビアンフェがハイペースバランスに引き上げ中段にいる組が心肺機能でいっぱいになってしまった時に台頭するチャンスがあります、もちろん芝への適性があればですが。

一頭ずつ見ていきます。

◎タイセイビジョン 好材料:実績上位、休み明け2走目。悪材料:距離不安。栗東坂路39.6-12.5、単走持ったまま、バランス良い。

新馬戦、函館二歳Sとハイペースバランスを構想しているので、心肺機能と持続力が非常に高い馬で特に函館二歳Sでは後方から進めて脚を余す形で2着になっています、この時の1着がビアンフェで続く京王杯2歳Sでややスローバランスだったこともあり直線でビアンフェを逆転しています。1400mまでしか経験がありませんがタートルボウルの産駒なのでマイルは守備範囲だと思いますし、母系にサンデーの血が入っているのでスピードも持っていると思います。タートルボウルの産駒は母系にサンデーの血が入っていないとややスピードが足りない馬がいます、例えばパリンジェネシスがそうなんですが、この馬は京王杯2歳Sで速い上がりもマークしているのでこのクラスでスピード負けする不安はないと思います。ハイペースバランスからややスローバランスでも好走した経験があるので、どのような展開にもある程度対応できる安心感はありますが、トップスピードの質と持続力に関しては最高レベルかどうかはまだ分かりません。トップスピードの質に関してはサリオスの方が上ではないかと思っています、なのでこの馬が勝ち切るためにはビアンフェがハイペースバランスもしくは平均バランス以上に引き上げてくれることが条件になるのかなと思っています。

○サリオス 好材料:距離適正、騎手強化。悪材料:初輸送。美浦w39.0-12.4、抑えて併入、バラスは良いが汗が目立つ。

サウジアラビアRCをレコードで勝ちきっただけでなく2着に下したクラヴァシュドールが阪神JFで僅差の3着に好走しているので、当然クラス負けの危険はありません。直線ではクラヴァシュドールに比べいやや瞬発力で見劣りましたが、トップスピードの質は互角、持続力は勝っていました。 新馬戦からスローバランスの経験しかないのでハイペースバランスになった時に心肺機能が持つかどうかは不安材料ですが、スローバランスであればトップスピードの質と持続力に関してはこのメンバーの中では抜けていると思います。前頭評価では関西圏への輸送が初めてかもしれないと書きましたが、ノーザンFしがらきに短期放牧に出されたようで関西圏への輸送は経験しています。ただしこの馬は美浦所属の馬なので関西圏への輸送が短期間で一往復半になる計算になります、この輸送の回数の多さが逆にこの馬の体調を不安にさせる部分です。最終追い切りでは3頭併せの真ん中を走っていましたがやや行きたがる素振りを見せジョッキーが押さえていました、それ以上に気になったのがかなり汗をかいていたことです、現在の気温を考えると不安になる発汗量だったなと思います。

▲ペールエール 好材料:休み明け2走目。悪材料:1F長い可能性。栗東坂路38.0-12.4、持ったまま併入、バランスは良い。

前走のデイリー杯2歳ステークスでは先行しましたが3、4コーナーで内をすくわれる形で外を回し直線トップスピードが足りなくなり3着でした、 コーナーでの距離ロスが痛い負け方でしたが、今回も同じように内枠を引けたのでコースロスなく乗れば前走先着された馬を逆転することは可能だと思います。今年いまいちピリッとしないミルコから絶好調のマーフィー騎手へ乗り替わることは大きなプラス材料です。新潟2歳Sでトップスピードの質と持続力の高さは見せていますし、この時の1着がウーマンズハートで阪神JFで4着だったのでクラス負けの危険はないと思います、ウーマンズハートは阪神JFが休み明けだったので、馬体重も太め残りでした。 

△レッドベルジュール  好材料:距離適正、 騎手、休み明け2走目。悪材料:特になし。栗東芝36.9-11.8、持ったまま併入、バランスは良い。

前走デイリー杯2歳ステークスでは後方から進めて終始最内から進めて距離ロスがありませんでした、直線でも最内が空き進路変更無くスムースに延びることができたので、かなり恵まれた展開だったなという印象を持ちました。もちろんトップスピードの質と持続力の高さは見せていますが、両方とも最高レベルの物を持っているかどうかは未知数です。外目の枠を引けたので馬群の外から直線スムーズに加速できるコースを取れることはプラス材料だと思います、ちょうど先週の阪神JFのクラヴァシュドールのような展開になるのだと思いますが、この馬がクラヴァシュドールほどのトップスピードの質と持続力を持っているか未知数な部分なんです。こればかりは2歳なのでやってみないと分かりませんね。

★ビアンフェ  好材料:・・・。悪材料:マイルへの延長。栗東坂路38.3-11.8、単走やや強め、バランス良い。

新馬戦ではスローバランスで切れ負けした感じでしたが、未勝利戦からは積極的にハイペースバランスに引き上げて函館二歳Sを圧勝しました、もちろんこの時はタイセイビジョンがやや直線スムースさを書いていたので圧勝と言っても高くは評価できませんが、ハイペースバランスを押し切った心肺機能の高さと持続力の高さは高く評価すべきです。前走京王杯2歳Sでは1Fの延長に騎手がビビったようでややスローバランスに落としてしまい、直線でトップスピードの質で見劣りタイセイビジョンに刺されてしまいました。今回も藤岡佑騎手の継続騎乗なのでさらに1F延長になり強気にペースを引き上げられるかどうかが好走のカギだと思っています。 この馬は兄弟にエントシャイデンがいるのでマイルは守備範囲だと思います。

☆タガノビューティー 好材料:・・・。悪材料:初芝、初コース。栗東坂路38.2-12.3、一杯1馬身先着、バランスは良い。

ダートを2連勝して挑むのがタガノビューティーで圧巻だったのがプラタナス賞です、ほぼ平均バランスを後方から進めて3、4コーナーで馬群に取りつき直線は34.8の末脚を繰り出して差し切りました、ペースは違いますが重馬場で行われた  フェブラリーSにおいて記録したノンコノユメの上がりタイムと遜色ないタイムを出してきました。この馬はヘニーヒューズの産駒でご存知のようにアジアエクスプレスの弟にあたります、アジアエクスプレスは良馬場のダート1600mオキザリス賞を圧勝して、朝日杯を勝ち切っています。アジアエクスプレスのオキザリス賞の走破時計とタガノビューティーのプラタナス賞の走破時計は全く一緒ですが、プラタナス賞は稍重だったのでこの点は同格とは言えません。 芝への適正があれば展開次第で末脚が炸裂するかもしれませんね。

Xラウダシオン   好材料: ルメール騎手の継続騎乗。悪材料:距離適正。栗東w38.1-11.9、単走持ったまま、バランス良い。

新馬戦以外は全て道悪を走っているので良馬場の高速馬場でどこまでやれるのかは未知数です、この馬はリアルインパクトの産駒なので2歳の早い時期から仕上がっている可能性があります。リアルインパクト自身朝日杯2着があるので、この特性を受け継いでいるかもしれませんね。サンプルが少ないので評価のしようがないのですが、前走のもみじSは不良馬場で上がり最速だったことは一定の評価をしないといけないかなと考えています、ただ2着に下した馬がロータスランドで阪神JFで凡走していますからあまり大きな期待はできません。ルメール騎手の継続騎乗とサンプルが少なくいまだ底を見せていない部分が非常に不気味な1頭です。