2019年ターコイズS 全頭評価。その1。

<アマルフィコースト>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は少ない。

・トップスピードの質は低く前半から飛ばして消耗戦に持ち込むのが好走条件。

・持続力は高いがマイルではやや長い。

”2019年石清水S”ではスタート良く3番手追走から、稍重でかなり馬場が重く前半800m46.4のペースで直線失速、逃げ・先行勢が総崩れなのでペースが速過ぎ。”2018年渡月橋S”では3番手から前半800m46.9でスローバランス、直線ではトップっスピードの質で見劣り2着まで。”2018年みちのくS”では3番手追走から前半600mを33.3で入って後半34.4で纏めたところをカルヴァリオに33.2で差し切られる。”2019年京都牝馬S”では平均バランスのスローペースを先行して、L2最速戦を粘り込んで3着、L3が緩むL2最速戦で先行して上手く出し抜けた。”2019年阪神牝馬S”ではスローバランスを2番手から、直線も楽をして粘り込み、超高速馬場のスローバランスという幸運で。”2019年ヴィクトリアM”ではハイペースバランスをやや離れた2番手先行、、直線は一杯で失速。”2019年ポートアイランドS”ではハイペースバランスをやや離れた追走集団の前から、直線スムースだったがトップスピードの質で見劣り3着まで、この時休み明けで、終いやや甘くなっている。”2019年スワンS”では平均バランスを中段のやや前から、直線はトップスピードの質で見劣り凡走。

「ターコイズSへ向けて」好材料:距離適正。悪材料:騎手。

OP入りしていきなり重賞で3着、2着と人気薄で激走してきたのは正直ビックリ、ダイワメジャー産駒に合う競馬をしているな~というのが印象で、展開的に恵まれた感じもあるんだよね~。阪神牝馬Sの騎乗を見てもL4,L3で緩めてしまうのは良くないので、騎手が上手く乗っているというよりも展開がかみ合ったと考える方がしっくりきます、京都牝馬SではL3からの持続力勝負に持ち込めたが、これは展開を作ったのが豊騎手なので坂井騎手が同じことを出来るわけではない。平均バランスの京都牝馬Sで粘っているが上記したように中緩みのもので上り34.7と、トップスピードの質は当然低いし瞬発力も低い。2019年ポートアイランドSが休み明けでハイペースバランスを、やや離れた追走集団の前から進めて3着、サトノアーサーにはトップスピード質で見劣った。2019年ヴィクトリアMでは前半33.7と完全にオーバーペースだったようで、L2で一杯になっている。

トップスピードの質で勝負しようとすると凡走するのは2019年スワンSで改めて見せてしまっていて、この時は稍重で平均バランスから上がり33秒台を要求されるレースだった。阪神牝馬Sで上り33.6で2着になっているが、この時はかなりのスローバランスを先行しているので、展開が噛み合っただけ。

好材料は距離適正でマイルはギリギリ守備範囲だと思う、最近でも阪神牝馬SやポートアイランドSで好走している、ただしどちらのレースも高速馬場で相手も程々だったので大きな期待は禁物。本質的には1400ベストだと思うが。悪材料は近2走で騎手が色気を出しているのか差しに回っていることで、この馬は瞬発力、トップスピードの質は低い、なので差しに回るのは良くないと思う。

<エスポワール>・心肺機能は低い、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

・掛かりやすいので内枠か道悪が良い。

”未勝利戦”ではほぼ平均バランスを中段やや後ろから、3,4コーナー最内を回して直線馬群を捌いて伸びクビ差1着、3F戦で持続力とゴール前馬体を合わせてからの差しで勝負根性を見せた。”500万条件”ではスローバランスを中段からやや掛かり気味、4コーナー外を回して直線ジリジリバテ差しで2着まで。”2019年6月1勝クラス”では稍重でスローバランスを出遅れ中段の後方から、3,4コーナー外を回して直線外からL2で10.6くらいを出して差し切り、トップスピードの質は下り坂なのでまぁまぁ、持続力は見せた。”2019年シンガポールTC”では重馬場でスローバランスを2番手ポケットで折り合って直線スムースに中目から抜け出し圧勝、重馬場適性を見せた。”2019年秋華賞”ではハイペースバランスを中段のやや後ろから、自身もややハイペースバランスくらいで4コーナー外を回して直線伸びずに凡走、心肺機能の低さを見せた。”2019年修学院S”ではスローバランスを3番手先行、直線スムースに抜け出して1着。

「ターコイズSへ向けて」好材料:コース適正。悪材料休み明け3走目。

オルフェーヴル産駒で掛かりやすい面がある、それが出てしまったのが500万条件2着の時で外枠だったこともあり掛かって末脚が鈍ってしまった。心肺機能は未勝利戦で平均バランスを馬群を捌いてから、合わせ馬になって競り落とす勝負根性も見せた、タイム的には大したことはなかったので心肺機能が高いとは言えないと思う、この時は内目の枠から終始最内を通したことで折り合えた。道悪で良さを見せたのが1勝クラスと2勝クラスで、道悪になり折り合えたこともあり後半しっかりと走れている。1勝クラスではL2で10.6くらいのトップスピードの質を見せていて、コース形態を考えれば高いとまでは言えないが、まぁまぁの物を見せている。良かったのが2勝クラスで古馬相手に圧勝してきた、重馬場でスローバランスだが中盤で緩まない流れを3番手で追いかけないことで、一定ペースにしながら直線ではレベル違いの脚を見せた。この馬はオルフェーヴル産駒で当然ステゴ系、オルフェーヴルが道悪を得意としていたし、母系も母父がシンボリクリスエスで重馬場のジャパンC3着があるし、母母はグレースアドマイヤで重の府中牝馬Sをメジロドーベルと同タイム2着がある、血統的に道悪は得意の可能性が高い。1勝クラスで休み明けを勝っているように休み明けでも走るタイプ、ノーザンF生産なので全く不安はない。むしろステゴ系なので疲労の方が心配かな。

秋華賞と修学院Sを比較すると同じ京都コースで外回りと内回りの違いはあるが、距離は1Fしか違わない。大きく違うのは前半のペースで秋華賞ではかなりのハイペースバランスになっているのに対して、修学院Sではスローバランスを先行している。このことから心肺機能が低い可能性が出てきた、修学院Sで末脚をしっかり引き出し押し切ったように、スローバランスで良さを出すんだと思う。

好材料はコース適正で中山では2着があるので、輸送を含めて不安はない。悪材料は休み明け3走目の疲労で、特に前走勝ち切ってストレスを抱えているようだと不安が増す。中山コースは経験済みだがマイルは初めてで距離不安はある。さらにメンバーを見るとトロワゼトワルが居るのでハイペースバランスの可能性があり、心肺機能が低いこの馬には良くない材料だと思う。

<オールフォーラヴ>・心肺機能は高い、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

”アルメリア賞”ではややハイペースバランスを中段の前から、直線内からぶつけられる大きな不利を受け3着入線後に2着、心肺機能の高さを見せた。”忘れな草賞”ではハイペースバランスを離れた追走集団の中段からで実質平均バランス、L3から押し上げて直線やや迫られたが押し切り、心肺機能と持続力を見せた。”オークス”では平均バランスを離れた追走集団の中段から、トップスピードの質で見劣り凡走。”秋華賞”ではややスローバランスを中段から、トップスピードの質で見劣り凡走。”2019年初音S”ではスローバランスを2番手先行、直線はトップスピードの質で見劣り凡走。”2019年うずしおS”ではややスローバランスを中段から、直線は前が壁になり追えずに凡走、瞬発力の低さを見せた。”2019年錦S”では平均バランスを中段から、消耗戦のラップ推移になり外からバテ差し1着。”2019年米子S”ではスローバランスを2,3番手先行、L4から11秒台前半に入るロンスパになり持続力を生かして押し切り。”2019年関屋記念”ではややスローバランスをやや離れた追走集団の前から、直線トップスピードの質で見劣り凡走。”2019年府中牝馬S”では稍重で平均バランスを中段の前から、トップスピードの質で見劣り4着まで、持続力は見せた。

「ターコイズSへ向けて」好材料:距離適正。悪材料:初コース。

ディープインパクト産駒の割にトップスピードと瞬発力が低く、ここを誤解されて凡走したレースが多い。オークスや秋華賞がいい例で、アーモンドアイだけでなくカンタービレやサラキアにも並ぶ間もなく交わされている。この馬の武器はアルメリア賞や忘れな草賞で見せた心肺機能の高さと持続力ですね、特にアルメリア賞では直線で大きな不利を受けてしまい、3着入線までだったが勝っていてもおかしくなかったし、次の忘れな草賞でもL3から外を捲くって押し切る強い内容だった。この結果にもかかわらずオークスではなぜか中段待機で、直線に掛ける競馬で凡走してしまう。秋初戦のローズSでは川田君が乗って先行したが、休み明けでプラス22㎏、L3からの急加速に対応できずにやや遅れ、直線はトップスピードの質で見劣り凡走した。

快勝したのが米子Sで稍重馬場の中ロンスパに持ち込み押し切った、ただこれでもまだ前半は遅いと思う。リライアブルエースに0.1差まで来られているのはトップスピードの低さだし、良馬場なら差し切られていた可能性は十分ある。2019年関屋記念でもL2まで追い出していなかった、当然これでは勝負になるわけはなく凡走した。2019年府中牝馬Sで4着と好走したのには驚いた、この時は稍重馬場だがいつもの府中で高速寄り。平均バランスで進めたことでトップスピードの質を問われない展開だったので4着まで来た感じ。

好材料は距離適正で錦S、米子Sと勝っている距離。2カ月間隔を空けて疲労はないと思う。悪材料は初コースになることだが、輸送自体は苦にしないし米子Sで坂上ゴールも経験済みなので大きな不安はない。石橋騎手への乗り替りはやや不安だが、すんなり先行してトップスピードの質が問われない展開に持ち込めばチャンスはあると思う。