2021年鳴尾記念(中京) 全頭評価。その1。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<クラージュゲリエ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力は少ない。

・トップスピードの質はまぁまぁで持続力は高い。

”札幌2歳S”ではかなり重い馬場で中段やや後ろから掛かり気味、コーナーで外から加速したがジリジリで届かず3着。”京都2歳S”では中段で折り合いに専念、L3から目視11.0→11.2→11.6と長くいい脚を使って1着。軽い馬場で本領を発揮した感じだが、タイム自体は平凡で2着のブレイキングドーンもホープフルSで5着とレースレベルには疑問も。”共同通信杯”ではスローペースバランスを中段から、直線は瞬発力で見劣りバテ差し3着。”皐月賞”では平均バランスを中段から、直線は流れ込んで5着。”ダービー”では離れた追走集団の中段やや前から、4コーナーで外目を回してしまい伸びきれず6着。”2020年カシオペアS”では平均バランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年アンドロメダS”では平均バランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが2着まで。”2021年日経新春杯”ではスローバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが3着まで。”2021年中山記念”では平均バランスを離れた追走集団の中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「鳴尾記念へ向けて」好材料:コース適性、距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。

この馬は好走した時と凡走した時で条件がはっきりしていて、それがコーナーの数。好走凡走の定義がややこしいので、ここで定義しておくと、好走は皐月賞(5着)、ラジニケ賞(1着)、新馬戦(1着)、凡走は共同通信杯(3着)、札幌2歳S(3着)。コーナーが4つあることでペースが緩んだ皐月賞、ラジニケ賞で好走しているようにコーナーで息を入れられることが好走要因かなと。もちろんコーナー2回でも前半緩めば問題はないけど、距離も1800までになってしまうので緩むことは少ないはず。

2019年ダービーでは離れた追走集団のやや前から進め、よく粘って6着だった、後ろからヴェロックス、サートゥルナーリア、ニシノデイジーに差されているので、トップスピードの質は高くないが、持続力は発揮している。共同通信杯でもダノンキングリーとアドマイヤマーズには瞬発力で見劣ったが、持続力はゴール前まで良く伸びていたので高いものを見せた。ただ直線入り口ではダノンキングリーと同じ位置に居たので、トップスピードの質と瞬発力では大きく見劣ってしまった。もう一点気になるのが2歳時になるがラジニケ杯2歳S、この時は次の12Rが1000万条件のマイル戦で1:33.5が出る高速馬場だった、クラージュゲリエの上りは33秒台を出しているが、物足りなさはある。

2020年カシオペアSでは平均バランスを中段から、直線全く伸びていないのでトップスピードの質で見劣っているが、京都1800mでワンターンなのも影響した感じ。2020年アンドロメダSでは中段からスムースに抜け出したが、後ろからアドマイヤビルゴに差されて2着まで、この時は斤量2㎏重かった。2021年日経新春杯では中段やや前からスムースだったが3着まで、この時に先着された2頭は軽ハンデだったので、斤量を考えれば好走という評価で良いはず。2021年中山記念では離れた追走集団の中段から、4コーナーで手応えが悪く速いラップに追走一杯になった感じで、1800mは距離が短い可能性がある。

好材料はコース適性で、今年の日経新春杯で3着、1,2着は軽ハンデ馬だったので好走と見て良いと思う。距離適性も2000mでは2020年アンドロメダS2着、皐月賞5着、京都2歳S1着と好相性。悪材料はクラス負けの危険で、前走はトップスピードの質で見劣ったので度外視して良いと思うが、日経新春杯、アンドロメダSと相手が弱いので、今回の相手次第だがクラス負けの危険はあると思う。この馬はトップスピードの質が高くないので、中段よりも前に居ないと勝負にならない、今回は松山騎手に乗り替わるので前走よりも前にはなると思うが、この馬自身スタートは出るが二の足が速くないし、池江厩舎で逃げを嫌う傾向もあるので控えてしまうとトップスピードの質で見劣りそう。

適性:竹

<サンレイポケット>・心肺機能はまぁま、パワーは有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2020年許波多特別”ではハイペースバランスをやや離れた追走集団の中段の後ろから、3,4コーナー中目を回して直線外からスムースに伸びてハナ差2着。”2020年中京スポニチ賞”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー内目を回して直線狭くなったが馬群を縫って伸びて差し切り。”2020年下鴨S”ではスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが届かず2着。”2020年ジューンS”では不良馬場でややスローバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー最内を回して直線スムースに抜け出し差し切り。”2020年新潟記念”ではスローバランスをやや離れた追走集団の中段やや後ろから、3,4コーナー外目を回して直線外からスムースだったが3着まで。”2020年毎日王冠”では稍重でハイペースバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースに伸びたが3着まで。”アルゼンチン共和国杯”ではややハイペースバランスをやや離れた中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが6着。”2021年日経新春杯”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが4着まで。”2021年白富士S”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて2着まで。”2021年金鯱賞”では重馬場でややスローバランスを中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年新潟大賞典”ではハイペースバランスを離れた追走集団の中段の後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースに差し切り。

「鳴尾記念へ向けて」好材料:コース適性、距離適性。 悪材料:クラス負けの危険。

<心肺機能について>2021年新潟大賞典ではハイペースバランスを離れた追走集団の中段の後ろからだったが、自身も平均に入っていての差し切りは、まずまずの心肺機能があるからだと思う。

<パワーについて>2020年ジューンSでは不良馬場をものともせず伸びてきた、L2の坂でもグイグイ伸びているのでパワーはかなり高い。

<瞬発力について>2020年毎日王冠ではL2標識まですぐ前に居たサリオスにあっさり引き離された、カデナやザダルにも若干見劣ったので瞬発力は低い。

<トップスピードの質について>2020年下鴨Sではスローバランスで4F戦、これを外から2着まで持ってきた、L2では10秒台に入っているはずでまぁまぁの評価。2020年新潟記念では外からスムースだったが3着まで、上がり3F32.4だが54㎏だったし、55㎏のサトノガーネットが31.9で1番時計なので、トップスピードの質は高いとは言えない。2021年白富士Sでは後方から、直線スムースに伸びて2着まで持ってきたが、12Rの1勝クラスで上がり3F33.2が出ているので、トップスピードの質が高いとは言えない。

<持続力について>2020年中京スポニチ賞でハナ差差し切り、後方から直線狭くなったが馬群を縫って伸びたし、この時はスローバランスでL5から11秒台に入るロンスパ戦、L1のレースラップは12.3なので、この馬自身は11秒台で上がった可能性があり、高い持続力を見せた。2020年新潟記念でも4F戦で外から伸びて僅差の3着、持続力勝負ならこのクラスでも通用するところを見せた。2020年毎日王冠ではL1でジリジリと伸びて3着を確保した、この地点でカデナとザダルを撃破してきたので持続力を見せた。2021年日経新春杯では6F戦で4着、ゴール前で外からミスマンマミーアに差されたが、斤量差があったので持続力は見せた。

<その他について>ジャンポケ産駒らしく重馬場を苦にしないことは2020年ジューンSで見せた、特にこの時はスタートでいつもより前を取れたことは覚えておきたい。2020年毎日王冠では稍重で3着に激走、この馬はジャングルポケット産駒で道悪適性の良さを見せた。2020年アルゼンチン共和国杯では、直線馬場の悪い内へ行ってしまい伸びなかった。2021年金鯱賞では重馬場で伸びず、中緩みが無く直線入り口で取り付けず、重馬場で末脚も発揮できなかった。

この馬は非ノーザンF生産馬だが休み明けを苦にしない、下鴨S2着、新潟記念3着と休み明けでも実績がある。

好材料はコース適性で中京2000mは条件戦で2勝している、2走前の金鯱賞は重馬場で6着だったが、4走前の日経新春杯では4着とまずまず。距離適性も2000mは良くて、4-3-1-3と好相性。悪材料はクラス負けの危険で、前走新潟大賞典1着はハンデ戦で2着のポタジェよりも1㎏軽かったし、2020年新潟記念では1着ブラヴァス56㎏、2着ジナンボー56㎏に対してこちらは54㎏と恵まれていた。毎日王冠でもサリオスには0.5秒差を付けられたし、ダイワキャグニーとハナ差は印象が悪い。白富士Sではポタジェよりも1㎏重くて2着なので悪くはないが、勝てるのかと言われるとイメージが湧かないかな~。展開的にも後方からになると思うので、届かない危険は常にありますね。

適性:竹