2020年マイラーズC 全頭評価。その4。

<カルヴァリオ>・心肺機能はやや低く、パワー有る、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

”2016年奥尻特別”では平均バランスをやや離れた追走集団の中段から、L3で先団に取り付き直線外からバテ差しで1着、持続力を見せた。”2016年松前特別”では平均バランスを離れた追走集団の前から、L2で先頭に立ち2着のミッキーロケットを1馬身ちょい振り切って1着、持続力を見せた。”2016年レインボーSではハイペースバランスを離れた3番手から、直線入り口で先頭列に並ぶがL1でバテて凡走、使い詰めの疲労かも。”2017年札幌スポニチ賞”ではややハイペースバランスを中段から、直線中目からジリジリ伸びたが4着、トップスピードの質が足りない。”2017年12月中山1000万条件”ではスローバランスを中段の前から、L2で1着のドーヴァーに離されて3着、トップスピードの質と瞬発力の低さを見せた。”2018年3月中山1000万条件”では平均バランスを中段から、4コーナーで内目からスムースに中目に出して、直線バテ差しの形で1着、2着がショウナンアンセムで半馬身凌いだ持続力は評価。”2018年春興S”ではスローバランスを3番手先行、4コーナー外を回してL3で先頭列に並び直線外からスムースだったが4着、内からフィアーノロマーノに差されたのは仕方ないが、外からプロディガルサン57.5㎏に差されたのはトップスピードの差。”2018年朱雀S”ではスローバランスを下げて中段のやや後ろから、直線外目からスムースに加速して2着、上り33.2のトップスピードと持続力を見せた。”2018年みちのくS”ではハイペースバランスを後方から、4コーナー外から直線スムースに加速して1着、トップスピードの質と持続力を見せた。”2019年安土城S”ではややハイペースバランスを中段やや後ろから、直線外から伸びて5着、休み明けの影響かも。”2019年巴賞”ではハイペースバランスを中段最内から、4コーナーで前が下がってきて大きくブレーキして最後方に下がってしまいレースにならず凡走。”2019年函館記念”では平均バランスを離れた追走集団の後方から、直線伸びずに凡走。”2019年朱鷺Sでは平均バランスを後方から、直線伸びずに凡走。”2019年京成杯AH”ではハイペースバランスを離れた追走集団の中段から、直線は最内から外に出して粘り込み4着、終始最内を回せた。”2019年スワンS”では稍重で平均バランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線中目からスムースだったが伸びずに凡走。”2019年ラピスラズリS”ではスローバランスを後方から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2019年タンザナイトS”では平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線詰まってしまい6着まで。”2020年春雷S”ではややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー外目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走、この時が休み明け。

「マイラーズCへ向けて」好材料:休み明け2走目。 悪材料:クラス負けの危険。

2019年巴賞は4コーナーで前の馬が下がってきて行き場を失くして、直線入り口では最後方まで下がってしまいレースにならなかった、なのでこの結果は度外視ていいと思う。もちろんあんな位置に居れば相応のリスクはあるはずで、スタートの良くないこの馬にはついて回るリスクだと思う。朱雀SやみちのくSでは外からスムースに加速して、トップスピードの質を見せているので、外目の枠に入れればプラス。

朱雀SやみちのくSでは後方から差す競馬で、新たな一面を見せてきた。ここまでトップスピードの質と持続力が高いとは思っていなかったのでかなり驚いた。これは前半無理をしなかったからこその末脚で、先行していた頃はトップスピードの質は高くはなかった。ただトップスピードの質は高いという程ではないので、届かないことも多い。朱雀SやみちのくSは高速馬場でかなり軽かった、稍重以上に悪化すると成績が悪く、奥尻特別を勝ってはいるがこの時は開幕週で1:47.8とクラスを考えても好タイムだったので、稍重表記でもかなり軽かったはず。京阪杯や阪神Cで凡走している原因が時計の掛かる馬場であるならば、軽い高速馬場でこそという馬なのかな~。

結構驚いたのが2019年京成杯AHで、超高速馬場でスパーレコードが出たレースだった、これを離れた追走集団の中段から直線で外に出して4着に粘った。この時は15番人気で3着馬との差は半馬身と、かなり驚かされた。自身は平均バランスくらいで入っているので、心肺機能はあまり問われていない、実際横山騎手も馬場状態を考えれば速くないと言っているように、意外に楽に追走できた可能性がある。これで4着に好走した持続力は高く評価すべき。ただこのレースはメンバーレベルが低いんだよね、勝ったトロワゼトワルはOP入り初戦だったし、2着ディメンシオンも府中牝馬S6着、関屋記念4着だからスーパーレコードを強調し過ぎない方が良いと思う。

2019年スワンSでは稍重で中段から、直線スムースだったが伸びずに凡走した、トップスピードの質ではっきりと見劣ったので、稍重だったがこのクラスではスピード不足だったと思う。同じくトップスピードの質で見劣ったのが2019年ラピスラズリSでこの時はナックビーナスがスローバランスで逃げた、スタート良かったがなぜか下げてしまい最後方からで、3,4コーナーも大外を回しての凡走と酷いレースだった。2019年のタンザナイトSが6着だが悪くない内容で、中段から進めて直線で詰まってしまった、瞬発力が低いので再加速に手間取りジリジリしか伸びなかったが、それでもスムースならもっと上の着順を期待できる内容だった。

好材料は休み明け2走目で、この馬は非ノーザンF生産馬なので外厩は期待できない、2018年のみちのくSを勝っているが条件戦だし、2019年安土城S、2020年春雷Sでは負けているので、休み明け2走目の上積みは期待できる。コース適性も悪くはないと思うが、京都マイルは初めてで外回り1400mは朱雀Sで2着があるが条件戦だからね~。マイル自体は京成杯AHで4着しているので悪くはないが、この時はハンデ戦で53㎏だったので高くは評価できない。悪材料はクラス負けの危険でGⅠは未体験、GⅡも2回走って共に凡走、GⅢでは京成杯AHで4着があるがハンデ戦で53㎏、OPに上がってからは3着以内がないのでクラス負けの危険は十分にあると思う。

<ベステンダンク>・心肺機能は高く、パワーは有る、瞬発力はやや低い。

・トップスピードの質は低く、持続力は高い。

”2018年米子S”では平均バランスを逃げ切り、超高速馬場で緩めず押し切って圧勝、障害帰りで覚醒したような走り。”2018年京成杯AH”ではスタートが遅くリカバリーして3番手から、4コーナーで一杯になり凡走。”2018年ポートアイランドS”ではスローバランスをやや離れた2番手から、直線L2まで追い出しを待ってしまい2着。”2018年スワンS”ではややハイペースバランスを2番手から、直線中目からしっかり伸びたがトップスピードの質で見劣り4着。”2018年京阪杯”では平均バランスを中段から、終始外を回して直線ジリジリ伸びて7着まで。”2018年阪神C”では平均バランスを中段やや前から、直線は外から伸びずに凡走、内優位の馬場だった。”2019年都大路S”では平均バランスを中段のやや前から、3,4コーナー最内を回して直線はトップスピードの質で見劣り4着。”2019年福島テレビOP”ではややスローバランスを中段から、トップスピードの質で見劣り凡走。“2019年小倉日経OP”では平均バランスを逃げて2着、淡々と11秒台後半を刻んで持続力を発揮した。”2019年カシオペアS”ではややハイペースバランスを中段のやや前から、L3から11秒台に入る3F戦を外目からスムースに伸びたが僅差の2着、3着が1㎏重いソーグリッタリングなので高評価。”2019年チャレンジC”ではスローバランスを中段のやや前から、直線入り口で一杯になり凡走。”2019年ディセンバーS”ではスローバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線全く伸びずに凡走。

「マイラーズCへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:休み明け。

ビックリしたのが2018年の米子Sで、障害戦を2戦走ってからの休み明けですんなり逃げ切ってしまった。超高速馬場で前優位だったが心肺機能と持続力の高さを見せつけたレースだった。続く京成杯AHではスタートで遅れてリカバリーに脚を使ってしまった感じで、直線に向くころには一杯になっていたので、スタートはかなり重要。2018年ポートアイランドSは瞬発力が低いにもかかわらずL2まで追い出しを待ってしまい、ミエノサクシードの末脚に屈した。次のスワンSが4着だが、1着からロードクエスト、モズアスコット、グァンチャーレと結構な相手に0.1差なので高評価。

2019年都大路Sで1800mへ距離を伸ばしてきた、平均バランスを淡々と3番手追走から4着、1着ソーグリッタリングとは同斤量だったし、2着テリトーリアルは1㎏軽かったので、まずまずの評価でいいと思う。2019年カシオペアSではハイペースバランスを3,4番手からで、1㎏軽い1着テリトーリアルには先着されたが僅差だったし、1㎏重かったソーグリッタリングは3着に下した。2019年チャレンジCではスローバランスを容認してしまい凡走。2019年ディセンバーSではスローバランスを中段から差しに行って凡走、トップスピードの質が低いのでこの騎乗は良くなかった。

好材料はコース適性で、条件戦だが錦Sで勝ち切っているコースなので相性は良いはず。2018年米子Sでも逃げ切っているので、距離適性も高い。前走、前々走を見てもトップスピードの質が低いことは明らかで、好走した2018年米子Sでも平均バランスで逃げているので、怖がらずにガンガン行ってしまうことが重要。これは2018年スワンSでもややハイペースバランスを2,3番手先行して4着に好走したので、逃げるつもりでペースを引き上げればクラス負けの危険もない。悪材料は休み明けで、この馬は非ノーザンF生産馬なので外厩は期待薄、2019年春雷S、2018年京成杯AHで凡走した。しかし2018年米子Sが障害帰りの休み明けで勝ち切っているので、休み明けで安定して走れないということ、この辺りが厩舎力が出ているところだと思う、サウンドキアラで流れの良い厩舎なので、どこまで良い流れに乗れるかどうか。

<ランスオブプラーナ>・心肺機能はまぁまぁ、パワーは有る、瞬発力はまぁまぁ。・トップスピードの質は高く、持続力は普通。  

”きさらぎ賞”ではスローバランスを逃げて3着まで、持続力で見劣った。”アルメリア賞”ではスローバランスを逃げて1着。”毎日杯”ではスローバランスを逃げて1着、ここでも3F 戦に持ち込んだがL1でやや落としている。”皐月賞”では平均バランスを逃げて凡走、使い詰めの反動。”ラジオNIKKEI賞”では不良馬場で平均バランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線入り口で一杯になり凡走。”2019年カシオペアS”ではややハイペースバランスを2,3番手先行、3,4コーナー中目を回して直線入り口で一杯になり凡走、この時が休み明け。”2019年リゲルS”では平均バランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線入り口で一杯になり凡走。”2020年小倉大賞典”では平均バランスを逃げて凡走、3コーナーで一杯になっている。”2020年六甲S”では稍重で平均バランスを逃げて凡走、L1標識付近から一気に減速した。

「マイラーズCへ向けて」好材料:なし。 悪材料:距離適性、クラス負けの危険、近走の成績の悪さ。

きさらぎ賞で3着に逃げ粘った、L2で11.5に加速していてここではダノンチェイサーと互角とは言わないが、それほど見劣っていない。ところがL1で一気に減速してしまいタガノディアマンテの急襲に屈して3着だった。続くアルメリア賞では逃げ切っているが、L2で11.1を叩き出してここで後続をやや出し抜いて勝負を決めている、L1は11.9迄落としているので持続力に疑問の出る2レースだった。毎日杯でもL3,L2で11.2を連発してL1で11.9迄落としている、この時は2着ウーリリがいつもの福永競馬で直線ドン詰まり、これでクビ差まで詰め寄られているので、やはり持続力には期待できない。

その後皐月賞から凡走の山を築いてしまい復活の兆しが全く見えない。皐月賞までが酷い使い方で3流厩舎の害がモロに出てしまった感じ。2019年カシオペアSで休み明けを走ったが凡走、この馬は非ノーザンF生産馬なので休み明けの凡走は仕方ないと思うが、直線入り口では早々に一杯になっている。1F短縮した2019年リゲルSでも直線入り口で一杯、ダートを挟んで2020年小倉大賞典が1800mで逃げて3コーナーで一杯、2020年六甲Sでも1600mでL1標識付近まで粘ったが、そこから一気に減速して凡走した。この感じからは距離適性が短くなった可能性が高く、1400mを試してみるしかないと思う。

好材料はなし、悪材料は距離適性で近走のレース内容を見ると、この距離で持つとは思えない。毎日杯を勝ってしまっているので、古馬になってもOPクラスになってしまい大苦戦中、復活の兆しも見られないしここでは苦しいと思う。