2021年オーシャンS 全頭評価。その4。

下線は加筆・修正した箇所です。継続してお読みいただいている方は、下線の部分だけお読みください。

<コントラチェック>・心肺機能は高く、パワーはある、瞬発力はまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力もまぁまぁ。・左回りは良くない。

”サフラン賞”ではスローバランスを2番手から、上り33.8で届かず2着。”菜の花賞”ではハイペースバランスを逃げて圧勝、1:33.8は超優秀。”フラワーC”ではスローバランスを3馬身程離して逃げ、L2の下りで出し抜いて圧勝、かなり楽をしたレースで好評価までは出来ない。”オークス”では平均バランスを2番手から、ジョディ―の無謀なペースを追いかけてしまい、直線は一杯になってしまった。”2019年秋華賞”では稍重でハイペースバランスを逃げ争い気味に先行、L2で一杯になり凡走、L2標識までは踏ん張っていたので距離の可能性が高い。”2019年ターコイズS”ではハイペースバランスを逃げて圧勝、L2最速戦に持ち込みまぁまぁの瞬発力と高い心肺機能を見せた。”2020年中山牝馬S”では不良馬場で平均バランスを中段のやや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年ヴィクトリアMではややスローバランスを2番手先行、スムースだったが直線一杯になり凡走。”2020年クイーンS”ではハイペースバランスを3番手先行、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったがL1で一杯になり凡走。”2020年毎日王冠”では稍重でハイペースバランスを2番手先行、直線L1で失速して凡走。”2020年ラピスラズリS”ではハイペースバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線詰まってしまい凡走。”2021年シルクロードS”ではややハイペースバランスをスタートやや遅れて中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「オーシャンSへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:騎手不安。

サフラン賞ではスローバランスを2番手から、L2最速戦に対応はしたがレッドアネモスを捉えきれずにトップスピードで見劣り、終始インコースで楽をしていた割にはL1での減速が大きかった。良かったのが菜の花賞で前後半1.6秒のハイペースバランスを逃げて圧勝している、相手が弱いので高評価は出来ないが、L2で出し抜き決定的な差をつけている。この感じからも現状では、トップスピードの質はまぁまぁ、持続力もまぁまぁという結構中途半端な感じ。瞬発力も中山の坂で加速しているため低いはずで、未勝利戦の札幌がL2で0.9加速しているが、前半が遅過ぎて瞬発力として評価するのは無理がある。

フラワーCもスローバランスからのL2最速戦で新しい面を見せたわけではない、翌日のスプリングSでも1:47.8が出ている馬場だし、2着のエールヴォアもオークスで11着だったのであまり評価はできないかな。秋華賞で距離適正を見せてしまった感じ、稍重でかなりのハイペースバランスを逃げ争い気味に先行して、L2標識で一杯になってしまった。2F長い感じの止まり方でマイルがベストで、高速馬場なら1800mでも勝負できると思う。2019年ターコイズSではハイペースバランスを逃げて圧勝、マイルで距離適正の高さを見せ高い心肺機能と持続力、L2で11.8から11.1へのまぁまぁの瞬発力を見せた。

2020年中山牝馬Sは不良馬場で平均バランスを中段やや前から、自身はややスローバランスに入っていた可能性があった。それ以上に積もってはいなかったが大雪で視界は非常に悪かった。L2過ぎには一杯なっているので距離の可能性も高い、これは秋華賞でも見せているので距離適性は高速馬場なら1800mまでだと思う。2020年ヴィクトリアMでは2番手先行したが、中緩みが作れずに凡走した、中緩みが無いとマイルでは心肺機能が維持できないことを見せてしまった。2020年クイーンSでもハイペースバランスを3番手先行、中緩みもなくL1で一杯になって凡走した。逃げたナルハヤよりも下の着順であることを考えると、距離を短縮するよりも伸ばした方が良いかもしれない。2020年毎日王冠では稍重でかなりのハイペースバランス、逃げたトーラスジェミニも酷いペースだったがそれに付き合ったし、仕方ない凡走だと思う。前半このペースでもやや掛かっていたので、距離は短い方が良いかもしれない。

2020年ラピスラズリSでは1200mへ矛先を変えててきた、ところが何を思ったかスタート五分に出ながら中段に控える謎騎乗、直線でも内に詰まって脚を余して凡走した。4コーナーでも馬の行き脚に対して騎手が手綱を引っ張っていて、直線でも一瞬鋭い加速をしながらコースが無くなりブレーキ、直線の手応えを考えると勿体ないレースだった。2021年シルクロードSではスタートでやや遅れて中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回してスムースだったが伸びなかった。この時は右にだけチークピーシーズを付けていたので、左回りに対する不安があったはず。これが的中して直線でも伸びなかったので、左回りは良くなかったはず。

血統的には母系にサドラーズウェルズの全兄弟フェアリーキングが居るので、トップスピードの質は高くはないはず。その代わり持続力の高さは期待できるので、差しに回るよりも逃げてしまった方が良いはず。

好材料はコース適性で、中山コースは好走多数、ラピスラズリSは10着だったが、直線詰まってしまったので度外視していいし、折合いも付いていたので距離適性も含めて好材料で良いはず。悪材料は騎手不安で、丸山騎手はラピスラズリSで前に行かずに凡走、同じように乗ってしまうと苦しくならはず。

適性:松

<ダイメイフジ>・心肺機能とパワーの両立型で瞬発力もまぁまぁ。

・トップスピードの質はまぁまぁ、持続力は高い。

・間隔空けると良くないが使い減りしない。・1200がベスト。

”2018年ラピスラズリS”では平均バランスを中段のインから、直線ではL2最速戦になりトップスピードの質を生かして差し切り。”2018年安土城S”ではスローバランスを中段の後ろから、直線はL2最速戦で外に出して瞬発力とトップスピードを生かして差し切り、この時の2着がモズアスコット。”2019年阪急杯”では体重が減らずに凡走、1400も良くない。”2019年オーシャンS”ではハイペースバランスを中段から、バテ差しで3着、連闘で馬体がやや絞れた。”2019年高松宮記念”ではハイペースバランスを中段の後ろから、伸びない外を回して凡走、このクラスでは苦しい。”2019年京王杯SCでは0.3のややスローバランスを2番手先行、直線L1標識まで先頭列で粘っていたが、その後に明確に垂れて10着、1F長い。”2019年函館SS”ではほぼ平均バランスを3番手先行、L2でカイザーメランジェに瞬発力で見劣り、直線はトップスピードの質で見劣り4着。”2019年UHB賞”ではハイペースバランスを3,4番手から、直線はやや前に詰まったがジリジリ伸びて3着、1着リナーテにはトップスピードの質で見劣り、この時+10㎏。”2019年オーロカップ”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線ややバランスが悪く、ジリジリで7着まで、この時マイナス16㎏。”2019年京阪杯”では平均バランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが早々に一杯になり凡走。”2020年大和S”では重馬場でハイペースバランスを中段から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年名鉄杯”では稍重で平均バランスを逃げて圧勝。”2020年オアシスS”ではハイペースバランスを逃げて凡走、L1手前で一杯になっている。”2020年栗東S”では重馬場でハイペースバランスを2番手先行、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったがL1で一杯になり凡走。”2020年函館SS”ではややハイペースバランスを逃げ、3,4コーナー最内を回して直線スムースに粘って2着。”2020年キーンランドC”では重馬場でややハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2020年スプリンターズS”ではハイペースバランスを中段のやや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線入り口で一杯。”2020年カペラS(ダート)”ではハイペースバランスを中段やや後ろから、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが届かず4着。”2020年ギャラクシーS”ではハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。”2021年カーバンクルS”では平均バランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースに伸びて2着まで。”2021年根岸S”では稍重でハイペースバランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが伸びずに凡走。

「オーシャンSへ向けて」好材料:コース適性、芝替わり。 悪材料:特になし。

1歳上にダイメイプリンセス居るのだが、とても良く似ている。まず適正距離が1200、馬体重が安定しない、不思議なことに一緒に走ると隣の枠になるなど興味深い兄弟ですね。1400では安土城Sでモズアスコットを破っているが、この時はスローバランスを内目からスムース、対してモズアスコットは後方から大きく外を回されてのもの、加えて連闘で安田記念に挑むローテーで仕上げ切っていなかったはず。1400では良くないことははっきりしていると思う。

1200ではラピスラズリSでモズスーパーフレアを差し切って1着、この時はモズスーパーフレアが北村友一騎手で平均バランスにしてしまったので、モズスーパーフレアのレースにはなっていなかったが、トップスピードの質はまぁまぁの物を見せた。オーシャンSではハイペースバランスを3着、上位2頭にはやや離されたが4着のペイシャフェリシタは押さえ切った、ペイシャフェリシタは内枠を引くとやたら好走する馬なのでこれを抑えきったのは高評価だと思う。この時は持続力は見せたので、体調さえ良ければ重賞でも十分好走できるだけのポテンシャルは持っている。問題はその体調で、馬体重が平気で10kg以上増減してしまう、これはお姉ちゃんのダイメイプリンセスも一緒で、厩舎に問題があって仕上げには不安がある。休み明けが良くないのも厩舎の問題が大きく、これもダイメイプリンセスと一緒。

2019年オーロCでは平均バランスで中段やや前から、トップスピードの質で見劣り凡走した。2019年京阪杯では平均バランスを中段やや前からだったが、直線早々に一杯になり凡走した、敗因がよく分からない負け方で今後が大いに不安になる敗戦だった。2020年大和Sでは初ダートで中段からだったが、重馬場で前が止まらず後ろからトップスピードの質で切れ負けして凡走。この負け方からも中途半端な戦法は合わないと思う。2020年名鉄杯では平均バランスを逃げて圧勝、2着がテーオージーニアスなので高評価。2020年オアシスSではハイペースバランスを逃げて凡走、L1で一杯になったので距離適性の問題だと思う。2020年栗東Sではハイペースバランスを先行して凡走した。

距離適性がはっきりした感じで、芝でもダートでも前半が33秒台のハイペースバランスになると、1200mまでという事なんだと思う。2020年大和Sなんかプラス18㎏だから、距離適性以前に走れる状態ではなかったはず。2020年函館SSではややハイペースバランスを2着、ダートで逃げ・先行をして行き脚が付いた感じでスムースに逃げられたし、2番手のダイアトニック豊騎手がプレッシャーを掛けなかったことも好走理由だと思う、元々これくらいやれれて当然だが仕上げが雑で安定感がない。2020年キーンランドCでは前走から2カ月強の間隔開けでマイナス14㎏、当然のように凡走した。2020年スプリンターズSではスタート出たが出して行かずに中段のやや後ろから、2走続けてマイナス14㎏で走れる状態ではなかった。

2020年カペラSではダートでバテ差し4着まで、スタート出たが前に行く素振りも見せずに、届かず4着という結果は残念。騎手が過去のこの馬のダート成績を見ていないのだろう、前に行かないと3着以内は難しいはず。2020年ギャラクシーSでは中段やや前からで3コーナー入り口で狭くなった、これでリズムを崩したのか直線全く伸びずに凡走、砂を被ると良くないのかもしれない。2021年カーバンクルSでは平均バランスを中段から、直線スムースに伸びて2着だった、この時は57㎏を背負っていて、1着のレジェ―ロが51㎏だったので高評価で良いと思う。2021年根岸Sではスタート出して行ったが中段の前から、直線スムースだったが砂を被った影響か伸びずに凡走した。

好材料はコース適性で、2019年のこのレースで3着、この時の1,2着がモズスーパーフレアとナックビーナスなので高評価で良いと思う。今回は芝替わり、この馬はダートから芝に替わると好走していて、2020年函館SS、2021年カーバンクルSと2回とも2着に好走。ダートで刺激が入るのか、2回とも好走しているのは偶然ではないはず。ハイペースバランス上等な馬だし、2走前に田辺騎手が中段から進めて2着しているので、同じように乗れればチャンスはあるはず。悪材料は特になく後ろからになると届かないことは、スプリンターズSで見せたので位置取りも分かっていると思うが・・・。

適性:松

<ヒロイックアゲイン>・心肺機能はやや高い、パワーはある、瞬発力は低い。

・トップスピードの質はやや低く、持続力はやや高い。

レース名 着順 内容
稲妻S 2着 平均バランスを中段やや後ろから、スムースに伸びたが2着まで、この時は1番枠だった。
北陸S 2着 平均バランスを中段の前から、3,4コーナー内目を回して直線スムースだったが2着まで。平均バランスで前に居たロードアクアに届かなかったので、トップスピードの質が低いことを見せた。
ルミエールAD 1着 ややハイペースバランスを逃げて押し切り、外枠の恩恵もあった。
2020年ラピスラズリS 6着 ハイペースバランスを中段から、3,4コーナー中目を回して直線スムースだったが6着まで、後ろから差されているのでトップスピードの質が低い事を見せた。坂で失速していないのでパワーは見せたし、バテてはいないので持続力も見せた。
2021年北九州短距離S 6着 ハイペースバランスを中段やや前から、3,4コーナー中目を回して直線狭くなって凡走。
総評
ルミエールADで条件戦をクリアしたが、この時は外枠から楽に逃げられてのもの。その後なぜか控えて中段辺りから進める謎騎乗で、トップスピードの質が高くないことを見せてしまった。福島の花見山特別でもハイペースバランスをバテ差しているが、L1が12.5なので持続力も高いとは言えない。いろんな能力が中途半端でこれといった取り柄がない感じ。

「オーシャンSへ向けて」好材料:コース適性。 悪材料:クラス負けの危険、騎手不安。

好材料はコース適性で2走前のラピスラズリSでは0.2差6着、中段からだったのでトップスピードの質で見劣ったが、バテているわけではないし坂でも失速していないので、コース適性は良い。悪材料はクラス負けの危険で、ルミエールADは勝ったがこのレースは1000直、特殊な条件なので1200の重賞で好走できるかは未知数。現状では騎手が未定だが、荻野極騎手の継続騎乗だとまた控えてしまう可能性があり、トップスピードの質で見劣る可能性が高い。

適性:梅