2019年京都大賞典 回顧。松若騎手は覚醒したかも。


まず馬場状態ですが予想の段階では高速馬場と想定しましたが、標準やや高速くらいでしたね。9Rの清滝特別1800m2勝クラスで1:47.3、レースの上り3F34.5、1着カリボールの上りが33.9でした。前日の長岡京Sの感じからすると、やや時計が掛かるようになったな~と感じました。一晩でこうも変わりますかね~土曜日に散水していますが、何時に散水したか書いていないので、もしかしたら散水の影響かも。それと土曜に比べて日曜は最高気温が2度ほど低いのでその影響もあったかもしれませんね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青は今回のレースラップ、赤は2017年の京都大賞典のラップです。

まず今回のラップはダンビュライトにとってはドストライクのラップになっていますね、前半の1000mが59.7秒、後半の1000mが59.3なのでほぼ平均バランスです。2017年の皐月賞3着の時がほぼ平均バランスで、自身も中段からだったのでわずかにスローバランス程度、これをL1バテ差しで3着に来ているので、まぁまぁの心肺機能と持続力が持ち味。これを引き出すために今回のラップを意図的に刻んだとしたら高評価、特にトップスピードの質が低いダンビュライトの特性を補うために、L4から11秒台に入れた部分。松若騎手は先週のモズスーパーフレアでも緩めずに逃げ粘ったので、覚醒した可能性があるかもしれませんね。もちろん京都外回りはL4から下りなので、偶々4F戦に出来た可能性はあります、ハッキリと覚醒したなと確信は出来ませんが、ちょっと期待して今後のレースを見たいと思います。

2017年のラップと非常によく似たラップになっていますが、3着以内馬の決まり手は全く違いますね、今回は先行-逃げ-捲り差し、2017年は追い込み-先行-捲り追い込み。こういうラップ推移では差・追込が決まりやすいのですが、今回はシルヴァンシャー以外はエタリオウが5着に来たくらいでした。このラップで掲示板にも乗れなかったグローリーヴェイズは、本番へ向けて黄色信号でしょうね。エアウィンザーは距離かな~。

こういうラップ推移にも拘わらず逃げ、先行馬がそのまま残っていることからも、今回のレースはレベルに疑問符が付きますね。休み明けが良くないダンビュライトが骨折明けで2着ですし、ドレッドノータスに至ってはローカル重賞でも好走歴がない馬ですからね~。ここで負けてしまった人気のグローリーヴェイズ、エアウィンザーは適性外のレースと休み明けの可能性を言い訳にできますが、それでも負け過ぎのような気がしますし、エタリオウに至ってはスタートの悪さを再認識させられただけのレースでした。

逃げたのはダンビュライトでした、外からレノヴァールが2番手、最内にドレッドノータスで外にグローリーヴェイズはやや掛かり気味。ノーブルマーズ、エアウィンザー、アドマイヤジャスタが中段の前から、チェスナットコート、クリンチャー、メートルダールが中段、シルヴァンシャー、パリンジェネシス、ウラヌスチャームが中段の後ろから。後方からリッジマン、アルバート、エタリオウという隊列。

スタートでパリンジェネシスが遅れてしまい、リカバリーもせずに中段以降からの競馬になりました(´;ω;`)、ダンビュライトが楽に逃げ体勢を築きレノヴァールが続きます、グローリーヴェイズはやや掛かり気味でレノヴァールの後ろに入れて何とか折り合わせました。ドレッドノータスは最高の位置取りでしたね。アドマイヤジャスタはいい位置を取れましたね、スタートが安定したのかもしれませんね。

シルヴァンシャーがやや後ろからでしたが、特に不利を受ける位置ではなくしっかり折り合っていましたね。エアウィンザーも理想的な位置取り、同じくノーブルマーズもいいポジションでした。エタリオウ、ウラヌスチャームはスタートが致命的ですね、どうしても後方からになってしまい、ポジションが取れないので届かないレースが続いています。

4コーナーから直線入り口です、ダンビュライトがペースを引き上げてドレッドノータスが内から続きます。レノヴァール、メートルダール、クリンチャーがこの辺りで苦しくなって行きました。ここで外からシルヴァンシャーがいい手応えで中段の前を確保、L4辺りから徐々に押し上げて前から3列目当たりの外を回してきました、とてもスムースな上がり方でした。

ウラヌスチャームは前にグローリーヴェイズとエアウィンザーが縦に並んでいたので、付いて行って伸びればという他力本願な考えだったかもしれませんね。まぁ実績上位の2頭ですから、頼りにして悪い訳ではないですが。エタリオウはここから外を回したので、スムースでしたが届きませんでしたね。

直線Ⅼ1標識付近です、ダンビュライトにドレッドノータスが並びかけるところですね、L1まで前のダンビュライトを使えたことも、ドレッドノータスには大きかったですね。ここでグローリーヴェイズの前をノーブルマーズがカットします、もちろんグローリーヴェイズの脚色が良くなかったので、問題になることはないと思いますが、ノーブルマーズの末脚にに見劣るグローリーヴェイズというのは心配ですね、たとえ休み明けを言い訳にしても印象の悪いレース内容でした。

外からスムースだったのがシルヴァンシャーでした、3,4コーナーで外を回した分だけ届きませんでしたね、元々トップスピードの質が高い方ではないので、今日の展開では最高の騎乗をしての3着という感じでした。エアウィンザーはL2標識辺りで一杯になっているので、2400mは長いと思います。

では1頭ずつ見て行きます。

1着はドレッドノータス、12番人気ですか~、ここで勝ち切るイメージは持てませんでしたね。ダンビュライトとよく似たタイプでトップスピードの質は低く、持続力が高い、心肺機能はやや低いという感じで、今回は全てが噛み合いましたね。4F戦にしてくれたことでトップスピードの質が問われなかったし、後ろからの馬が不甲斐なかったですから、今日は全てが上手く行ったと思います。この1着で今後に期待が持てるかと言われると・・・。

2着はダンビュライト、骨折休み明けで調教もあまり良くなかったので無印にしてしまいましたが、得意のラップ推移で2着と好走しましたね。今回はラップ推移が全てで、この馬の特性を最も引き出せるペースだったと思います。今回の騎乗がフロックでないなら、有馬記念で少し期待が持てます。

3着はシルヴァンシャー、この馬が中段からの捲り差しで3着に来てしまうレースなんですよね、この馬はトップスピードの質は大したことないので、本来であれば切れ負けしているはずなのに。もちろん浜中騎手が上手く乗ったのはあるんですよ、今回のレースでは松若騎手と同列のベスト騎乗だったと思います、それでもここで3着に来るんですから周りの馬の不甲斐なさが際立ちますね。

4着はノーブルマーズ、この馬が4着に来ていることも、このレースがいかにトップスピードの質を要求されなかったかを表していますね。この馬は上がり3F34秒台に入れるのがやっとの馬ですから、終始最内をロスなく通せたとは言え馬場と展開に恵まれましたね。

5着はエタリオウ、展開を考えれば上がり33秒台を使って追い込んでこなくてはいけない馬ですが、どうもダービー辺りがピークだった可能性が出てきましたね。スタートも改善しないので、今後も届かないレースが続きそうです。

6着はグローリーヴェイズ、L1標識辺りでノーブルマーズにカットされるなど、全くらしさが無かったですね。距離は日経新春杯を勝っているコースだし、休み明けでも走るのは天皇賞(春)で見せていますから、何が原因なのか分かりかねます。スタート後にやや掛かったことが原因だとしたら、外枠に敗因を求められますが、それだけでここまで負けるとは・・・。日経新春杯や天皇賞(春)のラップ推移から見ると、中緩みがあった方が良いのかもしれませんね、こういう澱みの無いラップ推移を先行してしまうと心肺機能が持たないのかもしれません。

エアウィンザーはL2標識付近で一杯になっていたので、2400mは長かったのかもしれませんね。パリンジェネシスは逃げられなかったことが全てで、巻き返しは可能だと思います。アドマイヤジャスタも前半はゆったり入った方が良いタイプかな~。

馬券の方は大外れでした、逃げ予想のパリンジェネシスが出遅れ、保険のグローリーヴェイズはGⅠ2着馬とは思えない体たらくでしたし、ノーマークのドレッドノータスに勝たれてしまっては、もう完敗です。