2021年大阪杯 回顧。道悪適性だけではない、レイパパレの驚異的能力。


走破時計2:01.6    1000m通過59.8ハイペースバランス    上り3F36.8   

まずは馬場状態ですが重馬場でした、お昼過ぎから雨が降り始め、レース時間には本降りでした(ここまで先週と同じ文面)。かなり降っていて重馬場まで悪化しただけでなく、直線は外の方が伸びる馬場に変化してしまいました。レイパパレが直線外目に出したし、2着のモズベッロが外からでしたので、馬場の差は大きかったですね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。クリックで大きくなります。青は今回、赤は2020年宝塚記念のグラフです。

モズベッロが2着に来ていますから、そうです消耗戦です。L1のラップは13.1まで落ちていて、コントレイルとグランアレグリアは一杯になってしまいました。それに対して2020年宝塚記念でも消耗戦をバテ差したモズベッロは、ここでも驚異的な持続力を発揮して上位人気2頭を差し切りました。モズベッロは11秒台前半のラップを踏まずに済みましたし、スピード不足を補えましたね。特に4コーナーでコントレイルの2馬身程後ろまで上がったことは高評価で、池添騎手がコントレイルの押し上げに付いて行ったこと、これが大きな好走要因だと思います。

圧勝したレイパパレは重馬場適性が注目されそうですが、それと同じくらい注目すべきは心肺機能の高さ。まず重馬場適性ですが、L2で11.6を叩き出して出し抜きていますから、重馬場適性がなければこの加速は出来ませんね。この加速に対応できた馬は居ませんでした、モズベッロですらL2ではコントレイルとグランアレグリアに並ぶのが精一杯。これ程の重馬場でもただ1頭11.6を叩き出せるのは、スピードだけでなく高い道悪適性がなければできない芸当ですね。

心肺機能の高さはこの馬場でハイペースバランスを逃げて押し切り、前半59.8と馬場を考えればかなり速いペースで、ハッピーグリンは除きますが、前に居たワグネリアンがL3手前で一杯、サリオスも馬場の悪い内を回しましたがL1で一杯になりました。ラップグラフを見ていただければわかりますが、これだけのハイペースバランスにも拘わらず減速戦ではなく、L2最速戦にしてしまうところがレイパパレの心肺機能の高さですね。

逃げたのはレイパパレ、2番手からハッピーグリン、2馬身程間隔を空けて内にサリオス、外にワグネリアンまでが先行勢。ここから2馬身程空けて中段の前からグランアレグリア、ここから3馬身程空けてクレッシェンドラヴ、アドマイヤビルゴが中段から。中段やや後ろからアーデントリ―、コントレイル、中段の後ろからモズベッロ。後方からカデナ、ブラヴァス、ペルシアンナイトという並びでした。

逃げたのはレイパパレ、スタートでやや寄れて遅れましたが、すかさずリカバリーして逃げ態勢、ハッピーグリンが馬場の影響か行き脚がイマイチだったので、楽にリカバリーできましたね。ペースは上記の通りハイペースバランス、前走のチャレンジCではスローバランスで2番手から掛かっていました、重馬場だったこととマイペースで行けたことで折合いも付いていたし、心肺機能の高さからこのペースでもL2で再加速していますから、能力の高さを見せつけましたね。終始内から2頭分空けて走っていましたし、川田騎手の馬場読みも抜群でした。新馬戦と1勝クラスで平均バランスを勝ち切っているので、心肺機能の高さを川田騎手が把握していたのでしょう、この辺りは新馬戦から継続騎乗したことの好影響ですね。

モズベッロは中段の後ろから、最後方ではなかったことと、コントレイルを見る位置だったことは良かったですね。サリオスは最内を先行、結果的に終始馬場の悪い部分を走っていました。ブラヴァスはスタート五分でしたが、出して行く素振りも見せずに後方から、ペルシアンナイトも行き脚が付かずに後方になってしまいました。

コントレイルは中段やや後ろから、この位置取りはどうなんでしょうね、スタートは五分に出ていますし、もう少し前のポジションは取れたはずなので、福永騎手の判断ミスだったのかも。グランアレグリアはスタート五分から、先行勢を見る位置で中段の前でした。特に促して前に行ったわけでもないので、この馬場でも走りにくい感じではなかったですね。ただハイペースバランスを前に行った位置取りはどうでしょう、ルメール騎手ならペースが速いことは感じたはずで、いつものルメール騎手ならジリジリ下げて行ったかも。この辺がお昼から急に雨が降ってきた影響でしょうかね~。

4コーナーです、レイパパレが先頭で内から2頭目あたり、この辺りではハッピーグリンとワグネリアンが一杯になり後退、2番手はサリオスで最内を回していました。グランアレグリアが外目からサリオスに並びかけ、コントレイルがその外から上がってきました。3コーナー手前からコントレイルと一緒に上がったのがモズベッロ、4コーナーで前を射程圏に入れていましたね。コントレイルが動いた時に一緒に上がったことが、モズベッロ好走の要因だと思うので、池添騎手の好判断ですね。

直線L1標識付近です、レイパパレがL2で11.6を叩き出して出し抜き、ここで勝負を決める3馬身程の差を付けました。レイパパレは馬場を見てかなり外目に出しています、対してサリオスは最内を走っていたので、馬場差はかなりあったと思います。ここからは上り坂ですが、更に差を広げているのでパワーも高いですね。コントレイルがグランアレグリアに並んだところで、外からモズベッロが急襲、L1のレースラップは13.1ですから、バテ差しが決まりましたね。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はレイパパレ、心肺機能、パワー、持続力の高さに加えて道悪適性も見せての圧勝、クロノジェネシスとの対戦が楽しみになりました。重馬場専用機ではなく、持っているスピード能力はチャレンジCで見せているので、良馬場でもすんなり逃げたら止まらないでしょうね。小柄な馬なので使い減りしないかどうかが心配で、お兄ちゃんは足元の問題を抱えていましたから、今後も大事に使って欲しいですね。

2着はモズベッロ、重馬場だけでなくハイペースバランスの消耗戦になったことが大きかった、そういう意味ではレイパパレに感謝ですね。もちろんコントレイルを追いかけて3コーナー手前から上がった、池添騎手の好判断も光りました。道悪で消耗戦という適性の幅が狭いので、ピンポイントで嵌った時は買わないといけませんね。

3着はコントレイル、さすがにこの馬場では苦しかった感じですね。ただこの馬は消耗戦で周りが苦しくなった時にこそ本領を発揮するタイプ、休み明けでプラス16㎏も良くなかったのかも。ディープインパクト産駒ですし、2,3歳時に消耗してしまったのかもしれないので、古馬になって苦戦するかもしれませんね。

4着はグランアレグリア、さすがにこの馬場で中段の前に行って、ハイペースバランスでは苦しくなりました。距離は2000m持ちますね、この馬場でも4着に残っているので、良馬場なら対応できると思います。急な重馬場でルメール騎手もペース認識にズレが出た感じで、グランアレグリアの良さが出なかったので、今回は度外視して良いと思います。

5着はサリオス、終始馬場の悪い最内を走っていましたし、重馬場も良くないですね。それでもL1まで踏ん張っていたので、グランアレグリアと同じで2000mまでは持ちそうです、もちろん良馬場なら。スタートは良かったので、松山騎手とのコンビならと言うか、ミルコ以外ならスタート不安は考えなくて良さそうです。

ワグネリアンは喉鳴りの手術後2走目でしたが、この着順だと力負けと言って良いでしょう。ブラヴァスはキンカメ産駒の蓄積疲労ですかね~。

馬券の方はグランアレグリアが4着でハズレ、レースの予想だけでなくお天気の予想を上手くならないと・・・。来週は阪神牝馬Sと桜花賞の予定です。