2023年オールカマー 回顧。敗因は?

走破時計2:012.0    前半1000m 61.1  上がり3F 35.5

まずは馬場状態ですが良馬場でした、朝の時点では稍重でしたが、7Rから良馬場に回復。9Rの木更津特別が2勝クラスのマイル戦で1:33.8、平均バランスだったので上がり3Fは速くありませんが、走破時計はやや高速馬場に入ってきた感じで、急速に回復していました。オールカマーでも後半に入って11秒台の半ばを連発していて、速いラップを連発できるスピード型の馬に優位な馬場だったと思います。加えてCコース替りで内優位、内から2頭目を回した馬が上位に来ていました。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は昨年の宝塚記念、緑は今年の日経賞、黒は昨年の日経賞のグラフです。

まず今回のグラフで目立つのはL5から11秒台の半ばを連発していること、馬場を考えると前半が遅く、スピードを持っているタイプにとっては良い展開でした。それがディープ産駒の3着ゼッフィーロ、クロフネ産駒の4着のマリアエレーナですね。1着のローシャムパークもお父さんがハービンジャー、この馬はキングジョージ6世&クイーンエリザベスSで2着のケープブランコに11馬身差、コースレコード叩き出すスピードを見せています。このスピード持続力をローシャムパークは良く受け継いでいる感じですね。

タイトルホルダーですが、まず前半大事に行き過ぎた感じがありますね。これは前走の故障明けということと、稍重表記から良馬場に替わった馬場で、横山和騎手の馬場読みが甘かった可能性もありますね。12秒台半ばに緩めたところで、ハヤヤッコの捲りを許してしまいましたから、中段以降の馬に楽をさせてしまった感じ。

もう1点考えられるのは故障明けで本調子でなかったこと、これは当然考えられる点で、目標は先なので100%に仕上げなかった。この可能性は十分考えられますが、それでも相手関係を考えると物足りないですね。1㎏あげていたとはいえマリアエレーナと同タイムですから、今後に不安があります。

タイトルホルダーは速いラップで勝負するタイプではなく、パワーと持続力で押し切るタイプですね。好走する時は12秒台から11秒台の後半で押し切っています。昨年の日経賞はL2で11.2を叩き出して出し抜いていますが、その前後のラップは11秒台の後半なので、L5から11.5を連発させられたことで、足が一杯になってしまった感じですね。ダービーの時がL5から11秒台に入り凡走したので、スピード勝負は向いていない感じ。この感じだと良馬場のジャパンCは適性的に合わないと思います。

逃げたのはタイトルホルダー、やや離れてノースブリッジとガイアフォースが中段のやや前でした。ノースブリッジはスタートやや早く、内に切り込んで最内を取れました。ローシャムパークはスタート五分で中段のやや前、ウインマリリンがスタートやや早く前に行きました。マテンロウレオとマリアエレーナが中段で、中段のやや後ろの最内でロスなく乗ったのがゼッフィーロ。その外にジェラルディーナ。

ハヤヤッコは初手で中段の後ろ、スタートがやや遅く二の足もやや遅かったですね。5F目に入って外から捲って行き、先頭に並びかけたところでペースが上がりました。

4コーナーです、ここで内から2頭目を回すか、その外を回すかで命運が分かれました。ガイアフォースは内から3頭目、そのすぐ後ろに居たローシャムパークは内から2頭目。ゼッフィーロとマリアエレーナも内から2頭目でした。特にゼッフィーロは最内を回して、ギリギリまで前のウインマリリンを風除けに使う好騎乗でした。

直線L1標識付近です、タイトルホルダーが先頭ですが、内からノースブリッジ、外からローシャムパークが並びかけてきます。ハヤヤッコ、ウインマリリンが一杯になり、その後ろからゼッフィーロとマリアエレーナがスムースに伸びてきます。ここからノースブリッジが垂れてしまいます、これは休み明けでプラス12㎏だった影響でしょうね。

外からスムースにローシャムパークが差し切り、ガイアフォースが伸びなくなったところを、ゼッフィーロとマリアエレーナが差し込んできて3,4着。ジェラルディーナは伸びては来ましたが、届かず5着でした。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はローシャムパーク、ハービンジャー産駒の良さが存分に発揮された感じの勝ち方で、トップスピードの持続力が非常に高いですね。勿論キレッキレのトップスピードの質を持っているわけではないので、府中では切れ負けする可能性があります。むらさき賞でもスローからの3F戦で自身の上り3F33.3、重賞なら32秒台を出さないと勝負にならないと思うので、条件を選びそうですね。

2着はタイトルホルダー、前走の競走中止で今回は慎重になったということでしょうね。

3着はゼッフィーロ、スピード持続力勝負になったことと、最内を上手く回したことでの好走。まずスピード持続力は前走の目黒記念で見せていますね、これはディープ産駒らしい特徴が出ている。加えてこのコースを得意としている戸崎騎手の好騎乗、この2つが噛み合っての好走だと思います。

4着はマリアエレーナ、距離が長いかなと思いましたが、前半前に行かなかったことと、スローだったことで足が溜まりましたね。これでクロフネ産駒特有のスピード持続力を発揮して好走したんだと思います。ソダシやアエロリットも瞬発力と、キレッキレのトップスピードの質を求められない時に好走するので、今回は展開が合いましたね。

5着はガイアフォース、L3標識から前に居たハヤヤッコの外に出したこと、これが影響したんでしょうね。9Rの木更津特別でも上4頭は内から2頭目を回していたので、騎手の判断ミスでしょう。今回は休み明けで、外厩が追分Fリリーバレだったので不安がありました。ここが勝負レースではないし、100%の仕上げではなかったはずで、この仕上げとコース取りの2つが敗因でしょうね。

ジェラルディーナは6着、この馬も3,4コーナーで内から3頭目を回していたので、騎手不安が出ましたね。心配なのはマテンロウレオ、向正面で手綱を引いているので、中緩みでペースが落ちた時にスピードを上手くコントロールできなかった感じですね。

馬券の方はハズレ、普通に走れば勝つと思ったタイトルホルダーすら2着ですから完敗です。次回はスプリンターズSの予定です。

コメント

  1. そだしれいなす より:

    こんばんは。お疲れ様です。なんやかんや騎手という感じも。戸崎様ァァッ!
    タイトルホルダーは個人的には様子見したと思いますが脅威の粘りは見せてくれたように思います。1000m61秒台は今までにない遅さですしねえ。でもその本番でもやらかすのが最近の横山家のような気がするんですね。すべての因縁は2021ダービーのF4から始まった……(´・ω・`)ノカナ
    ジェラルディーナは鞍上が違ったら、という内容でした。ゴール直前直後に伸びてました(´;ω;`)マリリンもどうも有終の美に向けていく雰囲気ですね。。
    ハヤヤッコは人気がないからか、捲りであっと言わせたところもありましたが、願わくば同じような色のマリアエレーナと場所を入れ替わってほしかったですw

    ところで菊花賞の候補として教えていただいた、ウインオーディンはかなり面白いのではなかろうかと思っています。この馬もひっそりラスト1F、G後に伸びまくってましたね。出られたとしたら三浦くん、最後のチャンスやぞ!!