2023年関屋記念 回顧。戸崎騎手の好騎乗。

走破時計1:32.1    前半800m 46.5  上がり3F 33.8

まずは馬場状態ですが良馬場でした、土曜日に散水していますが気温が高いの乾きましたね、クッション値も上がってもう少しでやや硬めに入る程。走破時計からは標準的なタイムでしたが、ややスローで中緩みもあったので、速い上がりが出ています。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。

スタートから2F目は10秒台に入っていますが、そこからは中緩みが出来て12.0までラップが落ちました。通常なら中緩みで押し上げれば、後方勢も届くのですが、押し上げる馬が居なかったので、中段よりも後ろの馬は出番なしでした。

このスローペースの要因はノルカソルカの二の足の遅さですね、小林騎手も押して押して出ムチも入れていましたが、あっさりロータスランドに前をカットされて後退、内からコンシリエーレが主張して逃げ体勢に持ち込み、ペースが落ち着いてしまいましたね。3コーナーでセルバーグが先頭に立ち、後続に3馬身位差を開きましたが、ここでもペースが上がていないので、中段よりも前に居た馬は相当楽でした。

ロータスランドが垂れたのはⅬ1標識からで、この馬は先行するとⅬ1が12秒台に入らないと切れ負け、後方で足を溜めればL1まで持つというタイプ。今回はⅬ1が11.6なので、トップスピードの質を持続力する能力で見劣りましたね。逆にこのトップスピードの質を持続する能力で勝ち切ったのがアヴェラーレ、L1標識まで前が壁になっていますが、レースラップがL3から11.1-11.1と流れているので、自身はブレーキしているわけではない。なのでアヴェラーレは11.0くらいのラップを3連発した感じで差し切りましたね。

スタートは全馬五分に出ていますが、二の足で遅かったのはアナザーリリック、そして展開のカギを握っていたノルカソルカ。このために前半がスローになりましたね。意外にと言っては失礼ですがディヴィ―ナが良いスタートで、展開を考えると好走の要因はこの好スタートですね。

逃げたのはコンシリエーレ、並んで逃げたセルバーグが3コーナーで単独先頭。スタート良かったロータスランドが引いて3番手、その内にディヴィ―ナでこの2頭は先行。中段の前からララクリスティーヌ、外からラインベック。中段のやや前からアヴェラーレ、ノルカソルカ。中段からフォルコメン、カワキタレブリー、中段のやや後ろからフィアスプライド、フラーズダルム、ミッキーブリランテ、メイショウシンタケ。中段の後ろからビューティフルデイ、後方からサクラトゥジュール、アナザーリリックという並びでした。

3,4コーナーで中緩みが出来ましたが押し上げる馬は居ませんでした。後方勢が中緩みで押し上げれば届くのですが、カワキタレブリー菱田、ミッキーブリランテ和田、メイショウシンタケ浜中、サクラトゥジュール田辺騎手は動けるポジションにいましたが動かず。このコースは直線が長いのですが、平坦で前半が遅いと届かないんですよね。

直線L3標識付近です、3,4コーナーでは隊列に大きな変化はなく、セルバーグが3コーナーで単騎先頭に立ち、後続に3馬身位のリードを築きました。隊列に変化なく直線に入ってきて、外へは広がりませんでした。この辺りは加速してL3区間に入って行くので、各馬スムースでした。

直線L1標識付近です、セルバーグが苦しくなりディヴィ―ナが抜け出し、アヴェラーレはララクリスティーヌが下がったスペースを使ってコースを作りました。L3から流れていたので、ブレーキしたわけではなく、瞬発力は問われていません。外からはフィアスプライド、メイショウシンタケが伸びてきますが、ジリジリまでです。

ここからディヴィ―ナが押し切ろうというところを、コースが空いてて猛然とアヴェラーレが伸びて、と言うか加速はしていないがL2のスピードを維持して差し切りましたね。ラインベックもアヴェラーレのトップスピード持続力に見劣りましたが、こちらはしっかり粘って僅差の3着でした。フィアスプライド、メイショウシンタケ、サクラトゥジュールは外を選択して伸びきれず、馬場状態は内優位でしたね。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はアヴェラーレ、スタートも良かったし下げずに中段を取れたことが大きかったですね。しかも内の方が伸びる馬場で、変に外に出さなかった戸崎騎手の好騎乗でした。10Rでも内で我慢して差し切っていたので、戸崎騎手は馬場を読み切っていましたね。アヴェラーレは前走の京王杯SCで脚を余す感じの負け方をしていました、直線入り口の加速でレッドモンレーヴに見劣りましたが、トップスピードの質と持続力ではこちらが上でした。今回は中段からになり、しかもL3から流れていたので瞬発力が問われず、L1までしっかりトップスピードを持続しての差しきりでした。

2着はディヴィ―ナ、ここでスタート決めてきますか~、初手の位置取りを見て驚きました。実質スローからの3F戦で前に行ったこの馬には願ったりもない展開、スムースに抜け出しましたが、アヴェラーレのトップスピードの質に見劣りましたね。持続力は見せているので、今後も前に行ければ成績は安定しそうですが、ミルコのスタートは安定しないので全幅の信頼は置きにくいですね。

3着はラインベック、中段の前からいつも通りのレースで、持続力を生かしての差し込みという感じですね。アヴェラーレと比べると、ハッキリとトップスピードの質で見劣ったので、もう少し前でレースをした方がいいんでしょうね。

4着はフィアスプライド、初手の位置取りがやや後ろになりましたね。最後は悪くない伸びでしたが、内の方が良かったので伸びきれませんでした。L2区間でややフラフラしているので、鞍上の安定感が良くないのかもしれません。

5着はメイショウシンタケ、上がり3Fは最速タイで32.8、初手の位置取りと直線のコース取りに尽きますね。展開的に後ろからでは苦しい中、良く伸びたと思います。

ララクリスティーヌは9着、ディヴィ―ナがコンシリエーレとロータスランドの間を抉じ開けた煽りで、ロータスランドが外に流れて狭くなりましたね。ヴィクトリアMでも狭くなりリズムを崩していたので、揉まれると怯んでしまうのかもしれません。

馬券の方は的中、ラインベックが来てくれたので悪くない配当でした。欲を言えばフィアスプライドが来てくれれば良かったのですが・・・。次回は札幌記念の予定です。

コメント

  1. そだしれいなす より:

    みやや先生!流石です!後半戦の幸先の良さ、あと推し馬除外にも関わらず展開を読み切れたこと感服です!

    私は今回はセルバーグ師匠とララクリ頭からの勝負に出ましたが、20点だったので致命傷で済みました。フィアスプライドは怖かったですが消し馬は来てないのでまだセーフ?

    大きいのを当てたいのですがコツコツ複勝がいい気がしてスタイルに悩みます笑
    札幌記念は実戦型調教師、藤岡騎手が育てたもう一頭、プログノーシスとオッズ的にソーヴァリアントに期待!?
    しかしウルトラG2、推しが多すぎてひねくれて爆死する予感(´・ω・`)

    • みやや より:

      そだしさん、こんばんは。
      ありがとうございます、なんとかアヴェラーレが来てくれたし、ラインベックが来てくれたのが大きいですね。
      ルメール騎手がエターナルタイムで出走してたら、アヴェラーレのコースを塞いでいたんじゃないかと思います。
      ソーヴァリアントは体調面なのか、精神面なのか立て直しが必要ですよね。
      昨年の天皇賞(秋)でダノンベルーガに印打っているので、もう我らがダノンベルーガと言って良いかと思います。
      マリリンと一緒に”我らが馬券”になって欲しいです。