2021年エプソムC 回顧。中緩みのない展開でトップスピードの質が問われず。

走破時計1:45.1    前半1000m58.8     上り3F34.9  

まずは馬場状態ですが良馬場でした、含水率はさらに下がり10.6%と10.9%でした。6Rの未勝利戦がマイルで1:33.6、ハイペースバランスで上がり最速は1着のトーセンメラニーで34.7、やや内目から抜け出してきましたね。8Rは1勝クラスの2000mで1:59.0、上がり最速は2着のガンダルフで33.5でした。この2レースを見ると馬場は標準と見て良いと思います。2時過ぎころから雨が降り始めて3時過ぎまで降っていました。ただ府中のアメダスには降雨の記録がないので、馬場に影響する程の雨ではなかったと思いますが・・・。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。

グラフを見ると分かるように中緩みのない展開でしたね、馬場を考えると上りが掛かっていて、上がり最速はサトノフラッグで34.3も掛かっています。前後半では47.0-46.3とややスロバランスだったことを考えると、中緩みがなかったことでL2から減速してしまったのでしょう。

サトノフラッグは前半は中段の後ろからで無理をしていませんね、瞬発力とトップスピードの質、心肺機能も低いが持続力は高い、今回のレースからサトノフラッグの特性としてはこんなイメージが固まりました。L3で前との差を詰めていますが、L4から加速ラップだったので、瞬発力が問われなかったんですね。それでも今回のL3は11.1なので、トップスピードの質も見せているんですよね~。妹ちゃんに刺激されて覚醒しましたかね~。

アルジャンナはL2標識で手応えが悪くなりました、前走のマイラーズCではゴールまでしっかりだったので距離ではないと思います。マイラーズCでは離れた追走集団からですから、正確なラップは不明ですが恐らく前半は無理をしていないと思います。今回は中段の前に居て中緩みがなかったことで、息が入らなかったことが敗因でしょうね。

逃げたのはエアアルマス、2番手にアトミックフォース、3番手に内からセダブリランテス、ニシノデイジーでここまでが先行勢。中段の前からヤシャマル、アルジャンナ、中段のやや前からマイラプソディ、中段からガロアクリーク、ヴェロックス。中段やや後ろからザダル、ヒュミドール、中段の後ろからファルコニア、サトノフラッグ、アドマイヤビルゴ、シュリ。後方からミラアイトーン、ワンダープチュック、プレシャスブルーという並びでした。

まず出遅れたのがミラアイトーンで後ろから、シュリは2完歩目で躓いたようで二の足が付かず、そのあとリカバリーして上がって行きました。ファルコニアもタイミングが合わなかった感じで中段の後ろからになりました。スタート良かったのはエアアルマスでそのまま逃げ体勢、外からアトミックフォースが上がってきますが控えて2番手、スタート五分だったニシノデイジーが押して押して前に行きました。

アルジャンナとヤシャマルは中段の前で、アルジャンナのルメール騎手は手を動かして前に行きましたね。この辺り前走届かなかったので、それを踏まえての位置取りでしょうか。ザダルは中段やや後ろからスムース、サトノフラッグも中段の後ろからでスムースでした。マイラプソディとヴェロックスは内からスムースで、コースロスがなかったので着順を考えると印象が悪いですね。

4コーナーです、意外だったのがこの地点で、中緩みがなかったにもかかわらず馬群が凝縮していました。L4が11.4ですからここで勢いが付いた感じで、L3が11.1でした。馬場が変化していた感じで、外は良くなかったですね、ガロアクリークよりも外を回した馬は苦しくなりました。ファルコニアが最内を回して中段の前に取り付きました。

直線L2標識付近です、4コーナーから直線入り口でファルコニアが内から前に取り付き、エアアルマスとアトミックフォースに並びます。ザダルはヤシャマルの外に出してスムース、サトノフラッグは中目に進路を取りスムースでした。アドマイヤビルゴはザダルの後ろから、シュリ、ワンダープチュック、ミラアイトーン、プレシャスブルーは外からでした。ヴェロックス、マイラプソディはファルコニアに内を掬われる形で、L3の11.1でスピード負けした感じですね。

直線L1標識付近です、ザダルが先頭に出て内へ寄れて行きます、これでアトミックフォースとの間が狭くなり、サトノフラッグが一瞬ブレーキ、減速区間に入っていたので大きな不利ではないと思いますが、スムースさを欠いたのは痛かったですね。内から抜け出してきたファルコニアが3着に粘り、ヴェロックスがゴール前差を詰めて頭差くらいで4着でした。アトミックフォースが5着に粘っていることから、今回はトップスピードの質が問われなかったのでしょう。アドマイヤビルゴはジリジリまでで7着と、斤量の影響ですかね~。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はザダル、中段やや後ろから長くいい脚を使ってきましたね、関越Sを勝った時が長くいい脚を使っての差しきりだったので、前半無理をせずに後半のロンスパに持ち込んでの快勝だったと思います。メイSとの比較では馬場が今回の方が重かったはず、メイSの時は減速がL1でしたが、今回はL2から減速していますからね。トーセンラーの産駒らしくトップスピードの質はやや高いが、持続力が非常に高いという特徴を見せました。8カ月ぶりでしたが隠れノーザンでしっかり仕上がっていましたね。

2着はサトノフラッグ、意外と言っては失礼ですが2着は驚きました、この馬が2着に来ているのでやはりトップスピードの質は問われない展開だったのでしょう、長くいい脚を使えるのは弥生賞で見せていますから展開が嵌りましたね。前半無理をせずに4Fくらいのショート捲りに行くのが良さそう。

3着はファルコニア、3,4コーナー最内を回して距離ロス0にして前に取り付きました、中緩みがなかったことで折り合いも付いたし、条件が上がって良さが出るタイプですね。前走の難波Sはスローからの3戦だったので、今回は持続力で若干見劣った感じですね、ゴール前ではヴェロックスにも差を詰められているので、重賞を勝つにはもう一工夫必要でしょうね。

4着がヴェロックス、この馬も内からロスなく乗っての4着なので、持続力は見せていますが、3,4コーナーで中目を回している馬に対しては、トップスピードの質で見劣っていますね。57㎏だったのでよく頑張った方だと思います。

5着はアトミックフォース、エアアルマスに感謝ですね。中緩みのない展開で持続力の高さを生かせましたが、トップスピードの質で見劣ったので、重賞ではちょっと足りない感じですね。

馬券の方は馬連だけ、いい配当だったのでこれで良しとします。来週はお休みで次回は宝塚記念の予定です。