2023年日経賞 回顧。強気な騎乗で本領発揮。

走破時計2:36.8    前半1000m62.8   上がり3F 36.8

まずは馬場状態ですが不良馬場でした、走破時計2:36.8は稍重だった昨年よりも1.4秒も遅く、上がり3Fは2.1秒も遅かった。ここまで馬場が悪化すると力関係ではなく、不良馬場への適性がモロに出た感じですね。

上のグラフはラップタイムをグラフにしたものです、レース映像と見比べると面白いと思います。ラップタイムがマイナスになっているのはグラフ製作上の都合ですのでお気になさらずに。青は今回、赤は2022年日経賞、緑は2022年宝塚記念のグラフです。

タイトルホルダーが圧勝しました、昨年のこのレースでは休み明けで、1㎏あげていたボッケリーニに0.1秒クビ差の辛勝でした。ところが今回は同じ休み明けで、2着ボッケリーニに同じく1㎏あげていて1.3秒8馬身差と圧勝しました。青と赤グラフを見比べると、馬場の違いはありますがとにかく今回は時計が掛かっている。緑のグラフは昨年の宝塚記念のグラフで、タイトルホルダーが圧勝したレース。この時も時計が掛かり、上がり3F36.3。2F目から3F目の10.4-11.0で自身は緩めて速いラップを回避、5F目の11.6でも前のパンサラッサとの間隔が空いているので、恐らく11.9くらいのはず。なので2,3F目以外は11秒台の前半を踏んでいないんですね。ところが昨年の日経賞ではL2で11.2を踏んで辛勝、これがこの馬の弱点ですね。速いラップを踏めなくはないが、決して得意ではなくすぐに脚に来る感じ。逆に11秒台の後半ならどこまでも持続する、馬場が重くなった方が良いタイプですね。

ボッケリーニは昨年に引き続き2着に好走、キンカメ産駒で7歳なので当然トップスピードの質は期待できません、それが如実に表れたのが昨年のジャパンCですね。今回は不良馬場でトップスピードの質が問われず、パワーと持続力で2着に持ってきました。

逃げたのはタイトルホルダーでした、スタート五分に出て押して先手を主張、横山和騎手の強気な騎乗でしたね。こういう馬場への適性に自信を持っているような積極性でした。ディアスティマは逃げ争いに行かず2番手、最初の3,4コーナーは内から2頭目で、1周目のスタンド前では内から4頭目辺りを通していました。北村友騎手が馬場の良い部分を狙っていた感じで、再度1,2コーナーでは内目を通し、向正面でも若干外に出していました。スタートの良かったマカオンドールとヒートオンビートが中段のやや前、その後ろにボッケリーニが内目に入れてスムース。浜中騎手はロスなくスムースな競馬をしていました。

スタートが良くなかったのはアスクビクターモア、ゲート内で煩く出遅れてしまいました。返し馬でも走りずらそうで、こういう馬場は適性外ではないでしょうか。ライラックもゲートが遅く後ろから、出なかっただけでなく二の足も遅かったので、どうしても後ろからになってしまいますね。

4コーナーです、タイトルホルダーが先頭で、2番手にディアスティマ。キングオブドラゴンとカントルが苦しくなったところで、ヒートオンビートが先に捲り上がりました。ここで一呼吸置いていたのがボッケリーニ、L3標識よりも前で仕掛けたヒートオンビートに対して、ボッケリーニはギリギリまで内で我慢して、L3標識を過ぎてからスムースに外に出しながらのショート捲りでした。ライラックは外から距離ロスが大きかったですね。

直線L1標識付近です、L2区間で11.9を出してタイトルホルダーが出し抜きます。ディアスティマはこれに対応できませんでした。外から捲り上がってきたボッケリーニは、この出し抜きに対応していますね、距離ロスがあったので離されましたが、反応は悪くなかったと思います。

ここからタイトルホルダーが押し切り圧勝、外からボッケリーニが伸びて2着。ディアスティマが粘って3着、L2でタイトルホルダーに離されていますが、Ⅼ1ではしっかり粘っているので、この馬場で11.9には対応できないということですね。ライラックが伸びてきましたが、0.1差届かず4着でした。初手でポジションが取れないので、どうしても届かないんですよね。

では1頭ずつ見ていきます。

1着はタイトルホルダー、有馬記念は2年連続で外枠なので度外視、今回は同じコースで内枠だったので、横山和騎手の積極的な騎乗が嵌りましたね。これが本来の力だと思うので、良馬場でも上がりが掛かる展開なら凡走の不安はないと思います。

2着はボッケリーニ、浜中騎手がロスなく乗りましたね。キンカメ産駒で7歳なので、トップスピードの質ではなくパワーと持続力を生かして好走しました。ジャパンCが良くなかったように、今後もトップスピードの質が問われない展開で期待できそう。

3着はディアスティマ、ディープインパクト産駒なんですが、スピード型ではなくパワーと持続力を生かしたいタイプ。今回の条件にドンピシャに嵌りましたね。北村友騎手のコース取りも好走要因だと思います。

4着はライラック、課題はスタートです。後ろからになると外を回されて距離ロスもあるし、展開待ちになるので成績は安定しませんね。今回は平均バランスで届かなかったので、このクラスになると更に消耗戦で前が潰れないと苦しいですね。

5着はマカオンドール、長休明けでプラス12㎏ですからライラックと同タイムが立派ですね。なによりスタートが良かったことが大きな収穫で、この馬もトップスピードの質は期待できないので、前で勝負できるようになるのは今後に向けて楽しみです。

アスクビクターモアは9着、ゲート内で煩かったし、勝負どころでも進んで行きませんでしたね。休み明けの影響もあったはずですが、それ以上に馬場適性が出た感じで、返し馬から走り辛そうでした。良馬場で見直しですね。

馬券の方は的中、久々にまともな的中が出来ました。

コメント

  1. アラシヤマ より:

    タイトルホルダーは阪神で成績あげてますけど、やっぱり輸送が超苦手らしいです。
    フランスに行く時も実は鎮静剤を打たなければ行けないくらい馬が入れ込んだらしいですね。そのリカバリーが出来ず有馬大敗。古馬になる前は関東圏の輸送ですら酷かったらしいです。
    天皇賞では人気の一角でしょうけど、陣営の不安はまだ残るでしょうね。

    • みやや より:

      アラシヤマさん、こんばんは。
      輸送苦手なんですね、菊花賞、天皇賞(春)、宝塚記念と勝っているので、そんなイメージがなかったです。
      ギリギリの状態で輸送してたのかもしれませんね。輸送に不安があるなら、1週前に輸送するかもしれませんね。